映画評

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「ザ・シンプソンズ MOVIE」鑑賞
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「ザ・シンプソンズ MOVIE」鑑賞

今まで観るのをド忘れしていた作品。俺にとってのシンプソンズってそんなものになってしまったのかなあ。昔はテレビでやってたらかかさず観てたのに。でも悪い作品ではなかったよ。なんか惰性で続いている感じのする最近のTVシリーズ版のエピソードよりもずっとネタが詰まっていて、大声で笑った箇所もいくつかあったし。映画版ということで予算もかかってて作画のレベルも非常に高かったし。 ただしTVの話よりも3倍近く尺が長いこともあって、話の流れがどうも微妙にズレて感じられたかな。「シンプソンズ」のエピソードって話の導入部が結構長いことで有名で、ある事柄から始まった話が曲がりに曲がってやっとその話の中心テーマに辿り着くところが(当初は)斬新だったわけだが、劇場版では逆にどんな話になるのか冒頭だけでは分かりにくく、ストーリーが流れにのるまで少し時間がかかりすぎてたような気がする。あとやはりシンプソン一家はスプリングフィールドの住人たちとドタバタやってるのが一番楽しいわけで、彼らを町の外に出してしまったことでその楽しさが半減してしまったような。 大金をかけて劇場版をつくらなくても、TVシリーズのほうで上質のエピソ
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「ZOMBIELAND」鑑賞
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「ZOMBIELAND」鑑賞

邦題は「ようこそゾンビランドへ」になるんだっけ?アメリカ人が「ショーン・オブ・ザ・デッド」を作ったたらこうなりました、というような映画。良くも悪くもストーリーが一本調子で、良くも悪くもキャラクター設定が皆無だったりする。要するに深く考えずに笑って観ろよ、ということなんだろうけど。 謎の原因により世界中の人々がゾンビになってしまったなか、奇跡的に生き残った主人公は女の子とキスもしたことがない内気な少年だったが、自分なりの生存のルールを身につけ、それに頼ることでゾンビの襲撃から逃れていた。彼は銃とトゥインキーをこよなく愛するタフな男に出会って一緒に旅をするようになり、さらに狡猾な姉妹に遭遇して西部を目指すのだが…というのが大まかなプロット。ただし具体的に主人公たちが何かを目指すといった目的が欠如しているため、90分弱の尺ながら中盤のビル・マーレイが出てくるあたりは結構話がダレていたような。 ウディ・ハレルソンの暴れぶりは面白いし特殊効果もよく出来ているし、笑えるところも多々あるものの、ゾンビ・コメディとしては「ショーン〜」に遠く及ばないかな。あっちはキャラクター設定がしっかりしていて登場人
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「運命のボタン」鑑賞
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「運命のボタン」鑑賞

「ドニ・ダーコ」のリチャード・ケリーが、ジャンル映画のネタの宝庫であるリチャード・マシスンの短編をもとに作ったもの。この原作は既に「トワイライト・ゾーン」でも一度映像化されてるんだとか。 (以下ネタバレあるかも) 舞台は1976年のリッチモンド。ノーマとアーサーの夫妻はウォルターという息子とともに幸せな生活を送っていたが、経済的には困窮していた。そんなある日、彼らのもとにボタンがついた箱が送り届けられる。不思議に思う彼らのところにスチュワードと名乗る、顔に大きな傷を負った老人が現れ、箱に関する話を伝える;「箱についたボタンを押せば100万ドルが手に入る。しかしあなたたちの知らない誰かが命を失うことになる」と。彼の話を不気味に思うノーマとアーサーだが、ついにノーマがボタンを押してしまい…というようなプロット。 1976年当時のデザインのほか画面の色調とかカメラワークから察するに、これって70年代のSF/ホラー映画のパスティーシュになってるのかな。ただああいうのはテレビ東京で90分以下にカットされたやつを観るのが楽しいのであって、2時間近い尺で1つのプロットを延々と映していくのは厳しいもの
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「JUSTICE LEAGUE: CRISIS ON TWO EARTHS」鑑賞
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「JUSTICE LEAGUE: CRISIS ON TWO EARTHS」鑑賞

マーヴェルに比べコンスタントに優れた作品を出している、DCコミックスのアニメーション・ムービーの最新版。 DCコミックスのファンならお馴染みのパラレル・アースをテーマにしたもので、別の次元にあるもう1つの地球ではスーパーヒーローと悪役の立場が逆になっており、悪のスーパーマン(「ウルトラマン」という名前だよ)や悪のワンダーウーマンが率いる悪の集団クライム・シンジケートが世界征服を達成しようとしていた。これに反抗した「善人」のレックス・ルーサーは次元移送装置を使い、スーパーマンたちが住む我らの地球へと助けを求めにやってくる。彼の話を聞いたスーパーマンおよびジャスティス・リーグはクライム・シンジケートの魔の手から人々を救うため、ルーサーの地球へと向かうのだが…というようなプロット。 TVシリーズ版「ジャスティス・リーグ」の脚本も手がけていたドウェイン・マクダフィの脚本はテンポがよく、ニヤリとさせられる場面も多く見ていて飽きがこない。戦闘シーンが多くてプロットが少し弱い気もするものの、きちんと押さえるところは押さえて話を盛り上げることに成功している。また演出も素晴らしく、前半の雲の中での戦闘シ
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「A SERIOUS MAN」鑑賞
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「A SERIOUS MAN」鑑賞

コーエン兄弟の最新作だよ。舞台は1967年のミネアポリス。大学で物理を教えるラリーは物静かなユダヤ系の男性だったが、 ・不倫したうえラリーに離婚と立ち退きを迫る妻とその愛人 ・職もなくラリーの家に居候をしている兄 ・家の土地を侵害している隣人 ・試験の結果を上げるよう賄賂をよこす生徒 といった人々によるさまざまな問題に突然として見舞われてしまう。さらに彼の不運は続き、これは彼に対する神のお告げなのかと考えた彼はユダヤ教のラビたちに相談することにするのだが…というようなお話。 ものすごく難解というか、訳の分からない映画だなぁ…。主人公が次から次へと不運に見舞われるのは旧約聖書のヨブをモデルにしているらしいが、他にもシュレディンガーの猫をモチーフにしていることが示唆されていて、「生きているのか、死んでいるのか?」というテーマが底辺にあるみたい。特に冒頭の寓話(?)のところとか。 主人公が不幸な目に遭うとはいえ内容は決して悲劇的なものではなく、真っ黒けっけなコメディ仕立てになってるわけだが、聖書のヨブは最後に幸せを得たのに対し、ラリーの場合は…。これって「世の中の出来事はみんな関係しあってい
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「月に囚われた男」鑑賞
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「月に囚われた男」鑑賞

デビッド・ボウイの息子でもあるダンカン・ジョーンズの初監督作となるSFスリラー。 舞台は近未来。地球のエネルギーの70%は、月面で採掘されるヘリウム3によって賄われていた。その採掘を手がけるルナー・インダストリーズ社の月面基地(ちなみに韓国製)にはサム・ベルという職員がたった一人で住み込み、人工知性を備えたロボットのガーティーとともにヘリウム3の回収・送出などを行っていた。彼の任期である3年がもうすこしで経とうとするころ、月面に出ていたサムは作業用車両を大破させる事故を起こしてしまう。気を失ったあとに基地で目覚めるサム。事故の記憶は彼の頭から消えていた。何かを不審に感じたサムはガーティーには秘密で月面の事故現場へと戻るが、そこで彼は驚くべきものを発見してしまう…というのが大まかなプロット。 出演者しているのが殆どサム・ロックウェルだけというのも珍しいが、地球の家族のことを想いながら孤独に働き、やがて自分の運命を悟ることになる主人公を好演している。あとガーティーの声はケヴィン・スペイシー。 重力の描写などは突っ込みたいところもあるものの、すごく正統なSFスリラーになっていて、どことなく7
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「ギャラクシー・オブ・テラー/恐怖の惑星」鑑賞
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「ギャラクシー・オブ・テラー/恐怖の惑星」鑑賞

ジェームズ・キャメロン関連の検索をしてて見つけた、ロジャー・コーマン先生が「エイリアン」を露骨にパクった1981年のSF映画。 未開の惑星で遭難した宇宙船を救助するため、もう1つの宇宙船とそのクルーが惑星に送り込まれるのだが、遭難した宇宙船に生存者はいなかった。さらに惑星上にピラミッド型の遺跡を発見したクルーは中の探索を試みるが、謎の怪物によってクルーが一人ずつ惨殺されていく…というようなプロットで、宇宙服を着たクルーが宇宙船を捜索するあたりは「エイリアン」そのまんま。そのプロダクション・デザインを担当していたキャメロンが後に「エイリアン2」を監督することになるのは興味深いな。 キャストにはフレディ・クルーガー以前のロバート・イングランドや「ブラボー火星人」のレイ・ウォルストンなんかがいてマニア心をくすぐるものの、みんな石のような演技しかしてないような。意外なのは当時「ハッピー・デイズ」でスターだったエリン・モーランがいることで、なんでこんなB級映画に出てるのかは不明。ロン・ハワードにそそのかされたんだろうか。 あと金髪のおねーちゃんがクルーにいて、巨大なイモ虫モンスターの触手によって
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「アバター」鑑賞
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「アバター」鑑賞

やっと川崎のIMAXにて。先に技術的なことを書くと、やはりIMAX方式だとメガネが軽くて観てて疲れないな。でも川崎のスクリーンって高島屋にあったやつにくらべてずいぶん小さいのね。そして巷で言われている通り字幕に目をやりづらいので、吹替版のほうが映像に没頭することができるんじゃないかと。あと3Dとはいえ「こちらに向かってくる」的な映像が殆どなく、主に空間の奥行きを出すために3Dを用いているのは少し意外であった。子供だまし的な演出を嫌ったということですかね。 そして作品の内容としては、これも巷で言われている通り、脚本とか演出はかなり凡庸な部類に入るもので、巨大メカがいろいろ登場したりミリタリーねえちゃんが活躍するところなんかは「エイリアン2」からぜんぜん進歩してないじゃん!という感じだったし、パンドラの生態系などのSF的考証もなんかすごく適当な気がしたんですが。敵が銃をかまえて待ち受けているところに騎馬隊を突っ込ませる演出もどうかと思ったし。 じゃあツマらない映画だったかというと全然そうではなくて非常に楽しめた映画であって、ストーリーとかの欠点をビジュアルの素晴らしさが完全に払拭してしまっ
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「コックファイター」鑑賞
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「コックファイター」鑑賞

モンテ・ヘルマンがロジャー・コーマン先生のもと、「断絶」に続いてウォーレン・オーツと組んで作った低予算映画。 闘鶏の世界を舞台にしたもので、闘鶏の最優秀賞を獲得するまで言葉を発しないことを誓った主人公が、ほぼ無一文の状態から家を売ってまでしてニワトリを手に入れ、大会に向けて着実に金と技量を手にしていくといった内容の作品。「断絶」同様にハリー・ディーン・スタントンも出てるぞ。 劇中ではウォーレン・オーツ演じる主人公が殆どセリフを喋らないのに彼によるナレーションがかぶせられていたり、シリアスな内容なのに陽気な音楽がついていたり、あまり話の筋と関係ない強盗のシーンがでてきたりと、全体的にチグハグな感じがするのは否めない。あといまいち主人公の強さというか成長ぶりが描けていなかったような。初めて闘鶏を観戦した恋人に、「あんたなんかニワトリ以下よ!」と怒られるラストはなかなか面白かったけど。 試合のシーンでは実際にニワトリ同士を戦わせたらしく、足につけられた鉄のスパイクが相手のニワトリに深々と突き刺さっている光景とかはちょっとショッキング。おかげでイギリスではずっと上映禁止の作品なんだとか。マイナ
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「The Invention of Lying」鑑賞
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「The Invention of Lying」鑑賞

イギリス版「THE OFFICE」の主役で、こないだゴールデン・グローブの司会も務めたリッキー・ジャヴェイスが主演・監督・脚本を手がけた作品。誰もウソをつくことができず、思ったことをそのまま口にしてしまう架空の世界を舞台にしたコメディになっている。 主人公のマークは40代になっても恋人がおらず、何をやってもサエない小太りのダメ男。仕事をクビになった彼は家賃が払えずにアパートを追い出されそうになるが、有り金をすべて降ろそうと向かった銀行で頭のなかが突然ひらめき、歴史上の誰もが思いつかなかった「ウソをつく」ということをやってのける。周りの人は彼が口にすることはすべて真実だと思ってしまうため、ウソをつくことで巨額の富を手にするマーク。さらに彼は意中の女性であるアンナにウソを使って近づこうとするが、老人ホームにいる自分の母親が危篤状態になったことをデート中に知らされる。死んで無に消えることを恐れる母親にウソをつき、死後の世界では誰もが幸せになると伝えるマーク。こうして母親は安心して息を引き取ったものの、そのウソが世界中に広まったことから、死後の世界について知りたい人々がマークのもとに押しかけて
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「EXTRACT」鑑賞
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「EXTRACT」鑑賞

あの素晴らしき前作「IDIOCRACY」が着実にカルト的人気を集めている(しかし日本ではあの邦題のせいで…)マイク・ジャッジ師匠の新作。トレーラーはこちら。 話の舞台となるのは、植物などの成分を抽出(エキストラクト)してエキスを作っている小さな工場。そこの創業者であり社長であるジョエルは、商売が順調で大企業からの買収も持ちかけられていることに満足していたが、その一方では妻のスージーがセックスをさせてくれないことにフラストレーションを感じていた。そこで彼は不倫をしようかと考えるのだが、妻に罪悪感を抱かないために、まず彼女に不倫をさせようと自称ジゴロのバカな若者を妻に差し向けることに成功する。また工場では作業員たちの些細な不満がたまったことで事故が発生し、職員の一人がキンタマを片方失う不運に見舞われてしまう。企業に工場を買わせるためできるだけ早急に事故の処理を済ませようとするジョエルだったが、事故に遭った職員に美人詐欺師が近づいて工場に多額の訴訟を起こさせてしまい…というようなストーリー。本当はもうちょっとややこしいんだが、まあいいや。 マイク・ジャッジの最大の強みといえば何といっても「バ
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「ハート・ロッカー」鑑賞
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「ハート・ロッカー」鑑賞

今日のゴールデングローブ授賞式でもおそらく何かの賞を穫るであろう、今年の賞レースの目玉作品。イラク戦争の初期(2004年)を背景に、都市部のあちこちに隠された手製爆弾の解除にあたる部隊の姿を描いたもの。 とにかく爆弾がバンバン爆発する映画で、地面や荷物や車に隠された爆弾がいつどこで爆発するか分からず、登場する人たちもどんどん死んでいくために次の展開がまるで読めないうえに、爆弾の解除をしている周りにリモコンの起動装置を持ったテロリストが潜んでいるかもしれないという要素が加わり、非常に緊張感に満ちた場面を作ることに成功している。 このように各場面はとてもスリリングで、夜中の追跡劇のシーンとかも手に汗握る演出になっているのだが、そうした各場面をつなぎ合わせる軸となるようなプロットはあまり存在してなくて、主人公たちの任務と日常が次々に描写されるような展開になっている。「フルメタル・ジャケット」の後半に似ているといえば分かってもらえるかな。印象的なシーンはいくつもあるものの、全体を貫くストーリーはないというか。少なくとも「プライベート・ライアン」のような「映画の終わりまでに捕虜を救出する」といっ
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「BIG FAN」鑑賞
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「BIG FAN」鑑賞

「レスラー」の脚本家、というよりも「オニオン」の元編集長としてチェックしているロバート・シーゲルの初監督作。 スタテンアイランドに住むポールは36歳になっても口うるさい親と同居し、駐車場のブース係としてしがない生活を続けているサエない男。そんな彼にも唯一情熱を注ぎ込めるものがあって、それはNFLのニューヨーク・ジャイアンツのファンとしてチームを応援することだった。試合のチケット代が払えないため親友のサルとスタジアムの外でテレビ観戦するような有様でも、彼のジャイアンツに対する愛情は変わらず、ラジオのスポーツ番組へ電話をしてジャイアンツへの応援コメントをすることが彼の生きがいだった。 そんなある日、ポールはジャイアンツのクオーターバックであるクアンテル・ビショップを偶然見かけてしまう。憧れの選手を間近に見て感激したポールはビショップの車を追いかけてマンハッタンまで行き、勇気を振り絞ってビショップに声をかけるものの、皮肉にもストーカーだと誤解されて彼に暴行を受けてしまう。そして重傷を負って病院で目覚めるポール。ポールの家族や警察はビショップへの告訴を勧めるが、この件によりビショップは出場停止
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「The Yes Men Fix the World」鑑賞
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「The Yes Men Fix the World」鑑賞

八木の野郎からもらったDVDで。カルチャー・ジャミングのコンビ「ザ・イエスメン」を追ったドキュメンタリーの第2弾。最初のやつは昨年日本でもテレビ放送されましたね。 内容としては前作のあとにイエスメンが行った様々な活躍を順に紹介していくものになっていて、ダウ・ケミカルの社員のふりをしてボパール化学工場事故の賠償を行う、とBBCの番組で発表したのを皮切りに、エクソンやハリバートン、ニューオリンズでの住宅都市開発省などを標的にして彼らなりの茶化しかたで大企業の強欲ぶりを暴いていく。「災害は企業にとって良いものです」といった彼らの偽のプレゼンに賛同し、サバイバボール(上の写真のコスチューム)を真に受けて「テロ対策の商売にいいですね」なんて言ってくる企業の職員がいるのには失笑を禁じ得ない。 作品の全体的なテーマとしては「アンチ自由放任主義」があって、ミルトン・フリードマンが唱えた「規制なき市場」のモデルにのっとって企業が利益ばかりを追い求めた結果、貧しい人々が増えて苦しむことになったとイエスメンは厳しく指摘している。末端の人間とか環境保護のことを考えずに利益の追求と市場の開放を求める企業の人間や
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「第9地区」鑑賞
映画評

「第9地区」鑑賞

原題は「DISTRICT 9」。もともとピーター・ジャクソンのもとで人気ゲーム「HALO」の映画版の監督を務めるはずだった南アフリカ出身のニール・ブロムカンプが、「HALO」の話がオクラ入りになったことを受け、ジャクソンの支援を受けて自身の短編映画「Alive in Joburg」を長編映画化したもの。 舞台は南アフリカ共和国のヨハネスブルグ。そこの上空には1980年代に巨大な宇宙船が突然到来したのだが、宇宙船を操っていたと思われるエイリアンの支配層はすべて死に絶えており、その「働きバチ」とも言うべき無学なエイリアンたちが船内に残っているだけだった。彼らは南アフリカ政府によって地上に降ろされて隔離された居住区域「第9地区」をあてがわれるのだが、彼らは「エビ」(厳密にはコオロギ)呼ばわりされ、南アフリカの住民に嫌悪されることとなる。また宇宙船にあった技術や兵器はエイリアンのDNAがないと起動できないことから、地球人にとっては無用の長物であった。 そして20年の月日が経ち、エイリアンの居住区域は完全にスラム化し、ナイジェリア人のギャングが暗躍するような状況になっっていた。南アフリカ政府は彼
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「WALL・E/ウォーリー」鑑賞
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「WALL・E/ウォーリー」鑑賞

00年代の名作を着々と鑑賞。これは素晴らしい作品ですね。「インクレディブルズ」と並んで俺にとってのピクサーのベスト作品になるかも。 まずきちんとSFしているところが見事。派手なドンパチとか複雑なプロットに頼らず、極めてシンプルなコンセプトからきちんとストーリーを編み出しているところがいい。未来の堕落した人類たちの姿は「イディオクラシー」のほうが100倍くらい正確だったかもしれないが(植物には水でなくエネルギードリンクをあげなくちゃ!)、さすがに家族向け映画であそこまでは描けないか。 そしてそのシンプルなコンセプトを支える演出の巧みさ。セリフが一切無いシーンがどれだけ続こうと観る人を飽きさせず、逆に表情の殆どないロボットたちへ感情移入をさせる手腕は凄いものがあると思う。こないだも書いたが他のスタジオのアニメだったら下ネタとかセレブな声優とかをつぎこんでコテコテにしそうなものなのに、余計なものを徹底的に省いてじっくりと物語を語る術をわきまえているんだよな。人類のその後の姿が描かれていくエンド・クレジットの演出も素晴らしい。こういう作品でもヒットすることをピクサーは証明してるのに、どうして他
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「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」鑑賞
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「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」鑑賞

よく考えるとこのストレートな邦題って不親切だよな。00年代が終わる前に観たかった作品。ポール・トーマス・アンダーソンって「ブギー・ナイツ」や「マグノリア」における「とりあえず最後にみんな泣く」的な演出が嫌いであまり好きな監督ではなかったのですが、これは面白かった。 満たされることのない欲を持った主人公が周囲の人間を不幸にしようともつき進み、20世紀の基礎となる産業を築き上げるさまは圧巻なんだけど、この映画が何を伝えたいのかはいまいち良く分からず…単純な「強欲の肯定」ではないよな。じゃあ信仰と欲の対比かというと、あの牧師を金にこだわる人物として描いたことでその対比も薄まってしまったし。結局のところ誰もが欲に動かされているということかしらん。 ダニエル・デイ=ルイスの怪演なしでは成り立たなかった映画だが、彼ひとりでストーリーを支える必要がなく、おいしいところだけ取っていけた「ギャング・オブ・ニューヨーク」での演技のほうが個人的には好きかな(世間が何と言おうと俺はあの映画が好きだ)。あとレディオヘッドのギタリストによる音楽が予想以上に良かった。映像の背後に埋もれず、もっと前に出てきて存在感を
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「レミーのおいしいレストラン」鑑賞
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「レミーのおいしいレストラン」鑑賞

これも観てなかった00年代の名作。00年代の途中にピクサーがディズニーの子会社になったことで、坊主憎けりゃといった感じでピクサーの作品をちょっと敬遠するようになっちゃったんだよな。でもこれはピクサーのいつもながらのクオリティが保たれた、大変楽しめる作品でございました。 1時間を超すあたりまでは結構ストーリーが予定調和な感じで進んでいてあまり目新しさは感じず、ラストでレストランを継いでハッピーエンドかな…と思っていたらそのあとすぐにレストランを継ぎ、イーゴの挑戦を受けるあたりから話は俄然と面白くなってくる。やっぱりああいう先の読めない展開があると良いですね。 声優に関してはリングイニ役のルー・ロマーノは終始喘いでいる感じで主役にしてはちょっとイマイチかな。あと俺はやはりジャニーン・ガロファロの声がセクシーに感じられんのよ。逆にピーター・オトゥール によるイーゴが良かったな。最後のところは彼がいちばんおいしい役だったような。 ピクサーの作品って他のスタジオのアニメの多くと異なり時事ネタとかセレブな声優に頼らないから何年かあとに観ても古さを感じさせない点が見事ですね。急いで続きを連発して結局
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「マルホランド・ドライブ」鑑賞
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「マルホランド・ドライブ」鑑賞

これから年末にかけて、見逃していた00年代の名作をいろいろ観ようかと思っているのです。そういう作品に限って長尺で観るのに時間かかったりするわけだが、この「マルホランド・ドライブ」もその1つで長尺ゆえに観るのを敬遠していたものの、いざ観てみると先が全く読めない展開のおかげでいっさい中だるみするようなこともなく、あっと言う間に観終わってしまった。こういう理解不能なストーリーであっても観る人を引き込むデビッド・リンチ(とアンジェロ・バダラメンティ)の手腕は流石だなあ。 ストーリーに関しては最初からもう理解しようとする気は放棄してるんだが、IMDbの解説を読んでなるほどーと合点がいった次第です。「XXは○○の夢だった」というのはやや安直な気がしないでもないが、今まで田舎を舞台にした作品が多かったリンチがハリウッドの虚栄を描くとこうなる、という意味では非常に興味深い。 あと冒頭のジルバのシーンとか観て感じたけど、リンチってジョン・ウォーターズに通じるものがあるんじゃないだろうか。どちらの作品も健全な50年代がベースにあって、それが何らかの理由で歪みに歪みまくってスクリーンの上に顕在しているような
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「G.I.ジョー」鑑賞
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「G.I.ジョー」鑑賞

なぜかDVDが手元にあったので。変な訛りのある人たちがいろいろ出てくる映画ですね。本来ならいちばん訛りがあるはずのバロネスに訛りがないのはヒロイン扱いだからか。 とりあえずダメ大作映画の見本のような作品。ストーリーは予定調和というか盛り上がりに欠けるし、CGはショボいし出演者の演技がみんな下手だし。いちばん生き生きと演技してたのがよりによってマーロン・ウェイアンズだったというのは憂慮すべき事実であろう。世界を救えるかという重要な事態が、元恋人たちの痴話ゲンカによって左右されるという展開も最近のハリウッドのトレンドをを象徴しているようで嫌だな。そして原題のようにコブラ軍が勃興して次回に続くのかと思ったら、そのあとすぐ首領が捕まってるのはバカかと。 いちおうラリー・ハマがクリエイティヴ・コンサルタントに就いてたらしいけど、それでこの出来じゃなあ。ラリー・ハマというのは日系のアメコミ作家で、80年代にマーヴェルで「G.I.ジョー」のコミックのストーリーをずっと担当したことで知られ、「G.I.ジョー」における人物設定とかの殆どを創作した偉い人なんですが、映画の設定はコミック版とずいぶん違ってな
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「Sita Sings the Blues」鑑賞
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「Sita Sings the Blues」鑑賞

アメリカの漫画家ニナ・ペイリーがほぼ独力で作った大傑作アニメーション。インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をもとに、恋人に捨てられた女性の悲哀を描いた作品になっている。 インドのラーマ王子は訳あって王国を14年のあいだ追放されることになり、妃のシーターを連れて森のなかに住んでいた。しかしラークシャサ(悪魔)の王ラーヴァナがシーターを気に入り、ラーマが不在のときに彼女を誘拐してしまう。ラーマから放され、嘆き悲しむシーター。そこでラーマは猿の大群を率いてラーヴァナのもとに攻め入り彼を倒し、無事にシーターを奪還して王国へと帰還する。しかしその後すぐにシーターが妊娠したことから彼女の不貞が人々のあいだで噂されるようになり、それを気にしたラーマによってシーターは再び森のなかへと追放されてしまう…というようなお話。 本編はインドの伝統画のスタイルで語られ、それに絡めて1920年代の歌手アネット・ハンショウによるジャズ/ブルースをシーターが歌うフラッシュ調のアニメ、およびインド神話の詳細が影絵人形によって解説されるアニメ、そしてラーマとシーターの話と対をなす現代のカップルを描いたラフ・スケッチ調のアニメと
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「デイトリッパー」鑑賞
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「デイトリッパー」鑑賞

「スーパーバッド」や「Adventureland」のグレッグ・モットーラ監督のデビュー作(1996)。プロデューサーはスティーブン・ソダーバーグ。 ロングアイランドに住むイライザは夫のルイスと幸せな夫婦生活を送っていると思っていたが、ある日夫の服のポケットにラブレターらしき手紙が入っているのを発見してしまう。これに驚いた彼女は実家の両親に相談したところ、直接ルイスに会って真相を問いただすのが最良だと説得され、イライザとその両親、および妹とその婚約者の5人はステーションワゴンに乗り込み、ルイスが働くニューヨークへやってくるのだったが…というような話。 ニューヨークの郊外ロケを多用した撮影や、変にインテリな会話が始まる展開なんかはいかにも90年代のインディペンデント映画という感じだけど、1日の旅において家族の絆と価値観が見直され、家族みんなが何かしらの形で成長していくさまが手堅く描かれていて面白い。またキャストが異様に豪華で、ホープ・デイビスやリーヴ・シュレイバー、パーカー・ポージー、スタンリー・トゥッチ、キャンベル・スコット、マーシャ・ゲイ・ハーデンなど後に主役級の役者となる面々が揃って
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「SUGAR」鑑賞
映画評

「SUGAR」鑑賞

野球が題材のアートハウス・シネマなんて初めて観た。 ドミニカ共和国の野球クラブでピッチャーをしていたミゲル・"シュガー"・サントスは、スカウトに教えられたナックル・カーブが認められてカンサス・シティーのメジャーリーグ・チームのキャンプへと招かれる。家族を離れてフェニックスのキャンプ場にやってきたシュガーはそこでも実力が認められ、アイオワのド田舎に拠点を置くマイナー・リーグのチームでプレーすることに。慣れない環境に戸惑いながらも徐々に力をつけていき、勝利を重ねるようになったシュガーだが、足を怪我したことでスランプに陥ってしまい…というのが大まかなプロット。 話の前半はそれなりのサクセス・ストーリーなんだけど爽快感などはまるでなく、レストランのメニューも読めないような選手が異国のマウンドに立つことの壮絶な孤独感がうまく描かれている(全体的に撮影が巧い)。成績が出せなければ即刻で解雇される環境のなか、周囲の人間とろくに意思疎通もできずにプレッシャーに押しつぶされていくシュガーの姿が哀愁を誘っていた。 そしてシュガーやその代わりのピッチャーがどれだけ活躍したとしても所詮はマイナー・リーグでの話
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「My Wrongs 8245–8249 & 117」鑑賞
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「My Wrongs 8245–8249 & 117」鑑賞

愉快なテロリストたちを描いた映画「Four Lions」がついに完成して今度のサンダンスで公開されるらしいクリス・モリスが、脚本と監督を手がけた2002年の短編映画。 ある男性が友達の家で留守番をして犬の面倒を見ていたところ、犬が自分に命令しているように感じるようになり、彼は犬にうながされるまま手綱を持って犬と外出することに。そして手綱を自分の首にかけたとたんに犬が暴走して彼は公園の池に飛び込んでしまう。そしてついに犬は男性に語りかけるようになり、自分は男性が犯した罪に対する弁護士だと主張するのだが…というような内容。 ひたすらシュールな展開が続く作品で、男性が犬に引き回されて公園やバスや教会に連れてかれる展開が非常にスピーディだし、レジデンツのPVを彷彿させる実験映画っぽい特殊効果もあってなかなか面白い。ワープ・レコーズの映画部門が関わっているということでオウテカっぽい音楽もなかなかいいぞ(音楽もモリスによるものだとか)。BAFTAの短編部門賞を受賞したというのも頷ける。 なお主役の男性を演じるのはパディ・コンシダイン。彼って無骨な役柄のイメージがあったけど、こういう困惑した人物の役
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「グラン・トリノ」鑑賞
映画評

「グラン・トリノ」鑑賞

今さらながら。こういう話だったのか!イーストウッド爺さんカッコ良すぎる。年をとるごとにこういう復讐鬼(?)の役が似合っていく役者というのは彼くらいのものじゃないだろうか。ブロンソンでもあの貫禄は出せなかったよな。 「許されざる者」において、「酒を飲むと人を殺すから」という理由で酒を断っていた主人公が、親友が殺されたことを聞いてグビグビと酒を飲みだす場面(しかも非常にさりげなく撮っている)は俺の映画人生のなかでもベスト10に入る名シーンなのですが、この映画もそのシーンを彷彿させるところが多くて素晴らしいのです。最後は牧師を連れて「ローリング・サンダー」的展開にもつれ込むのかと思ったけど、さすがにそれは無かったか。 あと話の進み方とか撮影の手法(特に光の当て方)とかが良い意味で古典的で、こういう映画を作れる人って少なくなったような気がする。難があるとすれば、THE WIREなんかを観てると分かるがギャングの去ったあとには別のギャングがやってくるわけで、ラストの解決法が弱冠安直な感じがすることか?でもまあ文句は言うまい。あとはミャオ族の文化について我々は劇中で紹介されたものを素直に受け止めて
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