映画評

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「ハッスル&フロウ」鑑賞

AintItCoolとかで高い評価を得ている「ハッスル&フロウ」のDVDをレンタルして観る。 話の展開自体は決して斬新なものではないけれど、転職に命をかける中間管理職のごとく、音楽で有名になって底辺での生活から抜け出そうとする主人公(テレンス・ハワード)がメンフィスのポン引きだってところがミソ。高級なマイクを手に入れるためには自分とこの娼婦に売春を強要するようなダメ男でありつつも、私欲というよりも執念に駆り立てられて運をつかもうとする姿がカッコいい。男の映画っすね。 ボロい家の一室を改造して作ったスタジオでのレコーディング風景も秀逸で、ヒップホップ映画としては「8マイル」よりも面白いかも。俺はギャングスタ・ラップって嫌いなんだけど(オールド・スクールは好き)、「♪ポン引き稼業も楽じゃねえ♪」という異様にキャッチーなテーマ曲(アカデミー賞受賞)にはのせられていまう。一時は第2のマーティン・ローレンスになるかと思われた(ケナし言葉だよ)アンソニー・アンダーソンも、プロデューサーの役を真面目に演じていていい感じ。アイザック・ヘイズもチョイ役を相変わらず渋く演じている。 ちなみに前から
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「サイエンス・オブ・スリープ」鑑賞

ミシェル・ゴンドリーの新作「The Science of Sleep」がDVDで発売されたので早速鑑賞。 うわっはっはっは。なんかえらく笑える作品だった。 父を亡くしてメキシコから母の住むパリへと移ってきたステファンは芸術家志望の青年。新しい職場での退屈な作業には失望するものの、アパートの隣に住む音楽家志望のステファニー(シャルロット・ゲンスブール)に惹かれていくようになり、そこから彼の現実と夢の境界があいまいになっていく…というのが話の大まかなプロット。夢見がちな青年が同じアパートの女性に恋慕して妄想を抱く、という意味では「めぞん一刻」に通じるものがあるのかな。 とにかくステファンの夢のシーンが秀逸で、最先端のCGなんかには頼らずに逆まわしやストップモーションを多用したチープな特撮(ゴンドリーが監督したドナルド・フェイゲンの「snowbound」のPVに似てる)が実に味があっていい。段ボールでできた撮影スタジオとかハリボテの町並みとか、こういうのはアイデアの勝利だよね。1秒間だけ過去や未来に行けるタイムマシンなんてのも非常に面白い。この夢のシーンの滑稽さはとても文章では書き表
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「Invincible Iron Man」鑑賞

「Ultimate Avengers」「Ultimate Avengers 2」に続く、マーヴェル&ライオンズゲートのDVDムービー第3弾「Invincible Iron Man」を観る。前2作がけっこうダメダメだったんで、三度目の正直を期待してたんだが…。 やっぱりダメ。三球三振。 やはりストーリーの盛り上がりのなさが致命的な欠点になっている。CGによってキャラクターの動きはそこそこ凝ったものになっているものの、大規模な戦闘シーンとかがあってもひどく単調なもので、なんだかお約束として入れているような感じが否めない。戦闘シーン以外でも登場人物の性格描写がえらく典型的で、観ている人の心をつかむようなところがないんだよね。マーヴェルのキャラクターはDCのものに比べてアンチヒーローが多いから、正々堂々としたヒーローという描写がしにくいということは以前にも書いたけど、だからって主人公がウジウジと悩んでいるのをずっと観せられても楽しくないのですよ。 それと非常に個人的な好みから問題点を挙げると: ●「Ultimate Avengers」と今回のトニー・スタークが同一人物なのかどうか分かり
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「THE WHITE DIAMOND」鑑賞

ヴェルナー・ヘルツォークの2004年のドキュメンタリー「THE WHITE DIAMOND」を観る。 これは小型の飛行船を使って、ガイアナの熱帯雨林を上部から撮影しようとする航空技師グラハム・ドリントン博士の努力を追ったもので、子供の頃にロケットの爆発で指を失いながらも航空技術没頭するドリントンの姿と、熱帯雨林という舞台は「アギーレ」や「フィッツカラルド」を彷彿させる。あと「WILD BLUE YONDER」と同じくErnst Reijsegerの音楽が多用されている。またヘルツォークの他のドキュメンタリー「Little Dieter needs to Fly」の主人公であるディーター・デングラーが別の小型飛行船を使って撮影中に転落死するのをドリントンは目撃しており、その事故の暗い影が作品を覆っているのが特徴的だ。 肝心の撮影飛行は必ずしもスペクタクルなものではないものの、トラブルにもめげず夢を叶えようとするドリントンの姿や、ガイアナの信じられないくらいに巨大な滝、および熱帯雨林の動物たちの光景は非常に見応えがある。危険が伴う最初の飛行にも、ヘルツォークは自らカメラを抱えて乗り込
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「IDIOCRACY」鑑賞

やあみんな!「IDIOCRACY(イディオクラシー)」っていう映画を知ってるかい?知ってる君は、俺みたいに海外の映画サイトをウロついてるオタクだね!ちょっとは外に出て遊ぼうぜ!…という哀しい冗談はさておき、去年ほとんど誰も観れなかった幻の映画「IDIOCRACY」を観た。 これは「ビーバス&バットヘッド」や「キング・オブ・ザ・ヒル」といったアニメで知られるマイク・ジャッジが、異様なカルト人気を誇る作品「リストラ・マン」に続いて監督した実写映画。なんで去これが幻の映画かというと、いちおう劇場公開はされたものの配給会社のフォックスがいっさい何の宣伝もせず、トレーラーさえも作らずに(!)ごくごく少数の映画館で短期間公開してすぐに打ち切ってしまった、えらく不運な映画なのだ。なんでフォックスがこんな仕打ちをしたのかについては後で述べるが、まかりなりにもマイク・ジャッジはエミー賞受賞作の「キング〜」や「リストラ・マン」でフォックスにそれなりの利益をもたらしてるわけで、それをあんな露骨に邪険にするなんていくらなんでも非道いよなあ。 まあ単に「映画の出来が悪いから打ち切られた」という可能性も考え
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「SF巨大生物の島」鑑賞

レイ・ハリーハウゼン大先生が特殊効果を担当なされた「SF巨大生物の島」を観た。 いちおう原作はジュール・ベルヌの「神秘の島」なんだけど、邦題のごとく巨大生物が登場しまくって原作とはかなり内容のことなるものとなっていた。でもハリーハウゼン先生にはやはりダイナメーションで怪物をグリグリ動かしてもらわないと、ねえ。その肝心の巨大生物だけど、カニ(本物の殻を使ったらしい)やハチ、タコ、やけに色のハデなニワトリなど日常生活でみかける動物ばっかなので「アルゴ探検隊の大冒険」や「タイタンの戦い」に出てくる神話上の怪物たちに比べてインパクトは弱いものの、それでも精一杯動いて話を盛り上げてくれる。巨大カニが温泉に落ちてカニ料理になる、なんてお茶目な展開があるのもまたよし。 無人島に漂着した主人公たちがやけに気楽な暮らしをしてるように見えてしまうものの、要所要所にセンス・オブ・ワンダーを醸し出す演出がしてあって、観る人を飽きさせない。「LOST」なんかよりも面白いんじゃない?ネモ船長の初登場時のコスプレ(背中に巨大な巻貝を背負っている)はあまりにもマヌケすぎて笑ったけど。 特殊効果は確かに現在のも
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「ニーベルンゲン~クリームヒルトの復讐」鑑賞

巨匠フリッツ・ラングが1924年に公開した「ニーベルンゲン」2部作の後編「ニーベルンゲン~クリームヒルトの復讐」を観た。第1部の「ジークフリート」は5年くらい前に観たのかな。120分を超えるバージョンもあるらしいけど、俺が観たのは90分ちょっとのものだった。 俺は前から神話とか民間伝承が大好きで、現代の偽善的な「政治的に正しい」平等主義などお構いなしに、人間(もしくは神々)のあざとさとかえげつなさが意外と露骨に描き出されているところに魅力を感じるのです。例えば日本神話の国産みの話だって、女(イザナミ)のほうが男(イザナギ)よりも性行為に積極的だったからという理由で障害児(ヒルコ)が産まれ、仕方ないから船に乗せて流して捨てたという実に差別的なものであるわけで、別に俺は差別を助長する気はないけど、このように現代社会では明らかにタブーとされている内容に逆に新鮮味を感じてしまうわけだ。 そしてこのドイツの民間伝承(叙事詩)である「ニーベルンゲン」も本で読んだときは大きな衝撃を受けたっけ。ワグナーの「指輪」のような耽美的でナヨナヨとしたものとは違い、文字通り血で血を洗う争いが繰り広げられる
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「コブラ・ヴェルデ」鑑賞

ヴェルナー・ヘルツォークが気違い男クラウス・キンスキーと最後に組んだ作品「コブラ・ヴェルデ」を観る。 ブラジルで山賊をやっていた主人公コブラ・ヴェルデはその腕を見込まれサトウキビのプランテーションの管理役をまかされるのだが、やがて農場主たちの奸計によってアフリカへと派遣される。そこで彼は地元民たちの信頼を得て奴隷商売を成功させるのだが、やがてその国の王に目をつけられることになり…というのが大まかなストーリー。 ブラジルでの公開ムチ打ちからアフリカの王の儀式まで、なんかモンド趣味が満開の映画になっていた。奴隷やら女戦士やら障害者やらがとんでもない数で出てきて、もうお腹いっぱいといった感じ。公開は1987年と比較的最近の映画だけど、こんなのいま作ったら差別的だって非難されるよなあ。でも単なるゲテモノ映画になっておらず、ちゃんと荘厳な雰囲気の作品になっているのは監督の手腕か。ヘルツォークの風景描写の技量はハンパじゃないですからね。CGなぞ使ってない大群のシーンにも圧倒される。ちなみに音楽は例によってポポル・ヴーが担当してた。 キンスキーが自ら運命を切り開くようなタイプの人間でなく、周
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「スカーフェイス」鑑賞
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「スカーフェイス」鑑賞

こないだ「COCAINE COWBOYS」を観たからというわけでもないんだが、まだ観たことがなかった「スカーフェイス」を鑑賞する。なんか登場人物の服装とか見てると、80年代は遠くになりけり、としみじみと思ってしまう。あの当時のファッションとか音楽とかってカッコ悪かったなあ。 キューバ難民の事情とかを背景に、一介のチンピラが大物に成り上がっていく描写は決して悪くないものの、アル・パチーノはこれと似たことを「ゴッドファーザー」でずっと上手く演じているわけで、何か全体的に古くさいというか、話が典型的すぎてる気がするのは否めない。まあこの作品をパクった映画が多いので新鮮味がなくなっただけ、という見方もできるんだが。 とにかく主人公が基本的にアホなので、マイケル・コルレオーネなんかと違って観てても感情移入できないんだよね。これはギャングスタ・ラッパーたちに評判が高いことで知られる作品だけど、やはりアホ同士で共感できるところがあんのかな。決して悪い映画ではないんだが、俺の好きなタイプの作品ではなかったと思う。
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「リトル・ミス・サンシャイン」鑑賞
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「リトル・ミス・サンシャイン」鑑賞

「リトル・ミス・サンシャイン」を観てきた。「AVクラブ」のレビューでは肯定的なものと否定的なものの両方があったので、あまり期待せずに観たんだが…。 うーん、なんか惜しい映画。それぞれ悩みを抱えた家族のメンバーが、娘の美少女コンテスト参加のためにバンに乗って旅をするうちに、自分たちがそれまで持っていた価値観よりも大切なものがこの世にあることに気づく…というのが、まあものすごく大まかな話の流れであるんだけど、各人が持っている悩みというか価値観というのが「自己啓発の本が売れない」とか「ゲイの恋人にふられた」とかという、なんかとってもアメリカンなもので、いまいち共感できるところがないんだよね。 そもそも物語の発端となった美少女コンテストだって、プラスチック製の人形のような女の子が大人にわざとらしく愛嬌をふりまくという非常におぞましいものであって(ジョンベネちゃん殺人事件もあったし)、そんなものに娘を参加させようとした時点で「あんたらどこか変じゃないの?」と思わずにはいられないのです。あと息子が××だということが判明するシーンもあるけど、普通もっと早く日常生活で気づかないかあ? こういう映画って
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「COCAINE COWBOYS」鑑賞
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「COCAINE COWBOYS」鑑賞

1980年代前半のマイアミにおける麻薬ビジネスの闇を扱ったドキュメンタリー「COCAINE COWBOYS」を観る。 比較的警察の数が少なく、海路によって南米からのアクセスも容易だったマイアミは1970年代の後半からコカインやマリファナといった麻薬の密輸が急激に増え始め、何百キロ・何千キロといった量の麻薬がマイアミへと流れ込んでいく。これによって麻薬ビジネスに関わっていた者たち(特にコロンビアン・マフィア)には莫大な富がもたらされるものの、これと同時にマフィア同士の抗争も増加し、幼い子供を含め年に500人以上もの人が殺されるという異常事態に発展する。これを重く見たマイアミ警察は警官の大幅な増員をはかるものの「麻薬の経験がある者はお断り」という制限のおかげでろくに人が集まらない始末。警官の殺害や汚職逮捕も増加し、マイアミの事態は全国的な問題へと発展していく。そんななか、ビジネスの大半を牛耳るコロンビア人の女ボスの存在が明らかになってくる…。というのが大まかなプロット。 興味深いのは、本来ならば闇のビジネスである麻薬取引があまりにも巨額の利益を関係者にもたらしたことで、彼らを通じてナイトク
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「THE WILD BLUE YONDER」鑑賞
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「THE WILD BLUE YONDER」鑑賞

鬼才ヴェルナー・ヘルツォークの「THE WILD BLUE YONDER」を観る。いちおう冒頭のクレジットでは「SFファンタジー」だと紹介されるんだけど、従来のSFとはまるで違ったとても不思議な作品だった。 物語の主人公・語り手となるのはブラッド・ドゥーリフが演じる宇宙人。彼らはアンドロメダ星雲の彼方にある、死にゆく惑星「ワイルド・ブルー・ヨンダー」を離れて何百年も宇宙をさまよい、居住可能な惑星を探して地球に百年くらい前に到達し、地球人にまじって暮らしていたのだった。でも宇宙人だからといって超能力が使えるといったわけでもなく、彼らは外見も能力も地球人そのままで、才能があるとすれば宇宙のことをちょっと知ってるというくらいで、大都市を建設しようとするものの見事に失敗して「僕らはサイテーだ」とボヤいてる始末。 そんな間にNASAはロズウェル事件での落下物(実は宇宙人の送った探査機)を再調査するのだが、そこから正体不明の細菌が流出したことを危惧した彼らは、地球が汚染されて住めなくなる可能性を考慮して、居住可能な惑星を探す任務を一機のスペースシャトルに託す。そのあと細菌は無害であることが判明する
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「悪魔とダニエル・ジョンストン」鑑賞
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「悪魔とダニエル・ジョンストン」鑑賞

「悪魔とダニエル・ジョンストン」を観た。 なんかすごく痛々しいドキュメンタリー。雰囲気的には、あの大傑作ドキュメンタリー「クラム」のミュージシャン版といった感じなんだが、あちらは主人公の兄弟が精神病スレスレだったのに対し、こちらは主人公が実際に精神病ということでさらに痛々しい。 アメリカの片田舎の、絵に描いたように平和そうで敬虔なキリスト教徒の家庭に育ったダニエルが、音楽やマンガに興味を持ち始めて芸術的才能を開花させていき、それで有名になっていくのと同時に現実世界との接点が少しずつズレていき、だんだん言動がヤバくなっていくさまはそこらのホラー映画なんかよりもずっと怖い。そしてミュージシャン仲間にもらったドラッグによって精神の崩壊は加速するわけだが、彼を助けようとする周囲の人々と、発作によって暴走を繰り返す彼の騒動の繰り返しは言っちゃ悪いがものすごくシュールなところまで到達してしまっている。 例えばソニック・ユースのスティーブ・シェリーと仲良くなってニューヨークに来たのはいいけど発作を起こしてケンカし、家を飛び出して行方不明になっていたのをサーストン・ムーアとリー・レナルドによってニュー
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「クラークス2」鑑賞
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「クラークス2」鑑賞

ケヴィン・スミスの新作「CLERKS II」を観る。以前はちょっと否定的なことを書いたけれども、ネット上の評判が結構いいのと「30代になったサエないオタクたち」というテーマが心の琴線に響くところがあり、観てみた次第なのです。 で、まあ、確かに30超えてもロクな生活してない男たちの物語ではあるんだが、それ以前に: 下ネタ多すぎ。 同世代の女と結婚するのと17歳の学生と遊んでるのではどっちがいいかという話から"Ass To Mouth"の是非についての長い議論につながり、"Pussy Troll"の話が出てきて、しまいにはロバさんまでが登場してものすごくヤバいことになってしまうんだが、単なるオゲレツ映画と違って、これらの会話がキャラクターの設定にちゃんとつながっているのが巧いところか。 そして監督のトレードマークである「スター・ウォーズ」に関する話もちゃんと出てきて、今回は「ロード・オブ・ザ・リング」のファンとの舌戦を繰り広げてくれる。こういうポップ・カルチャーの解釈に関する大論説とかって最近の映画ではまるで見られなくなったね。タランティーノのパクリが流行ってたころはみんなやってたのに。9
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「WORDPLAY」鑑賞
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「WORDPLAY」鑑賞

アメリカのクロスワードの世界を追ったドキュメンタリー「WORDPLAY」を観る。 俺はどんなに英語を勉強してもクロスワードはまるっきり解くことができないんだが、ご存知の通り欧米では非常に根強い人気を持っていて、喫茶店なんかで額にシワをよせてクロスワードに没頭してる人の姿をよく見かけるんだよね。このドキュメンタリーではクロスワードの最高峰とされるNYタイムズのクロスワード編集者ウィル・ショーツを中心に、彼が世に送る数々のクロスワードの熱心なファンの姿と、彼が30年近く前から主催する全国大会の様子が紹介されていく。 このNYタイムズのクロスワードには有名人のファンも多くて、ビル・クリントンをはじめジョン・スチュワートやマイク・ムッシーナ、インディゴ・ガールズといった様々な分野の有名人がクロスワードについて自分の仕事と照らし合わせながら熱く語っていく。ドキュメンタリー作家のケン・バーンズにいたっては「僕は酒もタバコもコーヒーもやらないけど、NYタイムズのクロスワードだけは毎日やっている」なんて言ったりして、その熱狂ぶりが知れようというもの。 またクロスワード製作の裏側についても紹介がされ、黒
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「スーパーマン・リターンズ」鑑賞
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「スーパーマン・リターンズ」鑑賞

「スーパーマン・リターンズ」をやっと観る。今年ダントツで観たかった映画なんだけど、やっぱり1800円も払って劇場で観るというのが嫌だったので、米アマゾンでDVDを購入した次第です。でも日本でも今月DVDが発売されるんだってね。送料入れてもアメリカ版のほうが安いのがよく分からんけど。 全体的には俺の過剰なる期待を満たすほどには至ってないけど、それでも良く出来た作品といった感じ。一番の特徴としては、「バットマン・ビギンズ」がバットマンの歴史を最初から語り直していたのに対し、こちらはオープニング・シーケンスからも分かるように70〜80年代の「スーパーマン」映画の続編という設定になっているわけで、過去の作品へのオマージュがちょっと強すぎるかなあとも思う。良くも悪くも登場人物の背景説明が殆どされてないので、スーパーマンのキャラクターに詳しくない人は少なくとも「スーパーマン2」(レスター版であれ、ドナー版であれ)は前もって観といたほうがいいかもしれない。このように初心者に優しい作りにはなってない反面、シャトル事故からロイスを救出するところとか、「アクション・コミックス#1」の表紙そっくりのシーンが
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「DEALBREAKER」鑑賞

グウィネス・パルトロウがメリー・ウィッグモアなる女優と共同監督した「DEALBREAKER」という短編映画を観る。ずっと前にこれまたiTunesストアで無料ダウンロードしたやつで、まだ観てなかったのです。 なんかハリウッドで有名な女性たちが集まって作った4本の作品のうちの1つらしく、「グラマー」誌がスポンサーについてるところが実にハイソでイヤミな感じがして嫌なんだが、出来も本当にそんな感じだった。内容は30歳のニューヨーカーが今までつきあってきたダメ男の数々について語るというもので、本当にそれだけ。「やっぱり男ってダメよねー」というありきたりなエピソードが羅列されてるだけで、しかも「セックス&ザ・シティー」のパクリらしきものもあるらしい。 あと実質9分くらいの作品なのにクレジットが3分もあるんだが、製作に関わってるスタッフの多いこと多いこと。短編映画に金をかけるなとはいわないが、もっと少人数でパッパと作れなかったのかね。短くてどうでもいいシーンとかに、やけに金のかかったセットとか使ってんだもん。これって日本のアイドルが小説とか写真集だすようなもので、ハクをつけたいんだけど才能がつい
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「ウエスタン」鑑賞

風邪をひいて会社を休んだので、家でゆっくりとセルジオ・レオーネの「ウエスタン」を観る。まだ観たことがなかったのです。 3時間近い長編でありながらセリフの量が圧倒的に少なく、すべてを演出とエンニオ・モリコーネの音楽だけで語り尽くす手法は実に見事。最近はこんな映画まるで作られなくなっちゃったね。主役のチャールズ・ブロンソンが仏頂面すぎる感じがなくもないが、生涯唯一の悪役を演じるヘンリー・フォンダの憎々しくも魅力的なキャラクターと好対照をなしていて面白い。またモリコーネの音楽だけでなく、きしむ風車や汽車の蒸気などといった自然音も非常に効果的に使われており、場面の雰囲気をうまく醸し出している。レオーネ作品の効果音といえば、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の冒頭の電話の音の使い方が衝撃的だったなあ。 個人的には「続・夕日のガンマン」や「〜アメリカ」にはどうしてもかなわない作品であるものの、それでも大傑作であることには間違いないのです。
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「BRICK」鑑賞

高校を舞台にした新型のフィルム・ノワールということでカルト人気を博した低予算映画「BRICK」を観る。 大・傑・作・! すげー面白い。失踪した元彼女の行方を探そうとする主人公をはじめ、頭脳派の相棒、麻薬王、その血気盛んな手下、町のごろつき、主人公にクギを刺す警察署長(の代わりの校長先生)、そしてもちろんファム・ファタールといったノワールにつきもののキャラクターたちが登場し、謎が謎を呼ぶプロットのなかでは主人公がぶちのめされたり、好ましからざる死体が発見されたり、最後にどんでん返しが待っていたりと、これまた典型的なノワールのストーリー展開がいくつも起きるんだが、決してクリーシェだらけの話にはならず、むしろ古典的な枠組みのなかで斬新なストーリーテリングを行うことに成功しているのが素晴らしい。またストーリー展開だけでなく編集のテンポも良く出来ていて、観ているうちにどんどん話に引き込まれていく作品。 ストーリーについてはネタバレになるのであまり書かないが、あるカリフォルニアの高校のアウトサイダー的存在である主人公が、2ヶ月前に分かれた彼女から突然電話で連絡を受ける。彼女は何かにひどく怯
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「ON A CLEAR DAY」鑑賞
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「ON A CLEAR DAY」鑑賞

ケン・ローチ監督の「マイ・ネーム・イズ・ジョー」の主人公、および「マグダレンの祈り」の監督でもあるピーター・ムランが主演した作品「ON A CLEAR DAY」を観た。彼が演じる主人公のフランクはグラスゴーの工場で長らく働いていたが、ある日解雇を通告されてしまう。生きる目標を失った彼は、人生を一新させる目的としてイギリス海峡を泳ぎきろうと決意するのだった…。というのが大まかな内容。ちなみにホビット君ことビリー・ボイドが出てるでやんす。 あらすじから予想がつくかもしれないが、要するに「フル・モンティ」という柳の下にいる527匹目くらいのドジョウ。労働者階級の男たちが冗談を言い合い、励まし合いながら大きな目標に向って進んでいくというストーリーはイギリス映画界の名産物になったなあ。しかも今回は長いあいだ不仲だった息子とか、家計を助けるため健気に働く妻、主人公の姿に励まされる友人たちなど、この手の映画につきもののクリシェがたんまり入っててお腹いっぱい。でもストーリー展開は王道を行っているので先が読めるとはいえ決して心地の悪いものじゃないし、ムランの演技がしっかりしてるので観ててそれなりに楽しめ
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「アメリカを斬る」鑑賞

ニュー・アメリカン・シネマの隠れた傑作「アメリカを斬る」こと「MEDIUM COOL」を鑑賞。「警察の暴動」があったことで悪名高い1968年のシカゴ民主党大会をリアルに描いた作品である。 ロバート・フォースター(このころから渋い!)が演じる主人公はテレビ局の報道カメラマン。彼は事件性のある物語を追うためならゲットーに乗り込むことも厭わない男だったが、ふとしたことからベトナムで夫を失った子持ちの女性と知り合い、恋仲になっていく。そんなある日、彼はテレビ局が勝手に取材用の映像を警察やFBIに見せていたことを知り、激怒して上司に挑もうとするものの逆に局を解雇されてしまう。それでも彼は民主党大会を取材するために会場へ向うが、その周辺では反戦を訴えるデモ隊と警官隊が一発触発の状態になっていた…。というのが主なストーリー。 冒頭から報道関係者のモラリティが議論されたり、黒人の主張が途中で述べられたりするなど、全体的に少し説教めいた感じがしなくもないが、撮影も兼ねている監督のハスケル・ウエクスラーの映像作りが上手なので観ていて気にならない。シーンのセグエの仕方とか、小道具(ポスター)の使い方、画
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「ノミ・ソング」鑑賞
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「ノミ・ソング」鑑賞

ドイツ出身のニューウェーブ・シンガー、クラウス・ノミの生涯を追ったドキュメンタリー「ノミ・ソング」を観る。 いやもうやっぱクラウス・ノミ最高。「奇抜」とか「前衛的」といった表現が失礼に思えるくらい。従来のアートの概念を粉々にするようなパフォーマンスを、しれっとした顔でやってのけてる姿が実に衝撃的だ。俺みたいな凡人の頭を100回トンカチで叩いたって出てきそうにないコンセプトのファッションで踊り、超音波のごときファルセット・ボイスで歌う姿は、もはやこの世のものとは思えないほどに神々しい。 このドキュメンタリーでは彼の生い立ちや私生活が語られ、彼のイメージ作りに関わった人たち(コントーションズのマネージャーなんてものいたらしい)にインタビューすることによって良くも悪くもノミの「非神格化」が行われているものの、それでも彼の独創性はビクともしない。多くの人が述べているように、ニューヨークに移ってきたばかりの無名時代から彼はすでに特殊な存在であって、周囲の人はあくまでも彼に手を貸していっただけのような気がする。パイを焼くのが趣味だったとかツィステッド・シスターの前座をしたとかいう「ちょっといい話」
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「ULTIMATE AVENGERS 2」鑑賞

こないだ取り上げた「「ULTIMATE AVENGERS」の続編が早くも出たので観てみる。 すげーつまらん。 今回の話の舞台となるのは、アフリカの架空の小国ワカンダ...ということは必然的にそこの王であるブラック・パンサーが登場するわけだが、コミックのブラック・パンサーは全身黒づくめのコスチュームで顔もすっぽり隠し、非常にミステリアスかつクールな雰囲気を持っていたのに対し、アニメ版のパンサーは何か勘違いしたレスラーみたいな姿で実にカッコ悪い。そして前回と同じエイリアンたちの襲撃からアヴェンジャーズがワカンダを守ろうとするわけだが、肝心の主人公たちは相変わらずウジウジと仲違いばかりしてて実に不快。正義のために団結していた「JLU」のヒーローたちなんかとは違って、日常生活からウジウジしてる連中ばかりだから、エイリアンとかに殺されそうになっても全然感情移入できないんだよな。しかも弱いし。弓矢にやられるアイアンマンって何だよ。 キャラクター設定だけでなく全体のストーリーも貧弱で、あまり重要でないシーンを長々とみせつけられるほか、突然登場してあっという間に消えていくハルク、あるキャラクター
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「神に選ばれし無敵の男」鑑賞

ヴェルナー・ヘルツォークの比較的最近の作品「神に選ばれし無敵の男」をDVDで観た。 怪力男としてベルリンで名を馳せ、ナチスに対するユダヤ人の象徴として尊敬されたポーランド人の若者と、彼の雇い主でナチスに取り入ろうとするインチキ予言者(どちらも実在の人物)を描いた映画なんだが、どうしても「アギーレ 神の怒り」や「フィッツカラルド」といったヘルツォークの傑作と比べるとTVムービー程度の出来にしか見えんなあ。あれらの作品が、猛り狂う自然と狂気につかれた男のコントラストを衝撃的に描いてたのにくらべ、今作は権力を手にする前のナチスと素朴で内気な怪力男の対決を扱っているので、どうもせせこましい感じがするのは否めない。 役者は予言者を演じるティム・ロスがズバ抜けて見事な演技を見せてくれるものの、それ以外の役者に素人が多いため、逆に彼が完全に浮いてしまっている。主人に本当の怪力男、ピアニスト役に本当のピアニストをあてがうのは斬新だけど、あまり成功しているようにも見えない。だから人によって演技力と英語力がまちまちで、兄弟なのにアクセントが違うなんてことになってるのはどうも気になってしまう。 決して
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「ミーン・ストリート」鑑賞

スコセッシの初期の作品「ミーン・ストリート」をDVDで鑑賞。彼とデ・ニーロの初コラボ作品でもある。 内容はハーヴェイ・カイテル演じる主人公と、そのゴロツキ仲間たちの日常を描いた、ダラついてるといえばダラついてるものだけど、ロジャー・コーマンのスタッフを使って大半がロスで撮影されたにもかかわらず、70年代のニューヨークはリトル・イタリーの雰囲気が見事に醸し出されてるのがいい。昔のニューヨークはやはり怖いところだったんですね。ラストはちょっと紋切り型なアメリカン・ニューシネマ的終わり方…と言ったら失礼か。後に彼のトレードマークとなるデ・ニーロのサイコ気味の演技が早くも炸裂。彼が「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」をともに登場するシーンがカッコいいのなんのって。デビッド・キャラダインが酔っぱらって撃ち殺されるだけの役でちょこっと出演してたけど、あれって何なんだろう(しかも狙撃者役はロバート・キャラダインだ)。ついでにカイテルはこの頃から裸になっていた。 俺にとってのスコセッシのベスト作品「レイジング・ブル」には遠く及ばないけど、「タクシー・ドライバー」を経てあの作品に到着するまでの、最初の
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