Kingink

映画評

「ボーダーライン」鑑賞

原題はメキシコで暗殺者を意味する「Sicario」。4月に日本公開ということで感想を簡潔に: ・FBIの女性エージェントがメキシコ国境を舞台にした麻薬戦争の対処に志願するが、その闇に巻き込まれていくというあらすじ。 ・エミリー・ブラント演じるエージェントは当初こそ敏腕であることが強調されるものの、国防省のエージェントからはろくな情報を与えられず、法律的にグレー(というかブラック)な範囲で行われる活動を目の当たりにして、肉体的にも精神的にも追い詰められていく。 ・これって女性(および彼女の相棒の黒人)は無能だよ、と言っているわけでは当然なく、要するに麻薬戦争の複雑さを強調するための役回りになっているわけだが、まあ少しモヤモヤとした気分が残ることは否めない。特に国防省のスタッフ(ジョッシュ・ブローリン)とそのエージェント(ベネチオ・デル・トロ)がすべてを把握している立場なので主人公の弱さが目立ってしまうんだよな。ここらへんの女性の扱いは「マッド・マックス」と対比すると面白いかもしれない。 ・つうかデル・トロのキャラクターが強すぎて、彼が実質的な主人公になっているような。彼を主役に
2 min read
海外テレビ番組

「BILLIONS」鑑賞

SHOWTIMEの新シリーズ。 ニューヨークで検察官を務めるチャック・ローズは金融業界のインサイダー汚職を調べているうちに、ヘッジファンドの大物であるボビー・アクセルロッドに疑いを抱くようになる。しかし彼を告発するだけの十分な証拠を得る事ができず、まず彼が世間の反感を買うように海辺の大邸宅を購入するように仕向けた。そしてアクセルロッドもそれがローズの策略だと気付きながらも邸宅を購入し、二人の対決の火蓋は切って落とされるのだった…といった話。 意外と第1話では話が進まないのだが、要するに金融業界を舞台にした検察と大富豪の駆け引きの物語。大富豪のアクセルロッドが一方的な悪者というわけではなく、怪しそうな取引をしてる一方で部下をきちんともてなす切れ者として描かれている。911テロで会社の他の重役が亡くなったことで今の地位を確保したような説明がされているが、それが彼の計算によるものなのかは不明。対するローズは敏腕な検察官であるものの変なSM趣味を持ってるし、妻がアクセルロッドの部下だという点が彼の立場を不安定なものにしている。要するに両者における善悪の基準は曖昧なものであるという内容にな
1 min read
海外テレビ番組

「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」鑑賞

腐女子を濡らせるSHERLOCKが2年ぶりに帰ってきた!当然ながらネタバレありなので以下を読むのは要注意な。 今回はいちおう番外編の特番といった扱いで、舞台となるのは現代ではなく原作小説の時代の1895年。道を走るのは当然ながら自動車でなく馬車であり、ホームズの冒険はワトソンが「ストランド」誌に投稿していることでちょっとは名が知られている。そんななか血相を変えたレストラード警部がベイカー街の部屋へとやってくる。花嫁衣装の女性がバルコニーから銃を乱射するという事件が起き、その女性は自ら命を絶ったものの、その数日後に夫の前にその女性が現れ、夫を撃ち殺したというのだ。事件に興味を持ったホームズは早速、その女性の死体がある安置所へ向かうが…というあらすじ。 レストラードのほかにもマイクロフトやメアリー、モリーさんといったおなじみの面々が19世紀のコスプレをして登場するのはファンサービスですかね。あの男も登場するよ。題名は原作の「マスグレーヴ家の儀式」で言及される事件からとったものらしいが、「オレンジの種五つ」を彷彿させるシーンもあり。でもストーリー自体は完全なオリジナルかな?事件と事件の
2 min read
映画の雑記

謹賀新年

あけましておめでとうございます。 今年はいよいよ仕事の方が本格的に厳しくなりそうで、余裕があるうちに新天地を求めるのも有りなのかなあ、と漠然と考えております。まあここらへんはなかなか思うようにいかないのでしょうが。 相変わらずの独り身ですが、興味をそそられる映画や本に囲まれ、休日も退屈することなく過ごしてられるのは良いことですかね。とはいえもうちょっと効率良く物事を片付けられるようになるとよいのですが。あとは皆様も健康にはくれぐれもお気をつけください。 今年は登山や旅行に加え、囲碁の遊び方を学んだり、国家資格(通訳案内士)の取得を目指すのも良いかな、と考えております。忙しくてブログもなかなか更新できなくなってきましたが、どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
1 min read
映画の雑記

2015年の映画トップ10

一年が経つのは早いですね。また例によって評判が良いのに観てない作品がたくさんあるのですが(「ルック・オブ・サイレンス」とか)、とりあえず今年の良かった作品10本を観た順に並べていきます: ・「パレードへようこそ」 ベタな内容ではあるものの、ラストの行進で「握手の旗」が出てくるところはつい涙目になってしまうのです。 ・「バードマン」 センス抜群の撮影や音楽に加えて、虚実が入り混じるマジック・リアリズムの世界が印象的であった。 ・「Citizenfour」 なんかヤバいことに加担しているな、という感触を観る人にも感じさせる、サスペンス映画としても秀逸なドキュメンタリー。日本公開はいつよ? ・「セッション」 怪物が怪物を倒してとって代わるような、ラストの10分はやはり圧巻であった。 ・「マッド・マックス 怒りのデス・ロード」 これはもう多くを語る必要はないでしょ。女性キャラの強さが斬新であった。 ・「EX MACHINA」 飛行機のなかで観たという後ろめたさはあるが、非常によくできたSFでした。 ・「キングスマン」 アメコミ映画が意外にも不発だった年において、いちばん元気のあっ
1 min read
映画評

「ストレイト・アウタ・コンプトン」鑑賞

個人的にはラップってあまり詳しくないのだけど、ギャングスタ・ラップは大嫌いでして、シカゴや東海岸ではサンプリングやビーツやライムなどの実験的で興味深いヒップホップの文化が育まれていってたのに、西海岸の連中がアホまるだしで銃だのプッシーだのドラッグだのと歌ったおかげで、世間にはラップってヘアメタルと同程度の文化だと見なされるようになってしまったというのが俺の持論です(結果的にギャングスタ・ラップの先駆者となったアイス・Tは好きだが)。ストリート育ちとか言ったって、実際にギャング出身のラッパーってそんなに多くないんじゃないの? これはそんなギャングスタ・ラップで知られるNWAの伝記映画ですが、メンバーのうち大成したアイス・キューブとドクター・ドレーがプロデュースに関わっていることもあり、かなり彼ら(および他界したリーダーのイージー・E)を立てた内容になっていることは否めない。監督はキューブのダチだし、キューブが大学まで進学したことは隠されてるし、メンバーは一人いなかったことにされてるし(アラビアン・プリンスな)、ドレーが女性に暴力を振るった話なども一切出てこない。ロドニー・キング事件に
1 min read
映画評

「クリード チャンプを継ぐ男」鑑賞

ネタバレせずに感想をざっと: ・ベタではあるものの素直に楽しめる作品。おれも「ロッキー」シリーズは1と2くらいしか観ていないクチですが、アポロとロッキーに関する最低限の知識があれば十分じゃないでしょうか。 ・主人公が戦いを求める葛藤をもう少し描いても良かっただろうが、話を盛り上げていくさまが巧い。特に音楽がね、あのテーマを断片的にちらつかせながらかけていって、最後のクライマックスでジャーン!とかかかると、そりゃもう感動するがな。 ・体を鍛えたマイケル・B・ジョーダンも凄いが、やはりサポート役にまわったシルベスター・スタローンの演技が素晴らしい。彼の演技を上手だと思ったのってこれが初めてじゃないだろうか。アカデミー助演賞にノミネートされるだろうな。 ・LAのジムのコーチ役をウッド・ハリスが演じてまして、ジョーダンと「ザ・ワイヤー」以来の共演をしてます。あの番組でジョーダンのキャラクターが早々に亡くなったのはハリス率いるギャングのせいだったわけですが。 ・フィラデルフィアってあんなバイクでウィーリーやってる連中がいるの?あのチーズステーキの店はいろんな旅行番組とかでも紹介されて
1 min read
映画評

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」鑑賞

当然ながらネタバレ注意。ディズニーとJJエイブラムスが嫌いで、エピソード1〜3を肯定する者が書いてますのでバイアスかかってます。 あらすじは砂漠の惑星においてしがない日々を送る若者が、ある日秘密の情報を託されたドロイドに出会い、その情報を反乱軍に届けるためミレニアム・ファルコンに乗って宇宙へと飛び立つ。しかしその情報を狙って、マスクをつけた黒づくめの帝国軍司令官(背後には謎の黒幕もいる)が若者のもとへと迫っていた。そして旅のなかで若者はフォースの存在を知り、自分の出生の秘密を学んでいく。そして最後に若者は惑星型巨大兵器を破壊するための戦いに巻き込まれる…というもの。 えーと、これ「エピソード4」のあらすじだよね?違う?もちろん新しいキャラクターとかもたくさん登場するのだけど、このくらい今回の作品は過去のものと内容が似通っているのだ。これは「スター・トレック」もそうだったけど、エイブラムスってオールドファンが喜びそうな要素を研究してチェックシートにまとめて、それを全部満たすような映画作りをしてるように思えるのよね。だからエピソード1〜3に失望してたオールドファンは当然「俺たちのスタ
2 min read
映画評

「While We're Young」鑑賞

ノア・バームバックの新作。主演がベン・スティラーで音楽がジェームズ・マーフィーということで、2つ前の作品「Greenberg」に通じるものがあるかな? 44歳のジョッシュは大成できないドキュメンタリー作家で、難解なドキュメンタリーを何年にも渡って撮影しているものの終わりが見えず、資金も底をつきかけていた。そんなとき講師をしている大学で、授業を公聴していたジェイミーという25歳の若者と知り合う。自分の作品のファンだという彼にジョッシュは好感を抱き、さらにジェイミーとその妻のダービーのクールな生活(イカした服装をまとい、家具や料理を手作りし、広いアパートに住んでLPレコードを何枚も持っている)に憧れたジョッシュは妻のコーネリアを巻き込んで夫婦同士の付き合いを始める。やがてジョッシュはジェイミーが撮影するというドキュメンタリーの手助けもするようになるのだが、自分と違って万事がうまくいっている彼の生活を妬むようになり…というあらすじ。 要するにジェネレーションギャップを題材にしたもので、自分より成功している若者が現れたらどう対応すべきか?というのが大きなテーマであり、冒頭に引用されてるイ
2 min read
海外テレビ番組

「ドクター・フー」シリーズ9総括

シリーズ8のラストで倒されたはずのミッシーがしれっと第1話で復活して、そのあとまたしれっと消えた展開を観て「ハァ?」と不安になったものの、全体的には前シリーズよりも優れた出来になっていたと思う。 ジェナ・コールマン演じるクララたんが番組を去ることが今シリーズの重要なポイントであったわけだが、むしろ話はもう一人の女性、アシルダ(ミー)を軸にして進んで行く。1話だけのゲストキャラかな?と思いきやどんどんドクターの話に絡んでいく存在になるのが面白いですね。いっそ彼女が新しいコンパニオンになるのが望ましいのだけど、彼女を演じるメイジー・ウィリアムズは「ゲーム・オブ・スローンズ」で忙しそうだからな…。 アシルダもそうだし、前シリーズに登場したオスグッドもそうだけど、死んだかな?と思われたキャラクターが数話あとに再登場し、うまく話をまとめるパターンが今回は多かった気がする。こういう細かいサイクルで伏線を回収していくほうが、11代目ドクターのときのシリーズ全般に張られた伏線を回収していくのよりも楽しめたんじゃないかな。その極め付けがクララの結末だったわけだが、あの終わり方はとてもよかったんじゃ
1 min read
映画評

「007 スペクター」鑑賞

・公開したばかりなので簡単な感想をざっと。でもネタバレ少しあるかも。 ・前作でQやマニーペニーなどが復活したことでその兆しはあったが、今回は続いてスペクターやら猫やらマオカラーの悪党などが復活していて、かつて「カジノ・ロワヤル」で縁を切ったはずの過去の設定がいろいろ戻っております。これはミニラを捨てたはずのゴジラシリーズにいつのまにかゴジラジュニアが登場していたのと同様に、フランチャイズムービーの宿命なのだろうか。 ・加えて列車の中でのヘンチマンとの格闘とか、過去の作品へのオマージュがいろいろ入ってるし、ダニエル・クレイグの過去3作への言及が多分にされるなど、かなり昔を意識した内容になっている。でもシリーズ第20作ということで過去のネタをいろいろ詰めこみすぎて肥大しまくってた「ダイ・アナザー・デイ」よりかはずっとスマートにオマージュを捧げられているかと。 ・でも「慰めの報酬」では「何でも知っててすげーんだぜ!」と吹聴されてた「クォンタム」が、「スペクターの下部組織だよ」と一言で片付けられていたのはガックリきたなあ。あと何で指輪を分析すると組織の関係者がわかるんだ? ・「ボンド
1 min read
海外テレビ番組

「THE EXPANSE」鑑賞

Syfyの新シリーズで、レジェンダリー・ピクチャーズのテレビ部門が製作したもの。日本では未訳(だよね?追記:翻訳あるようです)のSF小説シリーズをもとにしているらしい。 舞台は23世紀。地球は国連によって統治され、その一方で植民された火星は軍事的な別の政府によって管轄されていた。そして資源の調達は小惑星帯の炭鉱夫たちによって行われていたが、彼らはその過酷な労働条件に不満を抱いており、地球と火星と小惑星帯の三者は緊迫した関係にあった。そんななか小惑星帯のコロニーに勤めるミラー警部は、行方不明になった大富豪の娘を探すという極秘の任務を与えられる。そして遠くでは小惑星の資源を運ぶ宇宙船カンタベリー号が難破船に遭遇し、調査に赴いたホールデン副長たちの眼の前でカンタベリー号が何者かによって破壊されてしまうのだった…とかいうあらすじ。 第1話だとミラーとホールデンは出会いもしないのだけど、今後はこの両者の話が錯綜し、大きな陰謀が明らかになっていく展開らしい。あと異星人が絡んでくる内容になるのかな? 劣悪な生活環境のコロニーと宇宙船のなかで話が進んで行くため、未来の話とはいえ画面も雰囲気も暗
2 min read
映画評

「Trainwreck」鑑賞

日本では知名度ゼロですが、アメリカの女性コメディアンにエイミー・シューマーという人がおりまして、コメディ・セントラルのスケッチ番組「Inside Amy Schumer」がエミー賞やピーボディ賞を受賞するなど、いろいろ高い評価を得ている人なのですよ。そんな彼女が主演した、ジャド・アパトー監督のコメディ映画。脚本はシューマーによるものだが、コメディ映画なのに2時間超えてるあたりはアパトー作品だなあ。 主人公のエイミーは、幼いときに両親が離婚した影響で「一夫一婦主義は成り立たない!」と信じ込んで育ち、妹は結婚したにもかかわらず、自分はカジュアルなボーイフレンドを持ちつつも行きずりの男と気ままに寝る奔放な生活を送っていた。そしてニューヨークの雑誌社に努める彼女は、スポーツ選手の医師について記事を書くように命じられ、バスケ選手を主に扱うアーロンという医師に出会い、やがて二人は恋に落ちるのだが、エイミーは彼と結婚するほどコミットできず…というようなあらすじ。 あまり明確なプロットはなくて、エイミーの父親や妹夫婦との会話などを交えながら、エイミーとアーロンの関係がルーズに描かれていくといった
1 min read
海外テレビ番組

「The Art of More」鑑賞

ソニーがアメリカで展開している無料配信サービスCRACKLEの初のオリジナルシリーズ。 軍隊上がりのグレアムは、アートに関する膨大な知識と、イラクに派遣されていた際に略奪した財宝をもとに、美術品のオークション・ビジネスで成り上がろうとしていた。まず彼はアート・コレクターで金持ちのダヴェンポートをクライアントにしてオークションハウスに入社し、さらにはエキセントリックな大富豪のサム・ブラクナーの信頼を得ようと策略を張り巡らせる。しかしライバルのエージェントが彼を妨害しようとするほか、イラク時代の好ましからぬ仲間が現れたことで事態は意外な方向へと進んで行く…というようなあらすじ。 金持ちが数億円の美術品をポンポン競り落とすリッチな世界を舞台にしたサスペンスだが、ゴージャスなセットとかが作られてそれらしき雰囲気は良く出ていた。これ製作費が結構かかってそうだな。美術品のほかにロックのメモラビアなどといった品が扱われ、さらに偽物や闇ルート経由の品なども出てくる内容になるみたい。 主人公のグレアムを演じるのは「Cemetery Junction」のクリスチャン・クック。最近見てないな…と思っ
1 min read
海外テレビ番組

「INTO THE BADLANDS」鑑賞

AMCの新シリーズ。クリエーターは「ヤング・スーパーマン」の人たち。 舞台は大戦争のあとの世界における、バッドランズという名の地域。世の中の秩序は乱れ、権力を握ったバロンと呼ばれる豪族たちが屈強な部下たちを従え、お互いに覇権を争っていた。バロンの一人であるクインの腹心の部下で、武術の達人であるサニーはクインの土地の住民が虐殺された現場に遭遇し、唯一逃げ延びた少年をゴロツキたちから助け出す。実はその少年には神秘的な力が備わっており、別のバロンが彼を狙っていたのだ。さらに少年がバッドランズの外にあるという伝説の土地の遺品を持っていることを知ったサニーは、少年とともにバッドランズを出ようとするが…というあらすじ、のはず。 第1話の展開が遅いので、クインの土地での話が続くのか、それともロードムービー的な展開になるのかが分かりにくいんだよな。ウィキペディアにはストーリーは『西遊記』をベースにしてあると書いてあるけど、あまり類似点はない感じ。 主人公のサニーは剣術とマーシャルアーツの達人という設定で、いわゆるクンフーアクションが推しの内容になっている。格闘シーンにおいてCGは(たぶん)控え
1 min read
映画評

「Mr. Holmes」鑑賞

イアン・マッケランが老齢のシャーロック・ホームズを演じた作品。監督はビル・コンドン。 舞台は1947年。ワトソンとは死に別れ、93歳になったホームズはサセックスに引退して養蜂を営んでいた(ここらへんはコナン・ドイルの原作どおり)。健康に良いという山椒を得るため、そして文通相手のウメザキと会うために日本の広島まで長旅をした彼は、マンロー女史が世話をするサセックスの家へと帰って来る。そこでマンロー女史の息子のロジャーと仲良くなった彼は、彼にせがまれて昔の事件について語るようになり、やがて自分が引退するきっかけとなった事件について回想することとなる…というようなあらすじ。 いちおう原作小説があるらしいけど、ドイルではなく別の作家によるもの。サセックスの生活に絡めて、引退のきっかけとなった事件、および日本におけるウメザキとの出会いがフラッシュバックで語られていくが、老齢のホームズの記憶力が不確かなものになっており、彼自身が「信頼できない語り手」となっている。ただしミステリー映画というほどではなく、晩年のホームズの姿が淡々と描かれるドラマなので、推理小説ファンには不満が残るかも。 76歳
1 min read
海外テレビ番組

「Ash Vs Evil Dead」鑑賞

サム・ライミの「死霊のはらわた」のTVシリーズ版だよ。リメイクのほうでなくオリジナル版の続編という扱いだが、権利の関係で「キャプテン・スーパーマーケット」は無かったことになってるのかな? 主人公は映画版と同じく、ブルース・キャンベル演じるアッシュ。森の一軒家でネクロノミコンによって召喚された悪霊たちとの戦いで一人生き残った彼は、トラウマを抱えつつトレーラーハウスで一人暮らす中年になっていたが、その一方では酒場に出かけて年増の女性をひっかけるボンクラでもあった。しかし彼の周りに悪霊たちがふたたび現れるようになる。実はアッシュが女性を家に招いたとき、マリファナをキメてハイになった彼は、「俺は詩が朗読できるんだぜ」とカッコつけて、保管していたネクロノミコンに書かれた呪文を読んでしまったのだ(アホ…)。悪霊たちは彼の住んでる町に現れ、アッシュ以外の住人も攻撃するようになる。そこでアッシュは仕事先の電気屋で働くパブロとケリーという二人の若者を仲間にし、悪霊たちに立ち向かっていくのだった…というあらすじ。 第1話の監督はサム・ライミだし、音楽も劇場版と同じくジョセフ・ロデュカが担当と、昔の仲
1 min read
映画の雑記

「SUPERGIRL」鑑賞

CBSの新シリーズ。「マン・オブ・スティール」とは別のユニバースの話だと思うが、スーパーマン(顔は出さずに背後しか見えない)以外はあちらと同じキャラクターが登場するようではないので、それなりに棲みわけはするつもりなのかな?あと放送局が違うので「アロー」や「ザ・フラッシュ」とも別のユニバースになってるみたい。 スーパーマンことカル・エルのいとこであるカラ・エルは13歳のとき、故郷のクリプトンが崩壊するにあたって、地球に送られた幼児のカルを見守るためにカルの後からロケットで飛び立つものの、事故によって時の流れないファントムゾーンに幽閉されてしまい、24年間にやっと地球に到着する。そしてすでに成人してスーパーマンとなっていたカルに見つけられ、デンバース夫妻の養子となって普通の女の子として育てられる。やがて姉のアレックスとともにナショナル・シティーで働くことになるものの、困った人たちを助けて街を守るために、いとこと同様にスーパーヒーローとなって活躍するのでした…というようなあらすじ。 スーパーガールはスーパーマンよりも年長だった!という意外な事実が明らかにされるわけだが、カラ・エルことカ
1 min read
海外テレビ番組

「Fargo」シーズン2鑑賞

「コーエン兄弟の作品、しかも『ファーゴ』なんてTVシリーズ化できんだろ」という大方の予想を見事にくつがえし、展開の読めない大傑作となったシリーズの第2シーズン。今回の舞台は1979年のミネソタとサウスダコタが舞台になっていて、前シーズンのプリクエルという扱いになっている。 1979年のサウスダコタはスーフォールズではゲルハルト一家が町の裏ビジネスを仕切っていたが、家長のオットーが心臓発作を起こしたことから外部のギャングたちが町を狙おうとしていた。そんななかゲルハルト家の末子のライは自分のビジネスの邪魔になりそうな判事を町から離れたダイナーで脅迫しようとするが、予定が狂って判事および二人の店員を射殺してしまい、自分は夜道をやってきた車に轢かれてしまう。ダイナーの事件を聞いて調査にあたる保安官のルーとハンク。一方で肉屋のエドはいつもどおり家に戻るが、そこでは妻のペギーが轢いたライが半死の状態でガレージに転がっていた…という設定。 シーズン1は雪の町での殺人という「ファーゴ」っぽさがまだ残ってたけど、今回は舞台が70年代ということもあり、かなり雰囲気の異なった内容になっている。スプリッ
1 min read
海外テレビ番組

「Crazy Ex-Girlfriend 」鑑賞

「Fuck Me, Ray Bradbury」でヒューゴー賞にもノミネートされたレイチェル・ブルーム主演&脚本によるThe CWのコメディドラマ。 口うるさい母親のもとで育ったレベッカは強迫観念にとらわれたかのように真面目に生きてきた独身女性で、ニューヨークの大手法律事務所で働くキャリアウーマンだったが、10代のときにサマーキャンプで片思いをしたジョッシュに10年ぶりに偶然遭遇したことで彼女の中の何かがふっきれ、職場での昇格の誘いも断ってジョッシュが住むカリフォルニアの田舎町ウェスト・コヴィーナ(「ビーチまで2時間、渋滞があれば4時間」)へと移り住み、小さな弁護士事務所での職を見つける。そこでジョッシュにうまく遭遇しようとする彼女だったがなかなかうまくいかず、逆にジョッシュの友人であるグレッグと仲良くなってしまい…というストーリー。 つまり正確にいうと主人公は題名にあるような「イカれた元ガールフレンド」ではなく「キ印のストーカー」なのですが、そこらへんはご愛嬌。神経質で恋愛に慣れてない女性が好きになった男性を苦労して追いかけるさまがね、結構面白いのですよ。第1話の監督はマーク・ウ
1 min read
映画評

「ファイナルガールズ 惨劇のシナリオ」鑑賞

先週末にアメリカで公開された、スラッシャー映画のパロディ。日本では12月にDVDスルー予定だとか。原題は「Final Girls」だが今年は「Final Girl」という良く似た題名の映画もあるので間違えないように。 少女マックスの母親はカルト人気を誇るホラー映画「血まみれのキャンプ場」に20年前に出演したものの、それによってタイプキャストされて、その後はろくな役につけないでいた。そんな母親を励ますマックスだったが、彼女のミスから交通事故で母親を死なせてしまう。それから3年、母の死から立ち直れないマックスは親友のガーティーたちに誘われて、ボーイフレンド未満の友人クリスと、「血まみれのキャンプ場」およびその続編のリバイバル上映に足を運ぶ。スクリーンに映った母の姿を観て気分が優れなくなるマックスだったが、誰かがこぼした酒に引火して映画館は炎に包まれてしまう。逃げ場を探したマックスたちはスクリーンを裂いてステージ奥に向かおうとするものの、彼らが到着したのは何と映画の中だった。呆気にとられるなか、母親(が演じる役)に再開するマックス。しかし彼女たちの滞在するキャンプ場にはマスクをかぶった連
2 min read
映画評

「ファンタスティック・フォー」鑑賞

ご存知の通り本国では酷評されて興行的にも惨敗した作品であり、そんなにツマらないのかと恐る恐る観にいったわけですが、観賞中に席を蹴って帰りたくなるような内容ではなかった。とはいえ面白いのかと聞かれるとやはりツマらないと言わざるを得ないのですが。 脚本はリー&カービーのものでなくマーク・ミラーによるアルティメイト版のオリジン話を比較的忠実にフォローしていて、この映画と前後してミラーがフォックスのコンサルタントに就任したことを考えると必然的なことだったのかも。改善の余地はいくらでもありそうな脚本だが、そこまで悪いというわけではない。 問題はやはり演出面で、とにかく各所における「溜め」がないのだ。だから人を殴るシーンもすごくあっけないし、決めゼリフを言うところもカッコ良さがなくて、全体的にとてもメリハリが無い作品になってしまっている。まるで監督が自分の撮ったものに自身がなくて、とっとと次のシーンに行きたがっているような印象を受けてしまったよ。 公開されなかったロジャー・コーマン版のFFだって、(予算の関係で)作中ずーっと炎上しなかったヒューマン・トーチが最後にやっと炎につつまれて飛行す
1 min read
映画評

機内で観た映画2015

ヨーロッパへ数日の出張に行っていたので、飛行機のなかで観た映画の感想をざっと: 「SPY」:メリッサ・マッカーシー主演のスパイ・コメディ。マシュー・ヴォーンの「キングスマン」にも劣らぬスパイ映画への愛情を込めてポール・フェイグが監督しており、思ってたよりもずっと面白かった。よくある主人公が愚鈍で無能なコメディと違い、実戦の経験は無いものの優秀なエージェントだというのがいいんだよな。ミランダ・ハートやピーター・セラフィノウィッツといった脇を固めるキャストも良いし、ジェイソン・ステイサムとジュード・ロウのコメディ演技も面白い。これ日本で劇場公開しないんだっけ? ・「SLOW WEST」:アートシネマっぽいウェスタン。マイケル・ファスベンダー演じる無骨なガンマンはカッコ良いのだが、彼と一緒に旅する純朴な青年の言動が青っちょろくてイライラする。ラストの銃撃戦もいまいちスカッとしないので観ていて不満が残る内容。 ・「カリフォルニア・ダウン」:揺れる機内で観るとまさかの4DX体験!地震の科学的信憑性(内地の地震であんな派手な津波が起きるのかよ、とか)よりも、ロック様とカーラ・グギノの娘が真っ
1 min read
海外テレビ番組

「The Daily Show with Trevor Noah」開始

ジョン・スチュワートに続く新司会者として、トレバー・ノアを迎えた「デイリーショー」が今週から始まったのだよ。 52歳のスチュワートから31歳のノアにバトンタッチされて雰囲気がグンと若くなった感じ。俺みたいな40代にとっては自分の世代が跳ばされたような気もして寂しいが、スチュワートも司会を始めたころは30代半ばだったんだよな。セットも大きくなったような? なお番組の構成は以前のままで、「特派員」としてはジョーダン・クレッパーやアル・マドリガル、そしておそらくジェシカ・ウィリアムズやジョン・ホッジマンがスチュワートのときからそのまま残っていて、ロイ・ウッド・ジュニアなど3人くらいが新たに加わったみたい。 南アフリカ出身のトレバー・ノアはアパルトヘイトの時代に白人の父と黒人の母のあいだに生まれ、当時は異人種間の結婚は違法であったために母親が実際に収監されたのだとか。そして後に離婚した母親は別の男性のDVに苦しめられて銃撃されるという、実にサウスアフリカンな経歴をノアは持っているわけですが、そんな苦労を感じさせないほど彼は若さにあふれ、似たような番組を南アフリカで司会していたということ
1 min read
海外テレビ番組

「Scream Queens」鑑賞

「GLEE」や「アメリカン・ホラー・ストーリー」などでヒットを連発してフォックスに君臨するライアン・マーフィー(とブラッド・ファルチャックとイアン・ブレナン)による、さらなるフォックスの新作シリーズ。「アメホラ」みたいなアンソロジー・シリーズになるみたい。最近アメリカの海外ドラマでアンソロジー形式の番組が増えてきていることについては「AVクラブ」が解説していたけど、要するにシーズンごとに新しい設定にすれば新規の視聴者も獲得しやすいし、長期の契約を嫌う役者も出演してくれるといったメリットがあるんだとか。 話の舞台となるのは名門ウォレス大学の由緒あるKKTソロリティ。そこでは金持ちの娘であるシャネル・オバーリンが絶対的な支配力をもって他の女子たちを従えていたが、それを快く思わない学部長によって、すべての志願者がソロリティに入ることができるように制度を変えられてしまう。これによってオタクの少女や耳の聞こえない少女など、以前であれば入会を拒否されていた女子たちがソロリティに加わり、シャネルの頭痛のタネになる。さらに大学内において赤い悪魔の衣装を着た連続殺人鬼が出現し、少女たちが次々と犠牲に
1 min read