Kingink

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「DEVS」鑑賞

アレックス・ガーランド脚本・監督のミニシリーズ。「FX on HULU」という謎の扱いになってるが要するに米HULUのオリジナルシリーズな。ディズニーはDisney+と差別化するためにHULUの方に大人向けのシリーズをまわすようになって、その結果今年のHULUはいろいろ充実しそうなのであります。以下はネタバレ注意。 舞台となるのはサンフランシスコ。リリー・チャンとセルゲイは同棲中の恋人で、ふたりともシリコンバレーの巨大テック企業「アマヤ」に勤めていた。そこでの研究が認められたセルゲイは、会社のCEOであるフォレストから直に、極秘プロジェクトである「DEVS」への参加を要請される。会社の敷地(えらくデカい)の森のなかにあるDEVSの建物はコンクリートに覆われ、中には金のメッシュの壁と真空のエリアがあり、その中に作業エリアが電磁力で浮いているという巨大なもの。その中心にあるコンピューターが打ち出したコードを見たセルゲイは気分が悪くなり、そのまま失踪する(というかフォレストの差金で殺され、自殺に見せかけられる)。そして恋人がいなくなった原因を追求するために、残されたリリーはDEVSの謎を解
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「スキャンダル」鑑賞
映画評

「スキャンダル」鑑賞

この作品、日本のレビューだとニュース局でのセクハラだとかMeToo運動とかとの兼ね合いで語られてることが多くて、それはもちろん間違っていないものの、その舞台となったFOXニュースとは何ぞや?ということを説明しているものが非常に少ないので、その観点からちょっと書き記してみる。俺自身もFOXニュースなんてあまり観たことないし観たいとも思いませんが、「デイリーショー」などでネタの対象にされてることもあってそこそこ詳しいと思うので。 FOXニュースは劇中でも語られるようにルパート・マードック傘下のケーブル局で、モットーは「Fair & Balanced」(公平でバランスがとれた)といいつつも政治的スタンスはコテコテの保守右寄りで、煽動的なコメンテーターを起用することでブッシュ政権時に保守層のあいだで視聴者を増やし、CNNを追い抜いてトップのケーブルニュース局になったんだっけな。 その原動力となったのが本作品の悪者であるロジャー・エイルズで、物事の真相なんぞ気にせずに報道を煽るスタイルでFOXニュースをバリバリ売り込んでいった。劇中にもあるように上司であるマードック一家にも楯突くような人物で
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海外テレビ番組

「HIGH FIDELITY」鑑賞

米HULUのオリジナルシリーズで、映画化もミュージカル化もされたニック・ホーンビィの人気小説をシリーズ化したもの。 おれ原作小説はすんごく好きでして、レコード屋の店長のロブが音楽について蘊蓄を語りながらも、女性関係については自信がなくてオロオロする姿が他人事とは思えなくて、初めて読んだときに衝撃を受けてすぐに読み返し、当時好きだった女の子にも買って渡したら読んでもらえなかった、思い入れの深い作品なのであります。 そういう意味では原作の原理主義者でもありまして、ロンドンで店を営むロブが、郊外でセックス・ピストルズのA&M盤(えらく希少)を見つけてドキドキする描写とかが好きなので、世間では評判のいいジョン・キューザック主演の映画版も舞台をシカゴに移してしまったという点は好きではないのですよね。 そして今回のHULU版では店がニューヨークに移り、さらに主人公ロブは女性(本名ロビン)に変わってしまっている。ホーンビィの描くオタク男の心情が好きだった者としては、ずいぶん遠いところまで来たなあという感じ。話の展開自体は原作に比較的忠実で、店員ふたりと共にレコード屋を営むロブが、別れたばかりの
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「1917 命をかけた伝令」鑑賞
映画評

「1917 命をかけた伝令」鑑賞

公開したばかりなので感想をざっと。いちおうネタバレ注意。 ・日本の宣伝では「全編ワンカット」であることが謳われてるが、当然そうではない。作品を観ればわかるが、少なくとも2回は主人公が意識を失うことでカットが生じているし、それ以外にも劇中のあちこちで巧妙にカメラを隠すことなどで、細かいカットが入っているらしい。とはいえ長回しを多用した、切れのない演出を売りにした作品であることは間違いないのですよね。 ・そこで出てくる疑問としては、そういう演出って意味あるの?ということでして。実際にワンカットで撮影された「ヴィクトリア」を観た時も思ったが、そういう長回しを使うことで話が面白くなるのでなければ、やる意味あるのかなと、映画製作で一番偉いのは編集者だと見なしている自分などは考えてしまうのです。 ・1つの解としては、これがすべてリアルタイムで進む作品であり、ストーリーの最初から最後までを通して見せることで、主人公の与えられた任務の性急さを表すこともできるだろう。でもこの作品は、もっと夜になるまで出発を待つという選択肢が最初に与えられているわけで、果たしてこういうワンカット撮影をする必要が最も
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「フェアウェル」鑑賞
映画評

「フェアウェル」鑑賞

2週続けてオークワフィナ作品だぜ!日本では4月に公開される映画。 子供の頃に両親に連れられて中国からアメリカに移住した女性であるビリーは、中国にいる祖母がステージ4の癌にかかっていることを両親より知らされる。末期癌は本人には告知しないという中国の風習のもと、ビリーの一家および伯父の一家は、ビリーの従姉妹が結婚式をするという名目で中国に集まり、祖母の前では健気にふるまうのだが…というあらすじ。 咳はするものの自分が癌であることはつゆ知らずに身内のことをあれこれ言う祖母と、そんな彼女に気を使う親族たちの光景を淡々と描いた内容で、あまりコメディ要素はないかな。 A24製作のアメリカ映画だが内容は完全に中国映画で、監督のルル・ワンの実体験に基づいた話なのだとか。親族が集まったということでやたら料理の量の多い食事シーンが続くなか、中国とアメリカの違いとか、変わりゆく中国の風景などがいろいろ語られていく。中国に残った親族がビリーの母に「金持ちになりたいなら中国に来ればいいのに〜」とか言うのが時代ですかね。ビリーの父が「俺はアメリカ人だ」と言うのに対し、日本に移住したというビリーの伯父が「俺は
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「Awkwafina Is Nora from Queens」鑑賞
海外テレビ番組

「Awkwafina Is Nora from Queens」鑑賞

「クレイジー・リッチ!」「ジュマンジ」「フェアウェル」と出演する映画はみんなヒットして破竹の勢いを誇るオークワフィナ嬢が、弱小ネットワークのコメディ・セントラルでシットコムの主役を務めることになったのだよ。 内容はタイトルそのまんまで、クイーンズに住むノーラという20代の女性を演じるのがオークワフィナ。ノーラは父親と祖母と同居してるのだが定職につかず、UBERのドライバーとかやりながらのらくらと暮らしている毎日。決して悪い人間ではないのだが、自分のズボラさなどが災いしていろいろトラブルに巻き込まれ…というような話。 コメディ・セントラルの番組らしい緩さがあるというか、ちょっとスケッチ・ショウ的なノリもあるかな。パイロット版がYoutubeで公開されているほか、先行公開された第6話を観たのだけど、父親と祖母の設定が少し変わってて、どちらも本編では少し真面目なタイプになっているみたい。下ネタもいろいろ出てきまして、第6話は股間を蹴られたノーラが四六時中QUEEFすることになってさあ大変…という話でした。おかげでQUEEFなんて言葉を覚えてしまったよ。 ちょっとボケた祖母を演じるのが「
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「HONEYLAND」鑑賞
映画評

「HONEYLAND」鑑賞

こんどのアカデミー賞でドキュメンタリー映画賞だけでなく外国語映画賞にもノミネートされたマケドニアのドキュメンタリー。以降は最後まで内容を語ってるのでネタバレ注意。 舞台となるのは北マケドニア共和国(「北」をつけないと怒る人たちがいるらしい)の田舎村。そこに寝たきりの母親と住むハティゼ(Hatidze )という女性は高い崖の上にいる蜂の巣や、自分の家の近くに作った蜂の巣から蜂蜜をとり、それをバスに乗って首都のスコピエに行って売ったりして、細々と暮らしていた。そんな彼女の家の隣に、7人の子供をもつ一家が引っ越してくる。彼らは牧畜を生活手段としており、ハティゼとも仲良くなるが、やがてハティゼが行っている養蜂を自分たちも行おうと巣箱を大量に持ち込み…という話。 撮影には3年が費やされたそうだが、作品自体の尺は90分もない。しかもナレーションもテロップもなく、ハティゼの名前もろくに紹介されないまま話がどんどん進んでいくので、登場する人々の素性などをとにかく憶測しながら観ていくことになる。ハティゼの経歴や、彼女がなぜ養蜂を始めたなどかの説明は一切なし、母親が85歳だというので、彼女自身は60前
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「MONOS」鑑賞
映画評

「MONOS」鑑賞

昨年のサンダンスで高い評価を得た、コロンビアとアメリカ合作の映画。IMDBなんかでは「猿」という邦題がついてるのだけど、日本公開は決まってるのかな? 舞台となるのは南米の某国。内戦が続くその国において反政府ゲリラは高地に建つ廃墟を占領し、そこに誘拐したアメリカ人女性を人質として拘留していた。その廃墟の管理にあたるのは10代の少年少女からなる8人の兵士たちで、彼らの上司はごくまれに指導にやってくるのみ。兵士とはいえまだ若者である彼らは他愛ない遊びに明け暮れるような日々を過ごしていたが、戦火が拡大したり人質が逃走を試みたことで彼らはやがて野蛮化していき…というあらすじ。 話の背景はかなり曖昧にされていて、舞台となる国もコロンビアのようだが明確にはされていない。ゲリラ組織の名前はそのまま「組織(THE ORGANIZATION)」で、彼らが何と戦ってるかの説明はなし。高地を守る少年少女たちは上司には「モノス(猿)」と呼ばれ、メンバー同士は「ウルフ」「ドッグ」「レディー」「ブームブーム」といったニックネームで呼びあうほか、「ランボー」という兵士は性別も曖昧な感じ。彼らの監視下に置かれる人質
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「DRACULA」鑑賞
海外テレビ番組

「DRACULA」鑑賞

BBCのミニシリーズ。Netflixでもすぐ配信されるそうなので、日本でもやるかな?タイトルの通りブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」を「SHERLOCK」のスティーブン・モファット&マーク・ゲイティスが脚色したもので、90分3話というフォーマットも「SHERLOCK」っぽいな。 話の序盤は原作に比較的忠実で、トランシルバニアの古城に招かれたイギリス人弁護士のジョナサン・ハーカーはそこでドラキュラ伯爵に出会う。ドラキュラは夜にしか姿を表さないものの、ハーカーは城に実質的に幽閉され、そこで数々のおぞましいものを目にする。そして最初は老人の姿をしていたドラキュラは日増しに若くなっていき、代わりにハーカーは生気を失っていく。ドラキュラがただならぬ存在であることに気づいたハーカーは、どうにか城を脱出しようとするのだが…というあらすじ。 原作ではハーカーの脱出劇って全体の5分の1くらいの長さだが、ここではまるまる1話が彼の話に費やされ、ハンガリーで保護されたハーカーが、ふたりの修道女を前に、城で何が起きたのかをフラッシュバックで語っていく形式になっている。ここらへんから番組オリジナル
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謹賀新年
雑記

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。 去年の挨拶を読み返してみると、2019年のあいだにやりたかったことが全然達成できてなかったなー。と思う次第であります。まあ行ったことのない国とかにも行けて、面白いところは面白かったのだけどね。やはり仕事に日常の時間の大半が食われている状態でして、好きな本を読んだり映画を観るために、50歳になったらアーリーリタイヤしようかと、最近ひしひしと考えている次第です。まあそのためにはさらに働いて貯金しておかないといけないのですが。あとはやはり健康に気をつけねば。 世の中的にはポピュリズムの台頭というか、頭の悪そうな人たちが幅を利かせるようになってきていろいろ面倒になってきた感じもしますが、なるべく大人のように振る舞って、困ってる人たちには手を差し伸べるようにしましょう。でもオリンピックは中止しような。 それでは今年もよろしくお願いいたします。
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映画評

2019年の映画トップ10

3年前にやったように、上位5位と下位5位を順不同で観た順に並べていく。ちなみにみんな大好き「アイリッシュマン」は未見な。 <上位5位> ・「アベンジャーズ/エンドゲーム」 前作よりもずっと楽しめる内容になっていたし、きちんとキメるところはキメて、長年にわたるマーベル作品の流れをきちんと締めくくる出来になっていた。これから何が続くにせよ、この作品までの盛り上がりを再現するのは難しいだろう。 ・「アド・アストラ」 今年は「ハイ・ライフ」もそうだったけど、孤独な宇宙探索ものって個人的に好きなのです。この監督の前作に続き、探検に執着する父子の姿が良かった。ブラピは「ワンス・アポン〜」とあわせて今年は良い演技を見せていたな ・「BOOKSMART」 飛行機で観たので、内容はたぶんカットされていると思う。それを置いておいても、同級生たちのあいだで空回りするガリ勉女子ふたりの青春物語が、観ていて大変切ないのです。 ・「THE ART OF SELF-DEFENSE」 これも飛行機で。巷で話題になったToxic Masculinityが男性に及ぼす効果を、暗く、そして面白おかしく描いた傑作。主
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「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」鑑賞
映画評

「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」鑑賞

ディズニーがFOXを買収した後の作品なので、あの往年のFOXファンファーレ&ルーカスフィルムのロゴのオープニングが観られるかと期待してたんだが…ネズミはそんなに寛容ではなかった。以後はネタバレ注意。 結局やはりエイブラムスだよねえ。何をすれば観客が喜ぶかを計算して映画を作っているだけで、自分の芸術性などは二の次。だから結局のところ無難な作品した作れなくて、過去のレガシーにおんぶにだっこしてるだけ。彼の作家性を伺わせるトレードマークといえば、目障りなレンズフレアくらいじゃ無いだろうか。しかも今回顕著なのは、自分が撮らなかった前作を嫌ってるんじゃね?と思わせる展開があったこと。 いや確かに「最後のジェダイ」はプロット的にはいろいろ問題あったけどさ、少なくとも「エピソード4」の焼き直しだった「フォースの覚醒」よりかは新しい要素を取り入れようとしていたじゃん?フォースはジェダイのみが持つ特権ではなく、もっと誰もが秘めているものという扱いだったじゃん?それが今回はあからさまな血統主義にとらわれていて、ジェダイもシスもみんな先祖が偉大だったのでフォースを使えるんですという展開。「ファントム・メ
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「THE NIGHTINGALE」鑑賞
映画評

「THE NIGHTINGALE」鑑賞

カルト人気を誇る「ババドック~暗闇の魔物~」のジェニファー・ケント監督による2作目で、今回はホラーというよりもオーストラリアン・ウェスタンになっている。 舞台は1825年のタスマニア。その地に犯罪人として送られ、夫と幼児とともに暮らすアイルランド人のクレアは、自分の刑期が終わって3ヶ月が経ったのに未だ釈放の承認が下りず、英国軍の士官ホーキンズに労働を強いられ、さらには彼の慰みものにされるという辛い日々を送っていた。彼女の扱いに激昂した夫のエイダンはホーキンズに殴ってかかり、その報復としてホーキンズはクレアの家に押し入り、エイダンと幼児を殺し、クレアを部下に陵辱させる。そしてホーキンズはタスマニア北部に去るが、夫と子を殺されて復讐の鬼と化したクレアはビリーというアボリジニの青年を案内人として雇い、ホーキンズを追うのだった…というあらすじ。 監督自身がオーストラリア出身で、自国の暗い歴史に興味があったらしく、暴力に満ちた追跡劇が繰り広げられていく。飲んだくれの兵士たちが幅をきかせる土地において女性の権利など無いに等しく、クレアだけでなくアボリジニの女性がホーキンズに誘拐されて慰みものに
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「ミッドサマー」鑑賞
映画評

「ミッドサマー」鑑賞

「ヘレディタリー/継承」のアリ・アスター監督によるさらなるホラー。日本では2月公開ということで感想をざっと書きますが、内容を語りにあたりネタバレせざるを得ないので以下は注意。 身内にきつい不幸があったため精神的に不安定になっていたダニという女性が、彼女に迷惑してそうなボーイフレンドに連れられて、スウェーデン人留学生の里帰りに友人数名と同行することになる。帰省先は田舎のコミューンで、昔ながらの習慣に従って夏至の祭りを祝おうとしていた。笑顔を絶やさない地元の人たちにダニたちは歓迎されるものの、やがて周囲で奇妙なことが起きるようになり…というあらすじ。 ぶっちゃけ話は「ウィッカーマン」そのままで、地元のカルト民に翻弄される部外者をテーマにしたもの。「ウィッカーマン」「ヘレディタリー」同様に、いろいろ事前に仕掛けられたプロットに主人公がハメられていく話なので、そういうホラーが好きでない人には向かないかも。「ヘレディタリー」に比べて急にビックリさせるようなシーンが少ない反面、カメラワークが上達していて、楽しそうなんだけどなんかヤバいコミューンの姿を端麗に描いている。物語の途中に出てくるタペス
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「KNIVES OUT」鑑賞
映画評

「KNIVES OUT」鑑賞

ライアン・ジョンソンの新作。日本では「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」の邦題で1月末に公開らしい。キャスリーン・ケネディに解雇されずに「スター・ウォーズ」作品を監督したことで一躍名を挙げたジョンソンだが、デビュー作は高校生探偵映画「BRICK」であったわけで、今作はその原点に戻るかのような推理ものになっている。よって以下はネタバレ注意。 舞台はボストンの巨大な館。そこには有名推理小説家のハーラン・スロンビーが住んでいたが、ある朝彼は喉を切られた死体となって発見される。警察によって彼の死因は自殺とみなされ、彼の膨大な遺産を分けるために彼の子供たちが館へと集合するが、何者かによって雇われたという探偵のブランクが現れ、皆に聞き込みを始める。そして家族に隠された秘密が徐々に明らかになっていき…というあらすじ。 原作などはないもののアガサ・クリスティの作品にインスパイアされたとかで、設定自体は「BRICK」に比べると比較的ストレートなフーダニットものになっているかな。ただし途中でプロットに大きなヒネリがあって、単純な犯人探しものではなくなったりする。個人的にはちょっとそれが興醒めだっ
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機内で観た映画2019 その4

9月から月イチで飛行機に乗ってるのだが、さすがに疲れますな。観るものがなくなってきてR指定の作品を鑑賞したりしたが、あまり内容はカットされていなかったと思う。ストリッパーの映画を観てるのを周りの乗客に気づかれたりしないか、ちょっとドキドキしましたが。 * 「READY OR NOT」: 金持ち一家に嫁いだ花嫁が、結婚式の晩に奇妙なゲームに参加することになるという、文字通りの「さあゲームの始まりです」映画。まあその手の邦画よりは予算かかってるだろうし、そこそこ面白いのだが。ただ屋敷でのかくれんぼというルールながら、結構早い時点で屋敷の外に出てしまっているのが残念。最後のオチもなんとなく分かったし。どうせB級映画なのだから、もっとえげつない展開にしてもよかったのに、比較的無難な出来になってしまっていた。 * 「ハスラーズ」:リーマンショックの時期にも頑張ってウォールストリートの社員たちから金を稼ごうとするストリッパーたちの物語。胸はさすがいにボカシ入ってました。プロデューサーにアダム・マッケイ(&ウィル・ファレル)がいるので金融業界を風刺した内容になっているけど、「マネー・ショート」
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「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」鑑賞
映画評

「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」鑑賞

まあ実は聖地ってあまり関係なかったりするのだが。好きなシリーズの最終章ということでちょっとドキドキしながら観ました。日本公開前なので感想をざっと: * 舞台は前作の1年後。部族の長となったヒックが、ドラゴンを狙う人間たちの侵攻をいかに退けるかがテーマになっていて、悪い人間VSヒックたち、という構図は前作に似ているかな。ヒックが青年になっていることもあり、よりシリアスな内容になっているのも特徴。 * その一方ではポスターにあるようにトゥースレスの相方みたいなドラゴンも登場しまして、その馴れ合いのシーンが第1作のヒックとトゥースレスの湖畔(だっけ)のシーンに通じるところもあって、うまく過去作を反映させているなと。 * 悪い人間側には、前作以上に狡猾なハンターが出てきてトゥースレスを狙ったりするのだが、変にヌケたところもなく、かなり知的なヴィランであったのが話に緊迫感を与えて良かったですよ。ボウガン強すぎだろ、と思ったけど。 * 部族とドラゴンたちの安全を模索するヒックの苦悩が大きく扱われているものの、リーダーの割には事前準備(偵察)とかしないで物事を実行に移していたような?賢いお
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映画評

機内で観た映画2019 その3

こないだ何故かサウジアラビアまで行ってきたので、機内で観た映画の感想をざっと。 * 「THE ART OF SELF-DEFENSE」: 路上で暴漢に襲われたことがきっかけで空手道場に通い始める男性をジェシー・アイゼンバーグが演じるダークなコメディ。道場が健全なようでそうでもないことが明らかになるのだが、マッチョの思想にとらわれて道場の師範の言いなりになる描写が「ファイト・クラブ」に通じるものがあるな。しかし1番ヤバい人物はアイゼンバーグだったというわけで、神経質なタイプを演じさせたら巧い彼の才能が100%活かされた作品ではないでしょうか。個人的には今年ベスト級の出来だった。 * 「STAN & OLLIE」: 邦題は「僕たちのラストステージ」。まあローレル&ハーディの知名度が低い日本だとこういう邦題になるのかな。晩年の彼らを扱った内容のため、コメディアンが主人公ながらもダウナー系の出来になっているのはいかがなものか。なおむかしコミックの「プリーチャー」で語られていた「ローレル&ハーディが船でアイルランドに着いたとき、教会の鐘が彼らのテーマ曲を鳴らして迎えた」というシーンがあった
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映画評

「ターミネーター:ニュー・フェイト」鑑賞

なぜ原題は「ダーク・フェイト」なのに邦題は「ニュー・フェイト」なのか。まあいいや。感想をざっと書きますが、以下はネタバレがいろいろ含まれてます: * マッケンジー・デイビスは正義。これは最初に言っておく。 * 冒頭から「T3」を全否定するような展開で、あーそこからやり直すのね、という感じ。 * しかしその後の話はいつものパターンで、未来からターミネーターがやってきて、それをやっつけるために戦うというだけ。6作目ともなると流石に飽きてきますよ。 * 前も書いたように個人的には「T1」原理主義者なので未来がコロコロ変わるのは感心しないのですが、今回はかなりご都合主義的で、「スカイネットが阻止された→新たな敵が現れた」「ジョン・コナーがいない→別のリーダーが登場する」というゴールポストを動かすようなものでは、サラ・コナーたちが戦ってる意味がないと思うんだけどね。「ターミネーター」シリーズがいかにマンネリ化しているのかを実感させられた2時間だった。 * いや今回はジェームズ・キャメロンのもとに権利が戻ってきたとかで、密かには期待してたんですよ。それなりに新しい方向性を打ち出すんじゃ
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「HIS DARK MATERIALS」鑑賞
海外テレビ番組

「HIS DARK MATERIALS」鑑賞

BBC & HBOの新シリーズ。フィリップ・プルマン原作の「ライラの冒険」シリーズの映像化で、あれって第1作「黄金の羅針盤」がすでに映画化されて大コケしたはずなのだが、それでも再映像化されるということは原作に根強い人気があるのででしょう。なお個人的には小説も映画も読んだこと観たことありません。 舞台は架空のイギリスで、空には飛行船が飛び交い、それぞれの人間にはダイモンと呼ばれる分身が動物の姿をとってつきまとっていた。世界はマジステリアムという強力な教会組織によって支配されていたが、その支配が届かないオックスフォード大学のなかで育って少女ライラは、叔父の冒険家アスリエル卿が発見した謎の粒子「ダスト」の存在を知る。さらに彼女の近辺では子供の誘拐が相次ぎ、親友までもがさらわれたライラは、事件を解決するために冷酷な女性ミズ・コールターとともにロンドンへ向かうのだった…というあらすじ。 第1シリーズで原作の1巻目をカバーする形になるのかな?いろいろ興味深いシーンも出てくる一方で、話の設定に時間を割いていることもあり、第1話は比較的地味な感じがしました。これから武装した北極クマとかが出てきて、
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「WATCHMEN」鑑賞
海外テレビ番組

「WATCHMEN」鑑賞

HBOの新シリーズで、原作はアメコミの金字塔「ウォッチメン」な。原作者のうちデイブ・ギボンズはコンサルタントとしてクレジットされてるが、アラン・ムーア御大は例によって名前も載ってません。原作とは殆ど別物になってるので作品の世界設定を箇条書きにすると: * アメリカはドクター・マンハッタンの助けによりベトナム戦争で勝利し、ニクソン大統領は8年以上の長期政権を樹立。それを継いだロバート・レッドフォード(役者の彼な)も長期に渡って大統領を務めている。 * よって政権は概ねリベラルで黒人への待遇も手厚いのだが、それに反発する白人至上主義者の団体「セブンス・キャバルリー」のメンバーたちはロールシャッハのマスクを被り、テロ行為を行っている。 * 警官たちの個人攻撃が多発したことを受けて、警官たちは顔を隠すために黄色いマスクを被っている。また独自のマスクをつけたビジランテたちも警官に協力してロールシャッハたちと戦っている。 * ドクター・マンハッタンは火星に移住した。エイドリアン・ヴェイト(オジマンディアス)は死んだと見せかけ、田舎の城に隠居している。 …といったところ。まだ第1話の段階
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映画評

機内で観た映画2019 その2

こないだヨーロッパに出張に行ってきたので、機内で観た映画の感想をざっくりと: * 「トイ・ストーリー4」:野良アプリならぬ野良トイ、というか浪人トイがテーマになった今回、前半のフォーキーのアイデンティティ・クライシスの話と後半のアクション主体の部分がうまく噛み合ってないような?前作よりは面白かったけど、もうこれ以上続編作るのは難しいだろうなあ。ウッディとバズの声優の格差を反映してか、殆どウッディの話になってましたね。 * 「イエスタディ」:ビートルズのいない世界ではラットルズが王になるのでは、と思ったけどオアシスもいないようなので、彼らも存在しないのでしょう。リチャード・カーティスの脚本にダニー・ボイルの映像が加わった王道の出来なので、細かいこと考えずに観れば十分楽しめる作品じゃないですかね。字幕で「cider」を「ソーダ」と訳してたのは気になったが。 * 「ジョン・ウィック:パラベラム」:アクションはスタイリッシュですごいと思うのですが、いかんせんストーリーが単調というか何というか。主人公が遠方まではるばる旅をした意味はあったんかい?続編もしっかり作られる予定みたいですが、も
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海外テレビ番組

「BATWOMAN」鑑賞

THE CWの新作シリーズで、アローバースに加わる新たなスーパーヒーローですな。 舞台は当然ながらゴッサム・シティだが、バットマンは3年前から行方不明になっているという設定。ブルース・ウェインの従姉妹であるケイト・ケインはかつては軍の兵士だったが、レズビアンであるという理由により除隊を命じられ、遠く離れた地で密かに訓練を続けていた。だがかつては彼女の恋人であり、ケイトの父親が運営する警備会社の社員であるソフィーが暴漢に誘拐されたためにケイトはゴッサムへと帰ってくる。そこでブルースの遺したバットマンの基地を発見した彼女は、バットマンのコスチュームを身にまとってソフィーの救出に向かうが、その陰には死んだはずのケイトの妹がいた…というあらすじ。 コミックでは10年くらい前に登場したケイト・ケイン版のバットウーマン、日本ではそんなに馴染みはないかもしれないけどアメリカでは人気キャラクターですね。TVシリーズ版のオリジンも大体はコミックを踏襲している感じかな。父親はもっとガチガチの軍隊オヤジだったけど。 バットウーマンの宿敵となる、双子の妹のアリス(上)は子供のときに母親とケイトとともに橋
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「ジョーカー」鑑賞
映画評

「ジョーカー」鑑賞

まだ公開したばかりなので感想をざっと。以下はネタバレ注意。 * 話がどこにたどり着くのかは最初から分かってしまっているので、ストーリー自体に驚きなどはない。ホアキン・フェニックス演じる主人公の変化の過程を楽しむ作品かと。 * 「タクシー・ドライバー」や「キング・オブ・コメディ」そといったスコセッシ作品のパスティーシュと呼ばれ、確かに70年代感を強く出している一方で、内容は非常に現代的というか、貧富の格差とかインセル問題といった現代社会にはびこる欲求不満をうまく反映させていた。観てる最中に香港でのデモやアノニマスのことを連想した人は多いはず。 * 音楽はゲイリー・グリッターの「Rock And Roll (Part 2)」といえば野球の試合とかでの定番曲だったかと思うが、グリッターが児童ポルノで捕まってからは、この映画のように「悪人のテーマ」として使われるようになってしまいましたね。 * ゴッサム・シティの風俗街では「Ace In The Hole」というポルノ映画をやっているらしく、「Zorro The Gay Blade」もタイトルからてっきりそっち系の映画だと思って、ウェ
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「THE DAY SHALL COME」鑑賞
映画評

「THE DAY SHALL COME」鑑賞

「FOUR LIONS」に続くクリス・モリスの監督作がしれっと出ていたので早速鑑賞。 舞台はマイアミ。モーゼス・アル・シャバズはアヒルを通して神が自分に語りかけてきたという妄想を抱いた男性で、妻子や友人などを集めてスター・オブ・シックスという数名ほどの教団を作り、農園を営みながら細々と活動を続けていた。彼の教えは白人社会の転覆を訴える一方で、銃器の使用を禁じるという決して暴力的なものではなかったが、教団の行いはFBIの知るところとなる。テロを防止していることをアピールしたいFBIは、モーゼスの教団をテロ組織にでっち上げるべく、イスラム国のメンバーが資金と武器を提供したがっているという話をモーゼスに持っていく。銃の受け取りに難色を示したモーゼスだが、農園の立ち退きを迫られて金に困っていたため、この話を受け入れることになる。しかしFBIとマイアミ市警の主導権争いなども絡んで、話はあらぬ方向に展開していく…というあらすじ。 テーマ的には「FOUR LIONS」によく似ていて、あちらは頭の弱いテロリストたちの話だったのに対し、こちらは間抜けなFBIの話といったところ。ただしこの映画では本当
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