映画評

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「何がジェーンに起ったか?」鑑賞
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「何がジェーンに起ったか?」鑑賞

自分でレンタルしといて何ですが、何故こんな気の滅入る映画を朝っぱらから観ることになったのか激しく自問。 ベティ・デイビスとジョーン・クロフォードの鬼気迫るやりとりが2時間以上にわたって続く作品。特に鈴木その子と松島トモ子を足して2で掛けたような形相をして、姉をひたすら虐待するデイビスの演技は本当に凄まじい。「サンセット大通り」のグロリア・スワンソンもそうだったけど、過去の人気女優という役柄が役者の経歴にそのまま合致してるので、異様なリアリティが存在していて怖いんだよな。現在でこういう役を演じられるのはエリザベス・テイラーとライザ・ミネリくらいしかおるまい。 これを観たからには、次は「愛と憎しみの伝説」を観なければいけないのか?
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「SOUTHLAND TALES」鑑賞
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「SOUTHLAND TALES」鑑賞

場外満塁ホームラン的大傑作「ドニー・ダーコ」で衝撃のデビューを飾ったリチャード・ケリーによる待望の第2弾「サウスランド・テイルズ」を観た。 壮絶なる失敗作。 評判通りの出来だった。しかし失敗作だからといって内容がダメダメというわけではなく、話の展開は派手だし映像も美しく、モービーによる音楽も良くて十分に楽しめる内容になっている。ストーリーが根本的に破綻していて、観たあとにものすごく「???」な気分にさせてくれることを除けば、決して悪い作品ではない、ということにしときましょう。 舞台となるのは架空のアメリカ。2005年にテキサスがテロリストによる核攻撃を受けたことにより第三次世界大戦が勃発。中東での戦闘により石油の供給が枯渇し、代理エネルギーの開発が求められるなか、波の動きから無尽蔵のエネルギーを得られるという装置を開発した会社が登場する。またテロリスト対策としてパトリオット・アクトにさらなる権限が与えられ、インターネットを含む多くの活動が監視されようとしていた。政府のそうした行動に反対する新マルクス主義者たちは、南カリフォルニアを拠点にして反政府活動を続けている。そんなとき、国会議員の
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「Urgh! A Music War」鑑賞
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「Urgh! A Music War」鑑賞

以前から観たかった音楽映画「Urgh! A Music War」を鑑賞。1981年に公開されたこの映画は当時のパンク/ニューウェーブ系のアーティストたちのライブ映像を収めたもので、ただ単にライブが順々に映し出されるだけという相当に手を抜いた作りになっているものの、エコバニやマガジン、トーヤ、ディーヴォ、オウ・ペアーズ、OMD、クランプスといった面々による熱気のあるライブは非常に見応えあり。出演してるバンドのリストはウィキペディアを参照のこと。個人的に特に良かったのは: ・「Bad Reputation」を歌うジョーン・ジェット姐さん ・巨大な電動車椅子みたいなのに乗って歌うゲイリー・ニューマン ・デビッド・トーマスが巨体を揺らしてファルセットで歌うペレ・ウブ(下の動画) ・相変わらずテンションの高いギャング・オブ・フォー などなど。その一方でハズレもいて、サーフ・パンクスやインビジブル・セックス、スカフィッシュとかいう俺もよく知らないバンドたちは衣装のギミックに頼っててなんかダメ。クラウス・ノミなんかは衣装も演奏もバッチリ決まってるんですが。 あと意外だったのはXTCのアンディ・パート
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「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」鑑賞
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「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」鑑賞

やっと観た。面白れー!ゲラゲラ笑いながら観たぞ。 相変わらず小ネタが満載の展開に加え、忠犬グルミットの活躍がなんともカッコいい傑作なのであります。ドリームワークス製作ながらコテコテのイギリス映画になってるのもいいな。 ただし劇場版になって尺が長くなったため冗長に感じられるところもあったかな。そういう意味では「A CLOSE SHAVE」に優る作品ではないかもしれない。今年の後半?に公開される新作はまた30分ものになるらしいので、今から期待せずにはいられない。
「ZOO」鑑賞
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「ZOO」鑑賞

(注:今回の話はちょっとグロいよ。俺はまったくこのような趣味がないのであしからず。) 去年のサンダンスで話題になったドキュメンタリー「ZOO」を観る。これはシアトルの郊外の農場で馬とヤっちゃった結果、大腸が破れて内出血により死亡した男性を中心に、動物との性愛行為に励む人々の姿を追ったもので、題名の「ZOO」というのも動物園のことではなく動物への愛を意味する「Zoophilia」からとられている。詳しくはこちらの記事をどうぞ。 テーマはドギツいが内容は別にゲテモノ趣味に走っているわけではなく、動物を純粋に愛の対象としてとらえる人々(出てくるのはみんな男性)を紹介するものになっており、グロテスクな映像なども登場せず、死んだ男性の仲間だった人たちのインタビューを中心に構成された作品となっている。役者を使って当時の状況などを再現するスタイルをとっていて、この手法をとるドキュメンタリーって俺は好きじゃないんだが、さすがに関係者の顔や実名を晒すわけにはいかないから仕方ないか。以前までは田舎の農場でそれぞれ行為に耽っていた人々(オヤジが多い)が、2000年代になってインターネットが普及したことにより
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「スキャナー・ダークリー」鑑賞

やっと観た。なかなか良い出来の作品。ただしアニメ化したことが100パーセント正解かというとそうでもない気もするわけで、70年代のチープなSF映画の雰囲気(「THX1138」とか「スキャナーズ」とか)で映像化されたものも観てみたかった気がする。 あと主人公のボブ・アークターって、ずっと前に原作を読んだときは本来は麻薬の売人で、捜査をかわすために麻薬捜査官になったのかと思ってたけど、そうじゃなくて逆に捜査官がおとり捜査のために売人に扮していた、というのが正しいの?どこで読み間違えたんだろう。
「ディボース・ショウ」鑑賞
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「ディボース・ショウ」鑑賞

コーエン兄弟の「ディボース・ショウ」を鑑賞。 これで「ノーカントリー」以外の彼らの作品はみんな観たことになるな。一般的には評価の低い作品だけど、何気にけっこう楽しめる作品だった。黄金時代のハリウッドのコメディを彷彿とさせる展開に加え、役者たちもリラックスしたノリで話が進んでいってなかなか面白い。最後の殺し屋のプロットだけが変だったかな。自分への殺し屋を雇うような奴と結婚したいと思うかあ?それでも「レディキラーズ」や「未来は今」よりも面白い佳作。 コーエン兄弟は「ノーカントリー」でノワール系に戻ってしまったけど、今後もこの路線でまたコメディ映画を作って欲しいな、と思わせてくれるだけの出来だった。
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「FITNA」鑑賞
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「FITNA」鑑賞

日本じゃあまり話題になってないが、世界的には大論争を引き起こしているオランダ製の反イスラム映画「FITNA」を観る。最初にネット上で公開したサイトはイスラム諸国の抗議によりすぐさま公開を中止したものの、例によってGoogle VideoやYoutubeで視聴可能になってしまった。 内容は16分ほどの短い作品で、コーランの「アッラーの敵,あなたがたの敵に恐怖を与えなさい」などといった文章を引用しながら、911テロやイスラム系テロリストなどのショッキングな映像を重ね合わせてイスラムの脅威を強調し、最後にオランダにおけるイスラム教徒の増加のデータなどを示して、観る人にイスラムへの恐怖を植え付けようとするものになっている。 で、まあ、作った人の意図することはよく分かるんだけど、なんか出来がよくないのよ。コーランに限らず聖書でもタルムードでも、扇動的な文章を抜き出して狂信的な原理主義者の映像を重ねてしまえばこれくらいの作品はできてしまうし、編集の出来とかも大学生レベル。FOXニュースのほうがずっとましなプロパガンダ作ってまっせ。保守系新聞のワシントン・タイムズさえも「大した内容じゃない」と批評し
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「The Mindscape of Alan Moore」鑑賞
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「The Mindscape of Alan Moore」鑑賞

こないだ「AVクラブ」でもその経歴が詳しく紹介されたアメコミ界の異端児、アラン・ムーアに関するドキュメンタリー「The Mindscape of Alan Moore」を観た。 ノーザンプトンの貧しい地区で生まれ育ち、現実からの逃避の術としてアメリカの・コミックに夢中になったムーアは、学校から追い出されたあとコミック作家になることを決意し、「2000AD」誌で作品を執筆するようになる。そしてDCコミックスにスカウトされて「スワンプ・シング」でアメリカデビューを果たし、代表作「ウォッチメン」を完成させることになる。これに合わせてムーアのスーパーヒーローやファシズムに関する考えが彼自身によって語られていくわけだが、実はコミックについていろいろ語られるのはドキュメンタリーの途中までで、後半は例によって異様にディープな魔法の概念が語られる展開になっていく。 ムーアによると魔法というのはつまり「アート」であり、言葉や絵などを用いて人の意識に変化をもたらすものなんだそうな。そこから人の意識について焦点があてられ、「シェルドレイクの仮説」に象徴されるような、人の意識が共有される次元についての解説がさ
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「The King of Kong:A Fistful of Quarters」鑑賞
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「The King of Kong:A Fistful of Quarters」鑑賞

こないだのアカデミー賞ではノミネートさえされなかったものの、2007年最高のドキュメンタリーとの呼び名も高い作品「The King of Kong:A Fistful of Quarters」を観た。 これは「パックマン」や「ギャラガ」といった80年代のアーケードゲームでハイスコアを競い合う人々の世界を追ったドキュメンタリーで、そのなかでも「ドンキー・コング」の歴代記録をめぐって戦うビリー・ミッチェルとスティブ・ウィービーという2人のプレーヤーを中心に話は進んでいく。 ビリー・ミッチェルは80年代初頭から数々のアーケードゲームを制覇し、「ライフ」誌にも取り上げられ、1999年には「パックマン」のパーフェクトスコアを獲得して、「20世紀最高のゲームプレーヤー」としてナムコの会長である中村雅哉からも表彰された伝説のゲームプレーヤー。彼が1982年に出した87万点という「ドンキー・コング」のスコアは前人未到の最高得点であり、ビリーは長らく他のプレーヤーたちの尊敬の対象となっていた。 ところがある日、ビリーの記録を破ったという男が現われる。彼の名はスティーブ・ウィービー。中学校の化学教師で家
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「Justice League The New Frontier」鑑賞
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「Justice League The New Frontier」鑑賞

観たぞ。非常に良い出来。 まず最初にこの「New Frontier」について簡単に説明させてもらうと、カナダ出身のライター/アーティストであるダーウィン・クックのミニ・シリーズ・コミック「DC: the New Frontier」を原作としたアニメで、原作は1950〜60年代を舞台に、いわゆるシルバー・エイジのスーパーヒーローたちの登場と、太古から存在する邪悪な存在と戦うために力を合わせる彼らの姿を描いた大傑作コミックなのであります。冷戦や核戦争の脅威、市民権運動といったあの時代のパラノイアを背景に、政府の圧力や自らの持つ力に戸惑いながらも正義のために活躍するヒーローたちが非常に巧みに描かれており、スーパーヒーロー・コミックの原点をきちんと表現することに成功した作品だと言えるだろう。 それが今回ダーウィン・クック自身もスタッフに加わってDVDムービー化されたわけですが、非常に原作に忠実な出来になっていて、コミックのファンも十分満足できる内容になっている。絵柄はコミックに比べてキャラクターの線がやや尖っている気もするものの、コミックのデザインをそのまま踏襲したものになっている。製作にはブ
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「赤い影」鑑賞
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「赤い影」鑑賞

こないだアカデミー主演女優賞を惜しくも逃したジュリー・クリスティーのおっぱいが拝める映画「赤い影」を観る(いや、別にそれが目当てではなかったのですが)。 「地球に落ちて来た男」や「マリリンとアインシュタイン」のニコラス・ローグ監督によるスリラー/ホラーで、幼い娘が川で溺死してしまった夫婦が、気分転換と仕事を兼ねてイギリスからヴェニスに移ってくる。そこで彼らは2人の老姉妹に出会うが、そのうちの1人は強い霊感を持った盲目の女性だった。彼女を通して死んだ娘と話すことができると信じるこむ妻。夫のほうは当初そんな話を信用しないものの、やがて彼の周りに奇妙な出来事が起きるようになる…。というのが大まかな話。この夫婦の妻を演じるのがジュリー・クリスティーで、夫はドナルド・サザーランドが演じている。やはりキーファーよりもドナルドだよな。顔の濃さが全然違う。 撮影監督出身のローグによる作品だけあって、物語のあちこちに象徴的なイメージや、話の手がかりになるような映像が散りばめてあるのが見事。場面の切り替わりの表現や、鏡の使い方なども非常に印象的なものになっていて、これらの映像が話の不気味さを何倍にも醸し出
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「007 カジノ・ロワイヤル」鑑賞
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「007 カジノ・ロワイヤル」鑑賞

何気にボンド映画はすべて観ているのであります。フランチャイズをうまく再始動させたということで巷では高い評価を得ているようだけど、これそんなに面白い作品かあ? 結局のところ007って高級車を乗り回して美人のおねーちゃんたちをはべらせつつ、世界をまたにかけた活劇を繰り広げる男という、世俗のサラリーマンなら誰もが憧れることを具現化した存在であって、それが変に人間臭くなっても嬉しくないと思うんだが。確かに後期のブロスナン作品は007が単なるカリカチュアに成り果てていたし、アクション映画になりすぎてランボーよろしくマシンガンをぶっ放す姿は興ざめだったが、それから離れて原点に戻るにしても、ボンドをボンドたらしめていたものを変に取り外してしまうのはどうかと。単に俺の考えが古いだけなのかな。観てて不満に感じた点をざっと挙げると: ・ボンドが弱い ・ル・シッフルがさらに弱い ・ボンド・ガールが最後にXXXしてしまう ・スパイ・ガジェットが殆どない ・ボンドのウィットに富んだセリフがない ・マニーペニーがいない などなど。まあ保守的なファンの不満ですかね。あとボンドガールに本気で恋してMI6を辞めようとす
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「断絶」鑑賞
映画評

「断絶」鑑賞

アメリカン・ニューシネマの隠れた名作として知られる(らしい)、モンテ・ヘルマン監督の「断絶」(1971)を鑑賞。 物語としての情報を、最低限のもの以外は徹底的に切り落とした虚無的なロードムービーで、登場人物たちにも名前が与えられておらず、クレジット上ではただ「運転手」とか「メカニック」などと表記されるのみ。彼らの経歴や年齢などについても一切説明はなく、ただロードレース、および路上を走ることだけにとりつかれた男たちの姿を追っている。英語でいえば「zen-like」な作品ということになるのかな。 運転手とメカニックが東海岸を目指してチューンアップしたシェビーを走らせ、途中で家出少女を乗せてやり、それからウォーレン・オーツ演じるGTO乗り(その名もずばり「GTO」!)とお互いの車を賭けてワシントンDCまでのレースをするというプロットはあるんだが、じゃあ血湧き肉踊るレースが展開されるのかというとそうでもなく、両者(両車?)のあいだには微妙な仲間意識が生じて互いに手を貸してやるようなことになったりもする。要するに運転手もGTOも路上を走ることにだけ生き甲斐を感じており、レースはその一環でしかない
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「レディキラーズ」鑑賞
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「レディキラーズ」鑑賞

「ノーカントリー」の前にコーエン兄弟の映画を全部観とこうかとおもって、とりあえずまず「レディキラーズ」から片付けることにする。 そもそもバリー・ソネンフェルドが監督する予定だったというだけあって、別にコーエン兄弟がやんなくてもよかったじゃん、という感の否めない作品。まあ悪い映画じゃないんだが。教会のゴスペルのシーンなんかは「オー・ブラザー!」を彷彿させるところがあるものの、別に話にそんな関係があるわけでもなし、コーエン兄弟にしては全体の出来がメインストリーム的すぎるのではないかと。彼らの他の作品にある、どこかちょっとヒネくれた感じがないんだよな。泥棒たちも自らのヘマで勝手に次々と墓穴を掘っていくので、ストーリーの起伏に乏しくかなり先が読める展開になってしまっているのは残念。 トム・ハンクスの演技は可も不可もなし。尤もこの人の演技が巧いと思ったことは1度もありませんが。むしろ彼の部下を演じるマーロン・ウェイアンズの演技のほうが優れてたかと。あの人は「レクイエム・フォー・ドリーム」でも迫真の演技を見せてくれたわけで、いいかげん他の兄弟たちと手を切って、もうちょっとハクのある映画に出ればいい
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「バルカン超特急」鑑賞
映画評

「バルカン超特急」鑑賞

最近の駄作より往年の名作、ということでヒッチコックの「バルカン超特急」(1938)を鑑賞。 いや実に素晴らしい。90分ちょっとの長さにサスペンスやコメディやロマンスががぎっしり詰まっていて、「娯楽作」という言葉がぴったりの作品。「列車の中で失踪した婦人」というプロットを軸に、限られたスペースのなかで展開していく物語は今観ても十分にスリルが味わえる。むしろ最近の映画よりもずっとセリフがウィットに富んでいて、いかに最近の映画がバカ向けに作られてるかがよく分かる。冒頭のホテルにおける各キャラクターの紹介も巧い。そして主演のマーガレット・ロックウッドの美しいこと!心優しいアメリカのお嬢さん、という役が本当に似合っている。何度でも繰り返し書くが、ああいう女優はハリウッドでは絶滅してしまいましたね。最近のリハブなセレブたちが絶対に出せない雰囲気を醸し出してるのでありますよ。 このように手堅いプロットを誇る傑作だが、ラストの「乗客に銃をつきつける男」がどこに行ってしまったのかはよく分かんなかった。彼が急にいなくなったのはネット上でもいろいろ推測されてるらしい。まあいいや。ちなみに邦題の「バルカン」も
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「ブラザーズ・グリム」鑑賞
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「ブラザーズ・グリム」鑑賞

ヒース・レジャーの追悼記念…というよりもテリー・ギリアムの作品を全部観るという目的で「ブラザーズ・グリム」を観た。 思ってたよりもいい映画。やはりギリアムには中世(近世?)ヨーロッパがよく似合う。「ジャバーウォッキー」と「バロン」あたりの雰囲気を持った、ある意味ギリアムにとっての原点回帰的な作品じゃないかと。ジョナサン・プライスも出てるし。童話の引用を散りばめながら進んでいく話はテンポがよくて飽きがこない。2005年の作品にしてはCGIがかなりお粗末な気がするけど、ワインシュタイン兄弟に予算をケチられたのか? ちなみにヒース・レジャーの出演作をちゃんと観たのはこれが最初なんだけど。それなりにいい演技ができる人じゃん。単なるイケメン俳優というイメージを抱いていたもので。逆にいつもは芸達者なはずのマット・デイモンがおとなしかったかな。 同時期に製作された「タイドランド」よりもずっと面白い作品。
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「ブリタニア・ホスピタル」鑑賞
映画評

「ブリタニア・ホスピタル」鑑賞

「if もしも‥‥」そしてこないだ観た「オー!ラッキーマン」に続く、リンゼイ・アンダーソン&マルコム・マクダウェルのコンビによるミック・トラヴィス3部作の完結編「ブリタニア・ホスピタル」を観た。もっとも今回のトラヴィスは脇役的存在であり、特に主人公のいない群像劇になっている。 舞台となるのはイギリスの大病院ブリタニア・ホスピタル。建築500周年を迎えたこの病院はイギリスの上流階級ばかりかアフリカの独裁者も滞在するような由緒ある施設だったが、スタッフのストライキによってその機能はマヒする寸前だった。おまけに病院の外には独裁者に対するデモ隊が集まり、一発即発の不穏な雰囲気が漂っていた。その一方で病院の幹部たちは皇族の来訪を控えて準備に大忙し。そんななかテレビ局のジャーナリストとなったミック・トラヴィスは、病院内で実際に何が起きているのかを探るために、小型カメラを抱えて設備に侵入するが、そこで彼が目にしたものは…。というのが話のものすごく大まかなプロット。 病院をイギリス社会の縮図としてとらえ、上層部の緩慢、医者の虚栄、メディアの偽善、不平ばかりたれる労働者、そして飾りでしかない皇族などを辛
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「FAY GRIM」鑑賞
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「FAY GRIM」鑑賞

「ヘンリー・フール」の続編「FAY GRIM」を観た。ハル・ハートリーの映画を観るのは「ヘンリー」以来だから10年ぶりくらいか。名ばかりの続編かと思ったらかなり話が直結してたので、記憶の片隅をほじくり返しながら観るはめになったぞ。ハートリーの作品といえばニューヨークを舞台にした、日常生活の描写が特徴的なドラマという印象が強かったけど、なんと今回は世界をまたにかけたスパイ・スリラーになっていて、ベルリンやイスタンブールでロケをしたそれなりの大作になっている。ビデオ撮りなのが少し残念だが。 ヘンリー・フールの失踪後、彼とのあいだにできた息子との生活に追われるフェイ・グリムが物語の主人公。ある日彼女のもとにCIAのエージェントが現れ、意外な事実を突きつける。実はヘンリーは世界中で暗躍した特殊エージェントであり、駄文が書き連ねられていると思われていた彼の手記には、世界各国の機密情報が暗号で記されているというのだ。手記の入手を命じられたフェイはヘンリーとの再会を望んでパリに向かうものの、そこで彼女を待ち受けていたのは数々の策略と陰謀だった…。というのが大まかなストーリー。フェイ役のパーカー・ポー
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「SONIC OUTLAWS」鑑賞
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「SONIC OUTLAWS」鑑賞

ここ数年で日本でも活発に論議されるようになった、知的著作権やフェアユースについてアーティストの側から語られたドキュメンタリー「SONIC OUTLAWS」を観る。 U2の曲を勝手にサンプリングして彼らに訴えられていた頃のネガティヴランドを中心に、音源を切り刻んでコラージュする人やビルボードの宣伝を書き換える人、海賊ラジオを放送する人といった様々なアーティストの活動と作品が紹介され、著作権に対する彼らの考えが述べられていく。以前にビデオクリップを紹介したEBN(Emergency Broadcast Network)や、イエス・メンの前身であるバービー解放戦線も出てくるぞ(みんな顔つきがヤバい人に見えるのは気のせいか?)。彼らの行う音や映像のコラージュはバロウズにならってカット・アップと呼ばれているが、今だとマッシュ・アップと言うのかな。作品自体がコラージュ的というか実験映画的な作りになっているので、話の流れが直線的でなくやや分かりづらい(見づらい)点があるのは仕方ないか。 1995年の作品ということで扱っている情報は古いものの、当時のフェアユースに対する概念がうかがえるのも興味深い。「
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「オー! ラッキーマン」鑑賞
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「オー! ラッキーマン」鑑賞

「If もしも....」に続いてリンゼイ・アンダーソンとマルコム・マクダウェルがコンビを組んだカルト的作品「オー! ラッキーマン」を観た。マクダウェルが演じる主人公の名前は「If もしも....」と同じマイケル・トラヴィスだが、続編というわけではない。 あの当時のイギリス映画独特の、真っ黒けっけなユーモアがぎっしり詰められていて非常に楽しい作品。コーヒー豆のセールスマンとしてイギリス北部に派遣された主人公が、下宿の女将に誘惑されたり、軍につかまって拷問されたり、病院で人体実験をされかけたりとシュールかつ無茶苦茶な目にあいつつ世の中の摂理を理解していく、というのが主なストーリー。同時にイギリスの警察や裁判官や金持ちの実の姿を痛烈に風刺した内容になっている。3時間近い長尺だが、話の展開が異様に早いので観てて飽きることがない。元アニマルズのアラン・プライスが狂言回しとして随所に登場し、歌を披露するのも話にいいテンポを与えている。 これはマクダウェルが「時計じかけのオレンジ」のすぐあとに出演した作品らしいが、この頃の彼の雰囲気って凄いですね。ハンサムでもないし愛嬌があるわけでもないんだけど妙に
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「RESCUE DAWN」鑑賞
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「RESCUE DAWN」鑑賞

ヴェルナー・ヘルツォークの久々の非ドキュメンタリー作品「RESCUE DAWN」を観た。これは以前に取り上げた、ヘルツォーク自身によるドキュメンタリー「Little Dieter Needs To Fly」をドラマ化したもので、飛行機に憧れてドイツからアメリカに渡り、空軍のパイロットとなったディーター・デングラーの姿を描いている。 ベトナム戦争に派遣されたディーターは操縦する戦闘機を撃墜され、北ベトナム軍に捕獲されてしまう。彼は拷問を受けたあとに他のアメリカ兵が収容されている捕虜収容所に移されるが、そこの過酷な状況にも耐えて収容所からの脱出を計画する…というのが主な内容。最初の10分くらいで戦闘機が撃墜される展開はかなり急だったが、そのあとは収容所における極限の生活と、逃亡後のジャングルでのサバイバルの姿がじっくり描かれている。ヘルツォーク作品の常として自然の描写はかなり見事。ベトナムではなくタイで撮影されたものらしいが、ジャングルや岩山の光景は非常に美しい。ただし主人公が「陽気でいい人」ということもあって、ヘルツォークの昔の作品に比べてかなり話が凡庸な気がしなくもない。やはりクラキン
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「ブレードランナー」ファイナルカット版を観て

以前にも書きましたが、やはり俺としてはデッカードがレプリカントだという設定は好きになれんのよ。今回ファイナルカット版を観ていてつくづく思ったが、この作品のテーマは人間とレプリカントの対比にあるはずなわけで、デッカードとレイチェルの関係も人種(?)を超えた愛であり、おまけに彼女はあと数年で命尽きるという悲劇的な内容なわけですよ。そして人間によって作り出されたレプリカントがもはや肉体的にも知性的にも人間を超えた存在となり、しまいには生命を尊重するという感情さえも備えてしまったことを、狩る者から狩られる者になったデッカードが最後に悟るわけだよね。 これがもし「デッカードはレプリカントだった!」ということになるのなら、単に「同類相哀れんでいる」というだけで作品のテーマがえらく希薄になってしまうと思うんだが、どうだろう。確かにユニコーンを使った最後のタネ明かしの演出は素晴らしいけどさ。例えば「シックス・センス」なんかでは主人公が××だった、と明かされたことでそれまでの伏線が一気に解決されたけど、この作品ではデッカードがレプリカントだと明かされても、それまでの展開が変に複雑なものになるだけだし、
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「Star Trek: Of Gods and Men」鑑賞
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「Star Trek: Of Gods and Men」鑑賞

「Star Trek: Of Gods and Men」なる「スター・トレック」のアマチュア・ムービーがネット上で公開されていた。3パートあるうちのパート1だとか。こないだの「World Enough and Time」はスールーことジョージ・タケイが出演していて話題になったが、今回はウォルター・ケーニッグにニッシェル・ニコルズ、イーサン・フィリップス、ギャレット・ワン、チェイス・マスターソンにシロック・ロフトンなどなど、かつてST関連のシリーズに出ていた役者が勢揃いで、監督もトゥヴォクことティム・ラスが担当している。ここまでくるとアマチュア・ムービーではなくて半分プロ作品だな。役者たちがファンの期待に応えて出演したとみるか、仕事がなくてヒマだったので小銭稼ぎに出演したとみるか、判断はおまかせします。 最近のSTのアマチュア・ムービーは「SFX一流、演技二流」だと以前にも書いた気がするが、じゃあ今回はプロの役者が出てるから演技が一流かというと…。みんな老けたなあ…という感じ。全体的に演出がなんか間延びしてるんだよね。SFXも「Star Wreck:
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「THIS IS ENGLAND」鑑賞
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「THIS IS ENGLAND」鑑賞

日本じゃ殆ど無名の存在だが、イギリスで注目されている映画監督にシェーン・メドウスという監督がいて、派手なアクションとかCGIとは無縁の、ミッドランズ地方を舞台にした社会派作品をコツコツと作っている職人肌の監督なのであります。第2のケン・ローチになる存在じゃないかな。そんな彼の自伝的映画「THIS IS ENGLAND」がアメリカでも高い評価を受けていたのでさっそく観てみる。 舞台は1983年のイギリス。12歳の少年ショーンは父親をフォークランド紛争で亡くし、学校では友達ができずにいじめられる毎日だった。そんな彼はふとしたことからスキンヘッズの若者たちと友達になり、彼らの一員となって楽しく遊ぶようになる。しかしある日、彼らのリーダーだったコンボという男が刑務所から帰ってきた。刑務所でナショナル・フロント(イギリス国民戦線)の極右思想に感化された彼は、積極的に移民の排斥活動を行おうとしてショーンたちのグループを二分してしまう。コンボの側についたショーンは、自らも人種差別や犯罪活動に手を染めていくことになる…。というのが主なプロット。 俺もちょうどこの頃イギリスに住んでいたけど、あの当時の独
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