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ディック・ジョルダーノ死去
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ディック・ジョルダーノ死去

77歳だと。80年代からアメコミを読み始めた俺のようなファンにとっては、DCコミックスのナンバー2として、社長のジェネット・カーンとともに「ダークナイト・リターンズ」や「ウォッチメン」を世に出した偉い人なんでありますよ。 邦訳もされた「The Greatest Batman Stories Ever Told」の序文によると、喘息で病気がちだった子供の頃に父親が「バットマン」を買ってきてくれたことがきっかけでコミックスに魅せられたそうだが、その人生のすべてをコミックスに捧げたわけで、60年代にはチャールトン・コミックスの編集長としてザ・クエスチョンやブルー・ビートルといったキャラクターが生まれるきっかけを作ったんだよな。またアーティストとしても第一線で活躍した人で、特にインカーとして肉厚なベタ入れを得意とし、ニール・アダムズやジョン・バーンなどの画を映えたものにしてたっけ。むかしイタリアあたりのコミックを眺めてたら、彼のスタイルにそっくりな作品を見かけて驚いたことがある。 会社側の人間としてクリエイターの権利を認めることには否定的な態度をとってたそうだけど、アメコミに多大な貢献をした人
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「The Book of Genesis Illustrated by R. Crumb」読了
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「The Book of Genesis Illustrated by R. Crumb」読了

アンダーグラウンド・コミックの始祖、ロバート・クラムが旧約聖書の「創世記」を描いた本。 なぜクラムが聖書を?というのは誰でも考えることで、アンダーグラウンド・コミックに影響を与えたベイジル・ウルヴァートンが晩年に宗教に目覚めて聖書の物語を描いた例が過去にはあるけれど、クラムの場合はそうした信仰の目覚めみたいなのがあったわけではなく、むしろ「聖書は神の言葉などではなく、人間の言葉だと私は考えている。それが長年のうちに聖職者たちによって編集され、彼らにとって都合のいい内容に変えられてきたのだ」と序文で明記している。どうも最初はアダムとイブの話だけを描く予定だったのが、聖書の話に興味を持つようになって5年かけて「創世記」を描きあげることになったらしい。 クラムが聖書を人間の言葉だと考えているからってアンチ宗教のような解釈は一切されておらず、むしろ表紙に「NOTHING LEFT OUT!」と書かれているように、「創世記」の出来事をすべて残らず緻密に描いた内容になっている。執筆にあたっては複数の版の聖書を研究し、当時の人物の衣装なども調べ上げる懲りようだったとか。 そして中を読んでみると分かる
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グラント・モリソンの伝記映画

「インビジブルズ」や「ファイナル・クライシス」などで知られるアメコミ作家グラント・モリソンの伝記映画が来年のコミコンで公開されるそうな。伝記映画といっても彼が自分の経歴や思想を語るのをインディペンデント系の監督が撮ったという規模のもので、「The Mindscape of Alan Moore」に近い出来になるのかな。 今や大魔術師のような存在になって寡作になってしまったアラン・ムーアよりも、トリックスター的に作品を乱発しているモリソンのほうが個人的には好きでして、この映画により彼の作品や思想がより多くの人に伝わって欲しいところです。最大の難点は、前にも書いたが、あのコテコテのスコットランド訛りでは彼がなに言ってるんだか全然分からないことで、上のトレーラーのように字幕をつけてくれないと観るのは大変シンドいことになりそうだなあ。
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映画の雑記

「KICK-ASS」トレーラー

Kick-Ass Trailer Park | MySpace Video マーク・ミラーとジョン・ロミタJr.によるコミックの映画化。「現実世界」においてオタクの少年がスーパーヒーローになろうと決心し、コスチュームをまとって悪人たちをブチのめしていくのだが…という内容の作品。 前にも書いたがここ数年でマーク・ミラーってかなり俺にとって嫌いなライターになってしまって(それでもブライアン・マイケル・ベンディスよりは遥かにマシだが)、サエないオタクが不特定多数に対して暴力的な復讐を遂げていくという、作家の願望そのままのプロットには辟易しているのであります。「ウォンテッド」もそんなんだったよな。この「KICK-ASS」もざっと原作を読んだ限りでは、なんでそこまで暴力描写が必要なの?という感じだったし。 まあ口の達者なキャラクターとバイオレンスというハリウッド好みの作品を書く人だし、アラン・ムーアみたいに映画化を渋るわけでもないから今後もハリウッドとの蜜月関係は続くんだろうな
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アラン・ムーア&ゴリラズ

「フロム・ヘル」の刊行により日本でも知名度がグンと上がったような気がするアラン・ムーア先生が、デーモン・アルバーンおよびジェイミー・ヒューレットことゴリラズと組んでオペラを作るそうな。まあ以前にもバウハウスのデビッド・Jとかと一緒に音楽活動をやってたりしたから必ずしも意外なことではないんだけど。ムーアとヒューレットは以前にコミックで組んだことはあるのかな? でもこういうことやってて肝心の「LoEG: Century」とかの執筆は遅れたりしないんだろうか。俺がいちばん読みたいムーアの新作はむしろLoEGよりも「The Moon and Serpent Bumper Book of Magic」なんだけど、あれは共著者のスティーブ・ムーア(血縁関係なし)が身内の介護活動に時間をとられきりということで刊行が遅れているようだし。 しかし上のリンク先のNMEの記事、"'Watchman''s Alan Moore"という見出しは何だよ。
「Richard Stark’s Parker: The Hunter」読了
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「Richard Stark’s Parker: The Hunter」読了

昨年他界したドナルド・E・ウェストレイクがリチャード・スターク名義で執筆した犯罪小説の「悪党パーカー」シリーズの第一作「悪党パーカー/人狩り」を、「DC: The New Frontier」など優れた作品を出しているダーウィン・クックがコミック化したもの。 ウェストレイク自身からアドバイスを受けながら製作していったという作品だけあって内容は原作に非常に忠実で、強盗のあとに妻と仲間に裏切られて瀕死の重傷を負った主人公パーカーが、あらゆる手段を使って冷酷に復讐を遂げていく姿が臨場感たっぷりに描かれていく。クリーム色の紙のうえに黒と青のインクを使ったスタイルがノワール感を引き立てているほか、「New Frontier」同様にレトロな設定の舞台はクックの得意とするところなので家具や衣装のデザインを見ているだけでも楽しい。 難点があるとすれば通常のアメコミよりも1まわり小さいB5版くらいのサイズなので、全体的にコマが窮屈な感じがすることかな。あとクックの画風だとどうしても人物がカートゥーン的になってしまうわけで、パーカーの描写は完璧なものの、原作だと悪役のマルなんかはもっと脂ぎった下劣な男のよう
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アステリックスの新作
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アステリックスの新作

フランスの国民的コミック「アステリックス」の創刊50周年を記念して、新作「Asterix and Obelix's birthday - The Gold Book」がこないだ発売されたらしい。前作「Asterix And The Falling Sky」がダメダメだったので今回の出来が気になるところですが、どうも「Asterix and the Class Act」のように短編が集められた番外編的な内容になってるらしい。まっとうな長編を期待してたので残念。 最近の「アステリックス」の出来についてはBBCが厳しい記事を載せていて、要するにルネ・ゴシニがストーリーを担当してた頃は面白かったけど、彼の死後にアーティストのアルベール・ユデルゾがストーリーも書くようになってからダメになっていったというもの。まあ確かに近年の作品の出来は悪くて、変にフェミニズムを取り入れた「Asterix and the Secret Weapon」とか「Asterix and the Actress」や、
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ディズニーがマーヴェルを買収

晴天の霹靂。金持ってんなネズミ。 ネズミ嫌いの俺としてはこのニュースがあまり歓迎できなくて、ワインシュタイン兄弟がいた頃のミラマックスみたいに、過激な内容の作品にケチつけてくるんじゃないかと心配なのです。「マーヴェルマン」とか復刊できないじゃん。あとコミックの映画化についても今までは複数のスタジオへ権利を売れたのが、今後はディズニーに一本化されて製作本数が減ってくるんじゃないかと。ここらへんはワーナー参加のDCがそうだからね。 契約の詳細を知らないからあまり何とも言えませんが、せめてユニバーサルとかに買収されてほしかった。
「100 BULLETS: WILT」読了
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「100 BULLETS: WILT」読了

傑作クライム・コミック「100 BULLETS」の最終巻。全12話を収録という大ボリュームのなか、最後のクライマックスに向けた怒濤のストーリー展開が語られていく。 ここ数年の「100 BULLETS」の問題として、世界を牛耳る集団「トラスト」のメンバーたちとエージェント・グレイヴス率いるミニットメンたちの対立・駆け引きが深まるにつれ、金持ちの白人連中が酒を飲みながら今後の出方を語り合うという場面が多くなり、連載開始時の大きなテーマだった「ごく普通の人が100発の銃弾と復讐の機会を与えられる」というアングルから離れていったことが挙げられる。不幸にあえぐ市井の人々の描写がこの作品では傑出してたんだけどね。当然ながらこの最終巻ではトラストとの全面対決に焦点があてられるため、金持ちの豪邸を舞台にした密室劇の場面が多分に描かれるんだが、アクションの場面がうまく挿入されていることや、話がグングン進んでいくことから今までほどは気にならなかったかな。また物語の結末はすべての謎が解き明かされるようなものではなかったものの、長らくついてきたファンを満足させてくれる終わりかたであった。 そしてエデュアルド・
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マッドハウス版「アイアンマン」

日本のアニメ製作会社マッドハウスがマーヴェルと組んで、「アイアンマン」をはじめとするマーヴェルのキャラのアニメを4つ作るのだそうな。個人的に日本のアニメってあまり興味がなくて、特に上のトレーラーのような黒の多い画は好きじゃないのですが、ストーリーを担当するのが「GI JOE: RESOLUTE」のウォーレン・エリスだというのは期待できそうかも。ただしエリスは以前にコミックで「アイアンマン」を手がけた際は発刊が遅れに遅れグダグダになった前科があるので、今回はもっとマシなものにしてほしいところです。一方「ウルヴァリン」のほうはかなりヒドい出来になってますが。 日本のアニメといえば、天下のニューヨーク・タイムズに、日本の「二次元萌え」に関する長い記事が載っておりまして、聞き慣れたような話であっても英語で「Furnace of Child Love」なんて書かれたりすると確かに引くものはあるよな。読者のコメントにもあるように、こういうのはあくまでも極端な例であることを皆が理解してくれればいいんですが。
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「SUPERMAN: RED SON」鑑賞

マーク・ミラー&デイヴ・ジョンソンによるコミックのモーション・コミック版。世間的には評価の高い作品だけど、前に読んだときはあまり面白いとは思わなかったかな。いわゆる「もしも…」の世界を描いたエルスワールズもので、スーパーマンがアメリカではなくソビエトで育ったという設定のもと、冷戦における最終兵器としてのスーパーマンと、彼を打ち負かそうとするレックス・ルーサーの勝負を描いた内容になっている。 アーティストのデイヴ・ジョンソンって「100 BULLETS」の表紙絵とかで知られる人で、要するに動きのある描写よりも表紙のような静止画を得意としてるわけだが、そのスタイルはコマごとに細かく切り抜かれて動きがつけられるモーション・コミックには合ってないような気がする。またマーク・ミラーは長ったらしくて皮肉のきいたセリフを書くことで人気があるライターだけど(おかげで最近の彼の作品は口の達者なキャラばかりが登場することになった)、実際にそれらのセリフが音読されると非常に長くてわざとらしいものに聞こえてしまう。アートの動き具合も「ウォッチメン」とかに比べて堅いところがあって、DCコミックスのモーション・コ
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「マーヴェルマン」復活か!?

ギーク向けのハイプと言われようが、サンディエゴでのコミコンはずいぶん盛り上がってるようで様々なニュースや話題が飛び交っておりまして、それらについてはいずれ後でまとめようかと思うけど、晴天の霹靂のごとく今朝とびこんできたニュースが、なんとマーヴェル・コミックスが「マーヴェルマン」の権利を取得したというもの!! 「マーヴェルマン」(別名ミラクルマン)はアラン・ムーアの初期の大傑作コミックでして、もともと50年代にミック・アングロがキャプテン・マーヴェルをベースに創造したキャラクターを、80年代にムーアが独自のスタイルでリメークしたもので、そのスーパーヒーローの斬新な描写は多くの人に衝撃を与えたんだよね。ムーアが降板したのちはニール・ゲイマンがストーリーを担当したんだけど、途中でキャラクターの著作権に関する問題などが生じてゲイマンの話は未完に終わり、ペーパーバックなども再刊されずファンのあいだでは幻の作品とされていたのです。 それが今回、ゲイマンの手助けなどもありキャラクターの権利がミック・アングロからマーヴェルに移譲されたのだそうな。ただしミラクルマンの権利を主張する人はアングロの他にもた
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「AVクラブ」のコミック特集

今週の「AVクラブ」はコミコンの開催にあわせコミックス特集を組んでおりまして、グラント・モリソンやセスのインタビュー、「良くも悪くも業界に影響を与えたアーティスト」のリストなど様々な記事がフィーチャーされてるのでありますよ。中でも非常に素晴らしかったのが「スワンプ・シング」のアーティストとして知られるスティーブ・ビセットへのインタビューで、アラン・ムーアとのコラボや80年代のコミック作家の労働環境、「フロム・ヘル」が連載されたことで知られる「タブー」誌の創刊に関わる話など、非常に興味深いことがいくつも語られている。 こういうのを読んでいて歯がゆいのは、アメコミというのが日本ではまだまだ知られていないアートであるということ。いやニッチな産業であることは承知してるんですけどね、アメコミ映画がヒットしているのも関わらず、アメコミの奥の深さが殆ど知られていないのは勿体ないなあと。せいぜいサブカル雑誌でスーパーヒーロー作品が紹介されてる程度だものね。簡単な歴史書というか、20世紀初頭から現在までの代表的な作品とアーティストを簡潔に紹介する本があるだけでも知名度の向上につながると思うのだけど、誰か
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映画の雑記

コミコンの「ニセ人気」

数多あるコミック・コンベンションのなかでも最大のものであるサンディエゴ・コミコンが来週開催されて十数万人の来場者が見込まれてるそうだが、ここ数年はむしろコミックのコンベンションというよりも、ハリウッドのスタジオなんかが新作のSF映画やテレビ番組を初公開するような、ギーク向けの映像見本市という風潮が強まってきているらしいんだよね。 これに合わせて出演者などがゲストとして続々来場し、ギークどもはそれを観て狂喜するわけだが、あくまでもコミコンでの評判というのは特定の観客のあいだのものであって、一般の市場でもそれが通用すると思ってはいけないよ、という記事がVARIETY誌に載っていた。最近の「ターミネーター4」や「ウォッチメン」がコミコンでの評判にもかかわらず興行成績が悪かったことをふまえたうえでの記事らしい。 まあ確かにコミコンに行くような客というのは特定の趣味や嗜好を持った人たちであって、彼らが一般社会を代表しているとは考えにくいわな。日本でもコミケで人気があるマンガと一般で人気があるマンガは異なっているんじゃないの?そもそもそうした嗜好をもった人たちのあいだで評判を得ておいて、それを
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「フロム・ヘル」日本語版刊行

柳下毅一郎訳で10月発売だそうな。500ページを超えるあの大作がついに日本でも手に入るのか。切り裂きジャックを扱った作品だがいわゆるフーダニットものではなくて、世紀末のビクトリア王朝の腐敗や貧しい庶民の生活、そしてジャックが20世紀にもたらしたものなどを多くの観点から描いた、蘊蓄本に近い内容になっている作品。俺が特に好きなのは前半のロンドン中を馬車で廻りながら、建築物に隠された様々なシンボルの秘密が解説されていく悪夢のようなシーン。コミックにおける時間の流れ(特に時間がゆっくり進む描写)なども非常に良く練られたものになっているので、書店で見かけたらぜひ手にとってご照覧あれ。映画版とはまったくの別物だからね! ただし個人的にはエディ・キャンベルのアートがどうしても好きになれなくて、彼が才能あるアーティストだというのは承知してるのですが、写実的というよりもむしろ抽象的(と俺は思う)なそのスタイルは、これだけ多数の人物が出てくる作品にはちょっと向かなかったんじゃないかと。読んでて人の顔の区別がつかなくなることが多々あったような。もちろん彼のアートがこの作品のムードにたぶんに貢献していることは
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「2000AD」のiPhoneアプリ
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「2000AD」のiPhoneアプリ

イギリスの老舗コミック雑誌「2000AD」で若き日のアラン・ムーアが執筆していたアンソロジー作品「Future Shocks」が、iPhone向けののコミックとなって販売されていた。コミックのコマが単にバラされて並べられているといった感じで、あまり読み易さはないものの、ブレンダン・マッカーシーとのコラボ作品なんていうなかなかレアなものもあったりする。アラン・ムーアって自分の作品の他メディアへの移植を極端に嫌う人だけど、ドケチで有名な「2000AD」のことだからムーアに無断で販売してるんだろうな。そうなるとグラント・モリソンとの著作権論議により絶版扱いになっている傑作「Zenith」も、いずれこのフォーマットで日の目を見ることになったりして。 最近は日本でもiPhone向けのマンガ販売が盛んだし、作家が作品を自分のウェブサイトで販売する試みを始めていたりしていて、それらが実際に儲かっているかどうかは不明なんだけど、このようなウェブを介した作家へのマイクロペイメントというのは「Understanding Comics」のスコット・マクラウドが何年も前に提唱していたことで、当時はお世辞にも成
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「The League of Extraordinary Gentlemen, Vol. 3: Century, No. 1: 1910」読了
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「The League of Extraordinary Gentlemen, Vol. 3: Century, No. 1: 1910」読了

The League of Extraordinary Gentlemenの待望の新刊!前にも書いたように20世紀初頭から21世紀にかけた「リーグ」の冒険を描いた3部作の第1部で、舞台は1910年のロンドン。ミナ・マーレイ、アラン・クォーターメイン(・ジュニア)に加え紳士泥棒A・J・ラッフルズ、幽霊狩人カーナッキ、そして両性具有のオーランドーからなる新生「リーグ」が、世紀の初めにロンドンで起きるという大惨事を防ぐために、この世に災いをもたらすムーンチャイルドの誕生を阻止しようとするのが大まかなストーリー。 前作「THE BLACK DOSSIER」がメチャクチャ難解なカタログ的書物だったのに対し、今回のは比較的ストレートな冒険譚になっている。でもそこはLoEG、様々な登場人物とプロットが何層にも積み重ねられていて、ストーリーに隠されたさまざな情報を読み解くのが大きな醍醐味になっている。例によって注釈のページが立ち上がっているので、ここを参照しながら読んでいくのもいいかもしれない。 今回のストーリーのベースとしていちばん顕著なのがベルトルト・ブレヒトの「三文オペラ」で、あの劇からの歌が全
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メビウスの講演会
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メビウスの講演会

バンドデシネ(フランス圏のマンガ)は必ずしも大ファンではないのですが、その第一人者であるアーティストのメビウスことジャン・ジローが来日して講演を行うということなので明治大学まで行ってくる。 1200人入るという講堂はほぼ満席。メビウスの作品って日本では殆ど翻訳されてないのにこれだけ知名度があるというのは、大友克洋をはじめとする人気マンガ家たちが影響を受けたことを公言しているからなんだろうな。講演では自分の経歴や日本のマンガの印象について語ってたりしたけど、正直あまり目新しいことは語ってなくて、むしろゲストとして招かれた浦沢直樹と夏目房之介による、日本のマンガ家がいかにメビウスの影響を受けたかというトークのほうが面白かったかも。70年代から80年代前半にかけての頃って、SFというジャンルに対する熱気が今とは違ってたんだよな。その頃に登場してきたマンガ家たちがメビウスの独創的なスタイルに影響を受けたわけで。 講演会の司会進行とかはちょっとグダグダ気味で、竹熊健太郎氏のブログを観る限りでは精華大学での講演会のほうが面白そうだった感じもするけど、無料の講演会だったし良かったんじゃないでしょうか
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「アクション・コミックス」#1の競売
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「アクション・コミックス」#1の競売

スーパーマンが初登場した号として知られる「アクション・コミックス」の第1号がこないだ競売に出され、システム・オブ・ア・ダウンのドラマーが約3100万円という記録的な額で競り落としたんだとか。あのコミックにこの値がついたことよりも、あのバンドのドラマーにそんな金があったことに驚き。全米1位をとるようなバンドはやはり儲かってんですね。 ちなみに「アクション・コミックス」#1ってむかしニコラス・ケイジが売りに出してなかったっけ?リサ・マリー・プレスリーと結婚した直後だったんで彼女がケイジのコミック・コレクションを処分させたという噂が立って、それに対し「単に俺の趣味が変わっただけ」みたいな言い訳をしていたような覚えがあるけど、その後再婚して息子の名前に「カル=エル(スーパーマンの本名)」なんてつけてるんだから、全然趣味が変わってないじゃん!旦那のマンガを処分させるような嫁とはとっとと別れるのが正解だよな。やはり。
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「WONDER WOMAN」鑑賞
映画評

「WONDER WOMAN」鑑賞

DCコミックスのアニメムービー最新作。ワンダーウーマンって個人的にあまり思い入れのないキャラクターなんだけど、この作品は予想以上に面白かった。 基本的には1つの大きなオリジン・ストーリーになっていて、女神ヒッポリタの統治のもと女性だけのアマゾン族が暮らす平和な島に、ある日アメリカ軍のパイロットのスティーブ・トレヴォーが乗った戦闘機が不時着。彼を本国に帰すためにヒッポリタの娘ダイアナがワンダー・ウーマンとなって一緒にアメリカに渡るものの、男性が支配する世界に彼女はショックを受ける。それと同時期に、島に幽閉されていた戦争の神アレスが脱出に成功し、世界に戦渦をもたらそうとしていた…というような内容。 当然ながら戦闘シーンも多分に展開され、おかげでこの手のアニメには珍しくPG-13のレーティングがついているものの、単なるアクション作品にはならず、フェミニスト的な要素が盛り込まれているのがポイント。女性アメコミ作家としていまいちばん勢いのあるゲイル・シモーンが共同執筆した脚本においては、男性は暴力が好きでトラブルを起こしてばかりの頼りない存在になっており、われわれ男性にとっては耳の痛いセリフもで
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「ウォッチメン」と「アウター・リミッツ」
映画の雑記

「ウォッチメン」と「アウター・リミッツ」

このブログからもリンクを貼ってある町山智浩氏のブログで、ザック・スナイダーが劇場版「ウォッチメン」で「アウター・リミッツ」の1エピソード「The Architects of Fear」にオマージュを捧げていると書かれているんだけど、実はあれって原作の段階で既にオマージュが捧げられていて、そのエピソード(の音声)が登場しているんだよね。 これは「ウォッチメン」を執筆していたムーアが、途中になってこのエピソードと「ウォッチメン」のプロットが偶然似ていることに気づき、このオマージュを最終話に挿入したということらしい。些細なことかもしれないけど、ムーアが「アウター・リミッツ」をパクったわけではないらしいので念のため。 しかしやはりイカは出ないのか…。
「HUMAN TARGET」再映像化
海外テレビ番組

「HUMAN TARGET」再映像化

DCコミックスの知る人ぞ知る作品「ヒューマン・ターゲット」のTVシリーズのパイロット版が製作されるんだとか。 これは変装の達人であるクリストファー・チャンスが、何者かに命を狙われている人物になりすまして自らが「人間の標的」となり、暗殺者をおびきよせるというアクション色の強いクライム・コミックで、90年代になぜかリック・スプリングフィールド主演でTVシリーズ化されてるんだよね。コミックのほうではピーター・ミリガンがストーリーを担当した一連の作品が1999年あたりからヴァーティゴから出されていて、あまり長続きはしなかったものの結構俺は好きだったんだよな(特に単行本で出された「FINAL CUT」は傑作)。 「人が誰かに変装する」話というのはコミックなら描写は簡単だけど映像ではそうもいかなくて、今回の映像化ではそこらへんをどう対処するんだろう。やはり変装後は別の役者が主人公を演じる仕組みになるのかな。
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映画の雑記

フランク・ミラーの次の監督作

コミック・ファンのあいだでは定説となりつつある話として、「フランク・ミラーはここ10年のあいだ、徐々にしかし確実に正気を失いつつある」というのがありまして、これは例えば「シン・シティ」の「THE HARD GOODBYE」と「TO HELL AND BACK」、もしくは「ダークナイト・リターンズ」と「DK2」を読み比べてみたり、「ALL-STAR BATMAN AND ROBIN」を一瞥してみれば明らかなことなんだけれども、ここしばらくの作品はみんな話が大味になっていて、登場人物に深みが無いものになってるんだよね。911テロに精神的打撃を受けたことは本人も認めてるし、カラーリストのリン・ヴァーリィとも離婚したりして、まあいろいろあったのかもしれないけれど、昔はもっと業界で絶大なリスペクトを受ける作家だったんだがなあ。 でもその一方で「シン・シティ」と「300」という自身が原作者の映画がヒットしてしまったため、最近は映画業界の人になってしまった感があるのですが、その監督第一作である「THE SPIRIT」は公開前からボロクソに叩かれているらしい。これでもう映画監督としてのキャリアは無く
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「BATMAN: BLACK & WHITE」鑑賞

「ウォッチメン」がなかなか好評のような、DCコミックスのモーションコミック第2弾。原作は90年代に発刊された、バットマンを主人公とした白黒のアンソロジー・シリーズで、ジョー・キューバートやリチャード・コーベン、さらには大友克洋といったトップレベルのアーティストが参加したことで人気を博したコミック。確か日本語版も出てたんじゃなかったかな。 iTunesストアでは2本15分という形で販売されており、俺のお気に入りであるブルース・ティム作の「TWO OF A KIND」を観てみる。トゥーフェイスを扱ったものとしては史上最高の作品の一つだと思うのです。「ウォッチメン」に比べるとセリフの吹き出しが出ないようになっており、声優も複数名いるほか背景の動きなども細かくなっていてよりアニメに近いクオリティになっている。ただしそれが必ずしも良い結果になっているわけではなくて、逆にコミックの良さを打ち消しているところが多いかな。原作は8ページほどの短編だけどストーリーの流れに緩急があったのに対し、こちらは5分ちょっとという尺のなかでどんどん話が進んでいくため内容を十分に楽しめない気がする。特に最後のシー
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「100 BULLETS: DIRTY」読了

本国ではそろそろ最終話が出る傑作クライム・コミック「100 Bullets」のペーパーバック第12巻。 シリーズの84話から88話を収録したもので、最終話の第100話に向けたクライマックスを前にした、今までのストーリーラインからの橋渡しをするようなエピソードが並べられている。具体的には過去に出て来た登場人物がさまざまな形で「清算」されていく様子を扱った内容の話が多く、1人だけ重要なキャラが初登場するほかは大きな展開もなく、今までの単行本に比べると地味な印象があるのは否めない。 このようにブライアン・アザレロのストーリーが地味な一方でエデュアルド・リッソによるアートワークは相変わらず素晴らしく、金持ちの豪邸から場末のモーテル、コロラドの雪山からニュージャージーの裏通りまで、あらゆる場所の雰囲気を的確にとらえ、多くの登場人物の性格を深く描き出すことに成功している。ただ眺めているだけでも楽しめるくらいの本。 あとは残りの12話で、いろいろあったストーリーをどこまできちんと完結させられるかに期待。
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