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映画評

「UPSTREAM COLOR」鑑賞

タイムラインが最大9つも重なる複雑さでカルト的人気を誇る「プライマー」のシェーン・カルースによる、約9年ぶりの作品。話の仕組みについて語らないとどうにもならないので、以降はネタバレ注意。 まず冒頭に出てくるのは、特定の蘭に巣食う小さなイモムシ。このイモムシは人間の体内に入るとその人の精神を操る能力を持っていた。そしてその力を悪用した「泥棒」によって、クリスという女性が精神を乱され、貯金をすべて「泥棒」に奪われてしまう。そしてクリスは正気に返ったあとに体内のイモムシを取り出そうとするが失敗する。そんな彼女の前に現われたのが、自然のさまざまな音を録音し、養豚場を経営する「サンプラー」という男性だった。彼によってクリスのイモムシは取り除かれ、とある豚にそれが移植される。そして日常生活に戻ったクリスは、ジェフという男性と出会い、やがて彼と恋仲になる。しかしジェフもまた、イモムシに寄生された経験を持っていた。そしてクリスとジェフのあいだではやがて精神がつながり、お互いの記憶が共有されていく…というようなストーリー。 あらすじをとてもざっくり書くと一応こんな感じだが、劇中では登場人物の意図な
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映画評

「JUDGE MINTY」鑑賞

なんか知らぬ間にとつぜん作られていた「ジャッジ・ドレッド」のファンフィルム。クレジットから察するに、非営利目的での利用を条件に、キャラクターの使用を「2000AD」側に認められたのかな?「2000AD」に掲載されたストーリーが原作になっているらしく、主人公はドレッドでなくミンティという初老のジャッジ。ドレッドも冒頭にちょっと出てきてます。 ミンティはメガシティ・ワンで長年にわたって法を裁いてきたジャッジだったが、年をとったことで判断力が衰えたことが明白になり、引退を勧告される。彼はアカデミーでの教職の座を断り、メガシティ・ワンの外の無法地帯「カースド・アース」に法をもたらすためにジャッジがそこを死ぬまで放浪する「ロング・ウォーク」に出ることを決意する。そしてジャッジたちに見送られてカーズド・アースに出たミンティだったが、さっそくミュータントの荒くれ者たちに身を狙われることになり…というプロット。 低予算の作品なので映像のクオリティとか小道具の出来とかに安っぽい感じもするのだけど、それを補ってありあまるくらいにファン精神にあふれ、細かく作り込まれた作品なのですよ。ローマスターバイク
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海外テレビ番組

「FAMILY TOOLS」鑑賞

ABCの新作シットコム。イギリスの「WHITE MAN VAN」なるコメディのリメークらしい。 トニーはリフォーム業務を営んでいたが心臓発作を起こしてダウンしてしまい、仕方なくボンクラ息子のジャックを呼び戻して家業を継がせることにする。何をやってもダメな人生を送っていたジャックは、これで親の信頼が得られると思い喜々として仕事に就くものの、物事はなかなか上手くいかず…というプロット。 ボンクラ息子が周囲に迷惑をかけまくる愉快なコメディかな、と思いきや口うるさい叔母とそのクソガキ、携帯で話してばっかりで仕事しない同僚、一家をバカにする隣人、さらには病院から復帰して仕事にケチをつける父親など、次から次へと不快な人物たちが登場する展開に驚く。ボンクラ息子がとつぜん一番まともな人間に見えてしまうのですもの。とはいえ主人公にボンクラゆえの魅力があるわけでもなく、視聴者が共感できるキャラクターが1人もいないというのは問題だろう。 親父のトニーを演じるのがJ.K.シモンズで、有名どころでは一家の隣人をアダム・アーキンが演じてるのだが、なんか才能の無駄遣いだよなあ。アーキンなんてテレビの監督業で
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映画評

「アイアンマン3」鑑賞

3Dなんかで観てやんないですよーだ。 ネタバレにならない程度に感想をざっくり: ・パラマウントのロゴはいつまで出すんだ。 ・いちばん不思議なのはクリスマスの時期を舞台にしていることで、「夏の大作だけど、冬の話でもいいよね?」と言って企画が通るものなんだろうか。 ・皆が中国におべっか使ってるご時世に、中国人の悪役を起用するとは大胆な…と思ってたらマンダリンは中国人ではないのか。ならばなぜマンダリンという名前なんだろう。 ・ガジェットに重きを置きがちだった「2」に対し、あくまでも生身のトニー・スタークに焦点をあてることで、話を新鮮にすることに成功しているかと。 ・ただ敵のアジトに侵入するくだりなどは、90年代のコップムービー的というか、シェーン・ブラックは脚本使い回してない?とも思いました。 ・最初から最後までマーク42のアーマーが大活躍なのですが、やっぱりデザインが好きになれんのだよな…。シルバー・センチュリオン型とかではいけなかったんだろうか。 いちおうマーヴェル映画の、アベンジャーズ後を描いた「フェーズ2」の第1弾となる作品だが、後に続くような伏線が張られていることもなく、前作
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海外テレビ番組

「MARON」鑑賞

俺も「AV Club」でその存在を初めて知ったのですが、アメリカにマーク・マロンというコメディアンがおりまして、「あの頃ペニー・レインと」なんかにもちょっと出てたりするのですが、自宅のガレージを改造したスタジオに著名なコメディアンを招き、そのコメディアンの失敗経験とかトラウマを真摯に語り合うポッドキャスト「WTF with Marc Maron」がカルト的な人気を博している人なんですね。「ポッドキャストから有名になった人」には必ず挙げられる人ではないかと。 そんな彼の人気がテレビにも飛び火して作られたのが、このIFCの新シリーズで、マロンが演じるのはフィクション化された自分自身。これは「となりのサインフェルド」とか、最近ではルイスCKの「Louie」など、コメディアンが主役のシットコムではよく使われる手法ですな。よって劇中のマロンもポッドキャストをやっていて、第1話にはデニス・リアリーが出演していた。今後はケン・チョンとかジェフ・ガーリンとかジーナ・ガーションなどが出てくるらしい。 そしてマロン本人は典型的なダメ男として描かれていて、離婚歴2回の独身で、口うるさい母親にあれこれ命
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海外テレビ番組

「DEFIANCE」鑑賞

名前をSci-fiから変更した後にWWEやリアリティ番組にウツツを抜かしていたSyfyチャンネルだが(今もそうだけど)、最近はまたSFドラマを積極的に作るようになったようで嬉しいのであります。これもその1つで、撮影は当然ながらカナダ。 舞台となるのは近未来の地球。30年くらい前にヴォータンと呼ばれる、7つの種族からなる異星人の集団が地球に移住するためにやってきたのだが、彼らは人間が地球にいたことを知らず、平和的な移住を国連と交渉していた。しかし何らかの理由によりヴォータンと地球は交戦状態になり、ヴォータンのテラフォーミング装置により地球の自然環境は一変してしまう。やがて戦争が消耗戦になったことからヴォータンと人間のあいだには休戦協定が結ばれ、荒廃した地球において8つの種族がぎこちなく共存することになる。 主人公のジョシュア・ノーランはヴォータンとの戦闘で活躍した元兵士だったが、養子にしたヴォータンの1種族の娘とともに技術品を漁る放浪生活をしていた。そんな彼らはふとしたことから元セントルイスで現在はディファイアンスと呼ばれる町にたどり着く。そこは若き女市長のもとで文化の再建を目指す
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映画評

「iSteve」鑑賞

コメディ動画サイト「Funny Or Die」による長尺のパロディ作品。ここで無料で視聴できるよ。 名前で分かるようにアップルのスティーブ・ジョブズの生涯をパロディにしたもので、19歳のときに啓蒙を求めてアジアに旅したところから始まり、スティーブ・ウォズニアックやビル・ゲイツとの出会い、マッキントッシュの誕生、アップルからの追放そして復帰、ピクサーの創立、iPodの発売などといった出来事が駆け足で語られていく。 とはいえパロディ作品なので歴史的考証などはゼロに近くて、ゲイツとはメリンダ・ゲイツをめぐって三角関係になっていたとか、ジョン・スカリーはコモドール社が送った刺客だったとか、iPodのアイデアはスマッシング・パンプキンズのビリー・コーガンとLSDをキメてたときに思いついたとか、かなりウソだらけの展開が続くので本気にしてはいけないよ。スカリーなんてジョブズが復帰したあとにコモドールのボスと一緒に服毒自殺したりしてるんだが、訴えられたりしないのかこれ。 ただしハチャメチャな話が続くので面白いのかというと必ずしもそうではなくて、なんか全体的に間延びしているというか、ショボいジョ
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海外テレビ番組

「Zombieland (the series)」鑑賞

最近はネットフリックスの「House of Cards」をはじめ、ビデオ・オン・デマンドのサービスがオリジナル・シリーズの製作に積極的に乗り出すようになってきていて、時代は変わったなあという感じ。ちょっと前まではオンデマンドってブラウザ上で短いクリップ番組を流すくらいだったものね。 そして米アマゾンのオンデマンドのサービスであるアマゾン・インスタント・ビデオも新たにパイロット番組を14本(キッズ向け6本・コメディ8本)製作し、そのなかで評判の良いものをシリーズ化することにしたそうな。これはそのうちの1つで、他にも「オニオン」のスタッフによる「ニュースルーム」のパロディ番組などもあるぞ。日本でも普通に視聴可能みたい。 そしてこれは名前のごとく「ゾンビランド」のシリーズ版でして、映画の続編などではなくキャストを一新した別物といったところか。出身地の名前で呼ばれる4人の男女がゾンビ襲来後のアメリカをウロウロする設定は映画版と同じで、あちらよりもコメディにさらに比重がおかれた内容になっている。 キャストはみんな無名の俳優ばかりだが、映画板でウディ・ハレルソンが演じたタラハシーはタフガイ
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海外テレビ番組

「ORPHAN BLACK」鑑賞

BBCアメリカの新シリーズで、製作はカナダ。 不良少女で家出をしていたサラは久しぶりに故郷へと帰ってくるが、夜の駅において自分と瓜二つの女性が投身自殺をするのを目撃してしまう。現場にあった遺品から彼女の名前がベスであることを知ったサラは、ベスが多額の預金を持っていることに気づき、それを引き出すためベスに成り済ますことに。しかしベスの同僚たちに彼女だと思い込まれてベスの生活に深入りしていくサラ。さらにはもう1人の自分とそっくりな女性が目の前にあらわれて…というプロット。 もういろんなところで書かれてるからネタバレにはならないと思うが、実はサラたちはクローンであるという設定らしくて、自分たちを作ったのは(そして狙っているのは)誰か?というのが話の大きなテーマになってくるらしい。このSF的な要素が話のクオリティにどう影響してくるのかまだ分からないが、第1話は不受理サスペンスといった出来でかなり見応えがあったよ。他人と間違えられて見知らぬ人々が目の前に現われる一方、自分も悪巧みをしているので正体を明かせず、機転をきかせてどうにかその場をすりぬけるサラの行動はスリルがあるし、突然もう1人の
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海外テレビ番組

「Da Vinci’s Demons」鑑賞

デビッド・S・ゴイヤー原案によるStarzの新シリーズ。日本のどこかの局でも近々やるみたい。「ダ・ヴィンチ・コード」や「Da Vinci’s Inquest」(というカナダのシリーズがあるのよ)みたいな現代ものかと思いきや、レオナルド・ダ・ヴィンチが主人公の時代劇ものであった。 舞台となるのは15世紀のイタリア。ダ・ヴィンチは野心に燃える若き発明家で、発明の資金をえるために上流階級に取り入ろうとしていた。しかしミラノ公が教会において暗殺され、法王も陰謀を画策するなどして政治情勢が不穏になり、武力衝突も避けられない方向へと世の中は進んでいた。そんななかでダ・ヴィンチは謎めいたトルコ人に出会い、古から伝わるミトラ教の存在を教えられ、その秘密を記した本を探すように命じられる。しかしミトラ教に対抗する勢力もダ・ヴィンチのことを知り、彼は危険な立場に置かれることになる…というようなプロット。 ゴイヤーといえばノーラン版「バットマン」の脚本を手がけ、今年の「マン・オブ・スティール」の脚本も書くなど絶好調の脚本家というイメージがある一方で、「ジャンパー」みたいにダメダメな脚本も書いているし、監
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海外テレビ番組

「HANNIBAL」鑑賞

「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター博士を扱ったNBCの新シリーズ。 時系列的には「レッド・ドラゴン」のちょっと前の頃が舞台になっていて、若い女性ばかりを狙った連続殺人犯を逮捕するためにFBIのクロフォード捜査官は現場を退いていたウィル・グレアム捜査官に助けを求め、さらに精神科医のハンニバル・レクター博士にも捜査への協力を依頼する。こうしてグレアムとレクターは殺人犯を追っていくものの、レクターには暗い秘密があって…という設定。俺は「レッド・ドラゴン」とか「ハンニバル・ライジング」を観てないので、映画の設定とどのくらい異なってるのかはよく分かりません。 題名は「ハンニバル」なんだけど主人公はむしろグレアムのほうで、アスペルガーの傾向があり人とうまく接することができない反面、殺人現場のプロファイリングを完璧に行うことができ、被害者に感情移入してしまう暗いキャラクターとして描かれている。ハンニバルはそんなグレアムを翻弄する謎の男という役回りで、当然裏では人を殺してパクパク食べちゃったりしているわけですが、第1話に出てくる殺人鬼と彼の関係がいまいち良く分からなかったような? 地上波ネ
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映画評

「John Dies At The End」鑑賞

『ファンタズム』シリーズや『プレスリーVSミイラ男』のドン・コスカレリによる新作。原作はCracked.comでいろいろ面白い記事を書いているデビッド・ウォンことジェイソン・パージンの小説。 内容がぶっ飛んでて、話の時系列もかなり入り乱れてるのであらすじを説明するのが難しいのだが、とりあえず劇中の出来事を箇条書きにすると: ・主人公のデビッドが怪しい中華料理屋で記者の取材を受ける。 ・デビッドは謎のドラッグ「ソイ・ソース」を服用しており、その副作用で超人的な感覚を備えていたため超自然的な怪物を探知することができ、友人のジョンとゴーストバスターズ的な仕事をしていた。 ・デビッドとジョンはあるパーティーで知り合ったのだが、その晩にデビッドは謎の男に車中で襲われ、誤って「ソイ・ソース」を自分に打ち込んでしまう。 ・その直後に警察に逮捕されるデビッド。彼らによるとパーティーの参加者がみんな死亡するという事件が起きており、それとの関与を疑われてデビッドは逮捕されたのだ。 ・さらにジョンまでもが死亡したと警察に伝えられるデビッド。愕然とする彼だったが、携帯電話にジョンからの電話がかかってきて
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アメコミ

カーマイン・インファンティーノ死去

アメコミのシルバーエイジを代表するアーティストのひとり、カーマイン・インファンティーノが亡くなってしまった。87歳。 ティーンのときからコミックを描き始め、40年代から活躍していた彼は1956年に「ショーケース」誌で2代目ザ・フラッシュを描き、スーパーヒーロー・コミックの新たな時代であるシルバーエイジの幕を開けた人であるほか、初代フラッシュと2代目フラッシュがパラレルワールドで共演する「アース2」のコンセプトが登場したコミックを手がけたりと、その後のDCコミックスの設定に大きな影響を与えたアーティストであったわけですよ。 さらに60年代から70年代にかけてはDCの編集長を務め、ジャック・カービーやディック・ジョルダーノといった大物アーティストをDCに引っ張ってきたほか、デニス・オニールにニール・アダムスといった新人ライターやアーティストを育てるなど、経営面でも腕をふるった人であった(すべてが成功したとは言い難いが)。 そのあとはマーヴェルで「スター・ウォーズ」や「スパイダー・ウーマン」のアートを手がけたりもしたが、俺自身がインファンティーノの作品に初めて触れたのは80年代初頭の
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映画評

「リンカーン」鑑賞

スピルバーグの映画を観るのはかなり久しぶりだったりする。リンカーンは黒人を解放した一方でインディアンたちは虐殺してた、なんてことを事前にウィキペディアで読んでしまったためについヒネくれた見方をしてしまったが、まあそれはそれで。 南北戦争の勝利を目前にしつつも、勝ってしまえば自分が戦争に対して唱えた奴隷解放宣言が破棄されてしまうことを危惧し、奴隷の所有を禁じた憲法修正第13条を議会で可決させようと努力するリンカーンの姿を描いた作品だが、登場するリンカーンは決して威風堂々としているわけではなく、その長駆を弱々しく曲げ、ひしゃげた声でしゃべる小話好きな老人として表されている。 そして第13条を可決するためには野党の民主党の票が必要であることを悟った彼は、小汚いロビイストたちを雇い、レームダックとなって次の選挙の心配をする必要のない民主党の議員たちを1人ずつ狙っていく。ロビイストたちのやり方は非合法スレスレであり、リンカーン自身も議会で虚偽の証言まがいのことを行ってしまうわけだが、決してリンカーンの行為はダーティなものとしては描かれず、正しい目的のためには多少の汚い手段を用いるのもやむを
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アメコミ

「The Private Eye #1」 読了

「SAGA」やスティーブン・キングの「アンダー・ザ・ドーム」のテレビ化などで忙しいはずのブライアン・K・ヴォーンがいつの間にか作っていた電子コミック。アーティストは以前にヴォーンと組んで「ドクター・ストレンジ」などを描いていたマルコス・マーティン。公式サイト(http://panelsyndicate.com)でDRMフリーで販売されており、価格は任意。いちおう99セントというのが作家側の希望価格らしい。 舞台となるのは近未来のアメリカ。時期は明言されないが建国300周年を祝ってるようなので2070年代かな。かつて人々は自分たちの個人的なデータをすべてクラウドサーバーに入れて保管していたが、何らかの理由によってそのデータすべてが万人が閲覧できるものになってしまい、個人情報などがすべて暴かれてしまう。そして人々は新たなプライバシー保護の手段として、仮面をかぶったり変装をしたりするのであった。主人公のパトリック(仮名)はそんな社会において人々の素顔を撮影する私立探偵兼パパラッチであったが、ある謎の女性から彼女自身の素性を探って欲しいとの依頼を受ける。この風変わりな依頼を半ば強制的に
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海外テレビ番組

「IN THE FLESH」鑑賞

BBCによる全3話のゾンビドラマ。 舞台となるのは死人が行き返り、ゾンビと化して生者を襲うというパニックが起きたあとの世界。そのパニックは鎮圧され、ゾンビになった人のうち薬物療法で改善の余地が見られた人は「部分的死亡症候群(Partially Deceased Syndrome)」であると認定され、もといた社会へと戻るためのリハビリを受けていた。主人公の少年キエランもその1人で、ゾンビであったときに人を襲った罪悪感に苛まれているものの、十分にリハビリが済んだと見なされてヨークシャーの田舎町に住む両親のもとへ帰される。息子との再会を喜ぶ両親だったが、その田舎町にはまだ反ゾンビ感情が根強く残っており、ゾンビと戦った義勇軍の残党が幅を利かせていた。そしてキエランの身にも危険が迫ることになり…という設定。 テレビでも映画でもこれだけゾンビものが流行ってくると、このようなポストモダン(?)な設定の作品も出てくるわけで、最近ではゾンビの少年が少女に恋をする「Warm Bodies」なんて映画もありましたね。設定からするとコメディっぽい内容かと思ってたけど、どんよりと曇った空の下で繰り広げられ
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映画評

「ゼロ・ダーク・サーティ」鑑賞

イラク駐留軍の日々を淡々と追った「ハート・ロッカー」よりも、こちらのほうがビン・ラディン狩りという一貫した目的がストーリーの軸となっているために作品としてはずっと面白いな。日々が過ぎていくことの焦燥感とか、CIAの決意なども「アルゴ」よりうまく描けてたのでは。主人公のバックグラウンドが全く紹介されていないにも関わらず熱意に共感できるようになってるのは巧いなと。 軍のプロパガンダだとか拷問の肯定をしているなどと叩かれているけど、これは単にキャスリン・ビグローの作家性の表れでしょう。サスペンスの最中にしれっとガールトークを入れてくるあたりが女性監督のセンスなのかしらん。そのあとすぐ爆弾テロが起きてたけど。 ただやはり拷問の扱いについてはモヤモヤとした気分が残るのは確かで、非アメリカ人の有色人種としては、拷問される側の身になって観てしまうんだよな。最初は拷問から距離をおいていた主人公が後に慣れてくるところよりも、オバマ政権になって「捕虜に弁護士がつけられたから情報が聞き出せなくなった」というセリフが出てきたところが不気味だったな。拷問にしろ主人公の最後の涙にしろ、タイトル通りの真っ暗な
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映画評

「Something from Nothing: The Art of Rap」鑑賞

最近はラッパーというよりも俳優という印象の強かったアイス・Tによる、ヒップホップ文化およびラップの歴史や影響などについて語られるドキュメンタリー。 特に筋道の通った構成があるわけではなく、アイス・Tと交流があるさまざまなラッパーたちがそれぞれのヒップホップ論を語っていくわけだが、ニューヨークのオールド・スクール一派に始まりデトロイトを経由してロサンゼルスに至るまでに出てくる面子が非常に豪華で、チャック・Dやエミネム、コモン、カニエ・ウェスト、メリー・メルなどといったラップ界の新旧スターが勢揃いといったところ。一方でビースティ・ボーイズやRZA、LLクールJ、南部のアウトキャストなどといった面々は登場していない。しかしみんなガタイがいいのう。出てくる人たちのBボーイ系のファッションにも注目。 ラッパーの常としてみんな言うことがデカいので歴史的考証などは結構いいかげんそうなのだが、各人のリリックに対する考えなどは聞いていて興味深いものがあったよ。個人的にはビーツの作り方とかDJのやり方といった技術的なことも聞きたかったな。また多くの人がフリースタイルを披露してるのだが(エミネムはカン
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海外テレビ番組

「BATES MOTEL」鑑賞

鳴り物入りで始まったA&Eの新シリーズ。 ヒッチコックの傑作「サイコ」のプリクエル(前日譚)という設定のもので、父親が変死したあと田舎町に引っ越してきたノーマン・ベイツと母親のノーマのサイコな日々を描くものになるらしい。「サイコ」のプリクエルって「サイコ4」でやってたはずだが、こちらはいわゆるリ・イマジネーション的なものになっており、舞台は現代(だよね?)に移されている。 個人的にはプリクエルってどうも好きではなくて、「ゴッドファーザー パートII」のデニーロのシーンも余分だと考えてるくらいなのですが、観客はそのキャラクターもしくはストーリーの結末(結果)を既に知っているうえ、観客の想像にまかせておけばいいところをベタベタと説明してしまう行為は不要だと思うのですね。「スター・ウォーズ」だってどんなにCGを駆使してクローン戦争を描こうとファンの空想には敵わないわけで。 そしてこの作品もノーマンとノーマの関係とかモーテルの歴史を説き明かしていくわけですが、第1話を観た限りではノーマンは内気だけど心の優しい少年で、ノーマは過保護だけど頑張るシングルマザーといったところ。その後2人にさ
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映画評

「ジャンゴ 繋がれざる者」鑑賞

タランティーノってその趣味に走りまくる姿勢が、例えばジョー・ダンテなどと違ってどうも肌に合わないところがあったのだが、これはとても楽しめる作品であったよ。もちろん冒頭のクレジットからして趣味に走ってるわけだが、西部劇(というか南部劇)の枠組みのなかにうまくストーリーが収まっているというか。少なくとも「イングロリアス」みたいに途中でミュージックビデオみたいになってどうしよう、という展開はなかったし。 とはいえかつての「主人」たちに復讐する話かと思いきやその目的はすぐに果たされ、やっとディカプリオが出てきて話の流れが変わる展開は、「キル・ビル」以降の蘊蓄がやたら語られるスタイルに通じていてあまり好きではないのだが、こちらはアクション満載の描写とスピーディーな話の流れもあって2時間超の長尺も殆ど気にはならなかった。 いちばん良かったのがやはりキャスティングで、主役のジェイミー・フォックスはまあ普通としても、対するレオナルド・ディカプリオがイヤミな悪役を怪演していて素晴らしい。彼っていつもは主役ばかり演じているので肩に力が入りすぎている気がするのだが、実はこういう脇役を演じた方がもっと幅
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海外テレビ番組

「TOP OF THE LAKE」鑑賞

ジェーン・カンピオンが脚本と監督を務めたミニシリーズ。いちおう放送局はBBCらしいがニュージーランドの番組という感じ。 舞台となるのはニュージーランドのパラダイスという田舎町。そこにある大きな湖に12歳の少女が服を着たまま浸かっているのが発見され、彼女は警察に保護される。そして検査の結果彼女が妊娠5ヶ月目であることが判明し、性的虐待を疑われて、ちょうど近くに住む母親を訪れていた女刑事のロビン・グリフィンが担当につけられる。しかし少女は誰が赤ん坊の父親であるかについては口を閉ざし、さらに少女の父親は地元で顔の利いたゴロツキであった。そしてその頃、湖に面した土地が購入され、男性に虐待された過去を持つ女性たちによるコミューンが作られるのだが、そのことをゴロツキの親父は快く思わず…というようなプロット。 これもまた「THE KILLING」もしくはこないだの「Broadchurch」に通じる田舎町の暗いミステリーといった内容で、イギリス人はこういうの好きなんだろうね。ただし今回のは殺人事件で話が始まるわけではなく(偶発的なものが1つ起きるが)、ミステリーよりも人間関係のドラマを強調したも
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映画評

「ホーリー・モーターズ」鑑賞

昨年海外では絶賛されていたフランス映画。監督のレオス・カラックスって名前は知ってたけど作品を観るのはこれが初です。なんかよく分かんないんだけどとてもすごい映画であったよ。 ある晩に目覚めた男(カラックス本人)が自室の壁にあった隠し通路を発見。そこを抜けると大衆がサイレント映画を観ている劇場だった…というオープニングは本編とまったく関係なくて、本編の主人公となるのはオスカー氏という男性。大邸宅に住み子供たちにも恵まれた彼は、巨大な白いリムジンに乗って仕事へと向かう。そんな彼の仕事とは、与えられたファイルをもとに、変装をしてさまざまな「業務」をこなすことだった。まず老婆に変装して橋の上で物乞いをしたオスカーは、それからゲーム用のモーションスーツを着込んで撮影用のスタジオでハードなアクションをこなし、同じくスーツを着込んだ女優とセックスの模擬をする。このようにしてオスカーは9つの業務を1日のなかでこなしていく…というストーリー。 ストーリーは本当にこれだけでして、オスカーに仕事を与えるエージェンシーがあることや、同じような仕事をしている人たちが他にもいることが示唆されるんだけど、オスカー
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海外テレビ番組

「VIKINGS」鑑賞

米ヒストリー・チャンネルで始まったフィクションのドラマで、名のごとくスカンジナビアのバイキングたちを描いたもの。 主人公となるのは後に伝説的なバイキング王となるラグナー・ロドブロックで、大志を抱いた若者であったラグナーはバイキングたちによる東部(ロシアあたり)の略奪遠征に満足できず、前人未到であった西部(つまりイギリス)への航海に思いを馳せる。そして彼は友人のフロキに頼んで長距離の航海が可能な船を建造してもらい、弟のロロとともに西部へ向かうことを検討するのだが、バイキングたちの首領であるジャリはそれを快く思わず…というようなストーリー。 ラグナーを演じるのがトラビス・フィメル…って誰だっけ。オーストラリア人の元モデルなのか。作中ではヒゲ面なので全然イケメンに見えませんな。有名どころではバイキング王のジャリをガブリエン・バーン、その妻をジェサリン・ギルシグが演じている。ガブリエン・バーンってヒストリーのドラマに出るには少し大物すぎるような気がするんだが、撮影はアイルランドで行われているらしいのでそれで引き受けたんだろうか。 いちおうバイキングによる戦いのシーンなどもあるものの、「
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海外テレビ番組

「BROADCHURCH」鑑賞

10代目ドクター・フーことデビッド・テナント主演のITVのミステリードラマ。11代目ドクターのコンパニオンだったアーサー・ダーヴィルも出てるよ。 舞台となるブロードチャーチは海辺にある小さな町で、住民がみな互いを知っているような共同体だったが、そこで11歳の少年が変死体となって発見される。当初は事故死かと考えられたものの他殺であることが判明し、地元の警察に勤めるエリーは町の外から派遣されてきた刑事のアレックと組んで捜査を始めるが、やがて住民たちの暗い秘密が明らかになっていくのだった…というようなプロット。 テナントが演じるのがアレックで、部外者の彼に主導権を握られて憤慨するエリーを演じるのが、薄幸そうな役が似合うオリビア・コールマン。小さなコミュニティにおける子供の殺人事件、という点では「THE KILLING」に似てるかなあ。被害者の家族が後ろめたい秘密を持ってそうなところも似てるけど、まあ決して独特なプロットというわけでもないからね。このほか地元の新聞記者による詮索とか、アレックが左遷のような形で派遣されてきた理由などが物語に関わってくるらしい。 なおアレックは愛想が悪くて
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映画評

「フライト」鑑賞

やるじゃんゼメキス。ここ10年は不気味の谷のあちら側に行っていた感のある人ですが、「キャスト・アウェイ」で培った飛行機落としのテクニックに磨きをかけて、意外にもR指定で実写にカムバックしてきたわけです。 勝手に想像していた「事故のときに何が起こったのか?」という展開の話ではなく、事故とその後の話が時系列に沿って描かれていくわけだが、苦境に陥った主人公が宗教・家族・AAなどといった救済の可能性に触れ、最後に2つの選択肢を持つことになるという流れは「ライフ・オブ・パイ」に少し通じるものがあるかな。 アル中の問題児である主人公の自己中な振る舞いを最初から最後まで見せつけられる展開であるため、本来ならば観客は主人公に感情移入できないはずなのだが、それでも観る人の目を引きつけさせるデンゼル・ワシントンの演技力が凄い。顔面の細かな動きから体の微妙な揺らし方まで、すごく話のリズムに合っていて飽きさせない。彼は共演者からの評判が悪いことであまり好きな役者ではなかったのだが、やはり演技力は超一流であることを実感。相手役のケリー・ライリーって女優はよく知らなかったのですが、こちらもいい演技してます。
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