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映画評

「A Dangerous Method」鑑賞

デヴィッド・クローネンバーグの新作。これ国内配給は決まってるんだっけ? 舞台は1900年代初頭のチューリッヒ。ロシアの令嬢のザビーナ・シュピールラインがヒステリーの症状のため精神病院に入れられたとき、そこの医師であったカール・ユングはジークムント・フロイトが提唱していた「お話し療法」を彼女に試み、ザビーナの話を聞くことで彼女の疾患の原因が幼少時の父親からの虐待によることを知る。その後にユングはフロイトと面会し、2人のあいだには師弟関係が生まれるものの、すべての要因を性的なものに求める権威主義的なフロイトと、神話などの超自然的なものにも興味を抱くユングのあいだにはやがて亀裂が生じていく。さらに妻子のいるユングがザビーナと不倫関係になり、ザビーナ自身が精神科医になることを目指したために、私生活と仕事の両面でザビーナとユング、そしてフロイトの3人の人生は絡まりあってゆく…というようなプロット。 登場人物はみな実在した人たちで、彼らをもとにした演劇の作家をそのまま脚本家としても起用したためかセリフがやたら多い印象を受ける。アカデミックな人たちの会話なので決して説明口調っぽくは聞こえないも
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海外テレビ番組

「SCANDAL」鑑賞

「グレイズ・アナトミー」のションダ・ライムズによるABCの新作シリーズ。 オリビア・ポープは大統領の元側近で、ワシントンで法律事務所を運営している切れ者のエージェント。顧客が何かしらのスキャンダルに巻き込まれたとき、彼女とそのスタッフはあらゆる手を尽くして顧客を守り、スキャンダルをもみ消すのだった…というようなプロット。 悪い意味でこなれたクリエーターが作った番組だなあ、といった感じ。第1話では殺人の容疑をかけられた著名な兵士をオリビアたちが助けるAプロットに加え、不倫の疑惑が出た大統領を救うBプロット、さらにスタッフの1人が恋人にプロポーズしようとするCプロットまでもが登場するんだけど、このように複数のプロットを絡めてストーリーを引き延ばすのってシーズン途中の「普通の」エピソードで行われることであって、第1話はもっと派手なAプロットだけを披露して視聴者にインパクトを与えるべきものだと思うんだけどね。今回は3つのプロットを順繰りに回収してってるものだからえらく冗長な話に感じられたよ。 主人公のオリビアはとてもタフな女性で、自らの直感に自身をもっており「私の直感は絶対よ!外れたり
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映画評

「コーマン帝国」鑑賞

ハリウッドのメジャー・スタジオとは無縁に50年代から映画を製作し続け、エログロのエクスプロイテーション作品を作る一方でコッポラやスコセッシといった監督たちに映画業界へのきっかけを与えたB級映画の帝王ことロジャー・コーマン大先生の集大成的ドキュメンタリー。(厳密に言うと正しい意味での「B級映画」は一本も作ってないんだけどね。まあいいか) あと数日で86歳という年齢ながらも未だに現役で撮影現場に顔を見せ、オフィスで編集作業に目を光らせるコーマン先生の経歴を、本人や家族および彼の門下生たちのインタビューを重ねて語っていく内容になっていて、マーティン・スコセッシやロバート・デニーロ、ピーター・フォンダ、ロン・ハワード、ピーター・ボグダノヴィッチ、ジョー・ダンテ、パム・グリアー、ジョナサン・デミなどといった錚々たる面子が登場するぞ。いちばん多くを語るのがジェック・ニコルソンで、デビッド・キャラダインとかポール・バーテルといった鬼籍に入られた人たちのインタビュー映像も出てくる。ジェームズ・キャメロンが出てこないのは予想してたが、フランシス・フォード・コッポラが出てこなかったのは少し意外だった。
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海外テレビ番組

「Don't Trust the B---- in Apartment 23」鑑賞

ABCの新シリーズ。別名「Don't Trust the Bitch in Apartment 23」もしくは「Apartment 23」で、日本では「23号室の小悪魔」って題名になるんだっけ。前も書いたように、変にリスキーな題名にしたって見返りは少ないと思うんだけどね。ABCっていちばん保守的なネットワークなのに何をしたいのやら。 大きな期待を抱いて田舎町からニューヨークにやって来たジューンは、仕事の初日に会社が摘発されて閉鎖されるという憂き目に遭い、会社が用意してくれたアパートを追い出されてしまう。このまま故郷に帰るわけにもいかず、ルームメイトつきの部屋を探した彼女は、クロエという女性が住む23号室のアパートへと移ることになる。しかしクロエは天性の詐欺師で、いままで多くのルームメイトを騙して財産を奪ってきたばかりか、ジューンの婚約者まで寝取ろうとするのでした…というようなプロット。 小悪魔クロエを演じるのが「ブレイキング・バッド」で大変素晴らしい演技を見せてくれたクリステン・リッター(はあと)。彼女の元彼氏という設定でジェームズ・ヴァン・ダー・ビークが本人自身を演じていて、未
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海外テレビ番組

「BEST FRIENDS FOREVER」鑑賞

これまたNBCの新作コメディ・シリーズ。 サンフランシスコに住んでいたジェシカは夫と離婚したことから、ニューヨークにいる親友のレノンのところに引っ越すが、そこにはレノンのボーイフレンドであるジョーも同居しており、彼らと暮らすことになったジェシカは何となく気まずい立場に置かれ…といった感じのプロット。 ちなみに「レノン」って女性のファーストネームでもあるのね。ジェシカとレノンをそれぞれジェシカ・セント・クレアとレノン・パーハムという女優が演じていて、彼女たちがこのシリーズのクリエイターでもあるらしい。ゲームばかりやってるボンクラのジョーは「HAPPPY ENDINGS」のゲイの人に似てるなあ、と思ったら元々彼がキャスティングされてた役なのか。 昨日の「BENT」同様に、コメディとしてはジョークが足りないんじゃないの、といった感じの作品。その一方で恋人同士のケンカとかがリアルに描かれてたりするので、どこらへんでどう笑っていいのか戸惑ってしまうな。出演者の演技は巧いし男女関係を描いたドラマとして観るとそんなに悪くないんだけど、シリーズとしてどうやって話を続けていくことが出来るのかは不
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海外テレビ番組

「BENT」鑑賞

最近はケーブル局にさえも視聴率で負けて、凄惨な状態になっているNBCの新作シリーズ。これコメディ…だよね? 離婚した夫がインサイダー取引で服役中のアレックスは、1人娘のチャーリーを抱えたシングルマザー。彼女は引っ越した家のキッチンを改装しようと大工のピートを雇うが、彼は元ギャンブル中毒の女たらしで、アレックスも口説こうとしてくる始末。肝心の仕事もいい加減なためアレックスはピートをクビにしようとするものの、彼にチャーリーがなついたこともあり彼を再び雇うことに。こうしてアレックスとピートは微妙な仲になり…というようなプロット。 アレックスを演じてるのがアマンダ・ピートなんだけど、彼女はどの作品でも肩に力の入った真面目で幸の薄い女性を演じてるような?そしてこの作品の第1話は、彼女が主演してそうなロマンチック・コメディ映画の最初の30分かと勘違いするような内容であったよ。おカタいキャリアウーマンがボンクラの男と出合い、最初は反発するもののやがて恋仲になる…というような黄金のパターンのやつ。それはそれで結構だが、TVシリーズでそれやると話が続かないんじゃないかしらん。 そしてボンクラのピ
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映画評

「ヒューゴの不思議な発明」鑑賞

これ大変素晴らしい映画ではないですか。まさかスコセッシが人生のこの時点においてこんな作品を作ってしまうとは。 フィクションのなかに史実を丹念に織り込み、少年の物語でありながらも年老いた男の人生の情熱を語ってしまう巧みさ。すべての人には存在意義があるという観念のもと、映画にしかないというハッピーエンディングが現実にも訪れ、すべての愛が成就する見事さ。どこまでは原作に基づいているのかは知らないけど、子供の頃は喘息のため外に出られず、窓から外界を眺めていたというスコセッシの、映画に対する愛情なしではこんな作品は作られなかったであろう。 3Dによる撮影はものすごく画期的というわけではなかったが、それでも最近のとりあえず3Dで撮ったような映画よりも画面構成などが細かく練り込まれ、3Dで観ても損はなかったと思う。サシャ・バロン・コーエンの顔のアップとかにも効果的に3Dが使われているのが良かったな。ただその反面CGが多用されていくつかチャチに見えてしまう光景があったのも確かで、おもちゃのネズミとか博物館の火事とかはもうちょっとリアルに描いても良かったかもしれない。あと映画史でいち早くギミック撮
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映画評

「ファミリー・ツリー」鑑賞

アレクサンダー・ペインの7年ぶりの監督作品。 主人公のマットはハワイに済む弁護士で1800年代からずっと一族に引き継がれてきた膨大な土地の相続人でもあったが、法律によってその土地を売却する必要に見舞われていた。そんなとき妻のエリザベスがボート事故により回復する見込みのない昏睡状態に陥ってしまう。やがて彼女が死を迎えることを2人の娘に伝えるマットだったが、実はエリザベスが不倫をしていたことを知り…というようなストーリー。 妻の死をベースにしながら、娘たちや親族との和解や妻の不倫相手探しなどがハワイの大自然をバックに描かれ、とてもいい感じ。急な話の展開や派手な出来事などがあるわけでもなく、ただ話が進んでいくだけなのに2時間弱の長尺でもまったく飽きさせない。ここらへんはアレクサンダー・ペインの巧いとこだよね。逆に今までの彼の作品がダメだった人はこれも好きになれないかも。 主演のジョージ・クルーニーも非常に良い演技を見せてくれて、仕事第一だったために妻や娘たちの面倒を見ることができず、今になって必死に家族をまとめようとするダメ男を、ユーモアとペーソスをもって絶妙に演じきっている。まあク
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「MISSING」鑑賞

ABCの新シリーズ。これって全10話のミニ・シリーズ扱いになるの?それとも普通のシリーズ? レベッカはCIAの敏腕エージェントだったが、夫がヨーロッパで暗殺されたことからCIAを退職し、花屋となって1人息子のマイケルを育てていた。そんなマイケルも成長して大学生になり、ローマへと留学することになる。息子と別れることに心を痛めつつも彼を見送ったレベッカだが、その後しばらくしてマイケルが音信不通になってしまう。心配した彼女は単身でローマに渡りマイケルの下宿に向かうが、そこに彼はいなかったばかりか謎の侵入者と彼女は格闘することになる。やがて彼女は息子が何者かに誘拐されたことを知り、CIAでのスキルとコネクションを駆使して彼を救出することを誓う。こうしてヨーロッパ全土にわたるレベッカの探索が始まるのだった…というようなプロット。 主役のレベッカを演じるのは久しぶりに顔を見たような気がするアシュレイ・ジャッド。冒頭で瞬殺される彼女の夫をショーン・ビーンが演じてるんだけど、彼は今後もフラッシュバックとかで登場するのかな。「Game of Thrones」の撮影で忙しいだろうに。あとは「エアベン
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映画評

「ヤング≒アダルト」鑑賞

なんかメタファーがてんこ盛りの映画ですな。主人公の心境が彼女の書く小説にそのまま表れるとことか、青春時代の曲を繰り返し聴くところとかに加え、主人公が1人でジャンクフードばかり食べてる描写とか、登場人物のTシャツとかが「いかにも」といった感じで使われているといった感じ。とはいえあざとい訳ではなく、きちんと効果的に使われているのは巧いな。 観てて気になったのは登場人物の性格描写が少し一元的なところで、主人公は「元カレを取り戻す」という執念で凝り固まっているし、元カレのほうは彼女の魂胆に愚鈍なほど気付かないまま話が進んでいってしまう。しかし観てる側にとっては主人公の勝手な思い入れが報われないことは明らかなわけで、最後に主人公が自分の行為に気付くのがストーリーのテンポ上ちょっと遅いような気がする。これは「マイレージ、マイライフ」もそうだったけど、主人公の成長曲線の上がり方がストーリーよりもワンテンポ遅いような?これは個人の好みの問題かもしれないけどね。 なお個人的にシャーリーズ・セロンって能動的に嫌いな女優でして、無名の頃は積極的におっぱい見せてたくせに、ちょっと有名になると「私を外見で
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映画評

「JUSTICE LEAGUE: DOOM」鑑賞

DCコミックスのアニメーション・ムービー最新作。 90年代後半にマーク・ウェイドがストーリーを担当したJLAのコミック「TOWER OF BABEL」をベースにしたもので、ジャスティス・リーグの宿敵ヴァンダル・サヴェジがベインやチータ、メタロにスター・サファイアといったヴィランたちを招集し、リーグを壊滅させるためのプランを彼らに与えて実行させる。そしてそのプランは功を奏し、弱点を突かれたリーグのメンバーたちは次々と倒されていく。果たしてジャスティス・リーグはこの危機を脱することができるのか?そして彼らの弱点が網羅されたプランを作成したのは誰なのか?というようなストーリー。 まあ思わせぶりなジャケットの絵を見ると、そのプランを作ったのは誰だかすぐ分かっちゃうんですけどね。原作では敵役となるのがラーズ・アル・グールだったけど、彼は他のヴィランとツルまないタイプなのでヴァンダル・サヴェジに変更されたのかな。原始時代から生きていても未だ世界征服を遂げてないサヴェジって実はかなりのヘタレではないかと思うのですが、まあいいや。彼が招集したヴィランたちのグループが悪のリーグことリージョン・オブ
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海外テレビ番組

「GCB」鑑賞

ABCの新シリーズ。最初は「Good Christian Bitches」という原作本と同じ題名だったのが「Good Christian Belles」という名前に変更され、結局「GCB」になったのだとか。昨年の「Shit My Dad Says」とか今度やる「Don't Trust the Bitch in Apartment 23」とかもそうなんだけど、地上波ネットワークの番組にリスキーな名前つけると絶対あとで変更することになるから、変に無理しないほうがいいと思うのだよ。 アマンダはカリフォルニアに住む主婦だったが、彼女が知らぬ間に夫が出資金詐欺で儲けた金をもって愛人と高飛び中に事故死してしまい、アマンダの家は当局に差し押さえられてしまう。こうしてカリフォルニアにいられなくなった彼女はティーンの子供2人を連れ、故郷のテキサスに住む裕福な母親のもとへ戻るのだが、彼女を待ち受けていたのはかつて彼女がコケにしていた高校の同級生たちだった。彼女たちは敬虔なクリスチャンのようでいて、じつはゴシップ好きで欲深く他人の不幸など一行に構わない主婦たちであり、帰ってきたアマンダが早くも周囲の男性
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映画評

「MARTHA MARCY MAY MARLENE」鑑賞

名前を暗記するのに3ヶ月くらいかかった昨年のサンダンス映画。 物語はマーサという少女が、2年間所属していたカルトのグループから脱走するところから始まる。彼女は母親の死などをうけて俗世間を離れ、リーダーのもと自給自足を目指すカルトのコミューンに加わり、メイシー・メイという新たな名前を与えられて他のメンバーとともに生活していたのだ。しかしカルトの冷酷さを知るにつれ、初エッチまで捧げたリーダーへの憧れは畏怖へと変わり彼女はコミューンから脱走し、姉夫婦のもとに身を寄せる。そこで平和を見いだしたかのように見えたマーサだったが、コミューンでの生活は彼女の精神に大きな傷を与えていた。奇行を繰り返す彼女のため姉夫婦の関係にも不和が生じていき…というようなプロット。 最初から最後までカルトの影が重くのしかかっているんだけどサスペンスや心理ドラマなどではなく、ひたすら暗い展開が続く内容になっている。ちょっとセレブな姉夫婦の家での生活と最低限の暮らしをするコミューンでの生活がオーバーラップしながら描かれ、そのどちらもがただ暗いという…。2つの生活に通じるものがあることを描こうとしてるのかもしれないが、
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映画評

「ATTENBERG」鑑賞

あの傑作「DOGTOOTH」を筆頭に、さいきんいろいろ目にするようになったシュールなギリシャ映画の1つ。アカデミー賞のギリシャ候補になったらしいけど、国が財政危機で破綻してる一方でこういう実に商業的でない映画を作ってるというのは何となく好きです。 マリーナは23歳になっても男性と付き合った経験のない奥手な少女で、ギリシャの山岳地帯にある工場で運転手として働き、病を患っている父親と暮らしていた。彼女の趣味はスーサイド(NYパンクの人たちだよ)を聴くこととデビッド・アッテンボローのドキュメンタリーを観ること(タイトルはここから来ている)で、男性経験の豊富な親友のベラからはキスや性に関する指南を受けていた。そんな彼女は工場である男性と知り合い…というようなストーリー。 と書いてはみたもののあまりストーリーらしきストーリーは存在してなくて、ただただ思わせぶりなシーンが淡々と続いていく内容になっている。親の過保護という明確なテーマが根幹にあった「DOGTOOTH」に比べるとつくりが弱いことは否めない。ちょっとエッチでかわいいシリーウォークを繰り広げる女の子たちとか、TVを観て動物のマネをす
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海外テレビ番組

「AWAKE」鑑賞

NBCの新シリーズ。 刑事であるマイケルはある晩に家族とドライブ中に車を横転させてしまい、1人息子のレックスを亡くしてしまう。悲しみに打ちひしがれながらも職場に復帰するマイケルだったが、実は彼は夜に見る夢のなかでもう一つの現実を体験していた。そちらの世界では事故で亡くなったのはレックスではなく妻のハンナであり、彼はレックスと2人で暮らしていたのだ。2つの世界の境界が分からなくなり、困惑するマイケル。果たしてどちらの世界が現実で、どちらが幻なのか…というようなプロット。 話の設定だけ聞くと「LOST」みたいな謎ものかSFっぽい内容を連想するかもしれないが、実は意外とストレートな刑事もの。2つの世界で起きる事件が微妙にリンクしていて、マイケルは片方の世界で入手した手がかりをもう一方の世界で使って事件を解決する、なんてことをやってたりする。あとどちらの世界にもセラピストがいて、主人公にカウンセリングを与えてたりするのがアメリカンなところですね。 原案者は昨シーズンにあっという間に打ち切られた「LONE STAR」と同じ人…って二重生活ネタが好きな人だね!主演は「ブラザーフッド」とかに
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映画評

「A Very Harold & Kumar Christmas」鑑賞

そのマリファナ万歳な内容のために(だよね?)日本では劇場公開はおろかDVDさえも発売されてない人気コメディ・シリーズ第3弾。今回は劇場だと3Dで公開されたので、タマゴから紙吹雪からマリファナの煙までありとあらゆるものが画面に向かってくる演出になっていたよ。これはちょっと3Dで観たかった気もする。 2作目が1作目の直後から始まってたのに対し、今回のストーリーは2作目の6年後という設定で、クマーが相変わらず小汚いアパートに住んでマリファナをキメてばかりの毎日を送っているのに比べ、ハロルドは出世してウォール街のオフィスで働き、妻のマリアと大きな家に住んでいた。そしてクリスマス・イブの朝にクマーのもとにハロルド宛の荷物が届いたことからクマーはハロルドの家を訪れるものの、それが大騒動に発展して…というようなストーリー。 相変わらずマリファナ・ジョークが満載だし裸のおねーちゃんたちも出てくるんだけど、前2作に比べてかなりメインストリームのコメディになったなという感じ。ラフなところが魅力だったインディーズのバンドが、メジャーデビューして良くも悪くも洗練された音になったようなものというか。3Dゆ
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海外テレビ番組

「THE RIVER」鑑賞

ABCのいわゆる「LOST」ライクな新シリーズ。去年の「THE EVENT」の失敗で「LOST」ライクな作品は当分出てこないかと思ったけど、やはり今年も出てきたか。まあ他にもエイブラムスご本人の「PERSON OF INTEREST」とか「ALCATRAZ」とかがあるけど、あちらはもっと一話完結ものに近いよな。 探検家のエメット・コール博士は20年以上ものあいだ世界の秘境を渡り歩き、自身とその家族の冒険を映したTVシリーズによって世界的な知名度を誇っていたが、ある日アマゾンの奥地へと探検に向かったまま消息を絶ってしまう。そして世間では彼は死んだものとみなされるが、その半年後に彼の非常用ビーコンが作動したことを知った彼の妻のテスは、まだエメットが生存していることを信じ、息子のリンカーンや撮影クルーを率いてアマゾンへ向かうが、そこで彼らが目にしたものは…というプロット。 アマゾンを舞台にしてるので「アナコンダ」に雰囲気がにているかな。あとは「モンスターズ/地球外生命体」とか。コール博士がアマゾンで魔術を調査していたことが示唆され、彼を捜すクルーが直面するのもオカルト的な存在になるみた
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映画評

「裏切りのサーカス」鑑賞

iTunes UK経由で。何を語ってもネタバレになりそうな作品なので、以下を読む時はお気をつけ下さい。 舞台となるのは1973年の冷戦下のイギリス。情報局秘密情報部(通称「サーカス」)のトップはある情報を得るためにハンガリーへエージェントを送るがその作戦は失敗し、その結果サーカスのトップおよび彼の右腕のジョージ・スマイリーは引退を余儀なくされる。しかしサーカスの上層部に共産側のスパイが潜り込んでいるらしいとの情報を聞きつけた政府は、スマイリーを呼び戻してスパイを探し出すよう命じるのだったが…というような話。 ジョン・ル・カレの原作読んでないし、アレック・ギネスの70年代のTVシリーズも当然観てないズブの素人が言うのも何ですが、かなり難解な映画だったなあ。ストーリーそのものが難解というよりも説明的なセリフやショットが極力省かれていて、話の行間を読むというか、登場人物の間の空気を読むことが多分に求められる演出がされていたのだよ。おかげですごく話が凝縮されて緊迫感があるのだが、ちょっとでも話を聞き漏らすとあとの展開が分からなくなるような感じでもあった。またフラッシュバックが多用されてお
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映画評

「ドライヴ」鑑賞

批評家のあいだで高い評価を受けたライアン・ゴズリング主演のサスペンス。 主人公は物静かなドライバーで、昼間はメカニックや映画のスタントドライバーとして働き、夜は強盗の逃走を手助けする運転手という2つの顔を持っていた。そんな彼が同じマンションに住む子持ちの若い女性と仲良くなったとき、刑務所に入っていた彼女の夫が出所して帰ってくる。そして悪い仲間たちから仕事の依頼を受けて困っていた夫を主人公は助けることにするが、予期しなかった展開になり…というようなストーリー。 洗練されつくしたシネトグラフィーに、無駄な要素をそぎ落とした脚本と編集のおかげで、LAを舞台としたサスペンスなのにまるでヨーロッパのアートフィルムを観ているかのよう(監督のニコラス・ウィンディング・レフンはデンマーク出身)。主人公の名前が劇中で明かされず、役名がそのまんま「ドライバー」となっている点なども作品のストイックさを象徴しているといえよう。 でもサスペンスの臨場感は非常に楽しめるし、カーチェイスのシーンも迫力があって良かったよ。アメリカでは「ワイルド・スピード」みたいな内容を期待してたのに!と実際に訴訟まで起こした
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映画評

「The Death and Return of Superman」鑑賞

アメリカでは今週「クロニクル」っていうSF映画が公開されまして、結構いい評判を得てるのですが、その脚本を書いてるのがジョン・ランディスの息子のマックス・ランディスなわけです。そして「クロニクル」にあわせてネットで公開されたのが、90年代初期の「スーパーマンの死」およびその復活に関するこの短編映画。 スーパーマンがドゥームズデイと戦って死亡し、4人の後継者がでてきた後にちゃっかり復活する様を皮肉っぽく語っていく内容で、ついでにグリーン・ランタンの「エメラルド・トワイライト」についても少し語られてるぞ。おちゃらけて語ってるようで、当時は説明されてなかったドゥームズデイのオリジン話についてもしっかり語ってるあたり、かなりのアメコミ通とみたぞ。キャラクターのコスプレもそれなりに良く出来てるし。 おまけに出演者が無駄に豪華で、ここらへんは親のコネなのかしらん。イライジャ・ウッドにマンディ・ムーア、ロン・ハワードなどなど。ジョン・ランディスを演じてるのってサイモン・ペッグだよね? コミックを知らない人はこれを観てもチンプンカンプンかもしれないが、ストーリーのツボおよびファンの反響などを的確
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映画評

「TATSUMI」鑑賞

「劇画」の名付け親である漫画家の辰巳ヨシヒロの伝記的なアニメ映画。俺は最近まで氏のことをまったく存じておりませんでして、自伝的長編「劇画漂流」が海外で高い評価を得るにあたってその名を知るに至った次第です。この映画はその「劇画漂流」をベースにしてるのかな。 物語は終戦直後の大阪から始まり、貧しい家族に育った主人公が家計を助けるためにマンガの投稿を始め、画才を認められて手塚治虫に紹介され、さいとう・たかをたちとマンガ雑誌を発行し、子供向けのマンガと区別するために劇画という言葉を江南市、やがて上京していくさまが瑞々しく描かれている。俺の親が辰巳氏と同世代ということもあり、当時の生活の描写などは大変興味深かったよ。 この自伝的ストーリーに交差するような形で作者が70年代に執筆した短編が5つほど紹介され、孤独な行員や定年を目前にしたサラリーマン、連載を切られた漫画家など、社会の底辺における人々の哀愁がこもった話が語られていく。ストーリーもさることながら、今となっては遠くになりけりな昭和のテイストが満載なアートがとても印象的であったよ。和文タイプライターを駆使するOLとか、「トルコ風呂に来て
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海外テレビ番組

「TOUCH」鑑賞

「24」のキーファー・サザーランドが主演で「HEROES」のティム・クリングが原案の新シリーズ。俺どっちのシリーズもまっとうに観たことないんだよな。話題の俳優とクリエーターのタッグということでフォックスは結構プッシュしてるみたいですが。あとダニー・グローヴァーも出てるぞ。 元ジャーナリストのマーティンは911テロで妻を亡くし、1人息子のデビッドを育てながら職を転々とし、いまは空港の荷物係として働いていた。そのデビッドは自閉症の疑いがある奇妙な少年で、11歳になっても言葉をいっさい口にすることがなかったが、数字に対しては強い興味を示していた。実は彼は自然の摂理を見渡すことができる能力をもっており、物事の過去や現在はおろか未来さえも把握することができる少年だったのだ。そしてマーティンも息子の能力に気付きはじめ…というようなプロット。 デビッドの能力というか、世界のあらゆるものが何らかの目的でつながっているという自然の摂理の例として、第1話ではマーティンが空港で見つけた携帯電話がダブリンに渡って動画が撮影され、それがさらに日本のビッチな女子高生に渡り、さらにはイラクの少年のもとに届き、
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「THE WHOLLY FAMILY」鑑賞

「ファウスト」で俺の中のリスペクト度が再び跳ね上がったテリー・ギリアムによる新作短編。タイトルはキリスト教の「聖家族」と全粒粉をかけてるんだろうが、イタリアのパスタ会社が出資して作られた作品だそうな。よって「これはコマーシャルではないのか?」みたいな批判もあったらしいけど、金の無いことで有名な監督なんだし別に企業に出資してもらったっていいじゃんねえ。 よって舞台となるのは当然のごとくイタリアで、イギリス人の父とイタリア人の母と一緒に観光に来ていた少年のジェイクは屋台に並んでいたプルチネッラの人形に魅了されるが、両親は彼がそれを買うことを許さず、ジェイクは親とケンカしたあげく夕食抜きでベッドに送られる。しかし彼は人形をひとつ屋台からくすねており、それが夜中になって動きだし、ジェイクを不思議な世界に連れ込んで…というようなストーリー。 口うるさい両親に理解してもらえない子供が不思議な世界を旅する、という展開は「バンデットQ」によく似ているかな。また仮面をつけた大量のプルチネッラたちのコレオグラフィーは「ファウスト」のオペラチックな演出に通じるものがあるかなと。目新しい感じはしないもの
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映画評

「The Ides of March」鑑賞

ジョージ・クルーニー監督、ライアン・ゴズリング主演の政治サスペンス。よく考えたら俺はクルーニーの監督作はおろかゴズリングが出演してる映画を観るのが初めてだった。あらすじを書くだけでもネタバレになりそうな作品なので、以下はご注意を。 舞台となるのはオハイオ州での民主党の大統領候補選挙で、ペンシルバニア知事のモリス知事がアーカンソーのプルマン知事と接戦を繰り広げ、オハイオを制した者が民主党の正式な指名を受け、共和党の候補も破って次期大統領になることは確実視されていた。主人公のスティーブはモリス知事(演じるのはクルーニー)のキャンペーンの若きスタッフで、知事自身および上司のポールから選挙活動のノウハウを学びながら知事の当選に尽力していた。そんなとき彼はプルマン知事のキャンペーンのマネージャーであるトムから要請を受け、他のスタッフに内緒で彼と会うことになる。そしてトムはスティーブンを自分のチームに引き抜きたいと彼に伝えるが、スティーブンはこれを固辞してモリス知事のところへと戻る。しかし彼はそのとき既に陰謀の渦にとらわれていたのだった…というような話。 とはいえ国家を揺るがすような陰謀など
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「SMASH」鑑賞

NBCが贈る年配者向け「GLEE」。プロデューサーにはスピルバーグも名を連ねている。 ニューヨークのブロードウェイでのミュージカルの裏側を描いたもので、ソングライターの二人がマリリン・モンローをテーマにしたミュージカルを作ることを思いつき、離婚調停中のプロデューサーのもとで才能はあるんだけど女たらしの演出家を雇い、マリリンによく似た女優を主演に起用しようかと思ってたら抜群の歌声を持った無名の女の子が現われて…といったストーリー。これに登場人物の私生活とか恋愛関係とかが絡んできて、ちょっと昼メロ的な展開になっていくみたい。 当然ながら歌って踊るナンバーがいろいろ出てくるんだが、ミュージカルを題材にした作品なのに躍動感が致命的に欠けているのはいかがなものかと。「GLEE」との比較が妥当なものかは分からないが、あちらは学校で蔑まれている生徒たちがステージの上で輝こうとする意欲がきちんと描かれ、高校生らしかぬ派手な踊りと演出が楽しかったのに対し、こっちはプロもしくはセミプロの人たちが「いつもの仕事」をしているという感じで、どうも話にフックがないんだよな。いちおうウェイトレスをしながらスタ
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