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映画評

「デッドプール2」鑑賞

面白い映画でございましたよ。前作よりも予算があがって、それが監督降板の一因でもあるらしいけど、アクションシーンとかもうまく派手になってて良かったんじないかと。ざっと感想を: ・ダイヤルの目盛りが11まであるのは、もうお約束だよねー。 ・前作に比べると準備期間が短かった作品だが、セリフでダブステップが言及されるたびにダブステップが流れるとか、いろいろ細かいネタが仕込まれていて飽きさせない。いろいろ見逃したネタもあるんだろうな。 ・「エセックス」ってXメンのほうの伏線になっているかと思いきや、こっちのほうにも出てきていた。今後はデッドプールとXメンの絡みってどうなっていくんだろうか。ディズニーの口出しも出てくるだろうし、別々のフランチャイズとして仕切ったほうが良いような気もする。 ・ジョシュ・ブローリンのケーブルはタッパこそないものの、もともと面白みのない原作のキャラにうまく味付けができていて良かったな。それに比べてシャタースターはあんな扱いでいいのか?Xフォースで今後登場させたりしないのか? ネタバレ防止で簡単な感想しか述べませんが、感情的に盛り上がるところは盛り上がるし、今
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映画評

「犬ヶ島」鑑賞

公開したばかりなので簡単な感想を。 ・ウェス・アンダーソンの人形アニメとしては前にも「ファンタスティック Mr.FOX」があるのだが、失踪した子供を探すドタバタ、という点ではむしろ「ムーンライズ・キングダム」に近い内容であった。ただし話が進むにつれて犬と人間の共存が大きなテーマになってくるので、観ていて連想したのはリブート版「猿の惑星」シリーズであったよ。 ・内容はまあ典型的なアンダーソン風というか、お馴染みの役者たちが今回は声優として登場していて、シュールな展開が繰り広げられるというか。ほぼ主役の犬の声をあてたブライアン・クランストンがアンダーソン作品は初参加かな? ・アニメと実写を比べるのも何だが、前作「グランド・ブダペスト・ホテル」の濃厚なストーリーテリングに比べるとクオリティは落ちる。話の展開もベタだなと思うものの、アニメならではのアクション多めの冒険譚にもなっていて、話が盛り上がるところは盛り上がるし、観ていて飽きない内容ではありましたよ。 ・欧米では日本人の描き方がステレオタイプではないか、というような批判もあったみたいだけど、架空の都市の話ということもあり、観て
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映画評

「キリング・ガンサー」鑑賞

アーノルド・シュワルツェネッガー出演のアクション・コメディ。日本では7月公開。以下は作品の重要な部分について述べてるのでネタバレ注意。 世界の殺し屋のなかでもトップに立つ男、それがガンサー。狙った標的は必ず仕留めるという伝説的なヒットマンだがその正体は誰も知らず、謎に包まれた人物であった。そんなガンサーを倒せば自分こそが世界ナンバー1の座につけると考えた若き殺し屋ブレイクは、毒物や爆弾などの様々なスキルを持った仲間のヒットマンたちを集め、さらにガンサー殺しの記録を残すために撮影クルーを雇い、ガンサーに偽の依頼をしかけて彼をおびき出そうとする。しかし何者かの行動によって彼らの計画はすべて裏目に出てしまい…というあらすじ。 話の顛末はほぼすべてが上記の撮影クルーが映した映像、というつくりになっていて、いわゆるモキュメンタリー的なスタイルをとっている。殺し屋を追ったモキュメンタリーといえばベルギーの名作「ありふれた事件」があるけど、あれよりもずっと緩い内容になっている。 ブレイクを演じるのはコメディアンのタラン・キラムで、彼は監督も務めている。彼の奥さんのコビー・スマルダーズもチョイ
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海外テレビ番組

「COBRA KAI」鑑賞

「ベスト・キッド」(1984)の34年ぶりの続編!Youtubeの有料サービス「Youtube Red」のミニシリーズで、日本からも購入可能(2話目まで無料)。 「ベスト・キッド」の2から4、ついでにジェイデン・スミス版もすっとばして「1」に直結したような続編で(いちおうウィル・スミスがプロデューサーに名を連ねている)、主人公となるのはラルフ・マッチオ演じるダニエル・ラルッソのほうではなく、むしろ彼に鶴キック(あれどうも反則らしい)で負けた、ウィリアム・ザブカ演じるジョニー・ローレンスのほう。 空手の試合で負けて以来、ジョニーの人生はろくなものではなく、今では安アパートに住みながらしがない暮らしをしていた。その一方でダニエルは試合でちょっとした有名人になり、車のディーラーとして複数の店を経営する金持ちになっていた。ある日ジョニーは同じアパートに住む少年がいじめられていたのを空手で助け、さらにダニエルと数年ぶりに再会したことで彼に対するライバル心が燃え上がり、養父からもらった手切れ金をもとに空手道場を開設、かつて自らが属した「コブラ会」の復活を目指すのだが…というあらすじ。 コメ
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映画評

「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」鑑賞

ボストンマラソン爆弾テロ事件の被害に遭った男性ジェフ・ボウマンを主人公にした、実話に基づいた作品。以下はいちおうネタバレ注意。 ボストン育ちのジェフは元恋人のエリンとよりを戻すことを期待して、彼女が参加したボストンマラソンをゴール付近で観戦していたところ、突如起こった爆発によって両足を吹き飛ばされる重傷を負い、病院に運ばれる。意識を取り戻した彼は爆弾犯の顔を覚えていたことからそれが犯人確定の手がかりとなり、傷害にも屈しない彼の姿はボストンで英雄視されることになる。しかしその一方でジェフはリハビリに苦しんでいた…というあらすじ。 邦題からして困難に立ち向かう主人公の感動もの、といった印象を受けるけど、実は意外とそうでもなかった。コストコの従業員として働くジェフは自らのヘマで汚した調理場の掃除を他人に任せてレッドソックスの試合に行くようなボンクラで、テロ被害に遭ったことで一躍英雄扱いを受けるものの、やってることは相変わらず友人たちとビール飲んでだべってるだけ。一度は別れた恋人のエリンが気を遣って身の回りの世話をしてくれるのにろくに感謝もせず、さらには彼女と保護なしのセックスをして妊娠
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映画評

「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」鑑賞

昨年いろいろ高い評価を受けたインディペンデント作品。 舞台は名前の通りフロリダで、ディズニーワールド近くの安アパート(モーテル)群に住む人々の姿を、そこに住む6歳の少女ムーニーの視点で描いたもの。あまり確固としたストーリーはなくて、貧しくもその日暮らしで元気に生きようとする住人たちと、アパートの世界しか知らない子供たちの無邪気な行動、それでも忍び寄ってくる貧困の影、といったものが淡々と語られていく。 ムーニーは無邪気であるものの、話の初っ端から他の住民の車にツバをひっかけるようなクソガキで、他の子供たちとともにアパートの配電盤に潜り込んで停電を巻き起こしたり、さらに非道いイタズラをしたりとやりたい放題。アパートの管理人のボビーはそんな彼女たちに手を焼きながら、時には厳しく叱ったり、時には変質者から守ったりと親代りの身となってアパートを切り盛りしている。 ムーニーの母親のヘイリーたち(シングルマザーばかり)も生活がいいかげんといった意味では子供たちと似たり寄ったりで、安く仕入れた化粧品を通りで売りさばいて糊口をしのぎ、生活が逼迫してくると売春にも手を出す始末。彼女たちの生活とサブ
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映画評

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」鑑賞

公開中なので感想をサクっと。ネタバレ注意。 ・まあ今回のが前後編になることは以前から周知されていたし、前半だけの時点で評価を下すのは適切ではないのかもしれない。でもこの作品って今までのマーベル映画が向かってきた1つの結集点であるわけで、それに見合うカタルシスがなんか感じられないのよな。たとえば仲たがいしていたキャップとスタークは後半において一致団結するかもしれないが、それはむしろ前半に持ってきて、「シビル・ウォー」からの流れにひと段落つけてから新しい脅威に立ち向かわせたほうが良かったのではないかとか。 ・それでその脅威となるサノスですが、もともとコミックでもそんなに面白いキャラクターではないと個人的に思うのです。ラスボスっぽいのにダークサイドと違って策士ではないというか、どうも短絡的というか。映画ではコミックの設定である「死の女神を喜ばせる」という目的(あれもあれで感心しない設定だが)がなくて、宇宙を救うために人口を半分に減らすという目的をもって行動しているものの、あれだけ無数の惑星や次元があることを今まで映画で見せてきたのに、「宇宙は有限だ」とか言われてもピンとこないのよな。む
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映画評

「THE FOREIGNER」鑑賞

ジャッキー・チェンがいつもと違って、寡黙な復讐者を演じたことで話題になったサスペンス。これ日本公開いつだ?以下はネタバレ注意。 中華系ベトナム人のクアンは中越戦争のときに国を離れてイギリスに移り、そこで生まれたティーンの娘を育てつつ中華料理屋を運営していた。しかし娘の送り迎えをしていたある日、IRAの分派が仕掛けた爆弾テロに彼と娘が巻き込まれ、娘は命を落としてしまう。悲しみに打ちひしがれるクアンは、地道に警察などに足を運び、彼の娘を殺した連中の正体を知ろうとする。実はクワンはベトナム戦争のときにアメリカ軍の特殊部隊として訓練を受けた元エージェントであり、ゲリラ戦の大ベテランであったのだ!そして北アイルランドの政治家であるリーアム・ヘネシーがテロと何らかの関係があると直感したクアンは、ヘネシーから情報を聞き出し、彼の娘を殺した者たちに復讐するために単身ベルファストへと向かうのだった…というあらすじ。 クアンはベトナム戦争で戦った経験があって、1984年にイギリスに亡命する前に11歳と8歳の娘がタイの海賊に殺されたという過去が語られることから、1954年生まれのジャッキー・チェンとい
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海外テレビ番組

「TRUST」鑑賞

FXの新シリーズ。ダニー・ボイルが長年温めていた企画が原案で、第1話の監督も彼。アカデミー賞監督のボイルがTVシリーズを手掛けたということでアメリカでは注目されてるけど、イギリスでは「BABYLON」を監督してたじゃん。 内容はジョン・ポール・ゲティ三世の誘拐事件を描いたもので、つまり日本でも今度公開される「ゲティ家の身代金」と話はいっしょ。70年代に石油王ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐され、身代金の支払いをジャン・ポールが拒否したために騒ぎが拡大していくさまが語られる。なぜ同じ事件を映像化した作品が2つ、ほぼ同時に製作されることになったのかはよく分かりません。権利が空いたのか、それとも現代において語られるべき事件だと製作者に思われたのか。 「身代金」は未見なので比較はできないが、こちらはTVシリーズの利を生かして事件にまつわる出来事をじっくり描いている感じ。事件そのものよりも事件によって影響される人々に焦点を当てているあたりは、同じくFXの「アメリカン・クライム・ストーリー」(特にシーズン2のほう)に通じるものがあるのかな。石油の採掘から運搬・精製まで携わる一連の企業を、すべ
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海外テレビ番組

「KRYPTON」鑑賞

スーパーマンの故郷、惑星クリプトンを舞台にしたSYFYの新シリーズ。バットマンの若き日々を描いた「ゴッサム」のスーパーマン版ですかね。 時代設定はスーパーマン(カル・エル)の2世代ほど前で、主人公となるのは彼の祖父にあたるセグ・エル。セグの祖父は偉大な科学者であったが、クリプトンを支配する生ける教祖のラオに反発したことで死刑判決を受け、彼の一族も身分を剥奪されて最下層の住民としての暮らしを強いられていた。そんななか青年に成長したセグは、テロリスト集団「ブラック・ゼロ」からラオを救ったことで、別の一族に属して名誉を回復する機会をあたえられる。さらに彼は未来から来た謎の男と出会い、自分の子孫がやがて偉大なヒーローになること、しかし未来からの別の脅威がクリプトンに迫っており、未来を改変しようとしていることを告げられるのだった…というあらすじ。 脚本にデビッド・S・ゴイヤーが関わっているが「マン・オブ・スティール」、さらには「スーパーガール」などといった他の作品との直接的な関係は(今のところ)なくて、独立した内容になっている。科学的に進歩した世界における前日譚、という点では「ゴッサム」よ
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海外テレビ番組

「MEDIA LAB」鑑賞

ジョン・オリバーの番組でネタにされていて知ったが、アメリカにはNRA(全米ライフル協会)の運営する「NRA TV」というオンラインチャンネルがありまして、NRAのプロパガンダを24時間タレ流しているのだそうです。資金の潤沢なチャンネル桜みたいなものですかね。オリバーには「彼らの番組はインフォマーシャルでしかない」と切り捨てられていたが、アマゾンとかアップルのTVサービスでも視聴可能らしく、最近の銃撃事件(たくさんある)を受けたNRAのボイコット運動に絡んで、プラットフォームにこのチャンネルを外すことを求める動きも活発化しているそうな。 万人に観てもらってなんぼのチャンネルなので、その番組のすべては公式サイトから日本でも視聴可能。とはいえ当然ながら日本人が観ても面白いものなんて皆無なのだが、オリバーの番組でネタにされていて興味を持ったのが「MEDIA LAB」という番組。 これは元SEALのドム・ラソというホストがハリウッド映画のアクションシーンを解析し、それがどのくらいリアルなのか、実際に再現して検証するというもの(銃が出てくるシーンだけでなく格闘シーンなども検証している)。似た
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映画評

「ブラックパンサー」鑑賞

公開中なので感想をざっと。以下はネタバレ注意。 ・冒頭の戴冠式とかを目にして思ったのは、なんかマーベル的というかディズニー的な作品だなということ。歌と踊りがあってカラフルなあたり、「ライオン・キング」や実写版「ジャングル・ブック」で培ったノウハウを活かしているというか。それ自身は悪くないことだけど、ディズニーとマーベルの融合はこういう形で進んでいくのかな、と思いました。 ・話のプロット自体は典型的なものではあるものの、キャストに勢いがあっていいですね。特に(比較的無名な)女性キャストたちが生き生きと演技してるので観ていて楽しかった。「シビル・ウォー」ではMCUで何やってんだか良く分からなかったマーティン・フリーマンもいい感じだし。 ・でも尺はもうちょっと削ってもよかったかも。ハーブを飲んで祖先に会うシーンが3回繰り返されたのはさすがに冗長だと感じましたよ。そんなに複雑なプロットではないのに、説明過多になっているシーンが多いというか。 ・話の展開は「ライオン・キング」に似ているんだけど、現在のアメリカのアナロジーとしても通じるんじゃないかと、ふと思いました。王となる権利はいちお
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海外テレビ番組

「Heathers」鑑賞

「スパイクTV」から改名したパラマウント・ネットワークの新作シリーズで、89年の映画「ヘザース/ベロニカの熱い日」をベースにしたもの。公式サイトでは「アンソロジー」と紹介されていて、ミニシリーズなのかオープンエンドのシリーズなのかちょっと不明。 舞台となるウエスターバーグ高校ではヘザーと名のつく3人の少女たち、通称「ヘザース」が生徒たちのあいだで絶大な権力を持ち、他の生徒を自在に仕切っていた。地味な女子高生のベロニカはそんなヘザースのもとでどうにか無難な学生生活を送っていたが、転校生としてやってきた、JDというどことなく陰のある男子に惹かれるようになる。そしてJDはベロニカとケンカしたヘザースのひとりを陥れるために、彼女の恥ずかしい写真を撮ろうと持ちかけるのだが、物事はあらぬ方向に進展し…というあらすじ。 劇場版「ヘザース」はアメリカの高校におけるスクールカースト(クリーク)を早いうちに描いたことでカルト的人気を誇っている作品だが、あちらのヘザースは3人とも白人のお嬢様っぽいキャラ設定だったのに対し、今回のヘザースは一人はデブ、一人は黒人、一人はトランスジェンダーの男子と、以前な
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映画評

「LUCKY」鑑賞

邦題はまんま「ラッキー」で日本では3月公開。昨年91歳にして亡くなった名優ハリー・ディーン・スタントンの最後の主演作にして実質的な遺作。 アメリカの片田舎に住む老人ラッキーは高齢ながらも比較的健康で、彼を気にかけてくれる町の住民に止めろと言われながらも、タバコを日に何本も吸うようなガンコ老人だった。しかしある日自宅で倒れたことで、自分にも死がいずれやってくることを彼は悟り、それに恐れを抱きながらも彼なりの人生を送ろうとするのだった…というあらすじ。 いわゆる難病ものとかではなく、大きな展開があるわけでもなく、ただラッキーの日常が淡々と描かれる内容になっている。一度倒れたとはいえラッキーは酒場でケンカを売ろうとするほどピンピンしてるし、老人介護とも無縁のまま、人生の終わりに近づいた男性の話が語られていく。 つうかこれスタントンのために作られたような映画なんですよ。監督も脚本家もこれが初仕事だし、スタントンのために皆が協力して撮った作品という感じ。彼が実際に海軍で沖縄戦の戦車揚陸艦に勤務していたこととかも脚本に組み込まれているし、電話の受話器を持って顔の見えない誰かと長々と話すシー
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映画評

「BATTLE OF THE SEXES」鑑賞

今年のFOXサーチライトによるアカデミー候補作品だったはずが、そのお株は「スリー・ビルボード」と「シェイプ・オブ・ウォーター」に奪われ、日本公開もいつになるか分からないから(7月?)観てしまったよ。 女子テニス界の草分け的選手であるビリー・ジーン・キングを主人公にした作品で、70年代初頭においてキングは世界的な大会で活躍する選手であったが、当時のテニス界は男女の賞金の格差が激しく、女性のテニスは軽視されて男性よりも圧倒的に少ない賞金が与えられていた。それに憤慨したキングは女性選手だけのツアーを開催し、スポンサーもつけてそれなりに人気を博する。一方40年代に活躍した男性選手のボビー・リッグスはギャンブルで私生活に問題を抱えていたが、資金を得る方法として女性選手との試合を起案し、キングに試合を持ちかける。そのギミックっぽさを嫌ったキングに試合を拒否されたリッグスは、キングのライバルであるマーガレット・コートと勝負をして圧勝し、さらにキングとの勝負を要求する。このままでは女性選手の名誉にかかわることになると感じたキングはリッグスの挑戦を受け入れ、ふたりは全米が注目するなか男女の勝負に挑むの
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「MOSAIC」鑑賞

スティーブン・ソダーバーグ監督によるHBOのミニシリーズ。脚本はエド・ソロモン。以降はいちおうネタバレ注意。 ユタ州の冬のリゾート地を舞台に、殺害された児童書の作家の事件の真相について、現在と4年前の状況を描いていくクライム・ミステリーということだが、「ツイン・ピークス」みたいな超常的なサスペンスではなく、内容はストレートな犯罪もの。しかし後述する理由によってあまり明快なナラティブは存在せず、登場人物の動機と行動が映し出されるシーンが断片的につながったようなスタイルをとっている。主な登場人物をざっと挙げると: ・オリビア・レイク:著名な絵本作家。やけにアメコミにも詳しい。山奥の一等地に住み、60手前でありながらも色気がある。のちに死体となって発見される。 ・ジョエル:若きアーティスト志望の男性。メビウスのコミックについて熱く語れる。オリビアに気に入られ、彼女の屋敷に移り住む。 ・エリック:オリビアの持つ土地を狙う隣人たちによって雇われた詐欺師。巧みにオリビアに接近する。 ・ペトラ:エリックの妹。エリックにかけられたオリビア殺しの疑惑を晴らそうとする。 などなど。こうした登場人物
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海外テレビ番組

「THE ALIENIST」鑑賞

ケイレブ・カーの同名小説を原作にしたTNTの新作ドラマ。ミニシリーズ扱いになるのかな?アメリカ国外の配信権は例によってネットフリックスが扱うようで。 舞台となるのは1896年のニューヨーク。この当時、精神的に障害を持つ人々は本来の自分からかけ離れた(alienated)状態にあると考えられていたことから、彼らを診る精神科医は「エイリアニスト(Alienist)」と呼ばれていた。そんなエイリアニストであるラズロ・クライズラーのところに、建造中のブルックリン橋の上で少年の遺体が発見されたとの知らせが飛び込んでくる。自身は警察に疎まれているため、代わりに友人でニューヨーク・タイムズの画家(当時はカメラが無かったのだ)であるジョン・ムーアを現場に向かわせる。そこでムーアが見たのは、女装した少年の目をくりぬかれた死体だった。これは異常殺人者による事件だと直感したクライズラーは、ニューヨーク市警初の女性秘書であるハワード女史の手も借りて、過去にあった同様の事件とのつながりを調べるが、そんな彼らの前に謎の人物が現れ…というような話。 舞台こそ19世紀末のニューヨークになっているが、話の内容は1
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映画評

「Columbus」鑑賞

昨年のサンダンス映画祭で公開されて高い評価を得た作品。 舞台となるのは、著名な建築物が多いことで知られるインディアナ州のコロンバス。そこに住む建築家の父親が倒れて意識不明の状態になったことから、アメリカを離れて韓国に住んでいた息子のジンはコロンバスへとやってくる。父親の容態が変わらないためコロンバスに滞在することになったジンは、地元の図書館で働くケイシーという少女と知り合うことになる、というあらすじ。 監督のコゴナダ(Kogonada)は主人公のジンと同じく韓国系アメリカ人で、小津安二郎を大変にリスペクトしているほか、キューブリックやウェス・アンダーソンなどに関するビデオ・エッセイを作っていた、という経歴らしい。つまり映画批評から映画製作に入った人になるわけだが、奥行きを生かした画面の構図の見事さとか、自信をもってゆったりと進むストーリーテリングとか、とにかくこれが初監督作だとは思えないほど素晴らしいのですよ。普通のサンダンス系映画かな、と思って観たらその映像の美しさに驚愕してしまった。 どのシーンも映画の教科書で使われてもおかしくないほどの巧みな構図というか。監督デビュー
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海外テレビ番組

「ブラック・ライトニング」鑑賞

DCコミックスのスーパーヒーローを主人公としたThe CWの新作シリーズ。日本でもネットフリックスでやるとか? 舞台となるのはフリードランドという都市。そこではザ・ハンドレッドという黒人系のギャングが幅をきかせて街の治安を最悪なものにしており、これによって警察の黒人に対する取り締まりも非人道的なレベルにまで達し、善良な黒人の市民たちは辛い暮らしを強いられていた。そんな善良な市民のひとりであるジェファーソン・ピアスはかつて電撃を自在に操るヒーロー「ブラック・ライトニング」としてギャングと戦っていたが、連日のように重傷を負って帰って来る彼を見かねた妻が彼のもとを去ったことから、ヒーロー業は引退してふたりの娘を育て、高校の校長として健全な若者の教育に勤めていた。しかし娘の一人がザ・ハンドレッドのメンバーに連れ去られたことから、怒りに燃えるピアスはブラック・ライトニングのコスチュームをまた身につけ、悪と戦うことを決意する…というあらすじ。 DCコミックスのブラック・ライトニングは1977年に登場したキャラクターで、マーベルのルーク・ケイジと同様に、当時のブラクスプロイテーション映画の人気
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海外テレビ番組

「HARD SUN」鑑賞

「刑事ジョン・ルーサー」のニール・クロスによるBBCの新作ドラマ。以降はネタバレ注意。 ロンドンで働く刑事のチャーリー・ヒックスは、新しく自分の部署に異動してきたエレイン・レンコとともに、団地で起きた自殺の調査を始める。最初は普通の飛び降り自殺のように思われたが、死亡したのがNASAにもハッキングしたという敏腕のハッカーだったことから、何か重要なデータを彼が入手し、それを彼のパートナーが奪って彼を殺した疑いが強まり、ヒックスとレンコはそのパートナーを追跡する。そのデータが取引される現場でパートナーとその取引相手を逮捕した二人だが、その直後にMI5らしきグループの襲撃を受け、逮捕した二人は殺されてしまう。ヒックスとレンコはどうにか襲撃から逃れ、回収したデータを確認すると、「ハード・サン」と名付けられたそのプログラムには、今から5年後に壮絶な災害が地球を襲い、人類は絶滅するという衝撃的な予測データが記されていた。その内容にショックを受けるヒックスとレンコだったが、そのデータを狙う一味の魔の手はヒックスの家族にも迫り…というあらすじ。 「マッド・マックス」みたいな「ポスト・アポカリプテ
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海外テレビ番組

「9-1-1」鑑賞

FOXの運命を握るのはルパート・マードックであろうとも、ネットワークの顔となるのはライアン・マーフィーだ!ということで今年もたくさん出てくるであろうライアン・マーフィーの新作ドラマ。他にもプロデューサーとしてブラッド・ファルチャックやティム・マイナーが関わっている。 LAを舞台に、事故の現場に急行する救命士や警察(ファースト・レスポンダーと呼ばれる)の活躍を描いたもので、第1話では下水管に詰まった新生児の救助とか、強盗に押し入られた家の子供の救助など、まあいろんな事件が次から次へと起きています。 出演人物は緊急通報(アメリカでは「911」番)の電話に対応するオペレーターをはじめ、ベテラン消防士とその血気盛んな部下、冷静沈着な女性警官などが登場する。単に仕事での姿だけでなく彼らの私生活の様子も描かれ、オペレーターは痴呆症の母親の介護をしているし、ベテラン消防士は元アル中で、女性警官の夫はゲイとしてカミングアウトしたばかり、と皆が様々な悩みを抱えている。 出演者は結構豪華で、オペレーター役にコニー・ブリットン、消防士役にピーター・クラウザや俺の好きなケネス・チョイ、女性警官役にアン
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映画評

「明月幾時有」鑑賞

今年の第一弾は香港映画な。自分の詳しい分野ではないが、題材に興味があったのと良い評判を目にしたので。英題は「OUR TIME WILL COME」。 舞台は1941年、日本帝国軍占領下の香港。そこで抗日レジスタンスは日本軍の監視の目をくぐり、作家や芸術家といった知識人たちを中国本土へ脱出させる活動を行っていた。香港で母親と暮らす方蘭は小学校の教師を務める素朴な女性だったが、家の二階を作家の夫婦に貸していたことで、レジスタンスに彼らの脱出の手助けをすることになる。これがきっかけで方蘭はレジスタンス活動に身を投じていくことになる…というあらすじ。 方蘭は実在した女性で、いちおう事実に基づいた話であるという説明がされるものの、どこまでが史実でどこまでが脚色なのかはよく分かりません。レジスタンスの若きリーダーである劉黑仔(これも実在の人物)がやたら強くて、ピストル1つで憲兵隊の小隊を全滅させたりしてまして、まあそういうのは誇張されてるんでしょう。本国では香港の中国への返還20周年にかこつけて宣伝・公開されたらしいが、血湧き肉躍るプロパガンダ映画というよりも、戦争の流れに翻弄される市民たち
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雑記

謹賀新年

あけましておめでとうございます。 世界情勢がなんか不穏になって、世間にヘイトが蔓延してるような気がするなか、個人的に2017年はどことなく惰性で過ごしてしまったようなところがありまして、反省の余地ありです。年齢的に人生の中間点に来てるので、もっと新しいことに取り組んでいかないと損だよな。 昨年の元旦の書き込みを見ても「筑波山や赤城山に行く」とか「チャリティに寄付する」とか書いてるのに、ろくに実施しなかったものなあ(山は丹沢に初挑戦したけど)。よって今年は山小屋に泊まる登山とか、近所の炊き出しのボランティアを体験してみたいと思うのですが、ああ時間がない。何かの教室にも通いたいのですが。 仕事は6月くらいに大きな山が来そうで、しんどいといえばしんどいし、やりがいがあるといえばやりがいがあるし。面白い機会もありそうなんだけどね。でもその山が過ぎたあとのことも考えていかないとなあ。 何にせよ健康がすべての基本なので、皆様も健康には気をつけましょう。俺もあと2キロくらいは体重を絞って、血圧には気をつけたいところです。 相変わらずマイホームとか結婚といった要素とは無縁な一方で、漠然とし
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映画評

2017年の映画トップ10

今年はアメコミ映画(スーパーヒーロー作品)が多数公開された年であったことを考慮して、いわゆる『一般作』5位と『スーパーヒーロー作品』映画5位を分けて並べていきます: <一般映画トップ5(こちらは順不同、観た順に並べる)> ・「メッセージ」 今年は真面目に考えさせられるSF映画の当たり年であった。下の「ゲット・アウト」もSFといえばSFだし。「猿の惑星」「シンクロナイズド・モンスター」なども良作だったが、映像の美しさや話の構造の巧みさもあってこれを代表に挙げる。 ・ 「T2 トレインスポッティング」 ちゃんと前作のクオリティに適うものになるのか?という不安を抱きながらずっと鑑賞していた作品であった。結論から言うと前作には届かないものの、前作のキャラクターたちがどう成長し、どう壁にぶち当たったかを丁寧に描き、きちんと話をまとめたという点で、他の続編(「ブレードランナー2049」「最後のジェダイ」など)よりも優れた作品であった。 ・ 「ディストピア パンドラの少女」 ゾンビ映画もネタが枯渇したかと思われた時に出てきた秀作。これも考えさせられるSF映画でしたね。世間的な評価はあまり高くな
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映画評

「WORLD OF TOMORROW EPISODE TWO: THE BURDEN OF OTHER PEOPLE'S THOUGHTS」鑑賞

タイトルが長すぎてきちんと表示されないかな?「WORLD OF TOMORROW EPISODE TWO: THE BURDEN OF OTHER PEOPLE'S THOUGHTS」です。 ドン・ハーツフェルトにおる、アカデミー賞候補になった短編アニメーション「「WORLD OF TOMORROW」の続編。22分ほどの短編な。 前作の主人公である少女エミリーのもとに、また未来のエミリー(前作とは別のもの)が現れる。エミリー6と呼ばれる彼女はエミリーの第三世代のクローンのバックアップであり、エミリーの記録を保持するために作られたのだが、その記憶が不完全なものであったために、未来からエミリーに会いに来たのだという。そしてエミリー6はエミリーの記憶を得るために二人の記憶を連結させ、二人はお互いの記憶の世界をさまよっていく…というあらすじ。 話の設定は前作とよく似ているものの、直接的なつながりはなくて、前作がどちらかといえば未来のエミリーの外部の環境を扱ったものだったのに対し、今回はエミリー6の記憶が主なテーマになっている。エミリー6はエミリーの記憶の容器として造られたものの、彼
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