アメコミ

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「Art Spiegelman: Disaster Is My Muse」鑑賞
映画の雑記

「Art Spiegelman: Disaster Is My Muse」鑑賞

米PBSで放送された、「マウス」で知られるアンダーグラウンド・コミックスの雄アート・スピーゲルマンのドキュメンタリー。まあアンダーグラウンド・コミック作家といってもピューリッツァー賞を獲ってるような超有名な作家だし、ここでは「DCやマーベルなんかでは仕事してないマンガ家」くらいのニュアンスだと思ってください。 90分超という結構な尺をもってスピーゲルマンの生涯と功績がみっちり語られる内容で、子供の頃からマンガが好きで、スーパーで見かけた「MAD」に大きな影響を受けた話とか、自分でファンジンを作って売ってたらプロの目にとまって業界で働くことになったいきさつなどが紹介されていく。NYからサンフランシスコに渡ってロバート・クラムと組んだり、自分の妻で仕事のパートナーであるフランソワーズ・モーリーと出会ったいきさつなども語られ、自宅でロバート&アイリーン・クラム夫妻と会食してコミックについて語りあう貴重な映像もあり。あとはジョー・サッコやビル・グリフィスといった著名な作家のインタビューがあるほか、アーカイブ映像でクリス・ウェアやチャールズ・バーンズなどが登場。前衛コミック誌「RAW」を編集し
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「MY ADVENTURES WITH SUPERMAN」鑑賞
海外テレビ番組

「MY ADVENTURES WITH SUPERMAN」鑑賞

米カートゥーン・ネットワークのアダルトスイム枠で始まったスーパーマンのアニメ。 ヤングアダルト向けにクラークとロイスのロマンスを中心にしたもので、従来のスーパーマンものだとベテラン記者のロイスに軽く扱われる新人のクラークという図式が多かったのに対し、今回のロイスはクラークよりちょっと先輩のインターンといった感じで、陰謀論好きのジミー・オルセンとあわせて特ダネを追うもののペリー・ホワイト編集長に怒られてばかりいる。 最近はコミックも実写版もクラークがスーパーマンであることをロイスが知っている(さらには結婚している)設定が多くて、それはそれで面白いのだけど、クラークとスーパーマンとロイスの奇妙な三角関係があった頃の話が今となっては逆に新鮮になったな。今回はロイスが最初からスーパーマンよりもクラークに気があるような描写があるのが面白いです。 クラークは自分のパワーを十分に把握しておらず、第1話では「僕は何者なのだろう」という言葉を連発している。「スーパーマン」という名前もロイスが勝手につけたものだし、クリプトン人としての自分の過去をこれから探索していくという意味で、「スーパーマンとの冒
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「ザ・フラッシュ」鑑賞
映画評

「ザ・フラッシュ」鑑賞

公開したばかりなので感想をざっと。ネタバレ注意。 * クレジット観て気づいたが、これ原案はジョン・フランシス・デイリーとジョナサン・ゴールドスタインが関わってるんですね。マイケル・キートンが出てることもあって「スパイダーマン:ホームカミング」的な若者ヒーローの軽いノリがあったのはその影響かな。 * ただ一方では母親の死やヒーローのいない世界といった重いテーマを扱っていることもあり、全体的にダークな部分とユーモアがチグハグな印象をずっと抱いていた。 * 監督のアンディ・ムスキエティの作品って他に観たことがないのだけど、ちょっと演出が稚拙じゃないか?バリーが光速を超えて過去に戻るところとかもっと派手に描くべきだったし、クロノボウルでは足踏みしているだけとか、なんかイケてない気がした。「Xメン」のクイックシルバーにあったスピードスターの爽快感がなかったのよな。 * とまあ気になったことを先に書いたけど、キートンのバットマンとか新しいスーパーガールとかの登場は観ていて楽しいし、この前のダメダメだった「シャザム!2」なんかに比べると普通に楽しめるブロックバスター映画だったと思いますよ。
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「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」鑑賞
映画評

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」鑑賞

前作から6年も経ったのかあ。監督の解雇騒ぎとかもあったからね。冒頭で「クリープ」が流れた時は席を立つことも一瞬考えたものの、三部作の最後を飾るいい作品でした。以下は感想をざっと。ネタバレ注意。 * エゴに到着したあと中弛みのあった前作に対し、今回はラクーンの命を救うという使命が最初からあるため、長尺ながらも緊迫感のある内容になっていた。ラクーンのオリジン話にあそこまで時間をかけたのは意外だったけど。 * 今回のヴィランのハイ・エボリューショナリーって、コミックだと東欧の山奥で動物実験してる奴といった感じであまり強そうな(悪そうな)印象はないのだけど、今回の映像化にあたってはうまくアレンジできていたのでは。 * 同じくヴィラン的扱いのアダム・ウォーロックも、コミックではジム・スターリン的な、宇宙でウジウジ悩んでるキャラといった印象なので、まあ今回のスーパーマン的なアレンジは大作映画には合ってるんじゃないですか。ちょっとオツムが弱すぎるような気もしたけど。 * スーパーヒーロー映画だけでなくスペースオペラとしても楽しめて、最近はなんでも画面を暗くするようなトレンドがあるなかで(シ
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「ソー:ラブ&サンダー」鑑賞
映画評

「ソー:ラブ&サンダー」鑑賞

29本目のマーベル映画、となると観にいく方も流石に疲れてくるのでこないだの「ドクター・ストレンジ」は感想を書く気力がなかったのですが、これは忘備録的に感想をざっと: * 前作「ラグナロク」以上にコメディタッチの出来で、まあそういう作品だとポップコーン片手に観るのは悪くないんじゃないですか。 * その一方で子供の喪失とか不治の病や恋愛といった真面目なテーマになるとまるで深掘りできてないのが明白で、全体的にメリハリのない作品になっていた。タイカ・ワイティティは「ジョジョ・ラビット」もそうだったが真っ当に向き合うべきところ他愛もないジョークを加えて逃げてしまうのが彼のスタイルというか弱点というか。人間関係については「ワイルダーピープル」のほうがずっと上手く演出できてたと思うんだがな。 * この影響で脚本も一本調子で、子供たちがさらわれた!助けに行くぞ!だけ。2時間という尺は最近のマーベル映画にしては短いのかもしれないけど、もう一捻りあってもよかったのでは。ゼウスとの陳腐な掛け合いに時間を割いてるよりも。 * ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャーや女性版ソーが出てくるあたり、数年前のジェイソ
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「PEACEMAKER」鑑賞
海外テレビ番組

「PEACEMAKER」鑑賞

昨年公開された「ザ・スーサイド・スクワッド」のスピンオフTVシリーズで、その名の通りジョン・シナ演じるピースメーカーを主人公にしたもの。おれよく考えたらピースメーカーの出てくるコミックってそんなに読んだことなく、80年代のクロスオーバー「THE JANUS DIRECTIVE」くらいかな…90年代のミニシリーズ「L.A.W.」に登場したのは2代目なのか…彼をベースにした「ウォッチメン」のコメディアンのほうがずっとよく知られてるキャラクターじゃないだろうか。そんなメジャーなキャラじゃないのよ。 シリーズの内容は劇場版の続きになっていて、ラストでしぶとく生きていることが判明したクリストファー・スミスことピースメーカーが回復して病院から抜け出すものの、アマンダ・ウォラーの配下のエージェントにすぐ見つかり、彼らが遂行している謎のオペレーションの手伝いをさせられるという内容。 劇場版ではヒール的な役割だったもののタフなバッドアスといった感じだったピースメーカーだが、こっちではもっと彼のダメな部分が強調されてて純然たるコメディになってます。ジェームズ・ガン作品でいえば「スクワッド」よりも「スー
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「NAOMI」鑑賞
海外テレビ番組

「NAOMI」鑑賞

DCのコミックを原作にしたThe CWの新シリーズ。 主人公のナオミ・マクダフィって、マーベルで長年仕事をしていたライターのブライアン・マイケル・ベンディスが数年前にDCに移ってきてから生み出したキャラクターで、アメコミファンのあいだでも知名度はそんなに高くないんじゃないかな。個人的にベンディスの作品が好きでないことは以前に書いたが、マーベルではヒーローよりもヴィランの描写に偏重気味であった彼のライティングも、ヒーローが神々しいDCにおいてはそれが中和されて、思ったよりも良い作品を出していると思うのです。 その彼による「NAOMI」は6話のリミテッドシリーズとして始まり、アメリカの田舎町に住む心優しい少女ナオミが、自分に秘められたパワーが覚醒したことで、自分の生い立ちの秘密に迫っていくという内容だったような。スーパーヒーローとして目覚めたナオミ(別名パワーハウス)は頑丈で空が飛べてエネルギーブラストを発射することができるという実に無敵のキャラクターで、なんかベンディスの「ぼくのかんがえた最強キャラ」といった感じ。とはいえ大御所のベンディスのゴリ押し(?)により最近はジャスティス・リ
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「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」鑑賞
映画評

「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」鑑賞

観た人はご存知のようにこれ出オチが重要な映画なので、出演者について語るとネタバレになってしまうのよな。というわけで以降は完全にネタバレがあるものとして注意してください。そして感想をざっと。 * 前作の終わり方からも想定されてたように、話のベースになってるのは原作の「ONE MORE DAY」のストーリーラインか。以前に書いたようにあれコミックは評判悪くてライターのJM・ストラジンスキー自身も不満を述べてるような代物だが、あれが映像化されてクレジットで謝辞も捧げられているストラジンスキーの心中はいかなるものだろう。尤も原作と違ってドクター・ストレンジを使うことで「オールリセット!」の過程はもっとマイルドになってたけど。 * あとはマルチバースの概念が登場することから、原作の「スパイダーバース」に負うものも大きいな。ライミ版とアメイジング版だけではなく、アニメ版「スパイダーバース」も観ておいたほうが楽しめますね。 * 個人的に、現在のアメコミ映画の(長い)トレンドはサム・ライミのスパイダーマン3部作から始まったと考えているので、あの潤沢な資産をきちんとリスペクトしたうえでリソースと
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「SLUGFEST」鑑賞
海外テレビ番組

「SLUGFEST」鑑賞

新型コロナウィルスの影響により、アメリカでは数年前まで言われていた「ピークTV」のピークが過ぎて以前ほど大量のテレビ番組が作られなくなったような気もしますが、その一方ではNETFLIXに負けじといろんな配信サービスが立ち上がっているような?そんななかで知ったのがROKUチャンネルというサービスでして、名前から分かるようにROKUが運営している配信サービスなのだそうな。ROKUって日本では展開してないので知名度低いが、NETFLIXなどをテレビで観られるようにするセットトップボックスのブランド。よってROKUチャンネルってROKUのデバイスでしか観られないんだろうな、と思っていたら普通にブラウザ経由でログインできてしまった(日本からは要VPN)。 作品の品揃えはお世辞にも豪華とは言えず、一昔前の映画が揃っている印象だが、数少ないオリジナル番組のなかで観たかったのがこの「SLUGFEST」。アメコミの二大出版社であるDCとマーベルのライバル関係を追ったドキュメンタリーで、同名の書籍をベースにしているらしい。 「SLUGFEST(殴り合い)」という題名ではあるが、アメコミの歴史をちょっと
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「Hit-Monkey」鑑賞
海外テレビ番組

「Hit-Monkey」鑑賞

米HULUのオリジナルアニメシリーズ。マーベルのコミックを原作にしたもので、主人公のヒットモンキーはダニエル・ウェイとDalibor Talajićが生み出したキャラクターらしいが、恥ずかしながら全く知らんでした。自分のミニシリーズのほかに「デッドプール」なんかのコミックに登場してたそうな。 舞台は日本。陽気なアメリカ人ヒットマンのブライスは何者かに依頼されて、選挙への出馬を控えていた高原という革新派の政治家の暗殺を依頼される。暗殺自体は上手く行ったものの、ブライスは雇い主に裏切られて襲撃され、傷ついた身で山奥へと逃げ込む。そこの温泉に浸かる猿たちに看病された彼は、彼に特に興味を持った若い猿と親密になるものの、ブライスの追手たちが山にやってきて彼と猿たちを皆殺しにしてしまう。唯一残った若い猿はブライスの銃を手にして追手たちに復讐を遂げ、そして突然彼の前に現れたブライスの幽霊とともに、物事の真相を明かそうと山を降りて東京に向かうのだった…というあらすじ。 宣伝用写真とかを見るとスーツを来たモンキーが銃を手に暴れまくるような印象を受けるが、劇中のモンキーはもっと繊細な性格で、自分の投げ
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「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」鑑賞
映画評

「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」鑑賞

かなり期待しないで観に行ったつもりだが、やはりダメだったでござる。以降はネタバレ注意。 カーネイジが登場することは前作のラスト、というかヴェノムの映画が作られた時点で確定路線だったのだろうが、おれあのキャラ嫌いなのよな。元来ヴィランだったヴェノムが1990年代初頭に、当時のグリム&グリッティなコミックの流行に乗って人気が出たために「リーサル・プロテクター(劇中でも言及されてましたね)」としてのアンチヒーロー的な立場になってしまい、ヴィランとして使えなくなったので代わりに登場したのがカーネイジ。当時の流行を反映した残虐キャラで、あまり深みのあるキャラでは無かったと思うが当時のマーベルは大々的に売り出して、12パートのストーリーライン「MAXIMUM CARNAGE」とか打ち出してたけど長いだけでグデグデになってた覚えが。このバブル末期的なイベントが、数年後のマーベル倒産の予兆だった、と見なすのはそんなに間違ってないと思うのです。 んで映画の方はちょっと不思議な構造をしていて、こういうスーパーヒーローものというかアクション作品の続編って、とくにバディ要素がある場合、以下のような話の流れ
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「エターナルズ」鑑賞
映画評

「エターナルズ」鑑賞

思ったことを雑多に書いていく。以降はネタバレ注意。 * 個人的に原作コミックにあまり思い入れはない。ジャック・カービーの作品としてもキャリア的にどちらかといえば後期のもので、60年代〜70年代前半に狂ったようなペースで名作を創出していたのに比べれば少しトーンダウンした作品、という印象があるかな。 * いきなり話はずれるが、ジャック・カービーの神話というか神に対するアプローチは非常に興味深いものがあって、「ソー」は北欧神話のアスガルドの神々をSFテイストを加えて描き、それらの神々にとって代わる新しい神々としてユダヤ教の影響が色濃い「ニュー・ゴッズ」をDCで作った。そのあとインカ文明のアートの影響を受けつつ「エターナルズ」を創作した、ということになるのかな。キャリアを通じて神とは何か、を問いただした作家であった。 * 原作の「エターナルズ」の重要なキャラクターはやはり、人類を裁くために地球にやってきた巨大な創造主ことセレスティアルズだが、映画版では話をもっと人気的なスケールにするためかセレスティアルズは1〜2体しか登場せず、エターナルズにより焦点をあてた内容になっている。まあ超巨
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「Madi: Once Upon A Time In The Future」読了
アメコミ

「Madi: Once Upon A Time In The Future」読了

「月に囚われた男」「ミッション: 8ミニッツ」のダンカン・ジョーンズが、ライターのアレックス・ディ・カンピと組んでストーリーを執筆したコミック。 昨年の6月くらいにキックスターターでクラウドファンディングが始まって、そのときはコロナの給付金(覚えてる?)が振り込まれてたので気前よく30ドルほどのソフトカバー版をプレッジしたのだが、電子書籍ではないから後から送料が50ドルほど上乗せされ、なんだかなーと思っていても発送の連絡が全く来ない。コロナの影響で印刷に手間取っている、というニュースレターは届いてたので仕方なく気長に待ってたら他のアジア地域には届いている、という書き込みを見つけたので問い合わせしてみたら、すまんデータベースが破損したので送れなかった、といういいかげんな言い訳が来た次第。おかげでプレッジしてから実物を手にするまで1年以上待たされることになったよ。しかもこれ出版社がアマゾンでも販売してて、日本でも送料込みで3000円ほどで入手できるようで、待たされて高い送料払ったのは何だったんだよという気分。コミックのクラウドファンディングするのは、データ納品される電子書籍のみに徹したほ
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「Y: THE LAST MAN」鑑賞
海外テレビ番組

「Y: THE LAST MAN」鑑賞

ブライアン・K・ヴォーン&ピア・グエラによるDC/ヴァーティゴの同名コミックを元にした、HULU/FXの新シリーズ。この著作権はクリエイターに属してるので、DCコミックス作品とはいえワーナー製作ではないみたい。原作が人気作品なのでずいぶん前から映画化の話などがあったものの、TVシリーズ化は主演が変わったり(バリー・キオーガンが演じる予定だった)ショウランナーが降板したりとグダグダしていたのだが、この度やっと完成したことになる。 話のプロット自体は極めてシンプルで、ある日突然、世界中の男性および動物のオスが謎の病気にかかって死んでしまう。世界には女性だけが残されて混乱を極めるものの、なぜかヨリックという青年および彼のペットの雄ザル「アンパーサンド」だけは生き残っていた。この貴重な生き残りであるヨリックの存在はアメリカ政府内でも極秘扱いされ、ヨリックは護衛のエージェント355とともに、彼が生き残った理由を突き詰める旅に出るのだった…というあらすじ。 男性およびオスがみんな死んだ、というのはつまりY染色体を持った生物が絶滅したということで、タイトルはここから来ている。主人公の名前のYOR
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「シャン・チー/テン・リングスの伝説」鑑賞
映画評

「シャン・チー/テン・リングスの伝説」鑑賞

まだ公開したばかりなので感想をざっと。いちおうネタバレ注意。マーベル・コミックスの原作のキャラクターにはそんなに思い入れがなくて、「燃えよ!カンフー」やブルース・リーに始まる70年代のカンフーブームに便乗して登場した、アジア人から見たら違和感を感じるアジア人キャラ、というのが最初見たときの印象だったな。ポール・グレイシー&ダグ・メンチによる一連の作品は面白いらしいですが。 70年代のスタイルだと流石にもはや政治的に正しくないので、近年になってからはもっとスポーティな若者ルックになって登場して、それが今回の映画版のもとになってるようです。 内容もきちんとアジア人に配慮したものになっていて、サンフランシスコの中国系コミュニティから話が始まり、マカオに移って、それから謎めいた部族が長い間守り続ける秘境の存在が明らかになって、そこを守るために主人公は立ち上がる…ってこれ「ブラック・パンサー」のプロットじゃないか?あれもカリフォルニア→釜山→アフリカと話が移っていったし、外部からの襲撃に備えて部族が武装するあたり、「これ前にも観たぞ?」と思ってしまったよ。 それを考えるとアフロフューチャリ
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「HEAVY ROTATION」読了」
音楽

「HEAVY ROTATION」読了」

ヴァーティゴ・コミックスで活躍していた編集者のシェリー・ボンドがKickstarterで出資を募っていた単発コミック。彼女が在籍していたNY州イサカの大学にあった学生ラジオ局を中心に、80年代のカレッジ・ラジオ文化の思い出がいろいろ詰まった35ページほどの作品。コミックとエッセイが半々の内容になっていて、夫君のフィリップ・ボンド(上のカバー画も担当)が関わっていたイギリスのカルチャー雑誌DEADLINE(タンク・ガールで有名なやつね)に体裁は近いかな。 アメリカのカレッジ・ラジオというとおれ日本のFM情報誌(そういうものがあったのよ)でその存在を知りまして、ビルボード全米チャートなどとは全く別にR.E.M.とかウォール・オブ・ヴードゥー(知ってる?)といったバンドが人気を博していて、それが90年代のオルタネイティヴ・ロックのブームへの土壌を作っていたと認識している。80年代半ばから後半がカレッジ・ラジオ文化の最盛期かなと思ってたけど、冒頭にある年表によるともう少し前から盛り上がりがあったみたい。これに合わせて公開されてるSPOTIFYの関連曲リストを見ると、意外とイギリスの80年代初
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「THE PLOT HOLES」読了
アメコミ

「THE PLOT HOLES」読了

「Batman: White Knight」や「Chrononauts」(ストーリー:マーク・ミラー)、さらにこないだ映画化が発表された「Tokyo Ghost」(ストーリー:リック・リメンバー)といった人気コミックを連発し、勢いに乗っているアーティストのショーン・マーフィーによるSFファンタジーコミック。1年前にIndiegogoでのクラウドファンディングに出資してな、完成品が届いたのだよ。 舞台となるのは電子書籍を管理するプログラムの中の世界。毎日数多くの書籍がそこに投入され、エド(エディター)と呼ばれる老女が実際に本の中の世界に飛び込んで必要な校閲を行って書籍を管理していたが、謎のウィルスのよって多数の書籍が破壊されていることに彼女は気づく。ウィルスに対抗するために彼女は様々なジャンルの本から優秀な戦士たちを集め、「プロット・ホールズ」というチームを結成してウィルスを撃退しようとするのだが…というあらすじ。本の世界と現実世界(プログラムだが)が交錯するさまはマーフィーがグラント・モリソンと組んだ「Joe The Barbarian」に少し似ているかな。 後述すように話の設定は
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「M.O.D.O.K.」鑑賞
海外テレビ番組

「M.O.D.O.K.」鑑賞

別名「Marvel's M.O.D.O.K.」で、米HULUの新シリーズ。マーベル印のスーパーヒーローものだけどストップモーション・アニメのコメディ作品になっている。 主演はマーベル古参のヴィラン、Mental Organism Designed Only for Killing(殺害のみを目的として設計された知的生物)ことモードック。60年代にジャック・カービー御大によって創造されたキャラで、悪の科学組織A.I.M. (Advanced Idea Mechanics)のメンバーが人体実験によって超人的な知性を取得し、その知性をもってスーパーヒーローたちを長らく苦しめてきた悪役なのであります。しかしそのいかつい名前(カービーはキャラクターの命名については直球勝負の人だった)とか、でっかい頭に小さな手足がついているデザインが徐々に時代遅れになっていって、最近はコミックのほうでも面白キャラ扱いされていたような。 番組のほうはモードックのオリジンとかは明らかにされなくて、昔から科学の得意な頭でっかちの子供だった彼が、周囲に受け入れられなくて悪の道に進み、A.I.M.を設立したことになって
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「MONSTERS」読了
アメコミ

「MONSTERS」読了

バリー・ウィンザー=スミスの10数年ぶりの新刊。寡作なためか日本での知名度はそんなに高くないコミック作家だと思うが、60年代からマーベル(UK)で活躍を始め、その緻密なアートをもって「コナン・ザ・バーバリアン」などで人気を博し、代表作の1つである「ウェポンX」はXメンのウルヴァリンの決定的なオリジン話として、後の映画版などにも大きな影響を与えた、レジェンド級の作家なのですよ。 ただしマーベルやDCなどの大企業のための雇われ作家として働くことに反発し、90年代はイメージとヴァリアント・コミックスといった小さめの出版社での仕事をいくつか手掛けたものの、コミック業界に幻滅したのか非常に寡作になり、00年代は殆ど消息不明になっていたと言っても過言ではないだろう。いちおう公式サイトもあるのだけど全く更新されておらず、「消えた作家」になっていたのですね。 そんな彼が10数年ぶりに新作を出すらしい、という話が聞こえてきたのが昨年の話で、そして今年ファンタグラフィックス社から発売されたのがこの「MONSTERS」。ハードカバーで365ページという分厚いボリュームで、すべてのページにわたって緻密に描
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「Zack Snyder's Justice League」鑑賞
映画評

「Zack Snyder's Justice League」鑑賞

HBO MAXで全4時間を鑑賞。以下はネタバレ注意。 まあ発表時というか発表前から、さらに言うとジョス・ウィードン版「ジャスティス・リーグ」が公開されたときからハイプに包まれた作品であったわけで、その期待度によって観る人の感想が大きく変わってくるものなのでしょう。世間的にはジョス・ウィードンが最近パワハラ疑惑などで井戸に落ちて石を投げられている犬みたいになっていることもあり、ウィードン版(通称「ジョスティス・リーグ)」をディスってスナイダー版を持ち上げる意見がネット上では多く見られるのだけど、いや流石に2時間の映画と4時間のものを比べるのは無理があるでしょ。しかもスナイダー版はウィードン版が失敗したのを受けて作られたわけで、スナイダーがウィードン版を一切観ていないと公言していても後出しジャンケン的な感があるので、今回のスナイダー版とウィードン版を比べるのはあまり意味がないと思うのです。 それで今回のを観ていて自覚したのが、自分はウィードン版の内容をよく覚えていない、ということでして、もちろんプロットなどは覚えてるのだけど細かいところまでは覚えてないので、あれこのシーンは以前にあった
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「RESIDENT ALIEN」鑑賞
海外テレビ番組

「RESIDENT ALIEN」鑑賞

SYFYチャンネルの新シリーズで、ピーター・ホーガン&スティーブ・パークハウスによるダークホース・コミックスの同名コミックを原作にしたもの。スティーブ・パークハウスってアラン・ムーアの「The Bojeffries Saga」のアーティストだった人か。原作読んだことないので(というか知らなかった)のでコミックにどのくらい忠実なのかはわかりません。 舞台はコロラドの山奥にある小さな町。湖畔の家に隠居している元医師のハリー・ヴァンダースピーゲルはごく普通の男性のように見えるが、実は彼の正体は宇宙人で、乗っていた宇宙船が落雷で地球に不時着したことからハリーの姿に偽装して宇宙船の積荷を探していたのだった。その一方では町の医者が不審死を遂げてしまい、ほかに医者がいないということで市長に無理やり頼まれてハリーは町の新しい医者を勤めることになり、さらに前任者の謎の死の調査を依頼される。こうして地球の文化を十分に理解しないまま町の住人と交流する羽目になったハリーだが、彼の偽装を見抜ける能力を持った少年が町にいて…というあらすじ。 題名の「RESIDENT ALIEN」とは米国法における外国人の「米
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「ワンダーウーマン 1984」鑑賞
映画評

「ワンダーウーマン 1984」鑑賞

公開されたばかりだけどいろいろ書きたいことはあるので、以下はネタバレ注意。 * パラダイス・アイランド セミッシラから人間の世界にやってきたダイアナのカルチャー・ショックが重きを占めてちょっと頭でっかちな印象があった前作に対し、今回はダイアナも人間の世界に慣れてるし、アクションシーンも洗練されたものになって前作よりも優れた出来になっていた。 * 1984年が舞台ということで80年代カルチャーが大々的にフューチャーされて、アクションシーンなんかも80年代のブロックバスターを意識したものになってるかな。冒頭のショッピングモールまでのドタバタはリチャード・レスターの「スーパーマンIII」の冒頭によく似てると思いました: * しかしゲーセンに1987年発表の「オペレーション・ウルフ」があったり、83年に解散したマイナー・スレートのポスターが貼ってあったりと時代考証が甘いぞ。当時の日本にガストはなかったし。いや別にどうでもいいんですけど。 * 願いを叶える石というチート的なアイテムの登場は賛否両論あるかもしれないが、それもまた80年代的な荒唐無稽さがあっていいんじゃないですか。しかし
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「THE NEW MUTANTS」鑑賞
映画評

「THE NEW MUTANTS」鑑賞

FOXの「X-MEN」系列の作品でありながらディズニーの買収騒動に巻き込まれて2年間も公開延期になってたもので、冒頭にFOXのおなじみのファンファーレが鳴るのに出てくるロゴが「20世紀FOX」ではなく「20世紀スタジオ」となっていたのには1つの時代の終わりを感じてしまったよ。以下はかなりネタバレしてるので注意。 ネイティブ・アメリカンのダニエル・ムーンスターは超常的な存在によって居住地が破壊され、唯一の生き残りとして病院施設に収容される。そこではセシリア・レイズ医師の指導のもと、4人のティーンが暮らしていた。ダニエルは自分が他の4人と同じく特殊な能力を持ったミュータントであることを告げられ、Xメンのようになるべく自分たちの能力をコントロールすることを学ぶため施設に収容されていると伝えられる。しかしレイズ医師の行為はなにか不自然なものがあり、さらには施設内では不気味な現象が起きるようになるのだった…というあらすじ。 原作は80年代に登場した同名のコミックで、次なる世代のXメン候補として集められた若きミュータントたちの活躍を描いたもの。90年代にアーティストがロブ・ライフェルドになった
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アメコミ

Milestone Media再始動(For Real)

以前にマイルストーン・メディア(マイルストーン・コミックス)が再始動するか?と書いてから5年も経ってしまったわけですが、こないだのDC FANDOMEイベントにあわせて再始動が正式に発表されまして、オールドファンとしては嬉しいこってす。 故ドウェイン・マクダフィの奥さんに印税回りで訴訟起こされたりしていろいろあったらしいが、FANDOMEで披露されたマクダフィの追悼ドキュメンタリーにも奥さんが出てたりしたので、そこらへんはうまく片付いたのでしょう。ドウェイン・マクダフィの功績についてはYoutubeチャンネルのComicTropesが非常にわかりやすい解説をしてくれているのでご覧ください: マイルストーンの正式なリランチは来年の予定だけど、そのティザー的なコミック「MILESTONE RETURNS #0」が無料公開されてるので早速読んでみた。DCのジム・リー社長自らがアートを数ページ担当しているあたり、力の入れようが感じられるかと。いままでポチポチ出ていたワンショット(「Milestone Forever」とか)が90年代からの続編だったのに対し、今回はゼロからのリブートになるみ
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「ブラッドショット」鑑賞
映画評

「ブラッドショット」鑑賞

いちおう日本では5月29日から公開らしいですが、首都圏の劇場で観られるのはいつからですかね?ワーナーのDC、ディズニーのマーベルに対抗してか、ソニーが中国資本と組んでヴァリアント・コミックスのスーパーヒーロー作品を映像化したもの。以降はネタバレ注意。 日本では馴染みがないがヴァリアント・コミックスというのは、元マーベルの名物編集長だったジム・シューター(身長3メートル)が1989年に立ち上げたコミック会社でして、ブラッドショットやハービンジャー、XOマノウォーといった新キャラクターを生み出したり、マグナス・ロボット・ファイターなどといった60年代のゴールドキー・コミックスのキャラクターをリブートした作品を出していたところ。初期はボブ・レイトンやバリー・ウィンザー・スミスといった名クリエイターたちが関わっていたことや、90年代前半のコミックへの投機ブームにも乗っかって、それなりの人気を誇っていた会社なのです。そのあとゲーム会社のアクレイムに買収されたが軌道に乗らず、アクレイム自体が倒産して、そのあとも親会社が2回くらい代わったものの、現在でも根強い人気をもって出版を続けております。
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