映画評

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「ヤング≒アダルト」鑑賞

なんかメタファーがてんこ盛りの映画ですな。主人公の心境が彼女の書く小説にそのまま表れるとことか、青春時代の曲を繰り返し聴くところとかに加え、主人公が1人でジャンクフードばかり食べてる描写とか、登場人物のTシャツとかが「いかにも」といった感じで使われているといった感じ。とはいえあざとい訳ではなく、きちんと効果的に使われているのは巧いな。 観てて気になったのは登場人物の性格描写が少し一元的なところで、主人公は「元カレを取り戻す」という執念で凝り固まっているし、元カレのほうは彼女の魂胆に愚鈍なほど気付かないまま話が進んでいってしまう。しかし観てる側にとっては主人公の勝手な思い入れが報われないことは明らかなわけで、最後に主人公が自分の行為に気付くのがストーリーのテンポ上ちょっと遅いような気がする。これは「マイレージ、マイライフ」もそうだったけど、主人公の成長曲線の上がり方がストーリーよりもワンテンポ遅いような?これは個人の好みの問題かもしれないけどね。 なお個人的にシャーリーズ・セロンって能動的に嫌いな女優でして、無名の頃は積極的におっぱい見せてたくせに、ちょっと有名になると「私を外見で
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「JUSTICE LEAGUE: DOOM」鑑賞

DCコミックスのアニメーション・ムービー最新作。 90年代後半にマーク・ウェイドがストーリーを担当したJLAのコミック「TOWER OF BABEL」をベースにしたもので、ジャスティス・リーグの宿敵ヴァンダル・サヴェジがベインやチータ、メタロにスター・サファイアといったヴィランたちを招集し、リーグを壊滅させるためのプランを彼らに与えて実行させる。そしてそのプランは功を奏し、弱点を突かれたリーグのメンバーたちは次々と倒されていく。果たしてジャスティス・リーグはこの危機を脱することができるのか?そして彼らの弱点が網羅されたプランを作成したのは誰なのか?というようなストーリー。 まあ思わせぶりなジャケットの絵を見ると、そのプランを作ったのは誰だかすぐ分かっちゃうんですけどね。原作では敵役となるのがラーズ・アル・グールだったけど、彼は他のヴィランとツルまないタイプなのでヴァンダル・サヴェジに変更されたのかな。原始時代から生きていても未だ世界征服を遂げてないサヴェジって実はかなりのヘタレではないかと思うのですが、まあいいや。彼が招集したヴィランたちのグループが悪のリーグことリージョン・オブ
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「MARTHA MARCY MAY MARLENE」鑑賞

名前を暗記するのに3ヶ月くらいかかった昨年のサンダンス映画。 物語はマーサという少女が、2年間所属していたカルトのグループから脱走するところから始まる。彼女は母親の死などをうけて俗世間を離れ、リーダーのもと自給自足を目指すカルトのコミューンに加わり、メイシー・メイという新たな名前を与えられて他のメンバーとともに生活していたのだ。しかしカルトの冷酷さを知るにつれ、初エッチまで捧げたリーダーへの憧れは畏怖へと変わり彼女はコミューンから脱走し、姉夫婦のもとに身を寄せる。そこで平和を見いだしたかのように見えたマーサだったが、コミューンでの生活は彼女の精神に大きな傷を与えていた。奇行を繰り返す彼女のため姉夫婦の関係にも不和が生じていき…というようなプロット。 最初から最後までカルトの影が重くのしかかっているんだけどサスペンスや心理ドラマなどではなく、ひたすら暗い展開が続く内容になっている。ちょっとセレブな姉夫婦の家での生活と最低限の暮らしをするコミューンでの生活がオーバーラップしながら描かれ、そのどちらもがただ暗いという…。2つの生活に通じるものがあることを描こうとしてるのかもしれないが、
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「ATTENBERG」鑑賞

あの傑作「DOGTOOTH」を筆頭に、さいきんいろいろ目にするようになったシュールなギリシャ映画の1つ。アカデミー賞のギリシャ候補になったらしいけど、国が財政危機で破綻してる一方でこういう実に商業的でない映画を作ってるというのは何となく好きです。 マリーナは23歳になっても男性と付き合った経験のない奥手な少女で、ギリシャの山岳地帯にある工場で運転手として働き、病を患っている父親と暮らしていた。彼女の趣味はスーサイド(NYパンクの人たちだよ)を聴くこととデビッド・アッテンボローのドキュメンタリーを観ること(タイトルはここから来ている)で、男性経験の豊富な親友のベラからはキスや性に関する指南を受けていた。そんな彼女は工場である男性と知り合い…というようなストーリー。 と書いてはみたもののあまりストーリーらしきストーリーは存在してなくて、ただただ思わせぶりなシーンが淡々と続いていく内容になっている。親の過保護という明確なテーマが根幹にあった「DOGTOOTH」に比べるとつくりが弱いことは否めない。ちょっとエッチでかわいいシリーウォークを繰り広げる女の子たちとか、TVを観て動物のマネをす
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「A Very Harold & Kumar Christmas」鑑賞

そのマリファナ万歳な内容のために(だよね?)日本では劇場公開はおろかDVDさえも発売されてない人気コメディ・シリーズ第3弾。今回は劇場だと3Dで公開されたので、タマゴから紙吹雪からマリファナの煙までありとあらゆるものが画面に向かってくる演出になっていたよ。これはちょっと3Dで観たかった気もする。 2作目が1作目の直後から始まってたのに対し、今回のストーリーは2作目の6年後という設定で、クマーが相変わらず小汚いアパートに住んでマリファナをキメてばかりの毎日を送っているのに比べ、ハロルドは出世してウォール街のオフィスで働き、妻のマリアと大きな家に住んでいた。そしてクリスマス・イブの朝にクマーのもとにハロルド宛の荷物が届いたことからクマーはハロルドの家を訪れるものの、それが大騒動に発展して…というようなストーリー。 相変わらずマリファナ・ジョークが満載だし裸のおねーちゃんたちも出てくるんだけど、前2作に比べてかなりメインストリームのコメディになったなという感じ。ラフなところが魅力だったインディーズのバンドが、メジャーデビューして良くも悪くも洗練された音になったようなものというか。3Dゆ
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「裏切りのサーカス」鑑賞

iTunes UK経由で。何を語ってもネタバレになりそうな作品なので、以下を読む時はお気をつけ下さい。 舞台となるのは1973年の冷戦下のイギリス。情報局秘密情報部(通称「サーカス」)のトップはある情報を得るためにハンガリーへエージェントを送るがその作戦は失敗し、その結果サーカスのトップおよび彼の右腕のジョージ・スマイリーは引退を余儀なくされる。しかしサーカスの上層部に共産側のスパイが潜り込んでいるらしいとの情報を聞きつけた政府は、スマイリーを呼び戻してスパイを探し出すよう命じるのだったが…というような話。 ジョン・ル・カレの原作読んでないし、アレック・ギネスの70年代のTVシリーズも当然観てないズブの素人が言うのも何ですが、かなり難解な映画だったなあ。ストーリーそのものが難解というよりも説明的なセリフやショットが極力省かれていて、話の行間を読むというか、登場人物の間の空気を読むことが多分に求められる演出がされていたのだよ。おかげですごく話が凝縮されて緊迫感があるのだが、ちょっとでも話を聞き漏らすとあとの展開が分からなくなるような感じでもあった。またフラッシュバックが多用されてお
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「ドライヴ」鑑賞

批評家のあいだで高い評価を受けたライアン・ゴズリング主演のサスペンス。 主人公は物静かなドライバーで、昼間はメカニックや映画のスタントドライバーとして働き、夜は強盗の逃走を手助けする運転手という2つの顔を持っていた。そんな彼が同じマンションに住む子持ちの若い女性と仲良くなったとき、刑務所に入っていた彼女の夫が出所して帰ってくる。そして悪い仲間たちから仕事の依頼を受けて困っていた夫を主人公は助けることにするが、予期しなかった展開になり…というようなストーリー。 洗練されつくしたシネトグラフィーに、無駄な要素をそぎ落とした脚本と編集のおかげで、LAを舞台としたサスペンスなのにまるでヨーロッパのアートフィルムを観ているかのよう(監督のニコラス・ウィンディング・レフンはデンマーク出身)。主人公の名前が劇中で明かされず、役名がそのまんま「ドライバー」となっている点なども作品のストイックさを象徴しているといえよう。 でもサスペンスの臨場感は非常に楽しめるし、カーチェイスのシーンも迫力があって良かったよ。アメリカでは「ワイルド・スピード」みたいな内容を期待してたのに!と実際に訴訟まで起こした
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「The Death and Return of Superman」鑑賞

アメリカでは今週「クロニクル」っていうSF映画が公開されまして、結構いい評判を得てるのですが、その脚本を書いてるのがジョン・ランディスの息子のマックス・ランディスなわけです。そして「クロニクル」にあわせてネットで公開されたのが、90年代初期の「スーパーマンの死」およびその復活に関するこの短編映画。 スーパーマンがドゥームズデイと戦って死亡し、4人の後継者がでてきた後にちゃっかり復活する様を皮肉っぽく語っていく内容で、ついでにグリーン・ランタンの「エメラルド・トワイライト」についても少し語られてるぞ。おちゃらけて語ってるようで、当時は説明されてなかったドゥームズデイのオリジン話についてもしっかり語ってるあたり、かなりのアメコミ通とみたぞ。キャラクターのコスプレもそれなりに良く出来てるし。 おまけに出演者が無駄に豪華で、ここらへんは親のコネなのかしらん。イライジャ・ウッドにマンディ・ムーア、ロン・ハワードなどなど。ジョン・ランディスを演じてるのってサイモン・ペッグだよね? コミックを知らない人はこれを観てもチンプンカンプンかもしれないが、ストーリーのツボおよびファンの反響などを的確
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「TATSUMI」鑑賞

「劇画」の名付け親である漫画家の辰巳ヨシヒロの伝記的なアニメ映画。俺は最近まで氏のことをまったく存じておりませんでして、自伝的長編「劇画漂流」が海外で高い評価を得るにあたってその名を知るに至った次第です。この映画はその「劇画漂流」をベースにしてるのかな。 物語は終戦直後の大阪から始まり、貧しい家族に育った主人公が家計を助けるためにマンガの投稿を始め、画才を認められて手塚治虫に紹介され、さいとう・たかをたちとマンガ雑誌を発行し、子供向けのマンガと区別するために劇画という言葉を江南市、やがて上京していくさまが瑞々しく描かれている。俺の親が辰巳氏と同世代ということもあり、当時の生活の描写などは大変興味深かったよ。 この自伝的ストーリーに交差するような形で作者が70年代に執筆した短編が5つほど紹介され、孤独な行員や定年を目前にしたサラリーマン、連載を切られた漫画家など、社会の底辺における人々の哀愁がこもった話が語られていく。ストーリーもさることながら、今となっては遠くになりけりな昭和のテイストが満載なアートがとても印象的であったよ。和文タイプライターを駆使するOLとか、「トルコ風呂に来て
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「THE WHOLLY FAMILY」鑑賞

「ファウスト」で俺の中のリスペクト度が再び跳ね上がったテリー・ギリアムによる新作短編。タイトルはキリスト教の「聖家族」と全粒粉をかけてるんだろうが、イタリアのパスタ会社が出資して作られた作品だそうな。よって「これはコマーシャルではないのか?」みたいな批判もあったらしいけど、金の無いことで有名な監督なんだし別に企業に出資してもらったっていいじゃんねえ。 よって舞台となるのは当然のごとくイタリアで、イギリス人の父とイタリア人の母と一緒に観光に来ていた少年のジェイクは屋台に並んでいたプルチネッラの人形に魅了されるが、両親は彼がそれを買うことを許さず、ジェイクは親とケンカしたあげく夕食抜きでベッドに送られる。しかし彼は人形をひとつ屋台からくすねており、それが夜中になって動きだし、ジェイクを不思議な世界に連れ込んで…というようなストーリー。 口うるさい両親に理解してもらえない子供が不思議な世界を旅する、という展開は「バンデットQ」によく似ているかな。また仮面をつけた大量のプルチネッラたちのコレオグラフィーは「ファウスト」のオペラチックな演出に通じるものがあるかなと。目新しい感じはしないもの
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「The Ides of March」鑑賞

ジョージ・クルーニー監督、ライアン・ゴズリング主演の政治サスペンス。よく考えたら俺はクルーニーの監督作はおろかゴズリングが出演してる映画を観るのが初めてだった。あらすじを書くだけでもネタバレになりそうな作品なので、以下はご注意を。 舞台となるのはオハイオ州での民主党の大統領候補選挙で、ペンシルバニア知事のモリス知事がアーカンソーのプルマン知事と接戦を繰り広げ、オハイオを制した者が民主党の正式な指名を受け、共和党の候補も破って次期大統領になることは確実視されていた。主人公のスティーブはモリス知事(演じるのはクルーニー)のキャンペーンの若きスタッフで、知事自身および上司のポールから選挙活動のノウハウを学びながら知事の当選に尽力していた。そんなとき彼はプルマン知事のキャンペーンのマネージャーであるトムから要請を受け、他のスタッフに内緒で彼と会うことになる。そしてトムはスティーブンを自分のチームに引き抜きたいと彼に伝えるが、スティーブンはこれを固辞してモリス知事のところへと戻る。しかし彼はそのとき既に陰謀の渦にとらわれていたのだった…というような話。 とはいえ国家を揺るがすような陰謀など
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「THE INTERRUPTERS」鑑賞

アカデミー賞を受賞どころかノミネートさえもされなかったものの、ドキュメンタリー映画の金字塔的作品として名高い「フープ・ドリームス」の監督であるスティーブ・ジェームズのドキュメンタリー。んでこれも例によって今年のアカデミー賞の候補に選ばれていなかったりするので、アメリカでは非難の声があがっているみたい。 これは暴力沙汰の事件が相次ぎ、イラクやアフガンでの兵士よりも多くの人が死んだというシカゴを舞台に、暴力をふるう人と人のあいだに立って彼らを仲裁しようとする「インタラプターズ(制止者)」と呼ばれる活動家たちの姿を描いた映画で、インタラプターズは「暴力は疫病と同じで、人から人へと感染するものだ」という考えに基づいて疫病学者が創設した「シースファイア(停戦)」という活動団体が導入したプログラムの実践者であり、警察と犯罪者(というかいわゆるゴロツキ)の中間的なポジションに立つことで後者の信頼を得て、彼らを更正させていこうとする。 インタラプターズの多くは元犯罪者であり、ミーティングの場では「みんな合計したら500年くらい懲役くらってるかなあ」なんて冗談も飛び出すわけだが、やはりみんな凄みと
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「THE GUARD」鑑賞

アイルランド映画としては彼の国の興行記録を塗り替えたという映画。まあ小さい国なんですけどね。主演はブレンダン・グリーソンにドン・チードルで、監督のジョン・マイケル・マクドナーってマーティン・マクドナーの弟なのか。兄弟そろってグリーソンをフル活用してますね。あと最近悪役ばかり演じてるマーク・ストロングがここでも悪役を演じてた。 アイルランド西海岸のゴールウェイ地方の警察官であるゲリーは酒飲みで女好きで上司に平気で反抗するような人物だったが、汚職には手を出さないタフな警官だった。そんな彼の警察署に、海外から大量のコカインがゴールウェイに密輸されるという情報を入手したFBIの捜査官である黒人のウェンデルがやってくる。悪気も無く人種差別的な発言をするゲリー(および周りの住民)にウンザリするウェンデルだったが、2人の調査により麻薬の売人たちがゴールウェイに既にやってきていることが判明する。しかし他の警官たちは彼らに買収されていて…というような話。 住民の大半が白人のアイルランドにやってきた黒人捜査官、という設定は「ディボーシング・ジャック」などにもあったし必ずしも目新しいものではないが、子
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今年観た映画トップ10

去年ほど明確な順位付けができそうにないので、良かった映画を日付順に10本挙げていく: 「DOGTOOTH」 実はこれを年間ベストに推したい気持ちもあるんだけどね。でも単なるキワモノ好きのように思われるので。ギリシャ映画は今年も注目しよう。 「127時間」 ラストのシガー・ロスの曲がかかるシーンがとても素晴らしいです。 「恋とニュースのつくり方」 普通だったら選ばないような出来の作品ですが、震災後にモヤモヤしていたしていたとき観に行ったらいい気分転換になったので、感謝の念を込めて。 「ブラック・スワン」 アロノフスキーの作品としては「レクイエム」と「レスラー」の延長線上にあるような感じで決して期待してたほどではなかったのですが、それでも出来の良い映画であることは間違いない。 「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」 今年のアメコミ映画のなかではこれがいちばん好き。マシュー・ヴォーンやるじゃん。 「ミッション: 8ミニッツ」 純粋に楽しめるSF映画。邦題が残念なところではある。 「スーパー!」 繰り返して言うが、目の前で行列に割り込んだ奴を撲殺する光景は素晴らしい。 「
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「WARRIOR」鑑賞

興行的にはパッとしなかったものの評論家たちから高い評価を受けた、MMA(総合格闘技)の選手たちを主人公にした映画。 ピッツバーグに住むパディ・コンロンは元ボクサーで2人の息子たちも格闘家として育てていたが、酒のために身を持ち崩して家庭は崩壊し、妻は下の息子のトミーを連れて家を去り、上の息子のブレンダンもパディと絶縁してUFCの選手となり、引退後は高校の教師となって妻子を養っていた。そんなとき10数年ぶりにトミーがパディの前に現われ、彼を格闘家として再びコーチしてほしいと依頼する。一方でブレンダンは経済的理由から家のローンが払えず、家族を救うために格闘家に復帰しようと考えていた。こうしてパディとトミーとブレンダンはお互いに打ち解けることもないまま、ニュージャージーで開催されるMMAの大会に参加することになるのだが…というような話。 話の設定とか展開はかなりベタで、疎遠になった兄弟とか元アル中の父親、試合を心配そうに見つめる妻や生徒たち、強豪選手をスパーリングでノシて周囲を唖然とさせる無名選手、なんていう少年マンガ的な要素が前半はてんこ盛りで、トレーニングのシーンも「Xメン;ファース
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「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」鑑賞

世間の評判通り楽しめる映画でしたよ。 ブラッド・バードが実写作品をどこまで手がけられるのかは未知数だったわけだが、アクションとコメディとの絶妙なバランスや、ラストの駐車場におけるファミコンのごときドタバタ劇をきちんと分かりやすく描いているあたりは「Mr. インクレディブル」に通じるものがあるなあと。このあと彼は実写映画でも引っ張りだこになるんじゃないだろうか。というわけで隠れた名作「アイアン・ジャイアント」を皆さん観ましょう。CGやスタントを使わなかったドバイの高層ホテルのシーンはやはり圧巻ですよ。ものすごく金のかかったジャッキー・チェン映画のような感じ。 多くの人が書いているように、ロマンス的な要素を排除してトム君のヤサ男イメージを削ったことや、チームの他のメンバーの活躍の場も増やしたことでトム君のエゴ映画という印象を減らしたことが功を奏しているのだろう。フランチャイズの主人公はジェレミー・レナーが引き継ぐという話もあるようだけど、この映画がヒットしてることや、レナーが他のフランチャイズを受けまくっている(アベンジャーズ、ジェイソン・ボーン)ことから、もう1回あたりトム君が主役
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「アナザー・プラネット」鑑賞

原題はAnother Earth。あまり興味がなかったんだけど、いろんなところで今年のベスト映画の1つに選ばれていたので慌てて観てみた次第です。 ローダは天文学に興味を持つティーンの少女だったが、夜中に運転している際に「地球そっくりの惑星が接近している」というニュースを聞き、その惑星を眺めていたことで対向車に激突し、運転していたジョンという男性の妻子を死なせてしまう。このためローダは4年間服役し、出所後は大学に行くことも諦めて清掃員として働くことになる。そしてふとしたことからジョンの住所を知り、彼のところに謝りに行こうとするのだがどうしても伝えることができず、代わりに他人のふりをして彼の家へ清掃員として通いつめることになる。そのあいだに宙に浮かぶ「アース2」はますます地球に接近し、ついに科学者たちはそちらの住民たちとのファースト・コンタクトに成功。なんと彼らは地球の住民とまったく一緒であり、記憶や経験も共有している存在だということが判明する(要するにパラレルワールドみたいなもの)。これを知ったローダは、もう1人の自分に会いたいと思って「アース2」に行くことを決意するのだったが…とい
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「カウボーイ&エイリアン」鑑賞

エクステンディッド版を観たんだが当然どこがどう長くなってるのかは分からず。というかただでさえ抑揚のない映画がさらにダラダラとした展開になっていたような。 原作のコミックをまったく知らないことを踏まえたうえで言わせてもらうと、起承転結の「転」が抜けてるような作品。すべての映画に起承転結を求めるわけではないけれど、『エイリアンが来た=>身内がさらわれた=>エイリアンを追跡する=>彼らをやっつける』という展開は味気ないでしょ。エイリアンの意図などをもっと早い段階で明らかにして、それに対して主人公がどう戦うか、という流れにしたほうがよかったような気がする。おかげでエイリアンが人間を何のために捕獲してたのかとか、主人公のあの武器はなぜあそこにあったのかといった点がきちんと説明されてないんだよな。単に凶暴で怖いエイリアンというのは「ATTACK THE BLOCK」みたいなパニック映画でなら通用するかもしれないけど、こういう長尺の映画ならもっときちんと悪役を描くべきだろ。 あと気になったのが登場人物の多さで、彼らの描写に中途半端に時間を割いているものだから話が全体的に散漫になってしまってたな
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「Tucker & Dale vs Evil 」鑑賞

日本でもトレーラーが一部で話題になってたホラーコメディ。というか純然たるコメディ。 ウェストヴァージニアの湖畔へキャンプにやって来た大学生たち。彼らは途中で立ち寄った店でタッカーとデールという2人のヒルビリーに目をつけられて不気味に感じるが、実はタッカーもデールも単なる気のいい田舎者であった。しかしそんなことを知らない大学生の1人が夜中に彼らの姿を見て驚いて昏倒してしまい、タッカーたちが彼女を介護のために自分たちの小屋に連れて行ったことから、残りの大学生たちは彼女が猟奇的な殺人犯に誘拐されたと思い込み、『救出』を試みるものの、勝手に自滅して1人また1人と凄惨な死を遂げていく…という内容。 タッカーを演じるのは「トランスフォーマー3」のアラン・テュディックで、デール役は「REAPER ~デビルバスター~」のデブ君。彼らに介護される女子大生は「30 ROCK」の悩殺美女アシスタントの子が演じてたのか。役柄がまったく違うから気付かなかったぞ。 「悪魔のいけにえ」とか「13日の金曜日」みたいな「田舎で惨殺される大学生」もののコンセプトを裏返した発想は見事だと思うものの、脚本や演出がその
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「マネーボール」鑑賞

とても丁寧な脚本だなあ、というのが第一印象。アスレチックスの苦境が説明される所から始まり、セイバーメトリクスへの出会いと実践の過程に主人公の過去や私生活の描写が絡み合い、選手たちと親密になるのを避けていた主人公がやがて彼らと親しくなっていくという人間的な成長の様子も描かれ、スポーツの見せ場もちゃんと押さえられているというムダのないストーリー展開。ハリウッドのトップレベルの脚本家2人が関わると、こういう教科書のような脚本が出来上がるのかと納得。 でもまあ逆に話がまとまりすぎていて、ちょっと小ぢんまりとした出来になっている感もなくはない。20連勝がかかった試合での雰囲気とかは大変スリリングなものの、スポーツ映画に特有のカタルシスを与えてくれる作品ではなかったような。金持ちチームとの違いも年俸によって表されるため、いまいち戦力の差などもはっきりせず、「小が大を制す」快感は感じられなかったかな。尤もこれをスポーツ映画として観るべきではなく、ビジネス映画としてとらえるべきなのかもしれませんが。 そしてスクリーンを観ながら何を考えていたかというと「ソダーバーグならどう撮っただろう」ということ
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「TABLOID」鑑賞

エロール・モリスの新作ドキュメンタリー。ドキュメンタリーなんだけど探偵小説のごとき展開を持った作品なので以下はネタバレ注意。 時は70年代後半。ワイオミングに育ったジョイス・マッキンリーは美人コンテストなどでも優勝していた淑女だったが、モルモン教徒のカーク・アンダーソンと恋に落ちて結婚寸前まで行ったものの、彼女が布教の邪魔になると考えたカークとその仲間は黙ってイギリスへ渡ってしまう。ジョイスはそれにもめげずに金をためて人を雇い、イギリスへ行ってカークの居場所を突き止め、彼をさらって田舎の小屋に連れ込んで三日間にわたる「愛の営み」を行う。そしてロンドンに行ったら誘拐罪で彼女たちは逮捕され、カークをレイプしたという容疑をかけられてしまう。果たして三日間の行為は強制的なものだったのか、それとも合意のもとで行われたことだったのか?この件はイギリスのタブロイド紙の格好のネタとなり、「Manacled Mormon(手枷をはめられたモルモン教徒)」として各紙のあいだで白熱した取材合戦が行われるようになる。世論的は彼女に同情的であり、ジョイスは時の人となるのだが、彼女が過去にいかがわしい仕事に関
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「RED STATE」鑑賞

ケヴィン・スミスが珍しく真面目に撮ったホラー映画。彼がコメディ以外の作品を撮ったのって初めてじゃないかしらん。ホラーというほど怖くはないし、サスペンス映画というわけでもない中途半端な内容だけどね。以降はネタバレ注意。 アメリカ中部の田舎町に住むジャレッドたち3人の高校生は、近所に住む女性がセックスの相手を募集しているというネット上の広告を見つけ、喜びいさんで彼女の所へと向かう。しかし出されたビールを飲んで気絶してしまった彼らは、半裸になって拘束された格好で目覚めることに。実は彼らはウルトラ保守のキリスト教団体「ファイブ・ポインツ・チャーチ(以下FPC」によって誘拐され、性の乱れを象徴する者として処刑されようとしていたのだ。どうにか処刑を免れようとするジャレッドたち。そしてその騒ぎを町の保安官がたまたま耳にしたことからFPCの所行が明らかになり、教会に機動隊が派遣されるのだが…というようなストーリー。FPCのモデルは明らかにウエストボロ・バプティスト教会で、銃撃戦になる展開はブランチ・ダビディアンの事件をベースにしたものだな。 まず驚くのがその説明的なセリフの多さ。学校の先生がFC
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「ATTACK THE BLOCK」鑑賞

イギリス発のSFホラー/パニック映画。 舞台となるのはサウス・ロンドンの、あまり裕福ではない区域の団地。ガイ・フォークス・ナイトということで花火が舞うなか、奇妙な物体が空から落ちてくる。団地に住むゴロツキで、通行人から金銭を巻き上げたばかりのモーゼス率いる少年ギャングたちはその物体に遭遇し、中にいた獰猛な生物に襲われるものの逆にそれを殺害し、その死体を担いで意気揚々と団地へと引き揚げる。しかしその後さらに凶暴な生物が団地のまわりにつぎつぎと飛来し、モーゼスたちを狙って団地を襲撃するのだった…というストーリー。 マッシヴ・アタックのPVに出てきそうな薄汚い団地を舞台に、次々と現れるクリーチャーたちと闘う少年たちの姿は非常に見応えあり。全体的なノリとしては80年代にVHSで観てたB級インベイジョンもの(「クリッター」とか)にかなり近いんだけど、あれらの作品の多くは主人公が純朴な少年たちだったのに対し、こっちはストリートワイズな不良少年たちが主役だというのがポイント。だから武器もナタとか日本刀を使いこなしてたりもする。話の冒頭から女性をカツアゲして財布を奪ったりしてるし、こういうゴロツ
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「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」鑑賞

「ロケッティア」のジョー・ジョンストンが帰ってきた!あの人やっぱり真面目な映画撮ってるよりもこういうレトロでちょっとユーモラスな冒険活劇がいちばん似合うんじゃないだろうか(「遠い空の向こうに」もそれに含めることにする)。 ただし「ロケッティア」はあくまでも1人の少年の冒険物語だったのに対し、こちらは大戦中の国の英雄の物語なので、主人公がリーダーへと成長するまでの過程が十分に描かれなかったのは残念。単身もしくは小部隊で闘っている前半はとてもいいんだけど、キャプテン・アメリカとしてのカリスマ性が後半になっても欠けているというか。単に勇気とスーパーパワーだけでなく、洞察力とか思慮深さも身につけていくところが観たかったというか。バッキーがXXされるシーンもやけにサラッと描かれてるし、女性には最後まで弱いままだし。クリス・エヴァンスは口の達者な脇役はよく似合うものの、国のヒーローを演じるのはちょっと力不足だったかもしれない。 あとの役者はやはりトミーリー・ジョーンズがズバ抜けて巧い。ヒューゴー・アーヴィングはドイツ語訛りのせいで損をしていて、スタンリー・トゥッチはその逆。ヒロインは可も不可
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「BATMAN: YEAR ONE」鑑賞

言わずと知れたフランク・ミラー&デヴィッド・マズッケリの同名傑作コミックのアニメーション版。 バットマンことブルース・ウェインと、ジェームズ・ゴードン警部のゴッサム・シティにおける最初の年の活躍を描いたもので、65分という比較的短い尺ながらも原作のセリフや展開を丁寧に映像化していてなかなか楽しめる出来になっている。ラストの「メガネがないと何も見えないんだ」というところは原作以上に思わせぶりな演出になっていて良かったな。なお原作といちばん異なるのは「ゴードンがタバコを吸わない」という点でして、ここらへんはアメリカの表現規制が厳しいんだろうな。原作ではちょっとした小道具的扱いだっただけに残念。 アニメーションの出来も良いんだが、原作に忠実なぶんマズッケリの素晴らしいアートと比べると見劣りしている感があるのは否めない。アクションシーンの決めのポーズとかね。最近はヨーロッパでアートなコミックを描いてるマズッケリですが、スーパーヒーローものにまた戻ってきてくれないかなあ。 声優はゴードン役をブライアン・クランストンが勤めていて、妻子を抱えながらゴッサムの闇と闘うハードボイルドな演技はブレ
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