映画評 「SUPERMAN: BRAINIAC ATTACKS」鑑賞 アメリカでは来週ついに「SUPERMAN RETURNS」が公開されるわけで、既に鑑賞した批評家たちからは絶賛されてるらしい。ああ早く観てえ。だがとりあえずその前に、こないだ発売されたDVDムービー「SUPERMAN: BRAINIAC ATTACKS」を観る。 これはアニメ・シリーズ「SUPERMAN: THE ANIMATED SERIES」の長編作品で、例によってブルース・ティムがデザインしたキャラクターたちが画面中を動き回ってくれるのです。ただし「SUPERMAN : TAS」や、特にあの大傑作「JUSITICE LEAGUE UNLIMITED」では俺みたいなオールドファンも喜ばせてくれるような話の展開が多々あったのに比べ、今回の作品は明らかに内容が子供むけ。スーパーマンの宿敵ブレイニアックはただの巨大ロボットみたいで、シリーズ版にあった知的で冷酷な感じはなくなってるし、「JLU」では主人公なみのクールさを発散していたレックス・ルーサーに至っては、やたら騒いでくだらないダジャレをとばすような、実につまらないキャラクターになってしまっている。おまけにどうも絵が下手だし、「JLU
映画評 「サンダーバード6号」鑑賞 イギリスが誇るスーパーマリオネーション冒険活劇「サンダーバード」の劇場版「サンダーバード6号」をDVDで観る。まだ観たことがなかったのです。もう1つの劇場版(なぜか最後にクリフ・リチャードが出てくるやつ)は観たことあるんだけどね。 感想としては、まあ悪くもないけど期待してたほどじゃなかったかな。時間が長くなったせいで、TVシリーズ版にあった「限られた時間での救出活動」という緊張感がなくなっていて、全体に間延びした雰囲気になってるのが残念。しかも俺の好きなサンダーバード4号は冒頭にちょこっと出てくるだけだし。それでも1号や2号が大空を舞うシーンは非常にカッコいいし、ラストの複葉機によるアクションなんかもスリルがあって楽しめるかな。2068年が舞台の作品だけど、未来社会に対する夢のようなものが感じられるのがいいですね。脚本がダメダメだった「チーム・アメリカ」なんぞよりもずっと優れた作品だろう。 ちなみに特典に入ってる予告編は徹底的にネタばらしをやってるので、本編より先に見てはいけませんよ。
映画評 「マッスルモンク」鑑賞 一部でカルト的な人気を持つ、アンディ・ラウ主演の映画「マッスルモンク」をDVDで観る。 いやー。こういう作品だったとは。冒頭では肉じゅばんをまとって筋肉ムキムキのラウの姿には一瞬引くものの、アクション描写は相変わらず一流だし、サスペンスの醸し出し方なんかも上手でなかなかストレートに楽しめる。でも謎のインド人が逮捕されてからズルズルと話がすべっていくというか、プロットが徐々に破綻していき、冒頭の展開からずっと離れたところに着地して終わるラストが、まあ、なんというか、といった感じ。このユルさ加減を楽しめるかどうかが、この作品を観るときの最大のポイントなんだろう。 ストーリーを逆にたどっていくと辻褄が合わない点がいくつもある、というのはカンフー映画では決して珍しくないことだけど、この「マッスルモンク」も、ありそうで実はない伏線とか、印象的なくせに途中から出なくなるキャラクター(上記のインド人だ)とか、なんか行き当たりばったりな展開がてんこ盛り。そもそもよく考えてみると、主人公が筋肉男である必要性もあまり感じられなかったりする。ここまで話が破綻してると、普通は脚本の段階で気づきそうなものだけ
映画評 「カンフーハッスル」鑑賞 やっと「カンフーハッスル」をレンタルして観た。 いやー面白い。「小林サッカー」よりもさらに作りがこなれていて、実にムダのないストーリーテリングが確立されてるって感じ。主人公に関する伏線がやや弱い気もするものの、極上のエンターテイメント作品になってるんじゃないでしょうか。突然「シャイニング」のパロディをやったりするセンスも見事だなあ。 でもレンタル用のDVDは設定がダメダメで、最初に15分くらい「ステルス」とかの下らない予告映像を見せられる(スキップできない)うえに、何とチャプター・リストが用意されてないという不親切さ。映画の冒頭などに一発で戻れないのは問題だろう。「小林サッカー」はレンタルDVDでもコメンタリーが付いてて良かったんだけどね。
映画評 「宇宙戦争」鑑賞 今更ながら「宇宙戦争」のDVDをレンタルして観てみる。 つまらんすねー。 1898年に書かれた小説の設定を、そのまま現代に持ってきてもなんか意味がないような。小説では意外な展開だった結末も、いざ映像化されると非常にあっけないというか、それまでドンパチ派手にやらかしといて結局はそれかよ、といった感じ。もうちょっと話にアレンジを加えても良かったのに。ヤヌス・カミンスキーの映像スタイルもいいかげん飽きてきた。 それでも立派なSFXのおかげでダラダラ観るぶんには一応楽しめるものの、キャスティングが足を引っ張ってる感じ。スピルバーグ作品の必須キャラともいえる「ダメ親父」を演じるトム・クルーズは「マイノリティー・レポート」なんかと殆ど同じ演技だし、ダコタ・ファニングは相変わらず「無垢な少女」役で、そこに小生意気なバカ息子が加わって実にステロタイプな一家の出来上がり。それになんでシャベルを持ったティム・ロビンズは素手でチビのトムに負けてんだ。 大金かけて映画化する意義がどこにあったんだかよく分からない作品。とりあえずスピルバーグは「ミュンヘン」が面白いらしいので、そっちに期待します。
映画評 「GRIZZLY MAN」鑑賞 アラスカの荒野に棲む、小型トラックほどもあるようなグリズリー・ベアに魅せられて13度の夏を彼らとともに過ごし、結局ガールフレンドとともにグリズリーに喰われてしまった自然愛好家ティモシー・トレッドウェルの姿を追ったドキュメンタリー「GRIZZLY MAN」を観る。監督はヴェルナー・ヘルツォーク。音楽をリチャード・トンプソンがやっていた。 トレッドウェルのことをヘルツォークが知ったのは彼の死後のことであり、彼が殺された現場の開設から始まるこのドキュメンタリーには死の影が常につきまとっている。作品の大部分はトレッドウェルが熊たちとともに撮った映像で構成されており、トレッドウェル本人が画面に出てきて躁病患者のごとく熊への愛を語り、必要とあれば何テイクも撮って自分の主張を述べ、熊のためなら殺されてもいいと話す彼の姿が興味深い。失敗した役者でアル中だった彼は熊とのふれあいに生きがいを見いだし、彼らに名前をつけて擬人化していき、学術的に見れば問題のあるような親密さをもって熊たちと接していく。これに対し「人間と自然の関係は一線を越えてはならないものであり、これが破られれば人は代償を支払わなければならな
映画評 「MIRRORMASK」鑑賞 もはや伝説となった感のあるファンタジー・コミック「サンドマン」の名コンビ、ニール・ゲイマンとデイヴ・マッキーンによる映画「MIRRORMASK」を観る。もちろん脚本がゲイマンでアート&監督がマッキーン。ゲイマンによるとマッキーンのインプットのほうが多い作品なんだとか。 作品の冒頭の舞台はイギリスのブライトン。サーカスの一家に育ったヘレナは反抗期を迎えようとしているティーンの少女。彼女はサーカスでの暮らしに飽き飽きしていたが、あるとき母親が病気により倒れてしまう。彼女を見舞ってから帰宅したヘレナは、夜になって自分が不思議な世界に入り込んでいることを知る。そこは奇妙な生物が徘徊し、すべての住民がマスクをつけている幻想の世界だった。そしてそこは光と闇の国に分かれており、闇の国の王女の策略により光の国の女王が昏睡状態に陥ってしまい、世界は闇に包まれようとしていた。ヘレナは光の国を救うため、知り合った青年ヴァレンタインとともに、光と闇のバランスを正す「ミラーマスク」を探すことになるのだった…というのが主なストーリー、のはず。話がけっこう抽象的なので俺の理解が間違ってるかも。 素朴なファンタジー
映画評 「THE PROPOSITION」鑑賞 このブログの名前はニック・ケイヴの詩集「キング・インク」に由来してるわけだが、そのケイヴが脚本を担当したオーストラリアン・ウェスタン「THE PROPOSITION」を観た。監督は同じくケイヴが脚本を書いた「ゴースツ・オブ・ザ・シビル・デッド」のジョン・ヒルコート。「ゴースツ」と違ってケイヴ自身は出演してないものの、ガイ・ピアースをはじめダニー・ヒューストンやエミリー・ワトソン、ジョン・ハートといったなかなか豪華な顔ぶれが出演している。 舞台となるのは1880年代のオーストラリア。殺人とレイプの罪で指名手配されていたバーンズ3兄弟のうち、次男のチャーリーと三男のマイクが逮捕されるところから話は始まる。彼らを捕らえたスタンリー隊長は、残る長男のアーサーを始末するためチャーリーに1つの条件(Proposition)をつきつける:アーサーを探し出し、自らの手で彼を殺害しろ。さもないとマイクは死刑に処せられる、と。こうしてチャーリーは兄を見つけるため、荒野へと一人旅立っていくのだった…というのが話の主な内容。美しくも過酷なオーストラリアの大自然を舞台に、兄を捜すチャーリーの姿と、彼の帰還を待つ
映画評 「ヒストリー・オブ・バイオレンス」鑑賞 デビッド・クローネンバーグの最新作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」を観る。米アマゾンからDVDを購入したんだけど、もう日本でもやってんだって?劇場に行くの面倒だからまあいいや。 これは「クラッシュ」や「スパイダー」といったクローネンバーグの他の作品に比べると、意外なくらいにストレートな内容の映画だった。後半のストーリー展開が原作とかなり違っているけど、映画版は独自にうまく話をまとめていっているし、細かく比較するのは野暮でしょう。 原作では主人公ひとりの「暴力の歴史」に焦点が当てられていたのに対し、映画では1つの暴力行為がさらなる暴力を呼び、さまざまな人々(特に主人公の息子)に影響を与えていくという点が興味深い。しかもその暴力の大半は無差別・無意味な殺人なんかではなく、自分が生き残るために必要な行為として淡々と行使されていく。まるで人間はどんなに文明化しようとも、結局は暴力的な生き物なんだよと示すかのように。そしてその代償として、ごく普通の家庭だったはずの主人公一家の結束にはヒビが入っていく。でもここらへんの描写はかなり微かなものだし、エッチなシーンやアクションもそれなりにあるので、
映画評 「BURDEN OF DREAMS」鑑賞 鬼才ヴェルナー・ヘルツォークの名作「フィッツカラルド」の悪夢のような製作過程を追ったドキュメンタリー「BURDEN OF DREAMS」のクライテリオン版DVDを観る。かつて南米のジャングルで「アギーレ 神の怒り」という大傑作(観ろ!)を撮るのに成功したヘルツォークだが、同じく南米の奥地を舞台に「フィッツカラルド」を作るのにあたり、さすがに今回は映画が完成できないかもしれないと危惧して、ドキュメンタリー作家のレス・ブランクに製作過程の一部始終を撮らせたのがこの作品になったらしい。 そんなヘルツォークの不安は現実のものとなり、アマゾンの先住民からの反発や天候の影響、備品の不足などによって製作はズルズルと延びていく。当初は主役を務めるはずだったジェイソン・ロバーツとミック・ジャガーが撮影途中で降板したり、蒸気船が浅瀬に座礁したために撮影が何ヶ月も遅れるなど、映画を作る者にとっては悪夢のような出来事が次々と続いていくわけだが、それでも淡々と(半ば放心状態で)自分のヴィジョンを語るヘルツォークの姿が印象に残る。ストーリーの山場となる蒸気船の峠越えにおいても鉄のフックがちぎれるといったトラブル
映画評 「MR.MOTO'S LAST WARNING」鑑賞 ドイツの怪優ピーター・ローレが日本人の秘密エージェント、モト・ケンタロウを演じた「ミスター・モト」シリーズの1つ「Mr. Moto's Last Warning」を観る。ずっと前にトロントのウォルマートでDVDを1ドルくらいで買ってたのです。どうもパブリック・ドメインに属している作品らしく、archive.orgでもダウンロードできるようだ。 1939年に製作されたこの作品は古典的なハリウッドのサスペンス映画といった感じで、イギリスとフランスの仲を悪化させて第2次世界大戦(!)を引き起こそうとする某国の陰謀を阻止するため、エジプトを舞台にミスター・モトが奮闘する…といった感じのストーリー。ジョン・キャラダインをはじめ、そこそこ名の知れた往年のスターが共演してるみたい。不穏な時代の北アフリカが舞台という意味では、同じくローレが出演した「カサブランカ」に通じるものがあるかな。 神出鬼没の敏腕エージェント、ミスター・モトは当時流行ってた中国人探偵「チャリー・チャン」を明らかにパクったキャラクター。少し出っ歯で丸メガネという外見がちょっとアレだが、頭脳明晰で武術の達人というカッコいい主人
映画評 「C.S.A.: The Confederate States of America」鑑賞 アメリカの南北戦争で南部が勝利してしまって、奴隷制度が今日まで続いていたら…という「もしもの世界」の歴史を扱った偽ドキュメンタリー「C.S.A.: The Confederate States of America(アメリカ連合国)」を鑑賞する。監督や出演者はみんな無名の低予算映画だけど、スパイク・リーがスポンサーについているようだ。 この作品が凝ってるのは、単に架空の歴史をダラダラと紹介するわけではなく、イギリスが製作したドキュメンタリー番組という形式をとっていることで、番組の合間には「サンボ印のエンジン・オイルは効果抜群!」とか「脱走奴隷を見かけたら一報を!」といった偽コマーシャルが流されたりする。ただしそれ以外には風刺・コメディ色はほとんどなく、非常に手堅いつくりの作品となっている。 この作品におけるアメリカ連合国の歴史は公式サイトのページに詳細が書かれているけど、ヨーロッパの協力を得て南軍が北軍に勝ち、奴隷解放を訴えていたリンカーンはカナダへと逃亡。奴隷制は当然のこととなり、インディアンやアジア人、ユダヤ人も同様に差別される身となる。やがてアメリカは南米への侵攻も画策し、2
映画評 「ナイロビの蜂」鑑賞 欧米で玄人受けしている「THE CONSTANT GARDNER」こと「ナイロビの蜂」の試写会に行ってきた。監督は「シティ・オブ・ゴッド」(俺は未見)のフェルナンド・メイレレスで、原作はジョン・ル・カレ。 ケニアに外交官として駐在しているジャスティン・クエイル(レイフ・ファインズ)は、難民の救援活動に積極的だった妻のテッサ(レイチェル・ワイズ)が旅の途中に惨殺されたことを知る。警察や同僚たちは妻の不倫相手による殺人だとして片付けようとするものの、いくつもの奇妙な事実に不審を抱いたジャスティンは自ら妻の死の真相を突き止めようとして、国家的な陰謀に巻き込まれていくのだった…といのが主なストーリー。映画の前半はテッサの生前の政治活動が主に描かれ、後半からジャスティンによる探求が始まっていく。政治サスペンス50%、恋愛物語30%、社会批判が20%といった内容か。 最近のジョン・ル・カレ原作の映画といえば、ジョン・ブアマン監督の傑作「テイラー・オブ・パナマ」があったが、あちらが重々しい緊張感を持っていたのに対し、「ナイロビ」は鮮烈な色彩や素早いカッティングなどを多用した、ずいぶんスタイルの異
映画評 「Ultimate Avengers」鑑賞 マーヴェルがアニメでDVD市場に参入することになり、その第1弾「Ultimate Avengers」を観る。配給はライオンズゲート。 タイトルが示すように「アルティメイツ」と「アヴェンジャーズ」をごっちゃにしたような作品だけど、ストーリーや設定は「アルティメイツ」を大幅にベースにしている。キャプテン・アメリカの発見から始まり、アヴェンジャーズの結成、そして地球侵略を狙うエイリアンとの決戦へと話が進んでいくが、原作を急ぎ足でなぞった感じが否めず、なんか話の展開に盛り上がりが欠けるきらいがあるかな。チームの団結力の欠如によりエイリアン1匹に手玉にとられるところとか、エイリアンを撃退した直後に味方のはずのハルクと戦うとか、なんか観ててスカッとするような内容になってないのは問題だろう。 もともと「アルティメイツ」はマーク・ミラーの風刺がきいた、どちらかといえば年長者向けのコミックだったけど、この映画はそれを変に子供向けにアレンジしてるものだから、セリフやストリーが単純な割にはキャラクターに毒があって、スーパーヒーローなのにどうも嫌な性格の連中が揃ってるというのもどうかと。どうしてもマーヴェル
映画評 「Vフォー・ヴェンデッタ」鑑賞 試写会に行ってきた。いい気になってネタばらしをするわけではないが、とりあえず印象に残ったことを書いてみる: ●アメコミ原理主義者にとっては「頑張ってるのはとってもよく分かるんだけど、やはり原作には遠く及ばなかった映画」という感じ。 ●ストーリーを詰め込みすぎてるために、話の展開が急でセリフばかりがやたら多く、原作のダウンビートな雰囲気はなくなっている。かといって「マトリックス」みたいにアクション満載、というわけでもない。 ●”V”がやけに感情的なキャラクターになってることと、ロンドンの住民が比較的いい暮らしをしてるため、政府の圧政に対する彼の行為がどことなく軽薄に感じられ、空回りしているように見えることがある。 ●ただしイヴィー(ナタリー・ポートマン)が自分の家族のことを語るところあたりから政府の横暴さがよく分かるようになるので、物語に感情移入しやすくなると思う。現実世界の出来事(イラク戦争とか、爆弾テロとか)を暗喩になってるシーンなんかは意外と心を打たれるんだけど、これをもっと露骨にやってほしかった、というのは無理な願いか。 ●ジョン・ハートが演じる政府の党首と、スティーブ
映画評 「Star Wreck: In the Pirkinning」鑑賞 フィンランドのトレッキーが7年かけて製作した、「スター・トレック」のパロディ映画「Star Wreck: In the Pirkinning」をダウンロードして観る。 ここ最近のスタトレのファン映画は、コンピュータの性能が向上したことを反映して、「特撮は一流・演技は二流」なものが多いというのは前にもどっかで書いたけど、この作品も例にもれず出演者の演技が素人くさいかな。でも特撮は本当に目を見張るくらいの出来で、そこらへんのハリウッド映画に比べても遜色のないレベルになっているのが本当に凄い。エンタープライスAやDやEにディファイアントなんかが縦横無尽に飛び回るさまなんかは、「ファースト・コンタクト」の冒頭の先頭シーンなんかよりもカッコいいんじゃないだろうか。おまけに「バビロン5」のパロディも多分にやっていて、「トレック」対「B5」という、ファン映画ならではのアクション・シーンが満喫できる。 演技は素人くさいとはいえ、特撮の出来があまりにも素晴らしいことと、ストーリーが単なるパロディではなく、ちゃんと山場のあるものになっているため、観ていて意外と出演者に感情移入できる展開になってるのもいい
映画評 「THE FAST AND THE FURIOUS」 鑑賞 ロジャー・コーマン大先生が1954年に製作した映画「THE FAST AND THE FURIOUS」(「速き者、激しき者」)をarchive.orgからダウンロードして鑑賞する。こんな作品まで無料で入手できるんだから、パブリックドメインて本当にいいよなあ。 ユニバーサルののアクション映画「ワイルド・スピード」(「THE FAST AND THE FURIOUS」)がタイトル使用権を買い取ったことで知られる映画だが、内容は全然違う。無実の罪で刑務所に入っていた男が脱走し、女性レーサーを人質にとって逃避行を敢行。そして2人はレースに紛れ込んでメキシコに逃亡しようとするのだが…というのが大まかなストーリー。話の展開が都合良すぎるとか、前半のスリリングな逃避行シーンに比べて後半の展開がが少したるむ感じがあるものの、主演のジョン・アイアランド(監督も兼任)とドロシー・マローンの演技が手堅いことや、最後のレース・シーンがちゃんと迫力的であることなどから、低予算映画とはいえ十分鑑賞に値する作品になっている。ちなみにコーマンによると「ワイルド・スピード」のストーリーは、彼の別の作品「T-Bird G
映画評 REEFER MADNESS 鑑賞 1936年に公開され、その内容のチープさが60年代あたりにカルト人気を呼んで、最近ではミュージカル化やそのTVムービー化までされた教育映画(といっても実はエクスプロイテーション映画)「REEFER MADNESS 」をarchive.orgからダウンロードして観る。 タイトルから想像がつくように、これはマリファナ(当時はMARIHUANAと綴ってた)の害を警告するために製作された作品。ある健全な若き恋人たち(「ロミオとジュリエット」を朗読したりするのが見ててムカつく)が、マリファナ・パーティーを開いている男女に勧められて悪魔のハッパに手を出してしまい、それが悲劇に結びつくことになる…という、まあ、教育映画にありがちなストーリーです。 いちおう最初と最後に博士らしき人物が登場して「この物語は事実に基づいたものであり、マリファナの恐ろしさを訴えるものです…」みたいな、実におざなりなメッセージを添えてるんだけど、肝心の内容には、犯罪・殺人・ひき逃げ・レイプ未遂・自殺・セックス・そしてもちろんドラッグと、エクスプロイテーション映画の要素がぎっしりと詰まっていたりする。それにこの時代特有の過剰
映画評 我が国 日本 www.archive.orgで公開されている、パブリック・ドメイン入りをした作品の数々がなかなか面白い。ダウンロードが遅い・カテゴリ分けが半端・画質が悪いなどのデメリットを差しおいても、フライシャー兄弟の「スーパーマン」、「3バカ大将」「ローレル&ハーディ」をはじめ、ロジャー・コーマンの初期の作品やオリジナル版「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」なんかまでが置いてあるのが非常に素晴らしい。 でもこうした傑作群はもっといい画質のやつがDVDで入手できたりするわけで、このサイトでしか手に入らない有象無象の作品のほうが実は価値があるのでしょう。 よって今回観たのは「MY JAPAN」という、第2次大戦におけるアメリカのプロパガンダ・フィルム。日本の脅威を一般市民に知らしめるためのものなんだけど、どう見ても白人にしか見えないナレーターが日本人のフリをして「贅沢なあなたたちアメリカ人と違い、我々は質素な食事で暮らしていけるから戦争になっても恐れるものはないのです。ハッハッハ」などと怪しいアクセントで語るのが、実に胡散臭くていい感じ。そして最後に、お決まりの「軍事公債を買ってアメリカを勝利
映画評 「バットマン・ビギンズ」鑑賞 本日公開の「バットマン・ビギンズ」をさっそく観てくる。入場料がちょと高いIMAXに行けば混んでないかな、と思ってたら何とほぼ満席状態。広いIMAXシアターが人で溢れてる光景はなかなか壮大ですね。映画の開始時、バカでかいスクリーンにDCの新ロゴが映し出されたのにも感動。 そして作品の内容は、もう最高。コミックに比べて人物設定などが多少違ってるものの、原作の本質的な要素をうまく取り出して昇華することに成功した傑作となっている。 内容は「バットマンの成り立ち」を扱ったものなので、最初の1時間くらいは主人公ブルース・ウェインの幼少時代や修行の光景が描かれる。バットマンのアクションを冒頭から期待してると肩すかしをくらうかもしれないが、いかにブルースが悪と戦うことを決意したかということと、この作品のテーマである「恐怖の克服」についてが深く語られ、観ててどんどん話に引き込まれていく。極端な話、この映画ってアクション以上に人間ドラマの方が面白かったりするのだ。 主演のクリスチャン・ベールは今までの誰よりもブルース・ウェインを的確に演じきり、バットマンとしてゴッサム・シティから悪を追放しようとする熱
映画評 「COMICBOOK: THE MOVIE」鑑賞 マーク・ハミルがギーク心まるだしで監督・製作・主演した映画「COMIC BOOK: THE MOVIE」をDVDで観る。 作品の形式はいわゆる疑似ドキュメンタリー。高校教師で熱心なコミックファンの主人公ドナルド・スワン(ハミル)は、彼の大好きなコミック「コマンダー・カレージ」がハリウッドで映画化されることになったため、映画会社にコンサルタントとして雇われる。そして彼は映画の関係者や「カレージ」の原作者の孫たちを連れてコミック・コンベンションの製作発表会へと向かうものの、映画の内容が徹底的に「ハリウッド化」され、彼の愛する原作とはまるで別物にされることを知ってこれを阻止しようとするが…というのが大まかなプロット。 原作者の孫を演じるビリー・ウエストをはじめ、主な出演者はハミルの声優仲間で揃えられているほか、サンディエゴのコンベンションなどでカメオ出演するメンツの顔ぶれがすごい。スタン・リーやケヴィン・スミスといった「定番」をはじめ、ヒュー・ヘフナーやブルース・キャンベル、マット・グレーニング、ピーター・デイビッド、ブルース・ティム、ロイド・カウフマンなどなど。本来ならばマーク・ハミル自
映画評 「WERNER HERZOG EATS HIS HIS SHOE」鑑賞 ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才ヴェルナー・ヘルツォークがアマゾンの奥地で怪作「フィツカラルド」を撮影する姿を記録したドキュメンタリー「BURDEN OF DREAMS」のDVDを借りたので、特典としてついていた短編「ヴェルナー・ヘルツォーク、自分の靴を食う」を先に観る。 これはヘルツォークが知り合いの若き学生に映画製作を勧めて、「君が作品を完成させることができれば、私は靴を食べてみせよう」と約束したことから始まったもので、実際にその学生が作品を完成させたため、その試写会において靴を食べてみせたというもの。マンガみたいな話だけど、実際にやってのけるところがヘルツォークらしい。 ニンニクやトマトとともに5時間くらい煮込まれた革靴を、細かく切って黙々と食べていく姿が笑える。片方しか食べてないとか、靴底を食べてないとか細かい不満はあるものの、まあいい。 ちなみに彼が映画製作を勧めた学生とは、後に「フォッグ・オブ・ウォー」でアカデミー賞を獲得するエロール・モリス。彼が大成したのはヘルツォークのおかげ、ということになるのか。
映画評 「MIX TAPE」鑑賞 昨日から今週末にかけて、ここトロントでは「NORTH BY NORTHEAST」(略称NXNE)という音楽のフェスティバルが行われていて、いろんなライブハウスに無名のバンドがわんさか出演して、一つの盛り上がりを見せているのであります。テキサスでやってる同様のフェスティバル「SOUTH BY SOUTHWEST」を意識して始めたものだろうけど、あちらは20年の歴史を誇る大御所なのに比べてこちらは5年ほどだから、大手メディアの取扱いも天と地ほどの差があったりするわけだ。それでも元ストラングラーズのヒュー・コーンウェルとかニューヨーク・ドールズとか、ちょっと興味をそそられるミュージシャンも来ていたりする。 そしてライヴだけでなく音楽関係の映画やドキュメンタリーの上映会もちょろっと行われるということで、2003年のインディペンデント映画「MIX TAPE」を観に行ったんだが…。とってもつまらない作品でした。 前評判からは「ハイ・フィデリティ」みたいに、ミックス・テープ作りに全力をそそぐ男たちの心情を深く突いた内容かと思ってたんだけど、ただ単に音楽好きでチャラチャラしてるシカゴの男女を延々と描
映画評 「シンデレラマン」鑑賞 「シンデレラマン」を劇場へ観に行く。ロン・ハワード&ラッセル・クロウのコンビってあまり個人的には興味がなく、実は「ビューティフル・マインド」もまだ未見だったりする。クロウの前作「マスター&コマンダー」は傑作だったけど。 これはアメリカの恐慌時代に活躍したボクサー、ジム・ブラドックの姿を描いた伝記映画。彼は貧困やスランプに悩まされながらも、妻や子供たちに励まされてリングに復帰し、やがて世界チャンピオンのマックス・ベアーに挑戦するのだった…という、まあ、それだけの話。 とにかく内容がベタ。展開がまるで少年マンガのようで、かなり先まで読めるストーリーになってしまっている。いくら事実をもとにした話とはいえ、もうちょっとヒネリを加えても良かったのに。上映中に時計を見て「あと30分くらい暗い状況が続いて、次の30分は主人公が再起して、残りの15分くらいがクライマックスの試合かな」と考えたら、大体そんな感じで話が進んでいった。あと夜中に両親が悩んでるところを陰から見つめる娘とか、子供たちから隠れて涙を流す母親とか、日本のテレビドラマ並みに古くさい演出がされているのも興ざめだった。 主要な登場人物
映画評 「GARDEN STATE」鑑賞 昨年公開され評判の良かった映画「GARDEN STATE」をDVDで観る。監督・脚本・主演を兼ねるのは、NBCの人気シットコム「SCRUBS」の主人公役で知られるザック・ブラフ。「SCRUBS」は未見なので彼の出てる作品を観るのはこれが初めてになる。どうも自伝的な要素が少し入ってるんだとか。 カリフォルニアで売れない役者をやっている主人公が、母親が死んだという知らせをうけ、故郷のニュージャージーに久しぶりに帰ってくることから物語は始まる。旧友たちと再会したのち、サムという名の少女(ナタリー・ポートマン)に出会った彼はサムの自由奔放さに惹かれていき、閉じきっていた心を徐々に開いていくようになる。そして彼は、長年のあいだ口をきかなかった父親ともよりを戻そうとするのだった…というのが大まかな内容。あまりにも簡素すぎる概説だけど、あまり話の展開があるような映画ではないから御勘弁を。旧友たちやサムの家族のエキセントリックな会話を楽しむような作品になっている。 良くも悪くも「自伝的に作った初監督作品」といった感じで、周囲の陽気さに主人公が1人だけついていけない描写とか、彼が精神安定剤を服用してい