映画評

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「ソウルガールズ」鑑賞

いちおう実話をもとにしたオーストラリア映画。 舞台は1968年。アボリジニたちはまっとうな市民権を与えられておらず白人に差別されながら暮らし、肌の白い子供たちは勝手に親元から連れ去られ、白人としての教育を受けさせられていた。そんなときでもアボリジニの少女ゲイルとジュリーとシンシアは歌を歌いながら育ち、町の小さな歌謡コンテストに出場する。観客の露骨な偏見により勝つことはできなかった彼女たちだが、司会兼キーボード奏者のデイヴは彼女たちに興味を持つ。そしてベトナム戦争の慰問団としてシンガーの求人広告を見つけた彼女たちは、デイヴに頼み込んでオーディションの機会を作ってもらう。さらに彼女たちは白人の家庭で育てられていたいとこのケイを見つけ出し、4人のソウル・シンガーとして「ザ・サファイアズ」と名乗るようになり、オーディションにも合格してベトナム行きの切符を手にすることになる。しかしそこで彼女たちが目にしたものは…というプロット。 上のようにDVDのジャケットとかではクリス・オダウドが大々的にフィーチャーされてて、確かに有名なキャストは彼だけなんだけど、主役はあくまでもザ・サファイアズの4人
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「ゼロ・グラビティ」鑑賞

試写会でちょっと早めに観ました。ネタバレにならない程度に感想をいくつか: ・というか1つ重要なネタバレをビル・マーが自分の番組でしっかりバラしやがってて、本人は「もう公開から数週間たってるんだからいいだろ!」といった弁明をしていたのだが、公開が数ヶ月遅れる日本という国もあるんだよ! ・ディザスター映画というよりもアトラクション映画のような雰囲気。確かに最初から最後までスリルがあるものの、脚本が一本調子であることは否めない。年末になって今年のベスト映画のリストにもチラホラと見受けられるようになってきたけど、やはり脚本が弱いのが気になるな。 ・その一方で無重力の空間の臨場感とかはやはり見事ですよ。破片がチョロチョロ飛んできて、あーなんかヤバいなと思ううちに大惨事が起きる流れなどは手に汗にぎって楽しめる。 ・音楽も効果的に使われていてスリルを高めているものの、その反面終始音楽が鳴っていて、宇宙の無音さが強調されていなかったような。音がしない漆黒の宇宙に飲み込まれていく描写は「2001年宇宙の旅」のほうがずっと印象的であった。 ・いちおう3Dで観たけど、必須というわけではないかな?でも大画
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「The World's End」鑑賞

エドガー・ライト&サイモン・ペッグ&ニック・フロストによる「コルネット三部作」の第3弾。「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ホット・ファズ」の直接の続編ではないが、小さな町における不可解な事件と騒動というテーマは一緒。以下はネタバレ注意な。 ゲリー・キングは40歳手前になっても適当に生きているボンクラ。彼は楽しかった学生時代のことが忘れられず、かつて仲間と一緒に試みて失敗した、故郷の町のパブ12軒のハシゴを完徹しようと元同級生4人に声をかける。ゲリーと違って職や家族をもって安定した人生を送っていた4人は彼の誘いに躊躇するものの、その熱意におされて5人で故郷の町に向かうことに。そこで昔話をしながら酒を飲み始めた彼らだが、町の住民の様子が何かおかしいことに気づく。数年ぶりにあった人たちが彼らのことを憶えておらず、皆が彼らを監視しているようなのだ。そして彼らは町に隠された恐るべき秘密を知ることに…というストーリー。 前半4分の1くらいまでは中年男性のノスタルジアがテーマになっていて、そこから突然「光る眼」とか「ステップフォードの妻たち」みたいな展開になっていく。冒頭から遠く離れたところで
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「FRANCES HA」鑑賞

ノア・バームバックの新作。前作「Greenberg」(邦題忘れた)はコミュ障中年のしっとりとしたラブストーリーだったが、実はその裏ではリアルなネトラレ劇が進んでいたとのことで、自分の奥さんを出演させておきながらもちゃっかり主演女優とデキていたらしく、ついには「Noah Baumbach」でググると「Noah Baumbach cheated」と検索候補が出てくるようになってしまった。ここらへんグーグル様は容赦ないな。とはいえバームバックと主演女優のグレタ・ガーウィグは交際するようになりまして、これが彼らの組んだ2本目の作品。 フランシス・ハラデイはニューヨークに住む27歳の女性。彼女はプロのダンサーを目指しているもののまだ見習いの立場で、家賃の支払いに苦労している次第。親友のソフィとアパートを共同で借りていたがソフィが別の友人と住むことになり、フランシスはレヴとベンジーという2人の男性のアパートを間借りすることに。それでも貧乏の彼女は年末にカリフォルニアの実家に帰ったり、クレジットカードで借金して衝動的にパリに行ったり、ウェイトレスとして働いたりといろいろ遍歴を続けていく。しかし彼
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「ROOM 237」鑑賞

その解釈をめぐって、未だに多くの議論が行われているスタンリー・キューブリックの傑作「シャイニング」に関する妄想ドキュメンタリー。 「シャイニング」にのめり込んだ人たちが、「この映画はこうやって解釈するもんなんだよ!」と持論をひたすら語っていくもので、よく言われる「この映画はインディアンの虐殺についての物語だ」なんていう解釈はまだ可愛いほう。劇中のタイプライターがドイツ製であることから「これはナチスのユダヤ人虐殺に関する映画だ」とか「これはキューブリックがアポロ11号の月面着陸をセットで撮影したことを明かすものであり、原作で出てくる217号室が237号室に変更されたのは、キューブリックが月面の撮影をスタジオ237で撮影したからだ!」などといった意見がポンポンと飛び出してくる。もちろんこれらの根拠は皆無に近いし、スタジオ237というのが何なのかという説明は一切ないわけですが。 あとは「この映画は終わりから逆回しで観るべきだ!」とか、「原作では主人公の車が赤いのに映画では黄色くなってる。そして映画では事故で潰された赤い車が出てくるが、これはキューブリックがスティーブン・キングにクソくら
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「CBGB」鑑賞

パンクロックの興隆とともに、ラモーンズやトーキング・ヘッズ、テレビジョンにブロンディといったバンドにライブの場を与えて世に出していった、ニューヨークの伝説的なライブハウスの物語だよ。 バーの経営に二回失敗していたヒリー・クリスタルはめげずにバワリー地区のバーを買い取り、カントリーやブルーグラスのバンドを出演させることを計画する。しかし店にやってきたのは小汚い若造のミュージシャンたちばかりだった。それでも彼らを出演させることにしたヒリーは間に合わせの機材でステージやサウンドシステムを作り、数々のバンドにオリジナル曲を披露する場を与える。これが当時ファンジンの「パンク」誌を出していたレッグス・マクニールたちの目にとまり、やがてバンド目当ての客がCBGBにいろいろやってくるようになるものの、それでも店の経営は厳しくて…といようなストーリー。 おれ自身は2002年にCBGBに行ったことがあるのと、伝記本「CBGB伝説(This Ain't No Disco)」などを読んでたのでCBGBのことはそれなりに知ってるつもりですが、そんなに経営は苦しかったっけ?確かに店は汚いままだったし、最終的
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「Escape From Tomorrow」鑑賞

今年のサンダンス映画祭で何の事前告知もなしに披露され、大きな話題を呼んだインディペンデント映画。何が特徴的かというとディズニーの許可を得ずにディズニーランドでゲリラ撮影を行ったことで、「ディズニーの弁護士の集団がヘリでサンダンスに向かっている」などという噂まで流れたものの、無事に一般公開までこぎつけたらしい。 舞台となるのはフロリダのディズニーワールド。そこに妻と2人の子供たちを連れてきていたジムは、朝から上司の電話で自分が解雇されたことを知らされる。暗鬱とした気分になりながらもそのことを妻子には隠し、皆でディズニーワールドへ向かうものの、期待していたように物事は進まず、妻には小言を言われ、子供たちには失望されてしまう始末。そんななかでジムは2人の魅力的なフランス人の娘たちに出会い、その後何度も彼女たちを見かけるうちに彼女たちに夢中になっていき…というようなプロット。 ジムの不安にあわせて現実と妄想と悪夢が錯綜していくような内容で、最初の1時間は妻子に苛まれ、残りの30分がSFっぽくなる展開。SF要素を排除して、惨めなバケーションだけの話にしても見応えがあったかも。世の中のパパさ
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「Much Ado About Nothing」鑑賞

ジョス・ウィードンが「アベンジャーズ」の製作中に休みをとって、しれっと短期間で撮影した低予算映画。シェイクスピアの「から騒ぎ」の舞台を現代に移し替えたもので、レオナートの屋敷にドン・ペドロの一行がやってきたことで生じる男女2組の恋愛模様と、それを邪魔しようとするドン・ジョンたちの悪巧みが巻き起こす騒動を描いている。 マイナーな登場人物の性別が変更されている点などを除けば、シェイクスピアの原作に非常に忠実らしいのだが…私事で恐縮ですが俺って大学で英文学専攻だったにも関わらずシェイクスピアって殆ど読んだことがありませんでして(授業で無理矢理学ばせられるのが嫌だったのだよ)、この作品もどのくらい脚色されてるのかはよく分からず。 おまけにセリフはすべて当時のままで言い回しが難解だし、登場人物の名前も古めかしくて、誰が誰なのかが分からないまま前半が過ぎていったような。ここらへんは原作に精通している人が観るとずいぶん違った感想になるかと。それでも後半になって話が佳境を迎えてからはどんどん面白くなっていったし、独身主義を貫いていたツンデレの男女が結ばれる結末は非常に微笑ましいものであったよ。モ
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「EUROPA REPORT」鑑賞

インディペンデント系のSF映画。ちょっとネタバレ気味に紹介します。 木星の衛星エウロパにおける生命体の存在の可能性を調査するために、6人の宇宙飛行士が宇宙船に乗って1年以上もかかるような旅に出る。前例のない任務に胸を躍らせる彼らだったが、やがて悲惨な事故が起きてしまう。それでもエウロパに到着して地表に着地し、調査を始めた彼らだったが、そこで彼らを待ち受けていたものは…というストーリー。 物語の大半は宇宙船のカメラで撮影された映像で構築されていて、いま流行りのファウンドフッテージもののスタイルをとっています。宇宙飛行士たちに何が起きたのかを、地球の科学者たちが明らかにするという流れになっていて、記録された映像に科学者のインタビューが挿入されているような仕組み。また記録映像が順に出てくるわけではなく、時系列が意図的に乱されているので特に前半は話の流れを把握するのに難儀するかも。 科学的考証は、まあ、低予算映画にしてはいいんじゃないんですか。例によって無重力の描写は変なところがあるし、着陸船に全員が乗り込まずに母船に誰か残るだろとか、命綱くらい付けろよとかツッコミどころはあるものの、
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「THIS IS THE END」鑑賞

ジャド・アパトー系のコメディアンがみんな本人役で出演したコメディ映画。でもアパトー自身はこれには関わってないよ。 ジェイ・バルチェルがカナダから久しぶりにロサンゼルスにやってきて、旧友のセス・ローゲンと再会するところから話は始まる。2人はそのあとジェームズ・フランコの大邸宅で行われているパーティーに参加し、ジョナ・ヒルやマイケル・セラ、クレイグ・ロビンソンといった同業者たちに出会う。パーティーは夜中まで続いていたが、街が突然巨大な地震に襲われ、住民の多くが天からの青い光につつまれて昇天してしまう。これは聖書の黙示録に記された終末のときがやってきたのだ。 善人たちは神に選ばれて昇天できたが、ハリウッドのセレブなどという邪な連中が神に認められるわけもなく、大半が地割れに落ちたり業火に焼かれて死んでしまう。バルチェルとローゲン、ヒル、フランコ、ロビンソンの5人はフランコの家に閉じこもり、街を跋扈する魔物たちから身を守ろうとするが、招かれざる客としてダニー・マクブライドがやってきたことから内輪もめが始まり…というようなストーリー。 内輪ネタみたいなものは殆どないのだけど、まあ出演者(お
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「PAIN & GAIIN」鑑賞

マイケル・ベイが「でっかいロボットが出てくる大作ばかり撮るのも疲れたんで、ちょっと気分転換に低予算映画を作るわ」とか希望して監督した犯罪コメディ。とはいえ予算は20億円くらいかけてるし、2時間超の長尺で最後は結局アクション映画になるあたり、彼にとっての低予算映画というのは一般の人たちの認識とはちょっとズレてるんでしょう。 1993年から95年くらいにかけてフロリダで実際に起きた事件をもとにしたストーリーで、ジムのトレーナーとして働くダニエルは、ジムの会員で裕福なビクターの資産に目をつけ、それを奪うことをジム仲間のポールとエイドリアンと画策する。何度かドジを踏んだものの彼らはビクターを誘拐することに成功し、彼を痛めつけて必用な書類にサインをさせる。そしてビクターを事故で死んだように見せかけ、自分たちは彼の自宅や銀行貯金をまんまと手にするが、実はビクターは重傷を負ったものの死んではおらず、彼に雇われた敏腕探偵がダニエルたちの周りを探るようになって…という内容。 主要な登場人物が10名くらいいるんだが、うち6名くらいが自分の経歴をモノローグで語ったりするものだからうざったくて仕方がない
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「NOT FADE AWAY」鑑賞

「ソプラノズ」のクリエーターであるデビッド・チェイスの長編初監督作品。彼の自伝的な要素が詰まったものらしい。 舞台となるのは60年代のニュージャージー。ダグラスはブルースやブリティッシュ・ロックが好きな高校生で、やがて友人たちとバンドを組んでパーティーなどで演奏を行うようになる。そしてガールフレンドもでき、バンドもカバー曲だけでなくオリジナル曲を演奏するようになり、レコード会社のオーディションも受けるのだが、やがてバンドのなかで軋轢が生じてきて…というストーリー。 2時間弱くらいあってそこそこ長い作品なんだけど、これくらいのあらすじしか思いつかんなあ。JFK暗殺とか公民権運動とかベトナム戦争とか、当時の出来事についていろいろ言及されたりはするものの、全体的になんか頭でっかちというか、それらの出来事が主人公の家族にどう影響したのかが深く描かれていないんだよね。60年代を舞台にしたバンドものとかボーイ・ミーツ・ガールものなんて今まで映画で山ほど扱われてきた題材であるわけで、すべてがクリーシェの域を出ていないのが残念。 一番の問題がジョン・マガロ演じる主人公のダグラスで、最初はドラム
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「ワールド・ウォーZ」鑑賞

最後の展開がイマイチということで大幅な撮り直しが発生し、大コケするのではないかとの前評判を覆してブラピ映画として最大の興行成績を挙げた作品だが、それでもコストが回収できてないのでは?と噂されているあたりがハリウッド大作の悪しきビジネスモデルだよな。 ストーリーの流れもその撮り直しによって生じたのであろうツギハギ感が否めず、ゾンビの感染源をたどって世界をめぐる冒険…になるはずが後半になってその流れが途切れ、かなり行き当たりばったりな展開になっていたような?特にウェールズに到着してからは今までのグローバルなアクションとはうって代わり、かなり小ぢんまりとしたバイオハザード(ゲームのほうね)みたいな内容になるのは違和感があったんだけど、やはりあそこが撮り直しで加えられた部分になるみたい。本来はゾンビの感染源が中国だと示唆されるはずだったのが、「あそこハリウッドのお得意様だから…」という理由でボツになったという裏話を聞くと、ゾンビも中国資本には勝てんのだなあと思う。 なお「ワールド・ウォー」といいつつも、主役不在(らしい)原作に対して映画版の主役はあくまでもアメリカ人のブラピであり、彼が訪
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「ONLY GOD FORGIVES」鑑賞

ニコラス・ウィンディング・レフンが「ドライヴ」に続いてライアン・ゴズリングと組んで作った新作。とってもバイオレントな内容なので、「ドライヴ」みたいにクールな内容を期待してデートで観たりすると後悔すると思う。 舞台となるのはタイのバンコク。そこでムエタイのジムを経営するアメリカ人のビリーとジュリアンの兄弟は裏で麻薬の密輸に手を染めていたが、ある晩にビリーが未成年の少女を強姦して殺してしまう。この事件は「復讐の天使」ことチャン警部によって法の外で裁かれ、少女の父によってビリーは殺害されてしまうのだが、物事の顛末を知ったジュリアンはさらなる報復を望まなかった。しかし2人の母であるクリスタルが事件を知ってタイを訪れ、ビリーの復讐を遂げるようジュリアンに命じる。これを渋るジュリアンだったが彼の手下たちが少女の父親を殺害、さらにチャン警部の殺害も計画するが返り討ちに遭ってしまう。そしてここに双方による血で血を洗う復讐劇の火ぶたが切って落とされるのだった…というストーリー。 トレーラーを観たときはマーシャルアーツ系の映画かな、と思っていたのだが完全なサスペンスというかスプラッターっぽい話であり
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「From One Second to the Next」鑑賞

相変わらず知らぬ間にドキュメンタリーをしれっと作ってしまっているヴェルナー・ヘルツォーク御大の新作。 アメリカで増加している、運転中に携帯電話でテキストメッセージを送ること(テキスティング)による脇見運転から生じた交通事故について扱った30分ほどのドキュメンタリーで、携帯会社が出資したものらしい。youtubeで全編が視聴できるほか、学校とかにも無償で配布されるそうな。 登場するのはテキスティング中の事故によって不幸に見舞われた4組の被害者および加害者で、半身不随になった少年、アーミッシュの家族3人を死傷させたドライバー、事故で廃人のようになってしまった女性の兄弟、事故で父親を失った娘とその加害者、といった人たちが登場し、事故の状況やその結果などについて淡々と語っていく。 テキスティングの特徴としてドライバーの完全な前方不注意というものがあり、ドライバーが何が起こったのかを把握できていないことや、ブレーキをかけていないため事故が凄惨なものになるということが紹介され、事故の状況を説明している警官が途中で言葉を失うシーンが印象的であった。あと被害者なのにもかかわらず莫大な医療費を請
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「パシフィック・リム」鑑賞

ジャパンプレミアで観てきたのだよ。いやー最高。オタクの恍惚ですな。ロボットアニメを観て育った世代にとって、これは外せないだろという話のツボをすべて押さえているという大変素晴らしい作品。文句のつけどころは殆どないのですが、気になったところをあえて挙げてみる: ・登場する巨大ロボット「イェーガー」のうち、ジプシー・デンジャーが主人公機のためかいちばんクセがなくて逆に物足りなかったりする。俺の好みは3人乗りのクリムゾン・タイフーン(上の画像)だな。ちょっとしか活躍しないけど。 ・イェーガーの武器でいちばん強いのって、実は冷却ガスじゃないか? ・怪獣のデザインが「ヘルボーイ」のスピンオフコミック「BPRD」に出てくるモンスターに似てるな、と思ったら「BPRD」のガイ・デイビスがコンセプトアーティストとして関わっているのをクレジットで見つけて納得。 ・怪獣の登場シーンはテロップつけて欲しかったっすね。「さそり怪獣 オータチ」といった調子で。 ・ライバルのオーストラリア野郎のキャラが主人公とかぶってるのが勿体ない。あれはドーベルマンを飼っている、キザでニヒルな長髪という役にしてほしかっ
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「トランス」鑑賞

ダニー・ボイルの新作。去年のロンドン・オリンピックの前後に製作したものらしい。以後ネタバレ注意な。 一流の絵画を扱うオークション・ハウスに務めるサイモンは、オークション中にフランク率いる強盗団に襲撃され、ゴヤの作品を奪われてしまう。しかしフランクが手にしたのは空の額縁だけだった。実はサイモンとフランクはグルであり、サイモンが協力してフランクに絵画を渡すはずだったのが、サイモンが途中でどこかに隠してしまったのだ。しかし襲撃の最中にサイモンが頭を強打されたことで記憶喪失になってしまい、絵画をどこに隠したのかは彼自身も分からなくなってしまっていた。サイモンを拷問にかけても絵画の行方が分からないことを悟ったフランクは、彼の記憶を取り戻すために催眠療法のセラピストであるエリザベスという女性の助けを借りることにするのだが…というプロット。 サイモンとフランクとエリザベスの三者にそれぞれに思惑があって、陰謀や裏切りが錯綜していくさまはボイルのデビュー作「シャロウ・グレイヴ」に通じるところがあるかな。脚本も「グレイヴ」のジョン・ホッジと久しぶりに手を組んでいるし。元々「グレイヴ」のあとに別の脚本家
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「Comic-Con Episode IV: A Fan's Hope」鑑賞

日本じゃあまり報道されないが、アメリカではこの時期にサンディエゴで巨大なコミック・コンベンション(コミコン)が開催され、全米中のオタクどもがコスプレして集結し、マンガやフィギュア買ったりプロのアーティストのサインもらったりするわけですよ。 もともとは70年代に数百人ほどが参加した程度の集いだったが、特に21世紀に入ってからはジャンル映画の格好のマーケティングの場所であることに気づいた映画会社がスターなどを送り込んで大々的な宣伝やニュース発表を行い、もはやコミックというより映画やゲームの集いとなって10万人以上の参加者がやってくる大イベントになってしまった。今年はメタリカが来てライブをやったらしく、今後は音楽業界も絡んでいくのかな? そんな数多の人々が集まるコミコンの姿を紹介したのがこのドキュメンタリーで、監督は「スーパーサイズ・ミー」のモーガン・スパーロックだが彼自身はカメラの前には登場しません。スタン・リーやジョス・ウィードン、ギレルモ・デル・トロ、グラント・モリソン、AintItCoolのデブ君などオタク好みの有名人がそれぞれのコミコン体験を語る映像を散りばめながら、コミコン
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「42」鑑賞

生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え…などではなく、初の黒人メジャーリーガーであるジャッキー・ロビンソンの伝記映画な。日本では「42 世界を変えた男」という邦題で11月に公開されるらしいですが、野球のオフシーズンにやっと公開するというのはいかがなものですかね。 内容はロビンソンのドジャース入団から1年目の活躍を追ったもので、GMのブランチ・リッキーが「うちのチームに黒人を入れるぞ」と言って側近が青ざめるのを皮切りに、若きロビンソンが選ばれ、2軍のモントリオール・ロイヤルズで活躍したあとにドジャースに参加し、チーム内外からの差別に会いながらも活躍していくさまが語られていく。ロビンソンはスラッガーというよりも俊足の人として描かれているな。これに絡めて妻のレイチェル・ロビンソンとの恋愛模様とか、観客による差別と支持、フィリーズのベン・チャップマンによる罵詈雑言、ピー・ウィー・リースをはじめとするチームメートのサポートなどといったエピソードがいろいろ盛り込まれてますが、父親的存在であるブランチ・リッキーの加護が話の主軸になっている。 ロビンソンを演じるチャドウィック・ボーズマ
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「A Glimpse Inside the Mind of Charles Swan III」鑑賞

ロマン・コッポラの新作。「AVクラブ」では最低点の「F」をつけられ、その他の批評でもケチョンケチョンに叩かれていたいわくつきの作品で、iTunesストアで99セントでレンタルしたから金の無駄にはならなかったものの、まあ観るだけ時間の無駄な作品であったよ。 舞台は70年代。チャールズ・スワンは成功したグラフィック・デザイナーだったが、分かれた彼女のことが忘れられず、胸に痛みを感じて病院に担ぎ込まれる。そこへ彼の友人や妹、マネージャーなどが見舞いに訪れるが、スワンの頭のなかでは夢と現実がごっちゃになっていき…というプロット。 コッポラの前作「CQ」は60年代を舞台にした映画監督の物語だったわけで、どれだけ引き出しが小さいんだよ!こちらはストーリーを語ることももはや放棄していて、60〜70年代テイストの悪夢がつなぎあわされてるだけ。時には西部劇っぽく、時にはスパイものっぽく夢が展開していくのですが、中身がからっぽであることは一目瞭然なわけで。いちおう大団円のようなものも最後にあるけど、それまでに主人公が苦境に遭うわけでもなく、ただ淡々と話が進むのでカタルシスも何も感じられず。 遊び人
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「SOUND CITY」鑑賞

デイヴ・グロールが監督したドキュメンタリー。 ロサンゼルスにあったサウンド・シティという伝説的な録音スタジオを扱ったもので、60年代にヴォックスのショールームを改装して作られたサウンド・シティは(偶然にも)抜群のドラム・サウンドを誇っており、大枚をはたいてカスタムメイドしてもらったニーヴのミキシング・コンソールを装備していた。ニール・ヤングの「アフター・ザ・ゴールドラッシュ」はここで録音されたほか、スティーヴィー・ニックスとリンジー・バッキンガムのアルバムも製作されていた。そしてスタジオにたまたま来ていたミック・フリートウッドが彼らに出会い、そこでフリートウッド・マックのアルバムが録音されたことからミュージシャンの注目を集めるようになり、トム・ペティ&ハートブレイカーズ、グレイトフル・デッド、チープ・トリックといった有名どころが続々とアルバムをそこで収録していく。 またスタジオのオーナーたちはバンドのマネージメントも行うようになり、リック・スプリングフィールドを発掘して大当たりするものの、その後のマネージメントは成功しなかった(スプリングフィールドの奥さんはスタジオの元スタッフだ
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「スター・トレック イントゥ・ダークネス」鑑賞

こないだアメリカで観てきてしまったのだよ。ネタバレにならない範囲で感想をいくつか: ・例によってJJエイブラムスの「宿題きちんとやりました」的な作品。でもまあ最初から最後までアクションの連続で、観てて飽きさせない内容になっていることは評価しておく。深いテーマも無くアクションに頼っているのを批判する人もいるようだけど、STは映画版はいつもそんな調子だったので大目に見よう。 ・3Dは毎度ながら意味無し。しかし3Dで浮かぶレンズフレアだけはうざい。あれ本当にうざい。 ・ストーリーは過去の劇場版のオマージュというかアレンジなので、あれを観てないと十分に楽しめないかも。 ・ノエル・クラークは完全なカメオ出演。セリフもろくに無かったような。ブルース・グリーンウッドもチョイ役。 ・アントン・イェルチンもあまり見せ場がないが、俺あいつ嫌いだからいいや。代わりにサイモン・ペグ演じるスコッティが大活躍! ・ジョン・チョウはジョージ・タケイの話し方を真似てるんだが、似合ってないよな。 ・スポック、そいつに頼るなよ。 ・クリンゴンは別に出さなくても良かったんじゃね? ・セクション31につい
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機内で観た映画

先週いっぱい海外に行ってまして、飛行機のなかで観た映画・番組の感想を簡単にざっと: ・「ヘンゼル&グレーテル」 完全にB級作品だと割り切って観れば、さほど悪くはない。ジェマ・アタートン可愛いし。でも主人公たちは武器を落としすぎ。ストラップつけとけよ!そして最強の武器がスコップだとは。敵の魔女は特殊メークがきついので別にファムケ・ヤンセンが演じる必要もなかったと思う。 ・「Rise of the Guardians」 日本語吹替を作ってるじゃん!なら日本公開すればいいのに。ストーリー自体は比較的凡庸なので、「ヒックとドラゴン」や「メガマインド」などと比べると色褪せてるのは否めない。もっと大きな画面で観れば映像美などが堪能できたのかもしれないけどね。 ・「バレット」 着陸前だったので少しはしょって観た。巨匠ウォルター・ヒル作品といえども、やっつけ仕事だなあという感じ。主人公のナレーションが入ると、どうも減点したくなるのよね。特にそれがスタローンだったりすると。軽薄なスーツ野郎を演じるクリスチャン・スレーターだけは本人そのままでやけに適役であったことを記しておく。 ・「Phil Sp
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「UPSTREAM COLOR」鑑賞

タイムラインが最大9つも重なる複雑さでカルト的人気を誇る「プライマー」のシェーン・カルースによる、約9年ぶりの作品。話の仕組みについて語らないとどうにもならないので、以降はネタバレ注意。 まず冒頭に出てくるのは、特定の蘭に巣食う小さなイモムシ。このイモムシは人間の体内に入るとその人の精神を操る能力を持っていた。そしてその力を悪用した「泥棒」によって、クリスという女性が精神を乱され、貯金をすべて「泥棒」に奪われてしまう。そしてクリスは正気に返ったあとに体内のイモムシを取り出そうとするが失敗する。そんな彼女の前に現われたのが、自然のさまざまな音を録音し、養豚場を経営する「サンプラー」という男性だった。彼によってクリスのイモムシは取り除かれ、とある豚にそれが移植される。そして日常生活に戻ったクリスは、ジェフという男性と出会い、やがて彼と恋仲になる。しかしジェフもまた、イモムシに寄生された経験を持っていた。そしてクリスとジェフのあいだではやがて精神がつながり、お互いの記憶が共有されていく…というようなストーリー。 あらすじをとてもざっくり書くと一応こんな感じだが、劇中では登場人物の意図な
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「JUDGE MINTY」鑑賞

なんか知らぬ間にとつぜん作られていた「ジャッジ・ドレッド」のファンフィルム。クレジットから察するに、非営利目的での利用を条件に、キャラクターの使用を「2000AD」側に認められたのかな?「2000AD」に掲載されたストーリーが原作になっているらしく、主人公はドレッドでなくミンティという初老のジャッジ。ドレッドも冒頭にちょっと出てきてます。 ミンティはメガシティ・ワンで長年にわたって法を裁いてきたジャッジだったが、年をとったことで判断力が衰えたことが明白になり、引退を勧告される。彼はアカデミーでの教職の座を断り、メガシティ・ワンの外の無法地帯「カースド・アース」に法をもたらすためにジャッジがそこを死ぬまで放浪する「ロング・ウォーク」に出ることを決意する。そしてジャッジたちに見送られてカーズド・アースに出たミンティだったが、さっそくミュータントの荒くれ者たちに身を狙われることになり…というプロット。 低予算の作品なので映像のクオリティとか小道具の出来とかに安っぽい感じもするのだけど、それを補ってありあまるくらいにファン精神にあふれ、細かく作り込まれた作品なのですよ。ローマスターバイク
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