映画評

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「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」鑑賞

公開中なので感想をざっと。いちおうネタバレ注意: ・よく油を差された機械のごとく、多くのキャラクターが登場しながらもきちんと各々の見せ場を作って、展開も分かりやすくしながらストーリーを進めていく手際は、さすがにマーベルの長年の経験が活かされてますね。ルッソ兄弟は前作「ウィンター・ソルジャー」でもアクションと政治性をうまくブレンドしていたわけで、どこかしらアラの目立った「ウルトロン」以上にアベンジャーズっぽい作品になっているかと。 ・と言いつつもやはりキャラクターが多すぎるのでは。以前からの登場人物に加えて新しいのもたくさん出てきて、それなりに事前勉強みたいなものが求められるため、これで初めてマーベル映画を観た観客はどこまで楽しめるのだろう? ・ソーとハルクという巨頭ふたりを登場させなかったことで各チームの戦力的なバランスがとれたのは正解だったが、ビジョンも手持ちぶさたな扱いをされていたような。今後「インフィニティ・ウォー」に向けてさらに多くのキャラクターが出てくるわけで、そこらへんの交通整理はきちんとやっておいたほうがいいだろう。 ・原作は911テロと愛国法の誕生というアメリ
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「Theory of Obscurity: a film about The Residents」鑑賞

目玉のマスクやその他たくさんの仮面を被り、正体を隠して40年以上コツコツと奇妙な音楽とパフォーマンスを披露し続けているサンフランシスコ出身のバンド、ザ・レジデンツのドキュメンタリー。彼らの詳しい経歴についてはウィキペディアの記事(おれが訳しました)を参照してください。 ヒッピー文化真っ盛りのサンフランシスコに前衛音楽をやりたい若者たちが集まったところからザ・レジデンツの経歴が語られるわけだが、当然のごとくこのドキュメンタリーには本人たちがいっさい登場しないので、当時の彼らを知る人々や元スタッフ、彼らのファンたちによってレジデンツの功績が語られていく。 インタビューを受けてるのはレス・クレイプールやマット・グレーニング、ペン・ジレットなどといったレジデンツ好きで知られる人々のほか、ディーヴォのメンバーやトーキング・ヘッズのジェリー・ハリソンなども登場していたし、レジデンツをサポートする団体であったクリプティック・コーポレーションのホーマー・フリンも多くを語っていた。なおホーマー・フリンこそがレジデンツの中の人ではないかという噂はファンのあいだで長らく語られてきたのだが、それの手がか
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「レヴェナント: 蘇えりし者」鑑賞

ネタバレしないように感想をざっと: ・ディカプリオが(やっと)アカデミー賞を受賞したことで知られる作品だが、演技自体は前作の「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のほうが遥かに上であって、あれがコメディだったから受賞できなかったのを、残念賞的な意味合いをこめて本作で賞を与えられたのだと個人的に思ってるのですがどうでしょう。 ・しかし「ウルフ」で鍛えた技術が本作で如実に生かされているところが1つあって、それは「這うこと」!前作では麻薬でラリって腰が抜けたまま這いつくばって車に乗り込むという会心の演技を見せつけたディカプリオですが、今回はさらに雪原や森のなかをひたすら這う!這う!ほふく前進をやらせたらいま一番の役者ではないかと、スクリーンを見ながら考えてしまったよ。次は軍隊ものか難病ものでまた大地を這ってほしいところです。 ・でも役どころとしてはやはり悪役の得というか、トム・ハーディのほうが凄みがあって良かったと思う。本国ではブツクサ言っていて何を言ってるのか分からないという批評も受けた演技だが、幸いなことに日本では字幕があるのでセリフの内容も理解でsきたし。あとはウィル・ポールター
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「Future Shock! The Story of 2000AD」鑑賞

「ジャッジ・ドレッド」や「ローグ・トルーパー」などの作品で知られるイギリスのコミック雑誌「2000AD」に関するドキュメンタリー。 物語は70年代後半から始まる。イギリスで不況の嵐が吹き荒れてパンク・ロックが盛り上がりを見せるなか、コミックのライター兼編集者であるパット・ミルズは当時のイギリスの凡庸なコミック業界に風穴を開けるために「Action」誌を発刊。「ジョーズ」などのハリウッド映画に影響を受けた作品を載せたこの雑誌はイギリスの少年たちに大きな人気を博するものの、その暴力的な内容によってメリー・ホワイトハウス(そういう有名な保守の活動家がいたんすよ)たちの抗議を受けて廃刊に追い込まれる。このためミルズは検閲を逃れるためにSFっぽい話を多くした「2000AD」を、仲間のライターであるジョン・ワグナーとともに小さなオフィスで立ち上げる。 人を食いちぎる恐竜や、架空の共産国に侵略されるイギリスといった題材を、相変わらずの暴力描写で描いた「2000AD」はすぐさまヒット。しかし作品の多くは反体制的なものでありながら、明らかにファシストである主人公をもった「ジャッジ・ドレッド」が一番
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「ANOMALISA」鑑賞

チャーリー・カウフマンの新作。以下はネタバレ注意な。 元々は10年くらい前に音声のみの劇として上演されたものを、ストップ・モーション・アニメとして映像化したもの。人形の動きとかが、むかしアダルトスイムでやってた「モラル・オレル」に似てるな、と思ったら共同監督のデューク・ジョンソンは「オレル」のクリエーターだったディーノ・スタマトプーロスのもとで働いていた人なんですね。 舞台は2005年。仕事のためにLAからシンシナティにやってきた中年男性のマイケルは、ひとりホテルにチェックインしたあと、かつての恋人に会おうとして彼女をバーに呼び出す。しかし久しぶりの再会もケンカで終わり、寂しく部屋に戻った彼は、別の部屋に宿泊しているリサという女性に出会う。彼女に魅かれるものを感じたマイケルはリサを自分の部屋に誘い、二人は親密な夜を過ごすのだったが…というあらすじ。 デューク・ジョンソンの姉の元夫をモデルにしたというマイケルの声を演じるのがデヴィッド・シューリスで、シャイな女性であるリサの声を演じるのがジェニファー・ジェイソン・リー。その他のキャラクターの声はすべてトム・ヌーナンがあてていて、マ
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「The Forbidden Room」鑑賞

「バットマン vs スーパーマン」観た反動でアート映画も観ましょうね、ということで。 カナダにガイ・マディンという映画監督がいまして、サイレント映画や初期のトーキー映画のスタイルを踏襲したビジュアルの作品を作ることで知られてるらしいのですね。単に「アーティスト」みたくサイレント映画を再現しているというよりも、もっとカットアップの手法を用いたり、撮影シーン自体を一般公開したりして、いろいろ前衛的なことをやってるそうな。まあ俺も詳しくは知らなかったのですが。 そして昨年のサンダンスで公開されたこの作品も、50年代のジャンル映画のパスティーシュみたいになってまして、「らしい」映像があまり脈略もなしに2時間こってり続くという内容になっています。最初はオッサンが風呂の入り方について語る公共メッセージのような映像から始まり、溶けて爆発しかねないゼリーとともに潜水艦に閉じ込められた兵士たちの物語になり、そこに木こりがひょっこり現れ、今度はその木こりが女性を取り返すために盗賊団のアジトに乗り込む話になり…といった話が、きちんと説明されないままずっと続いていくの。あとは他人の尻に魅かれる男性が脳手
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「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」鑑賞

公開したばかりなので簡単な感想を: ・アクションシーンが多くてそれなりに楽しめはするものの、全体的にはなんか観ていて疲れる、マイケル・ベイ作品のような映画。さすがにザック・スナイダーってベイほどアホではない(と思う)からコミックからの引用を散りばめてはいるものの、「ウォッチメン」同様に原作の要所要所をつまむのに忙しくて、全体としては盛り上がりに欠けてしまっている感じ。尺は長いのにカメラワークは単調だし、キャラクターの内面は描かれていないし、この監督はどうもストーリーに力を入れないね。 ・話の舞台がどこなのか分からないシーンがいくつかあったが、そもそもメトロポリスとゴッサムって岸をはさんで見通せるくらい近くにある設定なのか?それでワシントンDCへは飛行機で行く距離? ・「エクスカリバー」って公開時はR指定だったはずだが、ウェイン家では子供にも見せるんですね。 ・出演者ではメインキャストよりもホリー・ハンターの演技がいちばんよかったと思う。出演が途中までなのが残念。 ・ワンダーウーマンはカッコいいものの、ガル・ガドットは英語力がどうも不安だな。私服の時はアマゾンというよりもモサ
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「マクベス」鑑賞

通は「スコティッシュ・プレイ」と呼ぶのさ!と中二っぽいことを書いてみる。日本ではなぜか吉本興業が配給するらしいシェイクスピア悲劇の映像化な。 予言をする魔女が3人でなく4人いたり、細かいところは省略したりしているものの、内容は戯曲にかなり忠実に作られている。しかもセリフが戯曲そのまんまの古めかしい英語を使ってるんですね、これ。おかげで何を言ってるかわからない部分が結構あったよ。英語圏の人たちは普通に理解できたりするんだろうか。スコットランドが舞台の作品だがスコットランド訛りは比較的軽めであった。 セリフがわからなくても内容は「マクベス」なので、例によって主人公の運命の狂いが描かれていくわけですが、特筆すべきはその映像美。スコットランドの荒涼とした自然を背景に物語が語られ、霧の中から表れる魔女たちや、燃える大地のなかでの争乱などは見応えがありますよ。時代考証がどこまで正確なのか知らんけど衣装デザインも凝っていて、忍者のごとく背中に剣をさして戦う戦士たちがカッコいいのですね。 マクベスと演じるのはマイケル・ファスベンダー。マグニートーもそうだったけど自分の運命に苦悩する役が似合いま
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「ヴィクトリア」鑑賞

140分すべてワンカットで撮影されたことで話題になったドイツ映画。でも劇中のセリフは殆ど英語であるあたり、国際市場を意識してんのかなあ。英語のセリフが多すぎるという理由でアカデミーの外国映画部門の対象にはならなかったらしいですが。 舞台はベルリンの朝4時。マドリッドからやってきてカフェで働く少女ヴィクトリアは、ナイトクラブで夜通し踊った帰りに、地元の男4人に声をかけられる。最初は軽い気持ちで接していた彼女も、一緒に酒を飲んだり建物の屋上に行ったりしているうちに彼らとどんどん仲が良くなっていく。しかし彼らのとある頼みを聞いてあげたことで、事態は予想もつかない方向に進んでいき…というあらすじ。 跡切れのないショットは確かにすごいんですよ。ナイトクラブの狭い階段とかエレベーターの中にまでリアルタイムで入り込んでしまうあたり、カメラはここまで小型化したのかと感心してしまう。ヒッチコックの「ロープ」みたいに最大9分までしかワンカットで撮れなかった時代とは大違いですな。 ただそれが映画の面白さにつながっているかというと話は別で、最初はベルリンの路上で男たちと戯れるヴィクトリアをずっとカメラ
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「Z for Zachariah」鑑賞

「Z」のついた題名から、またゾンビ物かよと思って観たら全然違った。1974年に出た同名のジュブナイルSF(邦題「死の影の谷間」)を映像化したもの。 舞台となるのは、放射能によって殆どの人類が死滅した地球(核戦争によるものだろうが、明言はされていない)。気候や周囲の山によって放射能から守られた谷間に一人で暮らすアンは、ある日防護服をまとった謎の男ジョンに遭遇する。当初は彼を警戒していたアンだがジョンが誤って被曝したことから彼を介抱し、やがて彼らは一緒に生活するようになる。科学者であるジョンはサバイバルについての知識をアンに与え、やがて二人はねんごろな仲になるのだが、そこに新たな放浪者としてケイレブという男性が現れる。情緒が不安定なジョンに対して心優しいケイレブにもアンは惹かれ、やがて3人の関係は微妙なものになっていく…というあらすじ。 原作にケイレブは登場せず、アンとジョンの出会いと対立を描いているのだとか?SFっぽい展開は殆どなくて、世界に残された3人の男女の心理劇のような内容になっている。舞台はアメリカだが撮影はニュージーランドで行われたらしくて、山の谷間の雲海の映像とかやはり
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「マネー・ショート 華麗なる大逆転」鑑賞

実話に基づいた映画だが、以下はネタバレ注意。これ出来事について触れないと何も書けんので。 ・内容は金融関係の用語が飛び交って、かなり難しかった!確かに難しそうな金融の仕組みになると、マーゴット・ロビーやアンソニー・ボーデインやセレーナ・ゴメスが直接観客に語りかける形で丁寧に説明してくれるのだけど、あくまでもアメリカの観客を相手にした説明をしてるわけですね。日本だと全く馴染みのない金融商品もあるし、翻訳のところで何割かの情報がどうしても失われてしまうから、字幕になるのは複雑な略称の羅列になってしまうわけで。話の展開自体はさほど複雑ではないものの、何でそこで支払いが必要になるのかとか、どこでどうしたら利益が出るのかとか頭のなかで整理するのが大変だったぞ。 ・監督がコメディ出身のせいか編集のカッティングがこまめで速く、セリフの量も多いので字幕が追いついていない部分もあったような。気の利いたセリフも訳しきれてないのがもったいない。あと当時のテレビ番組などがいろいろ挿入されているわけで、アメリカのカルチャーについてある程度の知識がもとめられるかも。とにかく画面上の情報量が多いため、気楽に鑑
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「スポットライト 世紀のスクープ」鑑賞

「世紀のスクープ」なんて邦題をつけられると、そうか?と思ってしまうのだが、まあいいや。 ボストン(およびアメリカ全土、さらに世界全体)におけるカソリックの僧侶たちによる未成年者への性的虐待と、バチカンを含めた教会組織によるその隠蔽を暴き、ピューリッツァー賞に輝いたボストン・グローブ紙のコラム「スポットライト」のチームの奮闘を描いた内容な。 特に内紛などもなく、編集長から記者までがプロとして地道に調査をしてコツコツと仕事を行っていくさまは、現在ヒット中の「オデッセイ」に通じるものがあるかと。強調されているのはボストンの閉鎖性で、アイルランド系が多くカソリックの住民が多いこの街では教会が大きな権力を持ち、「スポットライト」の記者たちもカソリック学校出身者が多いため、教会が悪いことを行っているという考えが当初はなかったのだ。ボストンの外からやってきたユダヤ系の新編集長が「この疑惑を追ってみたらどうだ」と示唆するまで物事は動かなかったのだが、それでもカソリック系の読者を失うのではないかと危惧しながら記者たちは行動するのである。 この教会の権威とかスキャンダルって日本人にはどうも馴染みが
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「ヘイトフル・エイト」鑑賞

長かった…。70ミリの「ロードショー」版はもっと長いんだっけ?感想をざっと。少しネタバレあり。 ・70ミリパナビジョンで撮影したのが売りではあるものの、壮大な自然の映像はほとんど無くて、雪山の密室ばかりが映し出されるという。種田陽平のセットは凝っていて見ごたえあったけどね。 ・そしてウエスタンというよりも「レザボア・ドッグス」的な密室劇になっているわけだが、エクスマキナ的な存在がいるので手堅いフーダニットを期待してると少し肩透かしをくらうかもしれない。 ・これよく知られているように役者の誰かが脚本を事前に流出させたことで製作がいったん頓挫した経歴があるので、タランティーノ本人が役者たちを並べて「ホンを流出させたのはどいつじゃあぁ!」と尋問するフーダニットも観たいのですが、まあ無理か。 ・役者はビッチ役がよく似合うジェニファー・ジェイソン・リーが久々にビッチ役全開で大変素晴らしい。アカデミー賞にノミネートされたのも頷けるが、そういう意味ではサミュエル・ジャクソン爺も迫力ある演技をしているわけで、そこらへんやはりアカデミーは不公平だなと。 ・アカデミー賞ではエンニオ・モリコーネ
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「サウスポー」鑑賞

アントン・フークア監督のボクシング映画。日本では8月公開かな? ビリー・ホープはライトヘビー級の無敗のチャンピオンで美しい妻と娘にも恵まれていたが、彼との対戦を求める選手とのいざこざにおいて、妻が流れ弾を受けて死んでしまう。これのショックで自暴自棄になったビリーは飲酒運転などで事故を起こし、ボクシングのライセンスばかりか娘の養育権まで剥奪されてしまう。すべてを失ってどん底に落ちた彼は、町の小さなボクシングジムのトレーナーと出会い、再起をかけてまたボクシングを始めるのだが…というようなあらすじ。 予告編でバラされている内容が1時間半くらいかけて展開していく時点でもう減点対象なのだが、なんか3流漫画誌にありそうな非常にベタなストーリーの作品。すべてを失った男が、娘のために再起を誓う…って話は今までどれだけ目にしてきたことか。主人公と妻が孤児院の出身だとか、家庭内暴力に悩む少年がジムに通っているとか、コテコテな設定が中途半端に投げ込まれています。脚本は「サンズ・オブ・アナーキー」とかやはり短命に終わった「THE BASTARD EXECUTIONER」のカート・サッターだが、彼の脚本っ
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「Donald Trump’s The Art Of The Deal: The Movie」鑑賞
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「Donald Trump’s The Art Of The Deal: The Movie」鑑賞

「iSteveみたいな、コメディ動画サイト「Funny Or Die」による50分ほどのパロディ・ムービー。ここから無料で視聴可能。 ドナルド・トランプが80年代に出した自伝「The Art Of The Deal」の幻の映画版、という設定になっており、監督も編集も主演もみーんなトランプだそうな。トランプによるニュージャージーのカジノの買収を背景に、自分のビルにやってきた少年にトランプが自らの成功体験を語るという内容で、成功するためのアドバイスが切り札(トランプカード)の形で随所に挿入されてます。 んで80年代のニューヨークの文化とか不動産についてのジョークが延々と続くのだけど、そんなものマイナーすぎて分かんねえよ!エド・コッチ市長がどうした、とか言われても知らんがな。「アルフ」とかファット・ボーイズ(当然本人たちではない)が出てきて、ああそういうのいたねえ、と分かるくらい。 トランプ自身は自己中心的な高慢ちきとして描かれているが、決して批判的な内容になっていない。2016年の大統領選挙についても最後にちょっと言及されるくらい(クリストファー・ロイドが「私は過去を変えるためにやってきた
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「BONE TOMAHAWK」鑑賞

新人監督によるホラー・ウェスタン。 舞台となるのは西部開拓時代の小さな町。町に流れ着いたならず者の足を保安官が撃ったことで、女医が保安官の事務所に呼ばれてならず者の治療をすることとなる。しかし翌朝、ならず者と女医、そして保安官の助手の姿は消えていた。現場に残された矢から、彼らを誘拐したのは洞穴に住む人食いの原住民であることを知った保安官は、老人の保安官補佐、足を骨折している女医の夫、そして女たらしだが銃の腕は確かな男性とともに、女医たちを救出するために荒野へと向かうのだが…というあらすじ。 原住民(いわゆるアメリカン・インディアンとは違うという説明がされており、穴居人みたいな存在)にさらわれた女性を救いに行く男たち、なんて設定は「捜索者」みたいな骨太なウェスタンを期待してしまうが、実際はもっと「ヒルズ・ハブ・アイズ」みたいなグロ系のホラーであった。女医の夫の足の傷がどんどん目も当てられない状態になっていくほか、えげつない人体破壊の描写がいろいろ出てくるぞ。洞窟にいる敵と戦うあたりは「カウボーイ&エイリアン」に似ているが、あれをもっとR指定にしたような感じ。白塗りの人食い穴居人が怖
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「オデッセイ」鑑賞

原作は読んでない。公開されたばかりなので感想を簡潔に: ・邦題が例によってダサいと叩かれている作品だが、冒頭に流れる製作会社のTSGエンターテイメントのモーションロゴが奇しくもオデッセウスなわけで、題名もこれにあやかった…わけではないよなあ、やっぱり。 ・冒頭からアクションが始まり、主人公とNASAの人々がプロフェッショナルとして次々と難題を解決していくさまがテンポ良く描かれ、2時間20分以上の長尺ながら飽きさせない娯楽大作になっている。不屈の主人公もさることながら、地球で策を練るNASAのクルーがカッコよかったな。結束してないから次々とやられてった「プロメテウス」のクルーとは大違いで。ショーン・ビーンさえも最後まで生き残ってますからね。 ・でも個人的には「プロメテウス」も「悪の法則」も全然オッケーの人なので、これでリドリー・スコットが調子を取り戻したとは特に思わないですが、彼にとっては久々の大ヒット娯楽大作なわけで、今後の企画(たくさんある)にも期待できそうではないですか。 ・天才科学者を演じることで知られるマット・デーモンがまた天才科学者を演じていて、じゃあ天才科学者に見
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「CARTEL LAND」鑑賞

今度のアカデミー賞にノミネートされてるドキュメンタリー。 メキシコの麻薬カルテルに対して、法の手を借りずに自分たちで対処することにした人々を追ったもので、アメリカのアリゾナではティム・ホーリーという男性が、メキシコではホセ・ミレレスという医師がそれぞれ自警団を結成し、カルテルの撲滅および麻薬の密輸の阻止のために活動するさまが紹介されていく。 ホーリーは崩壊家庭の出身で、自らも酒とドラッグに溺れていたが子供ができたことで更生し、きちんと職に就こうとするもののメキシコからの不法移民に職をとられ、やがて彼らが移民した背景にはカルテルの横暴があることに気づき、国境を守るために自警団を結成したというもの。決してレイシストのようには描かれていないし、夜中に荒野をパトロールしてたりするものの、カルテルのギャングに遭遇するわけでもなく、彼の行動にどこまで効果があるのかは微妙なところだったな。 対してメキシコのミレレスたちの状況は遥かに深刻で、麻薬カルテル(なぜか「テンプル騎士団」と名乗っている)が地元のビジネスを牛耳り、みかじめ料を払えない者は幼い子供も含めて一家皆殺しにされるという環境のなか
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「CHI-RAQ」鑑賞

スパイク・リーの新作映画。彼の作品を観たのって10年ぶりくらいだな。 「シャイ・ラク」という題名はシカゴとイラクの名前を掛け合わせたもので、シカゴで銃による犯罪が急増したことから市民の犠牲者がイラク以上に多くなったという状況を比喩したもの。また劇中に登場するギャングスタ・ラッパーの名前でもある。劇中でも説明されるが古代ギリシアの戯曲「女の平和」を翻案したもので、トロージャンズとスパルタンズという2大ギャングの抗争に巻き込まれ、幼い子供を含む一般市民が命を落としていることに業を煮やしたリューシストラテーという女性が「セックス・ストライキ」を起こし、男たちが抗争を止めない限りはセックスの相手をしないことにする。彼女の周りの女性たちもこれに同意し、さらにはこの運動が世界中(日本も含む)に広がったことにより、世の中の男性たちは抗争を続けるか女性に従うかの選択を迫られるのだが…というあらすじ。 まあ風刺だからね、セックス・ストライキの効果とかを真面目に論じてはいけませんよ(リベリアとかで実際に行われたらしいが)。女性たちに蜂起されてあたふたする男たちの姿を描いたコメディだと思えば良いかと。
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「COP CAR」鑑賞

ケビン・ベーコン主演のサスペンス。 舞台となるのはアメリカのど田舎で、家を離れて草原を歩いていたトラビスとハリソンの少年ふたりは、誰も乗っていない警察車両を発見する。その中に入って遊んでいた二人は車のキーを発見し、エンジンをかけてドライブに繰り出すことに。しかしその車両は汚職警官のクレッツアー(ベーコン)のものであり、車に入った「ブツ」を取り返したいクレッツアーによって少年二人は恐ろしい目に遭うのであった…というあらすじ。 尺は90分もないし、あらすじも上記のようにいたってシンプル。予告編を観れば話の8割が分かってしまうので、車で遊ぶ少年たちとか、彼らを追いかけるために別の車を奪うベーコンのシーンが余計に長く感じられるのよな。決して間延びしているわけではないのだけど、サスペンスの盛り上げ方が物足りないというか。こういう話って無邪気に楽しんでいた少年たちの気持ちががだんだん恐怖にとって代わられる描写がキモになるべきなのだが、少年たちの怖がり方が中途半端だったな。ここらへん芥川龍之介の「トロッコ」とか読んで勉強すべし。 あらゆる手を用いて盗まれた車の場所を探し出す悪徳警官(保安官か
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「ブリッジ・オブ・スパイ」鑑賞

ううむ、地味な題材とパッとしない予告編のおかげであまり期待せずに観たのだが、かなり面白かった。 伝記映画の常として脚色がいろいろ入っていて、例えば主人公のジェームズ・ドノヴァンはごく普通の保険弁護士というよりも実はOSS出身で諜報活動には詳しかったらしいが、そういうことを差し引いても、国のまっとうなサポートを受けられないまま外国で孤軍奮闘する彼の描写が見事であったよ。 前半は法廷でのシーンが多いので「リンカーン」や「アミスタッド」を彷彿とさせて、それはそれで悪くはないものの、やはり後半になって主人公がベルリンに乗り込み、CIAの忠告もあまり聞かず、数に劣る人質交渉をやりくりするさまが面白かったよ。ここらへんはコーエン兄弟の脚本の手直しによるものなのかな。 キャストはトム・ハンクスが相変わらず「良い人」っぷりを発揮して好演。ソ連のスパイを演じたマーク・ライランスという役者のことは知らなかったけど、抑え気味の演技が見事。ただし今回の役はメークの関係か「老けたダニー・ボイル」にしか見えなかったのは俺だけ?あとはアラン・アルダやジェシー・プレモンズ、ドメニック・ロンバードッジなども出て
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「ボーダーライン」鑑賞

原題はメキシコで暗殺者を意味する「Sicario」。4月に日本公開ということで感想を簡潔に: ・FBIの女性エージェントがメキシコ国境を舞台にした麻薬戦争の対処に志願するが、その闇に巻き込まれていくというあらすじ。 ・エミリー・ブラント演じるエージェントは当初こそ敏腕であることが強調されるものの、国防省のエージェントからはろくな情報を与えられず、法律的にグレー(というかブラック)な範囲で行われる活動を目の当たりにして、肉体的にも精神的にも追い詰められていく。 ・これって女性(および彼女の相棒の黒人)は無能だよ、と言っているわけでは当然なく、要するに麻薬戦争の複雑さを強調するための役回りになっているわけだが、まあ少しモヤモヤとした気分が残ることは否めない。特に国防省のスタッフ(ジョッシュ・ブローリン)とそのエージェント(ベネチオ・デル・トロ)がすべてを把握している立場なので主人公の弱さが目立ってしまうんだよな。ここらへんの女性の扱いは「マッド・マックス」と対比すると面白いかもしれない。 ・つうかデル・トロのキャラクターが強すぎて、彼が実質的な主人公になっているような。彼を主役に
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「ストレイト・アウタ・コンプトン」鑑賞

個人的にはラップってあまり詳しくないのだけど、ギャングスタ・ラップは大嫌いでして、シカゴや東海岸ではサンプリングやビーツやライムなどの実験的で興味深いヒップホップの文化が育まれていってたのに、西海岸の連中がアホまるだしで銃だのプッシーだのドラッグだのと歌ったおかげで、世間にはラップってヘアメタルと同程度の文化だと見なされるようになってしまったというのが俺の持論です(結果的にギャングスタ・ラップの先駆者となったアイス・Tは好きだが)。ストリート育ちとか言ったって、実際にギャング出身のラッパーってそんなに多くないんじゃないの? これはそんなギャングスタ・ラップで知られるNWAの伝記映画ですが、メンバーのうち大成したアイス・キューブとドクター・ドレーがプロデュースに関わっていることもあり、かなり彼ら(および他界したリーダーのイージー・E)を立てた内容になっていることは否めない。監督はキューブのダチだし、キューブが大学まで進学したことは隠されてるし、メンバーは一人いなかったことにされてるし(アラビアン・プリンスな)、ドレーが女性に暴力を振るった話なども一切出てこない。ロドニー・キング事件に
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「クリード チャンプを継ぐ男」鑑賞

ネタバレせずに感想をざっと: ・ベタではあるものの素直に楽しめる作品。おれも「ロッキー」シリーズは1と2くらいしか観ていないクチですが、アポロとロッキーに関する最低限の知識があれば十分じゃないでしょうか。 ・主人公が戦いを求める葛藤をもう少し描いても良かっただろうが、話を盛り上げていくさまが巧い。特に音楽がね、あのテーマを断片的にちらつかせながらかけていって、最後のクライマックスでジャーン!とかかかると、そりゃもう感動するがな。 ・体を鍛えたマイケル・B・ジョーダンも凄いが、やはりサポート役にまわったシルベスター・スタローンの演技が素晴らしい。彼の演技を上手だと思ったのってこれが初めてじゃないだろうか。アカデミー助演賞にノミネートされるだろうな。 ・LAのジムのコーチ役をウッド・ハリスが演じてまして、ジョーダンと「ザ・ワイヤー」以来の共演をしてます。あの番組でジョーダンのキャラクターが早々に亡くなったのはハリス率いるギャングのせいだったわけですが。 ・フィラデルフィアってあんなバイクでウィーリーやってる連中がいるの?あのチーズステーキの店はいろんな旅行番組とかでも紹介されて
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「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」鑑賞

当然ながらネタバレ注意。ディズニーとJJエイブラムスが嫌いで、エピソード1〜3を肯定する者が書いてますのでバイアスかかってます。 あらすじは砂漠の惑星においてしがない日々を送る若者が、ある日秘密の情報を託されたドロイドに出会い、その情報を反乱軍に届けるためミレニアム・ファルコンに乗って宇宙へと飛び立つ。しかしその情報を狙って、マスクをつけた黒づくめの帝国軍司令官(背後には謎の黒幕もいる)が若者のもとへと迫っていた。そして旅のなかで若者はフォースの存在を知り、自分の出生の秘密を学んでいく。そして最後に若者は惑星型巨大兵器を破壊するための戦いに巻き込まれる…というもの。 えーと、これ「エピソード4」のあらすじだよね?違う?もちろん新しいキャラクターとかもたくさん登場するのだけど、このくらい今回の作品は過去のものと内容が似通っているのだ。これは「スター・トレック」もそうだったけど、エイブラムスってオールドファンが喜びそうな要素を研究してチェックシートにまとめて、それを全部満たすような映画作りをしてるように思えるのよね。だからエピソード1〜3に失望してたオールドファンは当然「俺たちのスタ
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