映画評

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「FRENCH EXIT」鑑賞
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「FRENCH EXIT」鑑賞

良い評判を聞いていた作品。日本では「フレンチ・イグジット 〜さよならは言わずに〜」の題名で配信スルーだそうな。 裕福な寡婦のフランシスは身勝手な性格で、息子のマルコムを12歳の頃から放任主義で育ててきた。そんな彼女は財産がすぐに底をつくことを銀行より知らされる。財産が尽きる前に死ぬつもりだった彼女は「死ななかった」のでニューヨークのアパートを売り払い、パリにある知人のアパートにマルコムと移り住むことになる。こうして母と息子と猫1匹のパリ生活が始まるのだが、やがて彼らのアパートには様々な人が集まり…というあらすじ。 ヨーロッパを舞台にしたアンサンブルコメディ、という点ではウェス・アンダーソン作品に似てなくもないが、あっちよりも金銭問題とか恋愛関係とかがリアルに描かれていて、もうちょっとアダルトな雰囲気。色彩も当然アンダーソン調ではないが、パリの風景が美しく撮影されていて良いですよ(モントリオールでも撮影したらしい)。パリのウェイターが横柄なところもちゃんと描写されている。 題名の「French Exit」というのは、例によってフランス貶しの表現の1つで、「断りもなしに急に去ること」
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「シャン・チー/テン・リングスの伝説」鑑賞
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「シャン・チー/テン・リングスの伝説」鑑賞

まだ公開したばかりなので感想をざっと。いちおうネタバレ注意。マーベル・コミックスの原作のキャラクターにはそんなに思い入れがなくて、「燃えよ!カンフー」やブルース・リーに始まる70年代のカンフーブームに便乗して登場した、アジア人から見たら違和感を感じるアジア人キャラ、というのが最初見たときの印象だったな。ポール・グレイシー&ダグ・メンチによる一連の作品は面白いらしいですが。 70年代のスタイルだと流石にもはや政治的に正しくないので、近年になってからはもっとスポーティな若者ルックになって登場して、それが今回の映画版のもとになってるようです。 内容もきちんとアジア人に配慮したものになっていて、サンフランシスコの中国系コミュニティから話が始まり、マカオに移って、それから謎めいた部族が長い間守り続ける秘境の存在が明らかになって、そこを守るために主人公は立ち上がる…ってこれ「ブラック・パンサー」のプロットじゃないか?あれもカリフォルニア→釜山→アフリカと話が移っていったし、外部からの襲撃に備えて部族が武装するあたり、「これ前にも観たぞ?」と思ってしまったよ。 それを考えるとアフロフューチャリ
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「レミニセンス」鑑賞
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「レミニセンス」鑑賞

日本だと来月公開ですがHBO MAX経由でお先に。監督がリサ・ジョイ、製作がジョナサン・ノーランという「ウエストワールド」の夫婦コンビによるSF作品。以降はネタバレ注意。 舞台は近未来のマイアミ。国境を跨いだ何らかの大規模な戦争があったことが示唆され、その影響により海面が上昇して街の半分がヴェニスのように水に沈み、一部の金持ちだけが乾いた土地に住んで一般市民の反感を買っていた。そんな街でニックは相棒のワッツとともに、特殊な機械を用いて顧客に過去の思い出を追体験させる商売を営んでいた。そんな彼の店にメイという謎めいた女性が現れ、ニックと彼女は恋に落ちるのだが彼女は謎の失踪を遂げ…というあらすじ。 ニックの店にある機械は、顧客がヘッドバンドをつけて水槽に横たわり、ニックの音声ガイドとともに電流を流すことで、顧客が自分の好きな思い出を追体験することができる、という仕組みらしい。この思い出はニックを含めて他の人が外部から見ることができるので、ニックとワッツは警察にも呼ばれて容疑者の記憶探りなども手伝ったりしている。というかなんでそんな重要なテクノロジーを政府が管轄してないで、小汚い店などで
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「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」鑑賞
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「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」鑑賞

『“極”悪党、集結』とか言われてもそんなダサい邦題、誰も使わんがな。本編でも字数の関係からか、チーム名を「決死部隊」とか訳していて何だかなあと思ったり。「ジャスティス・リーグ」を「正義同盟」とは呼ばんでしょ。公開したばかりなので感想をざっと: * 「スーサイド・スクワッド」に何を求めるか?といえば、やはりキャラクターが使い捨てでバンバン死ぬなかでどうにかミッションをこなしていく姿でして。そういう点では「貴重な」キャラが多かった前作に比べて、今回はC級・D級のキャラがいろいろ出てきて冒頭からどんどん死んでいくあたり、ジェームズ・ガンのお下劣テイストとあわせて、作品のセールスポイントをうまく捉えていたんじゃないですか。 * ストーリーが比較的シンプルで大きなヒネリがない一方で、時系列がたまに過去に戻ったりする演出はちょっと気になったものの、ヒーローのモラルとかジレンマを説かずに、ただただカッコいいアクションと映像を映し出すスタイルは嫌いじゃないですよ。 * 前作はチームの一員がヴィランであったことで、いまいちヴィランとの戦いも煮え切らないところがあったか、今回はヴィラン戦がまんま怪
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「PIG」鑑賞
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「PIG」鑑賞

評論家に絶賛されているニコラス・ケイジの新作。これドンデン返しなどはないものの、話が進むにつれて登場人物の過去がいろいろ明らかになっていく内容になっていて、どこまでストーリーを語って良いのか悩むのですが、とにかく以下はネタバレ注意。 舞台はオレゴン州ポートランド。ロブは山奥の小屋にて世捨て人のように暮らし、ペットのブタとともにトリュフ狩りをして、それを街からやって来るキザな若者のアミールに売って暮らしていた。しかしある晩、ロブは小屋で何者かに襲われ、ブタを盗まれてしまう。そのため彼はアミールの手を借りて街に繰り出し、ブタの居場所を探すためトリュフにまつわる裏社会に飛び込んでいくのだった…というあらすじ。 こうして書くとイヌの代わりにブタが動機になる「ジョン・ウィック」みたいだが、冒頭は確かにあれっぽくて、地下闘技場みたいなところにロブが乗り込んでいって体を張って情報を聞き出そうとする。しかし徐々にロブとアミールの過去が語られていくにつれて話は渋いものになっていき、過去と喪失に向き合う男たちのドラマへと展開していく。ロブの過去の職業が話の大きなポイントなのだが、それはここでは明かさな
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「THE PAPER TIGERS」鑑賞
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「THE PAPER TIGERS」鑑賞

何も知らずに観て、大変面白かったカンフー・コメディ映画。 90年代にカンフーの達人である師父のもとで修行を積んだ3人の少年たち。彼らは「スリー・タイガー」と呼ばれ、武術試合でもストリートファイトでも圧倒的な強さを誇っていた。しかしそれから30年後、彼らはお互いとも師父とも疎遠になり、カンフーもやめてしがない日々を送っていた。仕事の合間に離婚した妻との子供の面倒をみているダニー、建設現場でヒザをやられたヒン、カンフーの代わりにブラジリアン柔術を教えているジム。しかし彼らは師父が亡くなったことを知って久しぶりに顔を合わせることになり、さらに師父の死には不審な点があることを知って、彼らは調査に乗り出すのだが…というあらすじ。 調査にあたっては血の気の多い連中が登場して、カンフー勝負(「比武」というのですね)で決着をつけるのだが、スリー・タイガーたちは体が鈍ってるのでへなちょこ勝負になっている。でも格闘シーンはよく撮れていて本格的だよ。その過程において、彼らが疎遠になった理由や、師父に対する後悔の念などが語られていく。主人公がダメ男という時点で個人的にはポイント高いのですが、30年遅れてや
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「NO SUDDEN MOVE」鑑賞
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「NO SUDDEN MOVE」鑑賞

またHBO MAXに入ってだな、オリジナル作品をチェックしてるのだよ。これはスティーブン・ソダーバーグの監督作品で、例によってコロナの影響で配信ストレートになったのかな。 舞台は1954年のデトロイト。刑務所から出所したばかりのカーティスは裏社会のつてで見知らぬ男より、ロナルドとチャーリーという男たちと組んである仕事を行うように依頼される。それはある会社の経理士が会社の重要書類を持ち出してくるまで、経理士の家で家族を人質にとっておくというものだった。仕事の内容の割に報酬が良いことを不審に思いつつも引き受けたカーティスだったが、経理士が書類を入手することに失敗したことから状況は一変し、カーティスはロナルドとともに追われる身になるのだった…というあらすじ。 ソダーバーグお得意のハイスト/ケイパーものだが登場人物が多いうえにみんな腹に一物抱えた人物ばかりで、状況が二転三転するのでプロットを追うのが結構しんどい。よって「オーシャンズ」や「ローガン・ラッキー」みたいな軽快なケイパーものではなくて、もっと重厚な作りになっている。カーティスやロナルドは過去にやらかした行いのためにギャングに追われ
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「ブラック・ウィドウ」鑑賞
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「ブラック・ウィドウ」鑑賞

公開したばかりなので感想をざっと。ネタバレ注意: * 「エンドゲーム」の後日談で彼女の復活の物語、なのかと勝手に思ってたら「シビル・ウォー」後の話なのね。それをいま公開する必要があるのか?とは思うがいろんな要素が重なったのでしょう。 * 前半のウィドウ養成所のくだりは既視感があって、これジェニファー・ローレンスが「レッド・スパロー」でやってた奴じゃね?と思わずにはいられない。単に似たようなネタを扱ってるのだが、あっちのほうがR15だったので訓練は生々しさがあったな。 * 主人公がスーパーパワーを持たないスパイということで、内容はスーパーヒーロー映画よりも007映画に近い。マッチョな男性でなく女性スパイが奮闘するという切り口は「XXX」シリーズなどよりも上手く007映画を換骨奪胎していたかと。(文字通り「脱胎」の話も出てたし)。ただ悪役の顔が傷で醜くなっている、という007シリーズの悪しき慣習まで引き継がなくてもいいのに。 * ヴィランのタスクマスターは相手の戦闘スタイルを見てコピーするという能力を持ってるのに、原作だとフードにケープをはおって武器をやたら抱えてるスタイルがどう
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「FALSE POSITIVE」鑑賞
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「FALSE POSITIVE」鑑賞

みんな大好きA24 製作の映画で、米HULUのオリジナルムービー。 ルーシーは夫のエイドリアンとともに何年も子供を授かろうとしていたものの妊娠することができず、夫の元上司である医師のヒンドルを訪れる。ヒンドルは画期的な生殖補助医療の手法を開発したと言う人物で、彼の治療を受けたことでルーシーは見事妊娠に成功する。しかし彼女は男子ふたりと女子ひとりを妊娠しており、3人が健康に生まれてくる可能性が低いことから減数手術を勧められる。ヒンドルの意見を拒んで女子ひとりを生かすことにしたルーシーだが、臨月が近くにつれて奇妙な幻覚を見るようになり…というあらすじ。 水子の霊に祟られる母親の話、ではなくて、妊娠したことで情緒不安になり現実と妄想の境界が曖昧になった妊婦の心理ホラーといったところ。何か大きな陰謀に巻き込まれているのではとパラノイア気味になる主人公の心境を見せているほか、彼女の体に関する決断も男性たちによって行われ、職場においても妊娠したとたんに地位を同僚の男性にとって代わられる世の中の差別を扱っていたな。 そのテーマからあちらの批評では「ローズマリーの赤ちゃん」と比べられてるようでし
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「THE AMUSEMENT PARK」 鑑賞
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「THE AMUSEMENT PARK」 鑑賞

ゾンビ映画の始祖、ジョージ・A・ロメロが1973年に撮った幻の作品。老人の虐待問題を喚起するためにウエストバージニアのルター派団体がロメロに製作を依頼した50分ほどの「教育映画」だが、内容がショッキングすぎるということでオクラ入りになっていたもの。いやあなたたちジョージ・A・ロメロに何を期待していたのですか、と聞きたくなるが、それがこのたび16ミリフィルムが発見され、4K修復されてホラー専門の配信サービスSHUDDERで初公開されたというわけ。 教育映画ということで冒頭にリンカーン・マーゼルという役者が、視聴者に「老人の虐待は深刻な問題です。そしてあなたたちもいずれは年をとるのです…」と説教くさいことを語って物語は始まる。特に明確なストーリーがあるわけでもなく、セリフも非常に少なくて、老人生活のメタファーとしてのシーンがいろいろ続く内容になっている。 舞台は名もなきアミューズメント・パーク。マーゼル演じる老人が胸を膨らませてそこにやって来るのだが、そこは老人生活の象徴としての遊園地だった。乗り物のチケットは時計などの所有物を買い叩かれて購入し、乗り物に乗るにも最低年収が定められ、金
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「PLAN B」鑑賞
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「PLAN B」鑑賞

米HULUのオリジナルムービーで、誰も知らない傑作TVシリーズ「THE MIDDLEMAN」などで知られるナタリー・モラレスの初監督作品。 舞台はサウスダコタ州。厳格な家庭で育ったサニーとルペの少女ふたりは学校でも人気のないタイプだったが、特にサニーの方は彼氏を作りたくてウズウズしていた。そこでサニーは親が不在のときにハウスパーティーを開き、意中の少年を含む同級生をいろいろ招くものの、物事はうまく行かず別の少年を相手に初体験をしてしまう。さらにその際に使ったコンドームに不手際があったことから、避妊に失敗したのではとサニーは恐怖にかられる。急いで彼女とルペは薬局にアフターピル(通称プランBピル)を買いにいくものの、薬剤に販売を拒否されてしまう(本人のモラルに基づいて販売を拒否できるという変な法律があるらしい)。そのためサニーとルペは、遠く離れたプランド・ペアレントフッドに向かうことを決意し、親の車を拝借して避妊の旅に出るのだったが…というあらすじ。 製作はブラッド・ピットのプランB …では残念ながらないが、「ハロルド&クマーのプロデューサー」という宣伝文句からも察せられるように、バデ
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「BUTT BOY」鑑賞
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「BUTT BOY」鑑賞

ジョン・ウォーターズ御大が昨年のベスト映画だと称賛していた作品。主人公は中年なので明らかにボーイではなくてマンなのだが、「バット・マン」という題名はいろいろ法的に問題があったのでしょう。以下はネタバレ注意。 小さなオフィスでIT係として黙々と働くチップ・ガッチェルはしがない中年男性で、妻との仲もうまく行っていなかった。そんなある日、彼は前立腺の検診を受けたことで肛門への異物挿入に目覚め、小さな文房具から始まりテレビのリモコン、さらには子犬といった大きなサイズのものまで彼の肛門は飲み込んでしまう。しまいに彼は公園にいた子供さえも飲み込んでしまうが、罪の意識に駆られて自殺を試みて失敗する。その9年後、挿入断ちをしていた彼はAAの集いでラッセルという男性と出会う。ラッセルが語るアルコールへの誘惑を聞いたチップは、再び異物挿入の魅力に取り憑かれて様々な物を飲み込み、同僚の子供までも手に(尻に?)かけてしまう。しかし偶然にもラッセルは刑事であり、ラッセルが起こした一連の事件の捜査をしていくうちにチップが怪しいと考えるのだったが…というあらすじ。 設定を聞くと下ネタB級コメディのように思われる
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「Shadow in the Cloud」鑑賞
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「Shadow in the Cloud」鑑賞

クロエ・グレース・モレッツ主演のB級アクションホラー。アメリカとニュージーランドの合作になるのかな? 舞台は1943年のニュージーランドの空軍基地。日本軍との戦火が激しくなるなか、サモアに向けて飛び立とうとする爆撃機に一人の女性隊員が乗り込んでくる。モードという名の彼女は司令官に極秘任務を命じられたということで、謎めいた荷物とともに同行することになった。しかし女性の隊員はまだ珍しく、他の男性クルーたちは彼女を侮蔑的に扱って胴体下部の銃座に押し込んでしまう。荷物を運ぶためその仕打ちにも耐えるモードだったが、その爆撃機には機体を分解していまうという怪物グレムリンも乗り込んでいたのだった…というあらすじ。 飛行中の航空機におけるグレムリンとの戦い、というと「トワイライト・ゾーン」の「2万フィートの戦慄」が有名だが、こちらは主人公が爆撃機の銃座にいることから「世にも不思議なアメージング・ストーリー」の「最後のミッション」にも似ているところがあるかな。特に前半は銃座に閉じ込められたモードと他のクルーが無線で話す密室劇(?)が延々と続き、製作費お安いんでしょうねーと思ってしまった。 後半にな
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「プロミシング・ヤング・ウーマン」鑑賞
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「プロミシング・ヤング・ウーマン」鑑賞

アカデミー賞にもいろいろノミネートされて話題の作品。日本は7月公開かな。以下はネタバレ注意。 30歳になるキャシーはかつて医大にも通っていた前途有望な女性だったが、ドロップアウトしていまは実家で暮らし、コーヒーショップでダラダラ働いていた。しかし彼女には裏の顔があり、それはナイトクラブで酔った振りをして、彼女に言い寄って部屋に連れ込む男たちを逆に痛い目に遭わせることだった。周到な準備をして男たちに仕置きをしていくキャシー。いったい何が彼女にそのような行為をさせるのか…というあらすじ。 話が進むうちにキャシー自身でなく幼なじみの親友が大学で性的暴行を加えられたことが示唆され、それに対する復讐としてキャシーがビジランテ的行動をとっていることが明らかになってくるのだが、「Ms.45(天使の復讐)」みたいなバイオレンスものではなくて、武器も使わずにもっと個人的な辱めを加えていくといった感じ。彼女の復讐の対象は男性に限らなくて、事件を揉み消した学長や同級生たちにも及んでいく。 ここ最近のMeTooムーブメントを強く反映しているような内容で、まあ男性が観るといろいろ気まずい思いを抱くんじゃな
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『ゴジラvsコング』鑑賞
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『ゴジラvsコング』鑑賞

HBO MAXで先に観てしまいましたが、さすがにこれは大スクリーンで観たら印象変わるだろうね。なお1962年の東宝版は未見です。以下はネタバレ注意。 * 113分というモンスターバース映画では最も短い尺であるために、「細かいことはいいんだよ!」というノリで話がガンガン進む。その反面いろいろ雑なところもあるのだけど、怪獣映画にリアリティ求めても仕方ないでしょ、と割り切ってしまえばいいのかと。ギャレス・エドワーズ版が東日本大震災をモチーフにした真面目な映画だったとしたら、こちらは「東宝チャンピオンまつり」で「みなしごハッチ」と併映されそうな、娯楽に徹した作品になっている。 * 話の中盤まで粘って粘ってゴジラの姿を見せなかったエドワーズ版と違って、今回はコングもゴジラも冒頭から全貌を見せつけてくれる大盤振る舞い。ケンカでは牙・爪・熱線が揃ったゴジラのほうが明らかにアドバンテージがあるので、弱いコングのほうがストーリー的には主役っぽい扱いになってるかな。よってゴジラは冒頭で早々とヒールターンしてちょっと悪者。怖い怪獣というよりも肥えた大トカゲみたいな演出は不満に感じる人もいるだろう。
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「Another Round」鑑賞
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「Another Round」鑑賞

こんどのアカデミー賞で監督賞と外国作品賞にノミネートされてるデンマークの作品。原題は「DRUK」。 コペンハーゲンで教師をしているマーティンおよび3人の同僚は仕事もうまくいかず、家庭でも退屈な日々を過ごし、いわゆるミッドライフ・クライシスを迎えていた。飲み仲間である4人はスウェーデンの学者による「人は血中のアルコールが0.05%低い状態で生まれてくるので、ちょっと酒が入ってる状態が一番最適なのである」という学説を見かけ、それを実践するために日中に酒を飲み、8時以降は飲まないという誓いを立てる。これにより仕事でのストレスが消えて生徒受けも良くなったマーティンたちは、さらに血中のアルコール濃度を上げようと酒に深入りするのだが…というあらすじ。 メディアではコメディ・ドラマとして紹介されてるけどコメディの要素は殆どなくて、酒に救済を求める男たちの姿を淡々と描いている感じ。聞いた話ではデンマークって未成年の飲酒率が突出して高くて社会的にも大目に見られてるそうで、劇中でも生徒と教師が飲酒についてフランクに語り合うシーンが出てきたりする。とはいえ流石に学校で酒を飲むのは禁止されてるので主人公た
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「Zack Snyder's Justice League」鑑賞
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「Zack Snyder's Justice League」鑑賞

HBO MAXで全4時間を鑑賞。以下はネタバレ注意。 まあ発表時というか発表前から、さらに言うとジョス・ウィードン版「ジャスティス・リーグ」が公開されたときからハイプに包まれた作品であったわけで、その期待度によって観る人の感想が大きく変わってくるものなのでしょう。世間的にはジョス・ウィードンが最近パワハラ疑惑などで井戸に落ちて石を投げられている犬みたいになっていることもあり、ウィードン版(通称「ジョスティス・リーグ)」をディスってスナイダー版を持ち上げる意見がネット上では多く見られるのだけど、いや流石に2時間の映画と4時間のものを比べるのは無理があるでしょ。しかもスナイダー版はウィードン版が失敗したのを受けて作られたわけで、スナイダーがウィードン版を一切観ていないと公言していても後出しジャンケン的な感があるので、今回のスナイダー版とウィードン版を比べるのはあまり意味がないと思うのです。 それで今回のを観ていて自覚したのが、自分はウィードン版の内容をよく覚えていない、ということでして、もちろんプロットなどは覚えてるのだけど細かいところまでは覚えてないので、あれこのシーンは以前にあった
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「BOSS LEVEL」鑑賞
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「BOSS LEVEL」鑑賞

米HULUのオリジナルムービー。主人公が同じ日を何度も繰り返すという「恋はデジャ・ブ」もので、HULUは昨年も同じ設定の「パーム・スプリングス」を出していたので、我々は1日ループものが毎年発表される壮大なループに陥ってるのかもしれない。以下はネタバレ注意。 話の主人公は元特殊部隊員のロイ。彼は別れた妻に会いにいった次の日から、自分が同じ1日を何度も繰り返していることに気づく。さらに何故か彼のもとには殺し屋が何人も送り込まれており、朝から次々と刺客に狙われてしまう。殺されても生き返って同じ日を迎えるので、徐々に刺客たちのパターンを読み切って少しずつ生きれる時間を伸ばしていくものの、常にどこかで殺されてしまうために自暴自棄になっていた。しかし彼の境遇の原因が、科学者である妻にあると気づいた彼は、なんとしてでも刺客たちを倒して妻と息子に会おうとするのだった…というあらすじ。 自分が何度も殺される、という点では「パーム・スプリングス」よりも「ハッピー・デス・デイ」に似ているかな。いちばん近いのは「グランド・セフト・オート」みたいなゲームの「成功するまでミッションを何度も繰り返す」という感覚
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「IRRESISTIBLE」鑑賞
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「IRRESISTIBLE」鑑賞

「ROSEWATER」に続く、元「デイリーショー」のジョン・スチュワートによる監督&脚本作品。プロデューサーにブラッド・ピット。これ日本でも公開されるらしい。 ゲリー・ジマーは2016年の大統領選挙で民主党側のコンサルタントだったが、本人の自信とは裏腹にドナルド・トランプが当選したことで彼はメディアで笑い者にされ、失意の日々を送っていた。そんな彼はウィスコンシンの小さな街で市長に立候補したヘイスティングスという男性の映像を見かける。レッドネックのようで移民の権利を主張するヘイスティングスを見たゲリーは、彼こそが農村地帯に民主党の人気を取り戻せる期待の星だと感じ、自ら街に赴いてヘイスティングスを民主党の候補に祭りあげる。そしてゲリーの活動を察知したライバルの共和党側のコンサルタントも街にやってきて、小さな街の市長選は多額の資金が流れ込む争いへと転じていく…というあらすじ。 政治を風刺したコメディ、ということで前作よりもずっと監督の得意分野ですね。田舎の他愛ない選挙が、都市部のエリートがスピンすることでアホみたいに大げさになっていく様が描かれている。必ずしも細かい政治ネタを知っておく必
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「ノマドランド」鑑賞
映画評

「ノマドランド」鑑賞

米HULU経由で視聴、日本では3月後半公開。 2011年にネバダ州のエンパイアという町にあった鉱山がリーマンショックの余波を受けて閉鎖され、ほかに収入源がなかった町自体が無くなってしまう。そこの住民だった初老の女性ファーンは夫を最近亡くしており、家も無くなった彼女は「ノマド」としてバンに寝泊りしながら職を探してアメリカ各地を彷徨うことになる。当初はアマゾンの工場で箱詰めなどを行うものの、期間限定の仕事だったためまた彼女は次の仕事を探して冬の大地をさまようことに…というあらすじ。 明確なプロットがあるわけではなくて、ファーンが職から職・土地から土地へと転々とするさまがずっと映されていく感じ。日本でも最近は車中泊ブームとかで、地方の道の駅とか温泉付近の駐車場に行くと車に寝泊まりしてそうなオッサン(大抵マナーが悪い)をよく見かけますが、ファーンの場合は帰る家のないホームレス(本人いわく「ハウスレス」)なので物事は深刻で、車が故障したら財産が底をつくどころか命の危険にも関わってくるわけで。 しかしその一方でファーンは公園の管理やったりファストフード店で働いたりとあまり仕事にあぶれないし、
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「Judas And The Black Messiah」鑑賞
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「Judas And The Black Messiah」鑑賞

アレをアレしてゴニョゴニョすることでHBO MAXに加入できたので、話題の新作を鑑賞。 60年代後半にブラックパンサー党のリーダーであったフレッド・ハンプトンを扱った伝記映画で、マーティン・ルーサー・キングやマルコムXが暗殺されたあとの時期において、ハンプトンはその持ち前の雄弁さとカリスマ性を活かしてブラックパンサーの主導者として頭角を現し、ほかの黒人グループはおろかヒスパニックのグループや白人至上主義者たちとも組み、反権力・反警察を訴えていく。ハンプトンの台頭に危機感を抱いたFBIは、しがないチンピラのビル・オニールを逮捕し、ブラックパンサーに内偵として送り込む。FBIに情報を流しつつも、ハンプトンのそばにいることで彼に感銘を受けるオニール。ハンプトンが収監された際にパンサー党の役職にまで就いた彼は内偵を辞めようとするものの、FBIに今までのことをバラすと脅されてしまう。そしてFBIはオニールにあることを命じるのだった…というあらすじ。 ハンプトンを演じるのがダニエル・カルーヤで、オニール役がラキース・スタンフィールド。フレッド・ハンプトンって亡くなったのがなんと若干21歳のとき
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「DEAD PIGS」鑑賞
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「DEAD PIGS」鑑賞

中国語名は「海上浮城」で、「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」を監督したキャシー・ヤンの2018年のデビュー作。 2時間にわたる群像劇になっていて、話の中心になるのは投資に失敗して借金取りに追われている豚農家と、その姉(妹?)で美容院を経営しており、自宅が高級マンションの建設予定地域にあっても唯一立ち退かず、建設会社の地上げ攻勢を受けている女性。彼らの住む地域から少し離れた上海では豚農家の息子がバーの従業員を務めており、そこに通う金持ちの娘に彼は恋慕している。そして豚農家が飼育している豚たちが謎の原因で次々と死んでしまったことから、処分に困った彼は豚の死骸を上海の上流にある川に投げ捨てるのだが…というあらすじ。 上海を流れる黄浦江に豚の死骸が不法投棄された、2013年の事件をモチーフにしているが、社会派作品というよりもコメディっぽく現代の中国を風刺した内容になっている。地上げ問題をはじめ、都市と田舎の貧富の差とか、文化の西洋化などがテーマかな。中国の映画公開における当局の検閲基準って本当に謎で、個人的にも胃がキリキリした経験があるのですが、こういう社会風刺
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「THE CLIMB」鑑賞
映画評

「THE CLIMB」鑑賞

昨年高い評価を受けたインディペンデント系のコメディ映画。マイクとカイルという男性ふたりの、題名通り山あり谷ありの友情をテーマにしたもので、彼らの人生の出来事が8つの章に別れて描かれていく。 まずはフランスに旅行に出かけ、自転車でツーリングを楽しんでいたふたりだが、マイクは自分がカイルの婚約者と寝ていることを打ち明ける。それを聞いて当然逆上するカイル。しかし婚約者は結局のところマイクと結婚してしまう。だが彼女はすぐに亡くなってしまい、葬式にやってきたカイルはマイクと喧嘩することに。とはいえ二人はまたよりを戻し、カイルは別の女性と結婚することにするが、マイクがまた彼女と寝てしまい…というあらすじ。 これだけだとマイクが人間のクズのように思えるかもしれないが、悪賢いというよりも単純にダメなやつで、決して憎めない奴なんですよ。一方のマイクも素朴な気のいいやつで、妻がカイルのことをなじっても彼のことを見捨てることができず、結局は彼との友情を選ぶという素晴らしきブロマンス作品。 明確なコメディになっておらず、時には人生における暗い展開もあったりするものの、主人公ふたりの掛け合いやドタバタが絶
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「HAM ON RYE」鑑賞
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「HAM ON RYE」鑑賞

「リチャード・リンクレイター meets デビッド・リンチ」という謎の評価を受けているインディペンデント映画。チャールズ・ブコウスキーの同名小説とは関係ない。以降はネタバレ注意。 舞台はアメリカの名もなき小さな町。そこに住むティーンの男女は人生において最も重要な日に、彼らの祖父母が着ていた服に身を包み、何キロも歩いてモンティーズというデリカテッセンにやってくる。無垢な少女たち、オタクな少年たち、悪ガキたちがモンティーズに集まったあと、彼らはダンスを踊り、男女で指を差し合ってパートナーを探す奇妙な儀式を行う。それによって相手が決まる者もいるし、そうでない者もいる。いずれにせよ皆はそのあとパーティーをして、楽しそうに帰途につくのだが、そのうち何人かは宙に消えていく。 ここまでが牧歌的な前半で、後半はもっと暗い雰囲気になって、何もない町で夜にぶらつくだけの不良少年や、大学に進学して町を去ることもできない少女の先が見えない話が断続的に出てきて終了。 あらすじ、これで合ってるかな?監督が意図的に訳わからんように作ったようで、劇中での説明などが一切ないのよ。あらすじだけ読むと「ミッドサマー」
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「NIMIC」鑑賞
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「NIMIC」鑑賞

先日「FAMILY ROMANCE, LLC」を無料公開していた、アートハウス映画を扱う配信サービスMUBIが3ヶ月間で100円(ドルでなくて円で請求)という大ディスカウントをやっていたので早速加入。海外の配信サービスにありがちなジオブロッキングもなく、日本からサクサク観れて意外と快適。カタログ方式というよりもキュレーション型なので、観たいものを検索するというよりもオススメされたものを観るような感じだが、世界各国の聞いたこともないような映画がいろいろ観られるようなので結構面白いかもしれない。 それでまず観たのがヨルゴス・ランティモスの新作短編「NIMIC」。10分ほどの作品で、マット・ディロンが演じる主人公はニューヨーク?に住む一家の父親で、オーケストラでチェロを弾いている。ある日彼が地下鉄でとある女性に声をかけたところ、彼女はそのまま彼の家にまでついてきて、さらには一家の父親であると主張する。主人公の妻子も誰が父親であるか判断できず、ついに主人公は家を追い出されてしまう…という内容。 アイデンティティの喪失とか実存的なホラーといった難しい説明もできるのでしょうが、単純に不条理な作
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